はちねつじごく【八熱地獄】
仏教のことばで、数ある地獄のうち、炎と熱による苦しみで苛さいなまれる八種の地獄の総称。
はちめんれいろう【八面玲瓏】
どこから見ても透き通っていて、曇りのないさま。また、心中にわだかまりがなく、清らかに澄みきっているさま。また、だれとでも円満、巧妙に付き合うことができるさま。▽「八面」はあらゆる方面、四方八方。「玲瓏」は玉のように美しく輝くさま。澄みきって美しいさま。
はちめんろっぴ【八面六臂】
多方面で、めざましい活躍をすること。また、一人で何人分もの活躍をすること。もとは仏像などで八つの顔と六本の腕をもっていること。▽「面」は顔、「臂」はひじ・腕。
はっかんじごく【八寒地獄】
仏教でいう地獄のうち、寒さと氷で亡者を苦しめる八種の地獄の総称。
はっこういちう【八紘一宇】
全世界を一つにまとめて、一家のように和合させること。第二次大戦のとき日本が国家の理念として打ち出し、海外進出を正当化するスローガンとして用いた。▽「八紘」は天地の八方の隅、地の果てまでの意。転じて、全世界の意。「宇」は家の意。
はっこくぶんめい【白黒分明】
善悪などの区別がはっきりしているさま。▽「白黒」は善悪・正邪・是非などの意。「分明」は明白なこと。
はっさくきゅうきゅう【八索九丘】
古書の名。▽「八索」は八卦はっかを、「九丘」は地理を記すといわれるが、現在は伝わっていない。ともに中国古代の書物の名。
はっぷんこうき【発憤興起】
心を奮い起こして立ち上がること。気持ちを奮い立たせて、つとめ励むこと。▽「発憤」は心を奮い立たせること。「興起」は奮い起こす、立ち上がること。「憤」は「奮」とも書く。
はっぷんぼうしょく【発憤忘食】
心を奮い起こして、食事をとるのも忘れるほどに励むこと。▽「発憤」は心を奮い立たせること。「発憤はっぷんして食しょくを忘わする」と訓読する。「憤」は「奮」とも書く。
はっぽうびじん【八方美人】
だれに対しても、如才じょさいなく振る舞うこと。また、そのような人。どこから見ても欠点のない美人の意から。▽「八方」はあらゆる方向。この言葉は、悪い意味で用いられることが多い。
はつじんしんせい【発人深省】
人を発憤させ啓発して、物事を深く考えるようにさせること。▽「発」は啓発すること。「深省」は深くかえりみ、考えること。
はつらんはんせい【撥乱反正】
乱れた世の中を治めて、正常な世に戻すこと。▽「撥」は治める意。「反」は返す、戻す意。「乱らんを撥おさめて正せいに反かえす」と訓読する。
はてんこうかい【破天荒解】
いままでだれも成し遂げえなかったことを実現すること。また、型破りなこと。
はとうばんり【波濤万里】
はるか海を隔てた、遠い異国の地。
はなさきふんべつ【鼻先分別】
目先のことにとらわれた浅薄な考え。鼻先思案。
はなもとじあん【鼻元思案】
[名・形動]きわめてあさはかな考え。また、そのさま。喉元(のどもと)思案。鼻元料簡。「いかにも—な話だが」〈志賀・暗夜行路〉
はふちんせん【破釜沈船】
決死の覚悟で出陣すること。生きて帰らない決意を示すこと。出陣のとき、飯を炊く釜かまを打ち壊し、船を沈めて退路を断つ意から。▽「釜かまを破やぶり船ふねを沈しずむ」と訓読する。
はらてきけつ【爬羅剔抉】
隠れた人材を、あまねく求めて用いること。また、人の欠点や秘密をあばき出すこと。つめでかき集め、えぐり出す意から。▽「爬」はつめなどでかき寄せる、「羅」は網で鳥を残らず捕る意。「剔」「抉」はともに、そぎ取る、えぐり取る意。「爬羅」があまねく人材を求めることで、「剔抉」が悪い者を除き去る意とする説もある。
はらんばんじょう【波瀾万丈】
変化がきわめて激しく、劇的であるさま。▽「波瀾」はごたごた・もめごと。また、単調でなく複雑に変化すること。「瀾」は大波。「万丈」は非常に高いことや深いことの形容。「丈」は長さの単位。「瀾」は「乱」とも書く。
はんあいけんり【氾愛兼利】
人を区別なく広く愛し、互いに利益を与え合うこと。中国戦国時代の墨子ぼくしの思想。▽「氾愛」は広くすみずみまで愛情を及ぼす意。博愛。汎愛。「兼利」は利益を共にして、広く分け合う意。「兼」は自他の区別をせず、広く…すること。ともに。
はんかんくにく【反間苦肉】
敵の間者を使って敵情を知り、敵の仲を裂く「反間の計」と、自分の身を傷つけて、相手の信頼を得て密偵行為を行う「苦肉の計」のこと。敵をあざむき仲違なかたがいさせるために、自分の身を痛めつけて見せること。また、目的達成のためのあらゆる手段のこと。苦肉之計くにくのけい反間之計はんかんのけい
はんかんはんみん【半官半民】
半ばは官、半ばは民の意で、政府と民間が共同出資して事業を行うこと。また、その事業。
はんげんきゅうかん【繁絃急管】
にぎやかで華麗な音楽。また、楽曲の調べが佳境に入って盛り上がっていくこと。
はんげんさいじ【煩言砕辞】
わずらわしくて細かい言葉。▽「煩」はわずらわしい意。「砕」は細かい意。「辞」は言葉。
はんしはんしょう【半死半生】
ほとんど死にかかっていること。今にも死にそうで、やっと生きている状態。▽「死」は「じ」、「生」は「せい」「じょう」とも読む。
はんしんはんぎ【半信半疑】
半分は信じているが、半分は疑っている状態。うそか本当か判断に迷う様子。
はんしんふずい【半身不随】
脳障害などで、からだの右半身または左半身が麻痺まひして不自由になる症状。
はんせいはんすい【半醒半睡】
半ば目覚め、半ば眠った状態。意識が朦朧もうろうとしてはっきりしないさま。▽「醒」は目が覚める意。「睡」は眠る意。「半睡半醒はんすいはんせい」ともいう。
はんせきほうかん【版籍奉還】
各藩主が、領地と領民を朝廷に返還した政治改革。明治二年、木戸孝允きどたかよし、大久保利通おおくぼとしみちらの画策で、薩摩さつま長州・土佐・肥前佐賀の各藩主が奉還し、他の藩もこれにならった。▽「版籍」は版図と戸籍。転じて、領地とその人民のこと。「奉還」はお返しする意。「版」は「藩」とも書く。
はんちはんかい【半知半解】
半分知って半分理解している意で、知ってはいるけれども、十分には理解していないこと。
はんぶんじょくれい【繁文縟礼】
礼儀や規則・形式などがこまごまして煩わしいこと。▽「文」はあや・飾り、また礼儀・規則の条文などの意。「繁文」はこまごました飾り。規則などがこまごまと煩わしいこと。「縟」は煩わしい、込み入っている意。「縟礼」は込み入った礼儀作法のこと。略して「繁縟」ともいう。
はんぷくほうまん【帆腹飽満】
舟の帆ほが風をいっぱいに含んで膨らんでいるさま。舟が帆いっぱいに風を含んで軽快に進む様子をいう。▽「帆腹」は舟の帆。「飽満」は飽きるほど満腹に食べる意で、ここでは帆に風をいっぱい含むさま。
はんぽのしゅう【反哺之羞】
親の恩に報いて、食べさせる食べ物。親孝行のたとえ。
はんめんきょうし【反面教師】
悪い面の見本で、それを見るとそうなってはいけないと教えられる人や事例のこと。それを見ることで、反省の材料となるような人や事例。その言行が、そうしてはいけないという反対の面から、人を教育するのに役立つのでいう。