あかし‐かくいち【明石覚一】
[1300ころ〜1371]南北朝時代の平曲家。一方(いちかた)流の祖、如一(にょいち)の弟子。平家物語の詞章・曲節を改訂し、平曲の基礎を築いた。
あかし‐しがのすけ【明石志賀之助】
初代横綱とされる力士。宇都宮藩士の子で、寛永年間(1624〜1644)に活躍したとされるが、実在の確証はない。→第2代横綱綾川
あかせがわ‐げんぺい【赤瀬川原平】
[1937〜2014]美術家・小説家。神奈川の生まれ。本名、克彦。千円札を模した作品を制作・発表し、通貨及証券模造取締法違反に問われ有罪となる。「朝日ジャーナル」「ガロ」誌などにイラストを連載。...
あかせがわ‐しゅん【赤瀬川隼】
[1931〜2015]小説家。三重の生まれ。本名、隼彦(はやひこ)。小説家・美術家である赤瀬川原平(げんぺい)の兄。銀行員などを経て作家活動に入る。「白球残映」で直木賞受賞。特に野球小説に健筆を...
あかぞめ‐あきこ【赤染晶子】
[1974〜2017]小説家。京都の生まれ。平成16年(2004)「初子さん」で文学界新人賞を受賞し作家デビュー。「乙女の密告」で芥川賞受賞。
あかぞめ‐えもん【赤染衛門】
[960ころ〜1040ころ]平安中期の女流歌人。藤原道長の妻倫子(りんし)と上東門院彰子に仕え、のち大江匡衡(おおえのまさひら)と結婚。家集に「赤染衛門集」。
あかば‐すえきち【赤羽末吉】
[1910〜1990]絵本画家・絵本作家。東京の生まれ。「かさじぞう」の挿絵で絵本画家としてデビュー。墨絵や大和絵の画法を用いるなど、多彩な表現で多くの作品を残した。昭和55年(1980)国際ア...
あかぼり‐しろう【赤堀四郎】
[1900〜1992]生化学者。静岡の生まれ。阪大学長。たんぱく質の研究で業績をあげた。文化勲章受章。
あかまつ‐かつまろ【赤松克麿】
[1894〜1955]社会運動家。山口の生まれ。東大在学中、新人会を創立。日本共産党創立に参加。弾圧にあい転向。社会民衆党書記長となるが、国家社会主義に転じ、のち大政翼賛会企画部長。
あかまつ‐のりむら【赤松則村】
[1277〜1350]南北朝時代の武将。法名は円心。元弘の変では天皇方に属して討幕に参加したが、建武の中興後は足利尊氏(あしかがたかうじ)を助けて北軍で活躍し、播磨(はりま)の守護となった。
あかまつ‐みつすけ【赤松満祐】
[1381〜1441]室町中期の武将。則村の曽孫。播磨(はりま)・備前・美作(みまさか)の守護。嘉吉(かきつ)の乱で将軍足利義教(あしかがよしのり)を殺して領国播磨に帰り追討軍に攻められて自害。
あかまつ‐よしのり【赤松義則】
[1358〜1427]南北朝・室町初期の武将。則祐の子。明徳の乱で山名氏追討に戦功をあげ、旧領美作(みまさか)を回復、播磨・備前と合わせて三国の守護職を兼ねた。また、侍所の所司となって四職(しし...
アガサ‐クリスティ【Agatha Christie】
⇒クリスティ
クリスティ【Agatha Christie】
[1890〜1976]英国の女流推理作家。探偵ポアロやミス=マープルが活躍する、卓抜した着想・展開の作品を書いた。作「そして誰もいなくなった」「アクロイド殺人事件」「オリエント急行の殺人」など。
あがたいぬかい‐の‐たちばな‐の‐みちよ【県犬養橘三千代】
[?〜733]奈良前期の女官。美努(みぬ)王に嫁して橘諸兄(たちばなのもろえ)を産み、藤原不比等に再嫁して光明皇后を産んだ。文武・聖武天皇の養育にあたり、橘姓を賜って権勢を振るった。橘三千代。
あがわ‐ひろゆき【阿川弘之】
[1920〜2015]小説家。広島の生まれ。戦後、志賀直哉に師事。海軍予備学生の体験や広島を描いた作品が多い。「春の城」で昭和27年度(1952)読売文学賞受賞。他に「雲の墓標」「暗い波濤(はと...
あきしの‐の‐みや【秋篠宮】
宮家の一。平成2年(1990)平成天皇の第2皇子文仁親王が創立。
あきた‐うじゃく【秋田雨雀】
[1883〜1962]劇作家・児童文学者。青森の生まれ。本名、徳三。島村抱月の門下。のちプロレタリア芸術運動に参加。戯曲「埋れた春」「国境の夜」など。
あきた‐みのる【秋田実】
[1905〜1977]漫才作家。大阪の生まれ。本名、林広次。横山エンタツ・花菱アチャコの漫才台本を執筆、ミヤコ蝶々・南都雄二を育てるなど、上方漫才の育成に貢献。著作に「私は漫才作者」など。
アキノ【Aquino】
(Benigno Servillano 〜 Jr.)[1932〜1983]フィリピンの政治家。1967年に上院議員に当選。1972年、マルコス大統領の戒厳令下で逮捕・投獄される。1980年から...
あきひと‐しんのう【彰仁親王】
[1846〜1903]幕末から明治時代の皇族。伏見宮邦家親王の第8王子。陸軍大将・元帥。維新後、東伏見宮と称し、さらに小松宮と改称。議定・軍事総裁・参謀総長などを務めた。
あきもと‐ふじお【秋元不死男】
[1901〜1977]俳人。神奈川の生まれ。本名、不二雄。「氷海」を創刊、主宰。俳句「もの」説で反響を呼んだ。句集「街」「瘤」など。
あきもと‐まつよ【秋元松代】
[1911〜2001]劇作家。神奈川の生まれ。秋元不死男の妹。三好十郎に師事。売春婦問題を扱った「もの云わぬ女たち」のほか、主な作品に「常陸坊海尊」「かさぶた式部考」「七人みさき」「近松心中物語...
あきやま‐ぎょくざん【秋山玉山】
[1702〜1764]江戸中期の儒学者。豊後(ぶんご)の人。名は儀、字(あざな)は子羽。通称、儀右衛門。昌平黌(しょうへいこう)に学び、のち熊本藩に仕えた。時習館建設を進言。著「玉山詩集」など。
あきやま‐さねゆき【秋山真之】
[1868〜1918]海軍中将。愛媛の生まれ。好古(よしふる)の弟。日露戦争で東郷平八郎連合艦隊司令長官の参謀。「天気晴朗なれども波高し」などの戦報の名文で知られる。
あきやま‐しゅん【秋山駿】
[1930〜2013]評論家。東京の生まれ。「内向の世代」を代表する文芸評論家として、人間の内面を凝視する評論で知られる。報知新聞社に在職中の昭和35年(1960)、評論「小林秀雄」で群像新人文...
あきやま‐ていすけ【秋山定輔】
[1868〜1950]政治家。岡山の生まれ。明治26年(1893)「二六(にろく)新報」を創刊。日露戦争のときロシアのスパイの嫌疑を受けて、衆議院議員を辞職。孫文らと親交を重ね、その革命運動を支援。
あきやま‐よしふる【秋山好古】
[1859〜1930]陸軍大将。愛媛の生まれ。真之の兄。騎兵の育成に努め「日本騎兵の父」とよばれた。
アギナルド【Emilio Aguinaldo】
[1869〜1964]フィリピン独立運動の指導者。スペイン支配に抵抗し、1899年、共和国大統領となる。植民地化をめざす米国と対立して失敗。1901年、政界から引退。
あく‐さふ【悪左府】
藤原頼長(ふじわらのよりなが)の異称。
アクサーコフ【Sergey Timofeevich Aksakov】
[1791〜1859]ロシアの小説家。貴族の出身。故郷の自然や人々の暮らしを徹底した写実により描いた。作「家族の歴史」「孫バグローフの幼年時代」など。
あく‐しちびょうえ【悪七兵衛】
平景清(たいらのかげきよ)の異称。
アクショーノフ【Vasiliy Pavlovich Aksyonov】
[1932〜2009]ロシアの小説家。ソ連時代に長編「星の切符」などで反逆的な若者を大胆に描き、1960年代の青春文学の旗手となった。1980年には米国に移住。他に「月への道半ば」「モスクワ物語...
あくたがわ‐やすし【芥川也寸志】
[1925〜1989]作曲家。東京の生まれ。竜之介の子。東京音楽学校卒。橋本国彦らに師事し、多彩な作品を発表。昭和28年(1953)、団伊玖磨、黛敏郎と「三人の会」を結成。代表作に「交響三章」「...
あくたがわ‐りゅうのすけ【芥川竜之介】
[1892〜1927]小説家。東京の生まれ。第三次・第四次「新思潮」同人。大正5年(1916)「鼻」で夏目漱石に認められて作家として登場。新技巧派の代表作家とされる。昭和2年(1927)自殺。命...
アクダ【阿骨打】
[1068〜1123]中国の金の初代皇帝。在位1115〜1123。完顔(ワンヤン)部の首長として女真(じょしん)族を統一。のち中国北部を平定。1115年、都を会寧に定め、国号を大金国とし、自ら皇...
アクバル【Jalāl al-Dīn Muḥammad Akbar】
[1542〜1605]インドのムガル帝国第3代の皇帝。在位1556〜1605。帝国の基礎の確立者。寛容な宗教政策によって、イスラム・ヒンズー両教徒の融和に努めた。アクバル大帝。
アグリコラ【Georgius Agricola】
[1494〜1555]ドイツの鉱山学者。医師のかたわら鉱山学を研究し、鉱山・冶金(やきん)学の書「デ‐レ‐メタリカ」を著した。鉱山学の父とよばれる。
アグリッパ【Marcus Vipsanius Agrippa】
[前63ころ〜前12]古代ローマの将軍・政治家。アクティウムの海戦で活躍。属州統治や大土木事業にもすぐれた業績を残した。
あけち‐ひでみつ【明智秀満】
[1537〜1582]安土桃山時代の武将。明智光秀の女婿とも従弟ともいわれる。別名、左馬助(さまのすけ)光春。光秀の先陣として本能寺を攻めたが、のち安土で敗れ、坂本城に逃れて自害。
あけち‐みつひで【明智光秀】
[1528ころ〜1582]安土桃山時代の武将。織田信長に仕え、近江(おうみ)坂本城主。天正10年(1582)京都の本能寺に主君信長を襲って自害させたが、まもなく山崎で羽柴秀吉に敗れ、敗走の途中...
あけら‐かんこう【朱楽菅江】
[1740〜1799]江戸後期の狂歌師・洒落本作者。江戸の人。幕臣で本名は山崎景貫(やまざきかげつら)。大田南畝(おおたなんぽ)・唐衣橘洲(からごろもきっしゅう)とともに、天明狂歌壇の中心的人物...
あこや【阿古屋】
平景清(たいらのかげきよ)の愛人。京都五条坂の遊女で、近松門左衛門作「出世景清」や文耕堂・長谷川千四合作「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)」などに登場する。
あさい‐ちゅう【浅井忠】
[1856〜1907]洋画家。江戸の生まれ。フォンタネージに師事。明治美術会を創立。褐色を主調とした穏和な写実主義の作風を示す。フランス留学から帰国後は京都に住み、後進の指導に尽力。
あさい‐ながまさ【浅井長政】
[1545〜1573]戦国時代の武将。近江(おうみ)小谷城主。織田信長の妹お市を妻として織田家と同盟を結んだが、のち信長と対立。元亀元年(1570)姉川の戦いに敗れ、さらに本拠の小谷城を攻められ...
あさい‐まかて【朝井まかて】
[1959〜 ]小説家。大阪の生まれ。コピーライターを経て作家となる。明治の歌人、中島歌子の生涯を描いた「恋歌(れんか)」で直木賞受賞。他に「実さえ花さえ」など。
あさい‐りょう【朝井リョウ】
[1989〜 ]小説家。岐阜の生まれ。本名、佐々井遼。大学在学中に「桐島(きりしま)、部活やめるってよ」でデビュー。「何者」で直木賞受賞。他に「もういちど生まれる」「少女は卒業しない」など。
あさい‐りょうい【浅井了意】
[1612ころ〜1691]江戸前期の仮名草子作者。武士から浄土真宗の僧となった。号は瓢水子、松雲。著作に「御伽婢子(おとぎぼうこ)」「狗張子(いぬはりこ)」「東海道名所記」など。
あさか‐ごんさい【安積艮斎】
[1791〜1861]江戸後期の儒学者。別号、見山楼。岩代(いわしろ)の人。佐藤一斎・林述斎に学び、のち昌平黌(しょうへいこう)教授。著「艮斎文略」「見山楼詩集」など。
あさか‐たんぱく【安積澹泊】
[1656〜1738]江戸中期の儒学者。名は覚(さとる)。水戸藩士。彰考館総裁として「大日本史」の編纂(へんさん)に従事。主著「大日本史賛藪(さんそう)」。