たき-ぼうよう【多岐亡羊】
枝道が多いため逃げた羊を見失うように、どれを選んだらよいのか
思案にあまることのたとえ。道を求める者が
末節にこだわり、
真理に
到達し難いこと。
学問の道があまりに細分化しすぎ、
真理が見失われがちになるたとえ。▽「岐」は
枝道・分かれ道。「亡」は逃げる意。「岐
き多
おおくして羊
ひつじを亡
うしなう」と
訓読する。
- 出典
- 『列子れっし』説符せっぷ
- 句例
- 多岐亡羊のそしりを免れない
- 用例
- 世人をしてその帰着するところを知らず、多岐亡羊の感を起こさしむるに至れり。<正岡子規・獺祭書屋俳話>
- 類語
- 岐路亡羊 亡羊之嘆
- 故事
- 中国戦国時代、羊一匹が逃げたので、それを大勢で追いかけたが分かれ道が多いため、取り逃がしてしまった。それを聞いた隣家の思想家楊朱ようしゅは、学問も同様であると深く悲しむ様子をしたという故事から。