
1 五十音図カ行の第4音。軟口蓋の無声破裂子音[k]と母音[e]とから成る音節。[ke]
2 平仮名「け」は「計」の草体から。片仮名「ケ」は「介」の省画から。
1 仏語。教え導くこと。教化 (きょうけ) 。
2 仏・菩薩 (ぼさつ) が人々を教化するために、姿を変えて現れること。
3 高僧が死ぬこと。遷化 (せんげ) 。
木 (き) 。
「松の―の並 (な) みたる見れば家人 (いはびと) の我を見送ると立たりしもころ」〈万・四三七五〉
1 生物の体表に生えている糸状のもの。鞭毛 (べんもう) ・繊毛・刺毛・剛毛・羽毛なども含む。
㋐哺乳類の皮膚に生じる表皮の変形器官。全身のほとんどを覆う、角質の構造物。
㋑頭髪。髪の毛。「―を染める」
㋒羊毛。「―のシャツ」
㋓植物体の表面に生じる細長い糸状のもの。「タンポポの―」
㋔鳥などの羽毛。「鳥の―をむしる」
2 細い毛状のもの。「ブラシの―」
3 非常にわずかなことをたとえるのに用いる。「そんな気は―ほどもない」
4 鎧 (よろい) の威 (おどし) の糸。おどしげ。
「同じ―の鎧を二両まで置きたりけるを」〈太平記・二六〉
5 作物。特に稲の穂の実り。作毛。
「秋の―の上を賜ひて下ぐべきにてありけるに」〈沙石集・三〉
6 魚のうろこ。特に鯉のうろこ。
「鯉に限って、うろこをふくとは申さぬ、―をふくと申す」〈虎寛狂・惣八〉
仏語。実体のないこと。名称のみであること。
1 そのものがもつ要素や傾向。また、それが感じられる状態・気配。「火の―」「血の―」「泣き上戸の―がある」
2 そのものから発して、その存在を感じとらせるもの。気体状のもの。におい。味など。
「東おもての朝日の―いと苦しければ」〈かげろふ・下〉
3 それを感じられる心の状態。気分。心地。
「恐しき―も覚えず」〈源・夕顔〉
4 気候。天気。
「―を寒み葦 (あし) の汀 (みぎは) もさえぬれば流ると見えぬ池の水鳥」〈和泉式部続集〉
5 病気。
「脚の―起こりて」〈落窪・三〉
6 (多く「気が付く」の形で)産気。
「今朝から―がつきて、今日生まるるとて」〈浮・胸算用・二〉
1 動詞・形容詞に付いて、なんとなく、漠然としたなどの意を表す。「―おされる」「―だるい」
2 主として形容詞、時に動詞・形容動詞に付いて、ようすが…であるという意を表す。「―おそろし」「―うとし」「―あなどる」「―ざやか」
動詞「く(来)」の連用形「き」の上代東国方言。
「水鳥の発 (た) ちの急ぎに父母に物言 (は) ずけにて今ぞ悔しき」〈万・四三三七〉
原因、理由を表す語。ゆえ。ため。
「泣く泣くよばひ給ふ事、千度ばかり申し給ふ―にやあらむ、やうやう雷鳴止みぬ」〈竹取〉
《「笥 (け) 」と同語源》食物。食事。
「―訖 (をは) りて散 (あか) れむとするに」〈舒明紀〉
動詞「く(消)」の未然・連用形。→く(消)
[接尾]
1 姓氏などに付いて、その一族またはその成員であることを表す。「佐藤―」「創業―」
2 官職・称号などに付いて、敬意を表す。「将軍―」「右大臣―」
⇒けん