あべ‐の‐せいめい【安倍晴明】
[921〜1005]平安中期の陰陽家(おんようけ)。土御門(つちみかど)家の祖。彼の占いや予言をたたえた説話は今昔物語集・宇治拾遺物語などにみられる。著「占事略決」。
あべ‐の‐なかまろ【阿倍仲麻呂】
[698〜770]奈良時代の学者。遣唐留学生として入唐。玄宗皇帝に重く用いられ、朝衡(ちょうこう)と称した。乗船が難破して帰国できず、唐の地で没。
あべ‐の‐ひらぶ【阿倍比羅夫】
古代の武将。7世紀中ごろ、斉明天皇の時日本海沿岸の蝦夷(えぞ)を討ち、天智天皇の時百済(くだら)救援のため唐・新羅(しらぎ)と戦ったが、白村江(はくすきのえ)の戦いで敗れた。生没年未詳。
あべ‐のぶゆき【阿部信行】
[1875〜1953]軍人・政治家。石川の生まれ。陸軍大将。昭和14年(1939)首相。第二次大戦への不介入、日中戦争の早期解決を声明したが実践できず、4か月余りで内閣総辞職。
あべ‐の‐むねとう【安倍宗任】
平安中期の陸奥の豪族。頼時の子。貞任の弟。鳥海三郎ともいう。前九年の役で源頼義・義家父子と戦い、降伏して伊予に流刑。生没年未詳。
あべ‐の‐よりとき【安倍頼時】
[? 〜1057]平安中期の陸奥の豪族。子の貞任・宗任とともに、前九年の役で源頼義・義家父子と戦い、敗死。
アベ‐プレボー【abbé Prévost】
《アベはフランス語で神父の意》フランスの小説家プレボーの通称。
あべ‐まきお【阿部牧郎】
[1933〜2019]小説家。京都の生まれ。官能小説や評伝、野球小説など多彩なジャンルで活躍し、「それぞれの終楽章」で直木賞受賞。他に「蛸と精鋭」「ドン・キホーテ軍団」など。
あべ‐まさひろ【阿部正弘】
[1819〜1857]江戸末期の老中。備後(びんご)福山藩主。幕末開国のときの老中首座として和親条約を締結。
あべ‐よししげ【安倍能成】
[1883〜1966]哲学者・教育家・評論家。愛媛の生まれ。夏目漱石の門下。一高校長。第二次大戦後、文部大臣、学習院院長を歴任。著「カントの実践哲学」「西洋近世哲学史」など。
アベラール【Pierre Abélard】
[1079〜1142]フランスのスコラ哲学者・神学者。教会の権威や伝統を大胆に批判。女弟子エロイーズとの恋愛は有名。
あべ‐りゅうたろう【安部竜太郎】
[1955〜 ]小説家。福岡の生まれ。本名、良法(よしのり)。区役所職員や図書館司書を経て作家デビュー。「血の日本史」で注目され、その後も歴史小説を中心に活躍。「等伯(とうはく)」で直木賞受賞。...
アベル【Abel】
旧約聖書の創世記に記されるアダムとイブとの次子。神に羊の初子を捧げて受け入れられたが、そのことを恨んだ兄カインに殺された。
アベロエス【Averroës】
イブン=ルシュドのラテン語名。
アボガドロ【Amedeo Avogadro】
[1776〜1856]イタリアの物理学者・化学者。アボガドロの法則を発表。
あぼ‐しんのう【阿保親王】
[792〜842]平城天皇の皇子。在原業平(ありわらのなりひら)の父。薬子(くすこ)の変に連座して大宰権帥(だざいのごんのそち)に左遷。のち許されて帰京、その子らに在原の姓を賜った。
アポリネール【Guillaume Apollinaire】
[1880〜1918]フランスの詩人。ダダイスムやシュールレアリスムなどの前衛派の先駆者。詩集「アルコール」「カリグラム」など。
アポロニウス【Apollōnios】
[前295ころ〜前215ころ]古代ギリシャの詩人。著「アルゴナウティカ」。アポロニオス。
アポロニウス【Apollōnios】
[前250ころ〜前190ころ]古代ギリシャの数学者。小アジアのペルゲの人。幾何学、特に楕円・放物線・双曲線などの円錐曲線を研究した。アポロニオス。
あまくさ‐しろう【天草四郎】
[1621〜1638]江戸初期のキリスト教信者。本名、益田時貞(ますだときさだ)。16歳で島原天草一揆の首領に推され、原城で90日間籠城(ろうじょう)の末、敗死。
あまくに【天国】
8世紀初めごろ大和にいたという刀工。刀工の祖とされる。また、その製した刀剣。
あまこ‐かつひさ【尼子勝久】
[1553〜1578]戦国時代の武将。経久(つねひさ)の曽孫。毛利氏に滅ぼされた尼子家を再興したが、のち毛利軍と戦って敗死。
あまこ‐じゅうゆうし【尼子十勇士】
尼子氏滅亡後、勝久を擁して尼子氏再興に尽くした10人の勇士。山中鹿之助・秋宅庵之介・横道兵庫之介・早川鮎之介・尤道理之介・寺本生死之介・植田早稲之介・深田泥之介・藪中荊之介・小倉鼠之介。
あまこ‐つねひさ【尼子経久】
[1458〜1541]戦国時代の武将。出雲の守護代であったが、室町幕府軍に追われ、のち山陰各地を攻略して、大内氏・毛利氏と対立。
あまこ‐はるひさ【尼子晴久】
[1514〜1562]戦国時代の武将。経久の孫。永禄元年(1558)毛利軍を破り、石見(いわみ)銀山を手に入れて尼子氏の全盛期を迎えた。出雲など8か国の守護。
あま‐しょうぐん【尼将軍】
源頼朝の妻政子の異称。夫の死後、尼の身で幕政を動かしたことからいう。→北条政子
あまだ‐ぐあん【天田愚庵】
[1854〜1904]歌人。福島の生まれ。本名、甘田久五郎、のち五郎と改名。諸国を流浪。万葉調の歌を作って正岡子規に影響を与えた。
あまの‐さだかげ【天野信景】
[1663〜1733]江戸中期の国学者。尾張藩士。随筆に「塩尻」がある。
あまの‐ひろし【天野浩】
[1960〜 ]工学者。静岡の生まれ。名古屋大学在学時に赤崎勇の研究室に入り、青色発光ダイオードの開発に寄与。平成26年(2014)、赤崎勇・中村修二とともにノーベル物理学賞受賞。同年、文化勲章受章。
あまのや‐りへえ【天野屋利兵衛】
[?〜1727]江戸中期の大坂商人。赤穂義士のために武具を準備して助け、追放になったといわれる。「仮名手本忠臣蔵」では天川屋義平。
アミエル【Henri-Frédéric Amiel】
[1821〜1881]スイスの哲学者・文学者。生前は無名であったが、死後、三十数年間にわたる「日記」の一部が出版され、広く知られるようになった。
あみだ‐ひじり【阿弥陀聖】
空也(くうや)上人の異名。 平安末期から鎌倉期にかけて、阿弥陀仏の名を唱えて、人々を勧化(かんげ)した法師。あみだのひじり。
あみの‐よしひこ【網野善彦】
[1928〜2004]歴史学者。山梨の生まれ。渋沢敬三の創設した日本常民文化研究所に勤務し、漁村資料の収集を行う。海民・職人など非農業民の世界に着目、従来の農民偏重の歴史学に一石を投じた。著「中...
アムンゼン【Roald Amundsen】
[1872〜1928]ノルウェーの探検家。1911年、スコット隊に先んじて最初に南極点へ到達。のち、北極海で遭難したノビレ探検隊を救助に行き、行方不明となる。
あめのもり‐ほうしゅう【雨森芳洲】
[1668〜1755]江戸中期の儒学者。近江(おうみ)の人。名は俊良、字(あざな)は伯陽。朝鮮語・中国語をよくし、対馬(つしま)藩に仕えて文教・外交に活躍。著「橘窓文集」「たわれ草」など。
あめやま‐みのる【飴山実】
[1926〜2000]俳人・化学者。石川の生まれ。微生物学者として酢酸菌の研究に業績を残す。俳人としては、俳誌「風」同人を経て無所属で活動。句集に「おりいぶ」「花浴び」など。
アメリカ‐ひこぞう【アメリカ彦蔵】
⇒浜田彦蔵(はまだひこぞう)
アメリゴ‐ベスプッチ【Amerigo Vespucci】
⇒ベスプッチ
アメンホテプ【Amenhotep】
⇒イクナートン
アモス【Amos】
紀元前8世紀中ごろのイスラエルの預言者。旧約聖書の「アモス書」はその預言集。
あゆかわ‐てつや【鮎川哲也】
[1919〜2002]推理作家。東京の生まれ。本名、中川透。本名のほか那珂川(なかがわ)透などの名義で作品を発表。昭和31年(1956)「黒いトランク」から現筆名を使用する。他に「黒い白鳥」「憎...
あゆかわ‐のぶお【鮎川信夫】
[1920〜1986]詩人・評論家。東京の生まれ。本名、上村隆一。「荒地」創刊に参加。作詩と詩論の両面にわたり、戦後詩の代表者の一人となる。
あらい‐かんぽう【荒井寛方】
[1878〜1945]日本画家。栃木の生まれ。本名、寛十郎。水野年方に歴史画を学び、文展、のち院展で活躍。インドのアジャンタ壁画や、法隆寺金堂壁画の模写事業に加わった。
あらい‐はくせき【新井白石】
[1657〜1725]江戸中期の儒学者・政治家。名は君美(きんみ)。木下順庵の高弟。6代将軍徳川家宣(いえのぶ)に仕えて幕政に参与し、朝鮮通信使の待遇簡素化、貨幣改鋳などに尽力。著に「藩翰譜」「...
あらい‐まん【新井満】
[1946〜2021]小説家。新潟の生まれ。本名、満(みつる)。「尋ね人の時間」で芥川賞受賞。他に「ヴェクサシオン」「カフカの外套(がいとう)」など。シンガーソングライターとしても知られ、作者不...
あらい‐もとこ【新井素子】
[1960〜 ]小説家。東京の生まれ。本姓、手嶋。高校在学中に「あたしの中の…」で第1回奇想天外SF新人賞に佳作入選し作家デビュー。女学生の話し言葉を取り入れた独特の文体で注目される。「チグリス...
あらえびす
小説家、野村胡堂の別筆名。音楽評論を書く際にはこちらの筆名を用いた。
あらかわ‐しゅうさく【荒川修作】
[1936〜2010]美術家。愛知の生まれ。第二次大戦後の前衛美術を牽引した一人で、図形や記号などを取り入れた絵画様式を確立。のち、建築など立体作品に移行。平成7年(1995)、妻で詩人のマドリ...
あらかわ‐とよぞう【荒川豊蔵】
[1894〜1985]陶芸家。岐阜の生まれ。北大路魯山人に師事。志野焼の窯跡を発見し、古志野・瀬戸黒などの復興に努力した。文化勲章受章。
あら‐かん
「嵐寛寿郎」の愛称。