さだ‐かいせき【佐田介石】
[1818〜1882]浄土真宗の僧、国粋主義者。肥後の人。仏教の須弥山(しゅみせん)説をもって地動説を排斥し、独自の経済論をもって国産品愛用運動を起こした。著「栽培経済論」など。
さだつぐ【貞次】
鎌倉前期、備中の刀工。後鳥羽院の御番鍛冶。同名の刀工は多い。生没年未詳。
サダト【Anwar al-Sādāt】
[1918〜1981]エジプトの政治家。自由将校団の一員として1952年の軍事クーデターに参加。1970年、ナセルの死後、第2代大統領に就任。1979年、イスラエルとの間に平和条約を成立させたが...
さだとし【定利】
鎌倉中期、京都の刀工。三条系の流れをくみ、綾小路に住んだ。生没年未詳。
さだむね【貞宗】
南北朝時代、相模の刀工。通称彦四郎。正宗と併称される名工。正宗の養子ともいう。生没年未詳。
サッカレー【William Makepeace Thackeray】
[1811〜1863]英国の小説家。写実的作風により、上流・中流社会の生活を風刺をこめて描いた。作「虚栄の市」「ペンデニス」「ヘンリー=エズモンド」など。
サッケッティ【Franco Sacchetti】
[1330ころ〜1400ころ]イタリアの詩人・小説家。貴族の出身で、フィレンツェ市政に参与。短編集「三百話」で当時の社会を描いた。
さっさ‐じっちく【佐々十竹】
[1640〜1698]江戸前期の儒学者。讃岐の人。名は宗淳。水戸藩に登用されて、「大日本史」編纂(へんさん)のため全国に史料探訪した。彰考館総裁。
さっさ‐せいせつ【佐々醒雪】
[1872〜1917]国文学者・俳人。京都の生まれ。本名、政一(まさかず)。近世俳諧・歌謡の研究者。また、俳句結社「筑波会」同人として作句。著「連俳小史」「俗曲評釈」「修辞法講話」など。
さっさ‐なりまさ【佐々成政】
[?〜1588]安土桃山時代の武将。尾張の人。はじめ織田信長に仕え、本能寺の変後、小牧・長久手の戦で豊臣秀吉に対抗。のち秀吉に仕え、肥後の熊本城主となったが、失政をとがめられて切腹。
サッチャー【Margaret Thatcher】
[1925〜2013]英国の政治家。1975年、保守党党首。1979年、英国史上初の女性首相となり、1990年まで在任。経済再編のためマネタリズムに基づく諸政策を実施。外交ではフォークランド紛争...
さっ‐とら【薩都剌】
[1305ころ〜1355ころ]中国元代の詩人。字(あざな)は天錫(てんしゃく)、号は直斎。モンゴルの人。叙情性の強い詩で知られる。詩集「雁門集」など。
サッフォー【Sapphō】
[前612ころ〜?]ギリシャの女流詩人。レスボス島生まれ。率直で簡明な作風の叙情詩・恋歌などは、後世まで永く愛好された。貴族の娘たちに詩や音楽を教えていたことから、同性愛、失恋による自殺などの...
さつま‐げき【薩摩外記】
江戸前期の古浄瑠璃の太夫。薩摩浄雲の門弟。江戸で活躍し、外記節を創始。江戸堺町で操り芝居を興行した。生没年未詳。
さつま‐じょううん【薩摩浄雲】
[1595〜1672]江戸前期の古浄瑠璃の太夫。初世。山城または和泉の人。通称、虎屋次郎右衛門。別名、薩摩太夫など。剃髪して浄雲と号した。沢住検校(さわずみけんぎょう)に師事。江戸に下り操り芝居...
さつま‐の‐かみ【薩摩守】
1 薩摩国の長官。特に、平忠度(たいらのただのり)をさすことが多い。 2 《「薩摩守忠度(ただのり)」を「ただ乗り」にもじって》乗り物に無賃で乗ること。また、その人。ただのり。「—を決め込む...
サティ【Erik Alfred Leslie Satie】
[1866〜1925]フランスの作曲家。奇抜な言動などによって異端視されたが、ドビュッシーらに影響を与えた。作品にピアノ曲「グノシェンヌ」、バレエ音楽「パラード」など。エリック=サティ。
さとう‐あいこ【佐藤愛子】
[1923〜 ]小説家。大阪の生まれ。紅緑(こうろく)の娘。詩人のサトウ・ハチローは異母兄。体験的なテーマを扱った家庭小説を、骨太でおおらかなタッチで執筆。「戦いすんで日が暮れて」で直木賞受賞。...
さとう‐あつし【佐藤厚志】
[1982〜 ]小説家。宮城の生まれ。平成29年(2017)「蛇沼」で新潮新人賞を受賞して小説家デビュー。「荒地の家族」で第168回芥川賞を受賞した。
さとう‐いっさい【佐藤一斎】
[1772〜1859]江戸後期の儒学者。江戸の人。名は坦。中井竹山・林述斎に学び、林家の塾長、昌平坂学問所教授を歴任。門人から渡辺崋山・佐久間象山・中村正直らを出した。著「言志録」など。
さとう‐えいさく【佐藤栄作】
[1901〜1975]政治家。山口の生まれ。岸信介の実弟。運輸官僚から政界に転じ、昭和39〜47年(1964〜1972)自由民主党総裁・首相。昭和49年(1974)、ノーベル平和賞受賞。→田中角栄
さとう‐きわむ【佐藤究】
[1977〜 ]小説家。福岡の生まれ。本名、憲胤(のりかず)。平成16年(2004)、佐藤憲胤名義の「サージウスの死神」で群像新人文学賞の優秀作を受賞し作家デビュー。令和3年(2021)「テスカ...
さとう‐ぎりょう【佐藤義亮】
[1878〜1951]出版人。秋田の生まれ。明治29年(1896)新声社を設立、雑誌「新声」を刊行するも破綻(はたん)。明治37年(1904)に新潮社を創立し、文芸雑誌「新潮」を創刊。文芸出版社...
さとう‐けんいち【佐藤賢一】
[1968〜 ]小説家。山形の生まれ。西洋史の素養を生かし、中世から近世にかけてのヨーロッパを舞台にした歴史小説を手がける。「王妃の離婚」で直木賞受賞。他に「ジャガーになった男」「傭兵(ようへい...
さとう‐げんげん【佐藤玄々】
[1888〜1963]彫刻家。福島の生まれ。本名、清蔵。別号、朝山。山崎朝雲に師事。日本美術院同人。フランスでブールデルに学び、木彫に新生面を開いた。
さとう‐こうろく【佐藤紅緑】
[1874〜1949]小説家・劇作家・俳人。青森の生まれ。本名、洽六(こうろく)。詩人サトウ・ハチロー、作家佐藤愛子の父。正岡子規に俳句を学び、のち小説に転じた。少年小説「あゝ玉杯に花うけて」など。
さとう‐さたろう【佐藤佐太郎】
[1909〜1987]歌人。宮城の生まれ。「アララギ」に入会し、斎藤茂吉に師事。芸術派的な独自の歌風を確立した。歌集「歩道」「帰潮」「開冬」など。
さとう‐さとる【佐藤さとる】
[1928〜2017]児童文学作家。神奈川の生まれ。本名、暁(さとる)。自費出版した「だれも知らない小さな国」が注目され、本格的ファンタジーとして評価を受ける。他に「おばあさんのひこうき」「小さ...
さとう‐しょうご【佐藤正午】
[1955〜 ]小説家。長崎の生まれ。本名、謙隆(かねたか)。昭和58年(1983)「永遠の1/2」で第7回すばる文学賞を受賞し作家デビュー。「月の満ち欠け」で直木賞受賞。他に「個人教授」「Y」...
さとう‐じゅんや【佐藤純弥】
[1932〜2019]映画監督。東京の生まれ。「陸軍残虐物語」で監督デビュー。社会派の名手として評価を得る一方で、パニック映画やアクション映画でも人気を集める。段吉順(トアンチーシュン)との共同...
さとう‐じょうじつ【佐藤誠実】
[1839〜1908]国学者。江戸の生まれ。「古事類苑」編纂(へんさん)に従事。著「日本教育史」など。
さとう‐そうのすけ【佐藤惣之助】
[1890〜1942]詩人。神奈川の生まれ。詩・俳句のほか、民謡や歌謡曲の作詞もした。詩集「正義の兜」「琉球諸島風物詩集」など。
さとう‐ただのぶ【佐藤忠信】
[1161〜1186]平安末期の武士。源義経の四天王の一人。継信の弟。義経が吉野山で山僧に攻められたとき、身代わりとなって奮戦。翌年、京都で敵に囲まれて自刃。
さとう‐つぐのぶ【佐藤継信】
[1158〜1185]平安末期の武士。源義経の四天王の一人。屋島の戦いで義経の身代わりとなり、平教経(たいらののりつね)の矢で射られて戦死。
さとう‐とくじ【佐藤得二】
[1899〜1970]哲学者・小説家。岩手の生まれ。京城帝大予科、一高の教授を歴任した後、文部省に入省。昭和38年(1963)、64歳のときに「女のいくさ」で直木賞を受賞し、話題を集める。
さとう‐なおかた【佐藤直方】
[1650〜1719]江戸中期の儒学者。備後の人。山崎闇斎(やまざきあんさい)に師事。崎門三傑の一人と称されたが、朱子学の純一性を主張し、垂加神道を唱えた師のもとを去った。著「四書便講」など。
さとう‐のぶひろ【佐藤信淵】
[1769〜1850]江戸後期の経済学者。出羽の人。字(あざな)は元海。宇田川玄随・平田篤胤(ひらたあつたね)らに師事。その学問は農政・物産・海防・兵学・天文・国学など広範に及んだ。著「経済要録...
さとう‐はちろう【サトウハチロー】
[1903〜1973]詩人。東京の生まれ。本名、佐藤八郎。紅緑の長男。愛子は異母妹に当たる。詩人として出発し、童謡・歌謡曲の作詞家としても活躍。詩集「爪色の雨」「おかあさん」など。
さとう‐はるお【佐藤春夫】
[1892〜1964]詩人・小説家。和歌山の生まれ。生田長江・与謝野寛らに師事。初め「スバル」「三田文学」などに詩歌を発表、のち小説に転じた。文化勲章受章。詩集「殉情詩集」、小説「田園の憂鬱」「...
さとう‐まさよし【佐藤雅美】
[1941〜2019]小説家。兵庫の生まれ。初め「大君の通貨」などの歴史経済小説で話題となるが、その後本格的な時代小説に転向する。「恵比寿屋喜兵衛手控え」で直木賞受賞。他に「影帳」「八州廻り桑山...
さとう‐やすし【佐藤泰志】
[1949〜1990]小説家。北海道の生まれ。日常の閉塞感と生の輝きを描く。「空の青み」「水晶の腕」などで、5度芥川賞候補となった。没後20年を経て「海炭市叙景」が映画化され注目を集めた。
さとみ‐とん【里見弴】
[1888〜1983]小説家。神奈川の生まれ。本名、山内英夫。有島武郎・生馬の弟。「白樺」の創刊に参加。その思想は小説「多情仏心」にまごころ哲学としてまとめられた。文化勲章受章。他に「善心悪心」...
さとむら‐しょうたく【里村昌琢】
[1574〜1636]江戸初期の連歌師。名は景敏。紹巴没後の連歌界の第一人者となった。門人に西山宗因らがいる。著「昌琢句集」など。
さとむら‐じょうは【里村紹巴】
[1525ころ〜1602]室町末期の連歌師。大和の人。本姓、松井氏か。号、宝珠庵・臨江斎。周桂・里村昌休に師事し、連歌の第一人者となった。織田信長・豊臣秀吉らとも交渉があり、明智光秀の「愛宕(あ...
サトー【Ernest Mason Satow】
[1843〜1929]英国の外交官。日本名、佐藤愛之助。号、薩道。文久2年(1862)英国領事館員として来日。パークス公使を助けて対日政策に貢献。明治28年(1895)公使として再び来日。日本・...
サド【Donatien Alphonse François de Sade】
[1740〜1814]フランスの小説家。通称、サド侯爵(マルキ=ド=サド、Marquis de Sade)。性的倒錯を題材としたその作品により、サディズムの名が起こった。作「美徳の不幸」「悪徳の...
さど‐の‐いん【佐渡院】
順徳上皇の異称。承久の乱で佐渡に流されたところからいう。
さなだ‐まさゆき【真田昌幸】
[1547〜1611]安土桃山時代の武将。信濃の人。通称、喜兵衛。上田城主。武田信玄・豊臣秀吉・徳川家康に仕えた。関ヶ原の戦いでは豊臣側に与し、次男幸村とともに徳川秀忠の西上を阻止。西軍敗北後、...
さなだ‐ゆきむら【真田幸村】
[1567〜1615]安土桃山時代の武将。信濃の人。昌幸の次男。本名は信繁。関ヶ原の戦いで西軍に属し、父とともに徳川秀忠の西上を阻止。西軍敗北後、東軍に与した兄信之の取りなしで死罪を免れ、高野山...
さぬき【讃岐】
[1141ころ〜1217ころ]平安末期の歌人。源頼政の娘。二条天皇ほかに出仕。勅撰集には千載集ほかに70首選ばれ、家集に「二条院讃岐集」がある。