わたり‐いた【渡り板】
渡るための板。船から岸へ、また建物から他の建物へかけ渡して通路とする板など。歩み板。わたし。
わたり‐かせぎ【渡り稼ぎ】
あちこちと渡り歩いて稼ぐこと。また、その人。
わたり‐かち【渡り徒士】
江戸時代、渡り奉公をした下級武士。
わたりかゆかん【渉りかゆかむ】
斎藤史の歌集。昭和60年(1985)刊。第37回読売文学賞詩歌俳句賞受賞。
渡(わた)りが付(つ)・く
話し合いがつく。交渉が成立する。関係がつく。「技術提携の—・く」
わたり‐がに【渡蟹】
ガザミの別名。夜間に餌を求めて群泳するのでいう。
わたり‐がゆ【渡り粥】
1 新築祝いなどの時にふるまう粥。家(や)移り粥。 2 粥をふるまうこと。「—の饗、設けて文つくる」〈源順集・詞書〉
わたり‐がらす【渡烏】
カラス科の鳥。大形で、全長61センチくらい。全身黒く、尾はくさび形。ユーラシア・北アメリカに広く分布。日本には冬鳥...
わたり‐がわ【渡り川】
三途(さんず)の川のこと。「おりたちて汲(く)みはみねども—人の瀬とはた契らざりしを」〈源・真木柱〉
わたり‐こしょう【渡り小姓】
江戸時代、大名・旗本などに渡り奉公をした美少年。
わたり‐ざむらい【渡り侍】
江戸時代、渡り奉公をした侍。
わたり‐しょう【渡り荘】
渡り領としての荘園。「紀伊国田中庄は、殿下の—なりけれども」〈盛衰記・四〉
わたり‐ぜ【渡り瀬】
徒歩で渡ることのできる浅瀬。わたせ。わたりで。「天の川去年(こぞ)の—荒れにけり君が来まさむ道の知らなく」〈万・二...
わたり‐ぜりふ【渡り台詞】
歌舞伎で、一連の台詞を数人で分担して順々に言い、最後の一句を全員で言う演出。また、その台詞。
わたり‐ぞめ【渡り初め】
橋の完成を祝って初めてその橋を渡ること。また、その式典。多くは高齢の夫婦、また、3代の夫婦がそろっている一家を先頭...
わたり‐だん【渡り段】
船と岸の間にかけ渡した通路の板。渡り板。
わたり‐で【渡り手】
「渡り瀬」に同じ。「天の川去年(こぞ)の—移ろへば川瀬を踏むに夜そふけにける」〈万・二〇一八〉
わたり‐どの【渡り殿】
「渡殿(わたどの)」に同じ。
わたり‐どり【渡り鳥】
1 繁殖する地域と非繁殖期を過ごす地域とが離れていて、毎年決まった季節にその間を往復移動する鳥。ふつう南北方向に移...
わたりどり‐じょうやく【渡り鳥条約】
渡り鳥および絶滅のおそれのある鳥類ならびにその生息環境を保護することを目的とする条約・協定の通称。昭和47年(19...
わたり‐なみ【渡り並み】
世間なみ。なみひととおり。また、世間一般。「ナンヂラワ…、—ノ人々デワナイ」〈天草本平家・三〉
渡(わた)りに船(ふね)
必要な物がそろったり、望ましい状態になったりして好都合なこと。「—の申し出」
わたり‐ば【渡り場】
1 渡るべき場所。 2 渡し場。渡船場。
わたり‐ばし【渡り箸】
「移り箸」に同じ。
わたり‐びょうし【渡り拍子】
1 神輿(みこし)の渡御、山車(だし)の運行などの際に奏する囃子(はやし)。 2 能・狂言の囃子事の下がり端(は)...
わたり‐ぶね【渡り船/渡り舟】
「わたしぶね」に同じ。
わたり‐ぼうこう【渡り奉公】
あちこちを渡り歩き、主人を替えて奉公すること。「女ながら—程をかしきはなし」〈浮・一代女・四〉
わたり‐ま【渡り間/径間】
アーチ状の迫持(せりもち)または持放(もちはなし)の両端にある支点の間の距離。径間(けいかん)。
わたり‐もの【渡り物】
1 外国から渡ってきた品物。舶来品。「南蛮からの—」 2 祭礼などの際、練って歩く行列・山車(だし)など。ねりもの...
わたり‐もの【渡り者】
1 あちこちと渡り歩き、主人を替えて奉公をする者。 2 1か所に落ち着かず旅をして回る者。 3 他の土地から来て住...
わたり‐もり【渡り守】
「わたしもり」に同じ。「かぢを取りて、ひそかに—に接(まじ)りて」〈前田本仁徳紀〉
わたり‐やぐら【渡り櫓】
1 城郭の枡形(ますがた)に設けたやぐらで、石垣の上に渡して下に門を開けたもの。 2 城の石垣の上に長く続くやぐら...
わたり‐りょう【渡り領】
家または職に付属して世襲する所領。天皇・上皇の後院領や、藤原氏の氏の長者に付属した所領などの類。
わたり‐ろうか【渡り廊下】
建物と建物とを結ぶ廊下。渡り廊。
渡(わた)りを付(つ)・ける
話し合いをつける。交渉をする。関係をつける。「訴訟にならないよう—・ける」
わた・る【渡る/渉る】
[動ラ五(四)] 1 間を隔てているものの一方から他方へ越えていく。「浅瀬を歩いて—・る」「橋を—・る」「廊下を—...
ワタルカ‐こくりつこうえん【ワタルカ国立公園】
《Watarrka National Park》オーストラリア、ノーザンテリトリー中南部にある国立公園。アリススプ...
渡(わた)る世間(せけん)に鬼(おに)はない
世の中には無情な人ばかりがいるのではなく、困ったときには助けてくれる情け深い人もいるものだということ。