てんねき
[副]まれに。たまに。「血の道も—見える長局(ながつぼね)」〈柳多留・初〉
てん‐ねん【天年】
天から受けた寿命。天寿。「—を全うするに至らざりしは」〈子規・墨汁一滴〉
てん‐ねん【天然】
[名・形動] 1 人為が加わっていないこと。自然のままであること。また、そのさま。「—の良港」⇔人工。「栄養不足で...
てんねん‐あい【天然藍】
植物の藍からとった染料。→人造藍
てんねん‐アスファルト【天然アスファルト】
天然に産出するアスファルト。石油鉱床から湧きだしたもの、砂岩などの岩石に浸み込んだものなどがある。
てんねん‐ウラン【天然ウラン】
ウラン鉱として、天然に産するウラン。ウラン238が主で、核分裂を起こす235を0.7パーセント強含む。
てんねん‐かじつ【天然果実】
法律で、物の経済的用途に従って直接に収取される産出物。果物・牛乳・鉱物など。→法定果実
てんねん‐ガス【天然ガス】
天然に地下に存在するガス。ふつう、可燃性ガスをいい、メタン・エタンなどからなる。燃料・化学工業原料などに利用。
てんねんガス‐じどうしゃ【天然ガス自動車】
天然ガスを燃料とする自動車の総称。ガスの貯蔵法により、圧縮天然ガスを用いるCNG車、液化天然ガスを用いるLNG車、...
てんねんガス‐ハイドレート【天然ガスハイドレート】
《「ハイドレート」は水和物の意》低温高圧の下で、天然ガスの主成分メタンが水の分子の中に取り込まれてできるシャーベッ...
てんねん‐きねんぶつ【天然記念物】
学術上価値の高い動物・植物・地質鉱物、およびそれらの存在する地域で、その保護・保存を指定されているもの。文化財保護...
てんねん‐きょう【天然橋】
流水や海水の浸食などによってできた橋状の地形。帝釈峡(たいしゃくきょう)の雄橋(おんばし)・雌橋(めんばし)など。...
てんねん‐こうしん【天然更新】
自然に落ちた種子から発生した稚樹や、根株から芽を出した蘖(ひこばえ)を育てる造林法。天然造林。
てんねん‐こうぶんし【天然高分子】
天然に産出する高分子化合物。セルロースやたんぱく質など。
てんねん‐こうりょう【天然香料】
食品添加物の一つ。動物や植物から得られる天然の物質で、食品に香りをつけるために使用される。アンバーグリス(龍涎香(...
てんねん‐ゴム【天然ゴム】
天然に産するゴム。ゴムノキから得られる弾性ゴムをいう。→合成ゴム
てんねん‐し【天然歯】
入れ歯・差し歯などの人工歯に対して、もとからある自分の歯。乳歯や永久歯のこと。
てんねん‐しきそ【天然色素】
動植物が体内にもつ色素。カロテノイド・クロロフィル・ヘモグロビンなど。
てんねん‐しげん【天然資源】
天然に存在して、人間の生活や生産活動に利用しうる物資・エネルギーの総称。土地・水・埋蔵鉱物・森林・水産生物など。
てんねん‐しぜん【天然自然】
《同じ意味の語を重ねて強調したもの》 1 人為によらないで存在するものや現象。「—の美」 2 (副詞的に用いて)物...
てんねん‐しば【天然芝】
植物のシバ。また、それによる芝生。人工芝に対していう。
てんねん‐しょく【天然色】
万物が自然に備えている色。自然の色彩。
てんねんしょく‐えいが【天然色映画】
自然の色彩を画面に現した映画。白黒映画が主流であったころの語。
てんねんしょく‐しゃしん【天然色写真】
自然の色彩を再現した写真。カラー写真。
てんねん‐じゅし【天然樹脂】
植物体から得られる樹脂。松やに・琥珀(こはく)など。
てんねん‐すい【天然水】
蒸留などの加工をしていない、自然のままの水。天然にある水。
てんねん‐せき【天然石】
⇒自然石
てんねん‐せんい【天然繊維】
植物・動物・鉱物を原料とする繊維。綿・麻・絹・羊毛・石綿など。→合成繊維
てんねん‐せんりょう【天然染料】
植物・動物・鉱物などから得られる染料。藍(あい)・茜(あかね)など。→合成染料
てんねん‐ソーダ【天然ソーダ】
天然に産する炭酸塩鉱物の総称。炭酸ナトリウムの水和物と炭酸水素ナトリウムを主成分とするナトロン、セスキ炭酸ナトリウ...
てんねん‐ぞうりん【天然造林】
⇒天然更新(てんねんこうしん)
てんねん‐ダム【天然ダム】
土砂崩れ・地震などの自然災害や、動植物などの営みによって河川が堰(せ)き止められた状態。→河道閉塞 →堰き止め湖
てんねん‐とう【天然痘】
「痘瘡(とうそう)」に同じ。
てんねん‐ばいち【天然培地】
動植物の煮出し汁や腐植質の抽出液などの天然物からつくられる培地。組成が偏る場合がある。→合成培地
てんねん‐パーマ【天然パーマ】
《「パーマ」は「パーマネントウエーブ」の略》俗に、生まれつき髪の毛が縮れていること。天パー。
てんねん‐ひりょう【天然肥料】
自然の物を利用する肥料。草木灰・厩肥(きゅうひ)・堆肥(たいひ)など。自給肥料。
てんねんぶつ‐かがく【天然物化学】
生物が産生する物質を対象とする化学の一分野。天然の有機化合物の単離や合成、生命現象との関わりについての研究を指す。...
てんねんぶつ‐ゆうきかがく【天然物有機化学】
⇒天然物化学
てんねん‐ほうしゃせいかくしゅ【天然放射性核種】
自然界に存在する放射性核種。ウラン系列、アクチニウム系列、トリウム系列などの崩壊系列に属するものがある。→人工放射性核種
てんねん‐ほうしゃせいげんそ【天然放射性元素】
自然界に存在する放射性元素。ウラン系列・トリウム系列・アクチニウム系列のものやカリウム・ルビジウムなど。
てんねん‐ほうしゃせいどういたい【天然放射性同位体】
放射性同位体のうち、天然に存在するもの。原子炉や加速器などで人工的に作られるものを人工放射性同位体という。
てんねん‐ほうしゃのう【天然放射能】
自然界に存在する天然放射性元素がα(アルファ)線・β(ベータ)線・γ(ガンマ)線などの放射線を出す性質。自然放射能。
てんねん‐ほしついんし【天然保湿因子】
⇒エヌ‐エム‐エフ(NMF)
てんねん‐ほしつせいぶん【天然保湿成分】
⇒エヌ‐エム‐エフ(NMF)
てんねん‐ぼく【天然木】
栽培によらず野山に自生した樹木。また、まだ加工していない木材。自然木。
てんねん‐ぼけ【天然惚け】
意図的にではなく、漫才のぼけ役のような言動をすること。また、そのような人。天然。
てんねん‐もの【天然物】
自然に海・河川や山野で生育した、食材となる動植物。養殖物・栽培物に対していう。「—のマグロ」「—のタケノコ」
てんねん‐ゆうきかごうぶつ【天然有機化合物】
自然界に存在する有機化合物。動植物の生体で産するもののほか、生物の遺物に由来する石炭や石油も含まれる。
てんねん‐りん【天然林】
植林によらず、自然に生育した森林。⇔人工林。