きたお‐まさのぶ【北尾政演】
山東京伝(さんとうきょうでん)の浮世絵師としての名。
きたお‐まさよし【北尾政美】
[1764〜1824]江戸後期の浮世絵師。江戸の人。名は紹真(つぐざね)。のち鍬形蕙斎(くわがたけいさい)の名で聞こえた。北尾重政の門下で、黄表紙などの挿絵を描く一方、美人画・武者絵を発表。のち...
きたかた‐けんぞう【北方謙三】
[1947〜 ]小説家。佐賀の生まれ。「弔鐘はるかなり」でハードボイルドの新鋭として注目される。他に「檻」「渇きの街」など。近年は「破軍の星」「三国志」「水滸伝」「楊家将」など、歴史小説にも活躍...
きたがわ‐うたまろ【喜多川歌麿】
[1753〜1806]江戸後期の浮世絵師。喜多川派の祖。本姓、北川。初めの号は豊章。独自の美人画、特に大首絵(おおくびえ)を創案、女性の官能的な美を描き出した。狂歌絵本・肉筆画も制作。
きたがわ‐たみじ【北川民次】
[1894〜1989]洋画家。静岡の生まれ。渡米したのちメキシコに渡りシケイロスらと交遊。メキシコ絵画の影響を受けた、力強い作風が特徴。作品に「タスコの祭日」「哺育」など。
きたがわ‐ふゆひこ【北川冬彦】
[1900〜1990]詩人・映画評論家。滋賀の生まれ。本名、田畔(たぐろ)忠彦。映画評論で生計を立てるかたわら、雑誌「詩と詩論」の創刊に参加。詩集に「戦争」「三半規管喪失」など。
きたがわ‐もりさだ【喜田川守貞】
[1810〜?]江戸後期の風俗史家。大坂の人。本姓、石原。上方・江戸の風俗習慣を記録した「守貞漫稿」は、明治になって「類聚(るいじゅう)近世風俗志」として刊行された。
きたさと‐しばさぶろう【北里柴三郎】
[1853〜1931]細菌学者。熊本の生まれ。ドイツに留学、コッホのもとで研究し、破傷風菌の純粋培養に成功、さらに抗毒素を発見。帰国後ペスト菌を発見し、血清療法を研究。伝染病研究所所長を務めたが...
きた‐しちだゆう【喜多七大夫】
[1586〜1653]江戸初期の能役者。喜多流の祖。堺の人。名は長能(ながよし)。幼名、六平太。金春(こんぱる)流を学び、金剛流の芸系も受け継ぐ。豊臣秀吉に仕え、のち徳川秀忠より一流創設を許された。
きたしらかわ‐の‐みや【北白川宮】
旧宮家の一。明治3年(1870)伏見宮智成(さとなり)親王が一家を興したのに始まる。昭和22年(1947)廃止。
きたじま‐けんしん【北島見信】
江戸中期の天文学者。長崎の人。長崎奉行天文方。「紅毛天地二図贅説(ぜいせつ)」を訳述。日本を中心に東アジア・南方諸島を含む大日本州の設置を提唱した。生没年未詳。
きたじま‐せつざん【北島雪山】
[1636〜1697]江戸前期の書家。肥後の人。名は三立(さんりゅう)。長崎で中国人兪立徳(ゆりつとく)や黄檗(おうばく)僧らに書法を学ぶ。唐様書道の祖とされる。細井広沢は門人。
きたの‐たけし【北野武】
[1947〜 ]タレント・俳優・映画監督。東京の生まれ。芸名、ビートたけし。漫才コンビ「ツービート」で人気を集め、個性派俳優としても活躍。深作欣二(ふかさくきんじ)が降板した映画「その男、凶暴に...
きたはら‐あいこ【北原亜以子】
[1938〜2013]小説家。東京の生まれ。本名、高野美枝(よしえ)。女性ならではの視点で描いた時代小説で人気を集める。「恋忘れ草」で直木賞受賞。他に「粉雪舞う」「夜の明けるまで」「慶次郎縁側日...
きたはら‐たけお【北原武夫】
[1907〜1973]小説家。神奈川の生まれ。宇野千代と結婚、スタイル社を創業するが、のちに離婚。著書に小説「妻」「桜ホテル」「情人(じょうにん)」、評論「告白的女性論」など。
きたはら‐はくしゅう【北原白秋】
[1885〜1942]詩人・歌人。福岡の生まれ。本名、隆吉。与謝野鉄幹の門人となり、「明星」「スバル」に作品を発表。のち、木下杢太郎(きのしたもくたろう)らと耽美派文学の拠点となる「パンの会」を...
きたばたけ‐あきいえ【北畠顕家】
[1318〜1338]南北朝時代の公卿・武将。親房の長男。陸奥守(むつのかみ)として義良(のりなが)親王を奉じ、奥羽に下向したが、足利尊氏の反乱により西上、尊氏を九州に追った。のち任地に帰ったが...
きたばたけ‐あきのぶ【北畠顕信】
[?〜1380]南北朝時代の武将。親房の次男。春日少将と称する。兄顕家の死後、鎮守府将軍となり、父親房と奥羽に転戦。父の帰還後も奥州で戦ったが勝利できず、吉野に帰った。
きたばたけ‐あきよし【北畠顕能】
[?〜1383]南北朝時代の武将。親房の三男。伊勢国守となり、伊勢南軍の総帥。
きたばたけ‐じゅごう【北畠准后】
北畠親房の異称。三后に准じる待遇で、後村上天皇が親房に与えたもの。
きたばたけ‐ちかふさ【北畠親房】
[1293〜1354]南北朝時代の公卿・武将。後醍醐天皇の皇子世良(ときなが)親王の養育にあたったが、その死によって出家。宗玄、のち、覚空と号した。建武の中興により、再び出仕。顕家とともに義良(...
きたばたけ‐とものり【北畠具教】
[1528〜1576]戦国時代の武将。伊勢国司。織田信長に居城大河内城を攻められ敗北。信長の次男信雄(のぶかつ)を自身の子である具房の養嗣子として家督を譲るが、のち、信長らに謀られて自刃。
きたばたけ‐みつまさ【北畠満雅】
[?〜1428]室町時代の武将。伊勢国司。南北朝合一後、大覚寺統に皇位が譲られないことを両統迭立の約束に反したとして、後亀山天皇の孫の小倉宮を奉じて挙兵するが、幕府軍に敗れて戦死。
きたばたけ‐やほ【北畠八穂】
[1903〜1982]小説家・児童文学者。青森の生まれ。本名、美代。作家深田久弥と結婚したが、のち離婚。方言を駆使した郷土色豊かな作品を描く。「鬼を飼うゴロ」で野間児童文芸賞受賞。他に「十二歳の...
きたむら‐かおる【北村薫】
[1949〜 ]小説家。埼玉の生まれ。本名、宮本和男。高校教諭を務めながら平成元年(1989)「空飛ぶ馬」で覆面作家としてデビュー。その後作家活動に入り、「鷺と雪」で直木賞受賞。他に「夜の蝉」「...
きたむら‐きぎん【北村季吟】
[1625〜1705]江戸前期の歌人・俳人・古典学者。近江の人。通称、久助。号、拾穂軒。飛鳥井雅章(あすかいまさあき)に歌学を、松永貞徳に俳諧を学び、のちに幕府に仕えた。著「徒然草文段抄」「源氏...
きたむら‐せいぼう【北村西望】
[1884〜1987]彫刻家。長崎の生まれ。文展、帝展で活躍。男性裸像にすぐれ、長崎市原爆中心地の「平和祈念像」で有名。文化勲章受章。
きたむら‐とうこく【北村透谷】
[1868〜1894]詩人・評論家。神奈川の生まれ。本名、門太郎。自由民権運動に加わった後、「楚囚之詩」を発表。島崎藤村らと「文学界」で活躍。近代ロマン主義文学の中心となったが、自殺。長詩「蓬莱...
きたむら‐のぶよ【喜多村信節】
[1783〜1856]江戸後期の国学者・考証学者。江戸の人。名は節信(ときのぶ)ともいう。市中や民間の風俗・伝承を記録・考証した。著「嬉遊笑覧」「瓦礫雑考」など。
きたむら‐りゅうへい【北村竜平】
[1969〜 ]映画監督。大阪の生まれ。「ヒート・アフター・ダーク」を監督し、劇場映画デビュー。長編第1作「VERSUS−ヴァーサス−」で国内外から絶大な評価を得る。他に「あずみ」「ゴジラ FI...
きたむら‐ろくろう【喜多村緑郎】
[1871〜1961]新派俳優。東京の生まれ。本名、六郎。明治29年(1896)高田実らと成美団を結成。新派の写実的演技術の確立に努め、女形として活躍。主な舞台に「侠艶録」「滝の白糸」「婦系図」など。
きた‐もりお【北杜夫】
[1927〜2011]小説家・精神科医。東京の生まれ。本名、斎藤宗吉。斎藤茂吉の次男。「夜と霧の隅で」で芥川賞受賞。船医の体験をユーモラスに描いた「どくとるマンボウ航海記」がベストセラーとなり、...
きたやま‐どの【北山殿】
京都北山にあった足利義満(あしかがよしみつ)の別荘。義満の死後、鹿苑寺(ろくおんじ)(金閣寺)となった。北山第(きたやまてい)。 足利義満の異称。
きた‐ろっぺいた【喜多六平太】
[1874〜1971]能楽師。シテ方喜多流14世宗家。東京の生まれ。闊達(かったつ)自在な芸境の名人で、衰えていた流勢を盛り返した。文化勲章受章。
きたわき‐のぼる【北脇昇】
[1901〜1951]洋画家。愛知の生まれ。鹿子木孟郎(かのこぎたけしろう)・津田青楓(つだせいふう)に師事。シュールレアリスムの影響を受け、京都にあって、関西前衛美術の発展に貢献した。
きだ‐げん【木田元】
[1928〜2014]哲学者。山形の生まれ。中央大教授。ハイデッガー研究の第一人者として知られるほか、メルロ=ポンティの翻訳を数多く手がけた。著「現象学」「哲学と反哲学」「闇屋になりそこねた哲学...
きだ‐さだきち【喜田貞吉】
[1871〜1939]歴史学者。徳島の生まれ。日本歴史地理学会を組織し、雑誌「歴史地理」を刊行。京大教授などを歴任。南北朝正閏論(せいじゅんろん)・法隆寺再建論などの論争で有名。
きだ‐みのる
[1895〜1975]小説家。鹿児島の生まれ。本名、山田吉彦。パリ大学で古代社会学を学び、独自の文明批評を展開した。著「気違い部落周游紀行」「道徳を否む者」、共訳に「昆虫記」など。
きちぞう【吉蔵】
[549〜623]中国、隋(ずい)代の僧。金陵(江蘇省)の人。三論宗再興の祖。嘉祥(かじょう)寺に住して教えを広めたので、嘉祥大師とよばれる。「三論玄義」など著書が多く、ほとんど現存。
きちや【吉弥】
江戸初期、延宝年間(1673〜1681)の名女形(おやま)、上村吉弥。 1 「吉弥笠」の略。 2 「吉弥結び」の略。
きっかわ‐これたり【吉川惟足】
[1616〜1695]江戸前期の神道家。姓は「よしかわ」とも読む。吉川神道の創始者。江戸の人。京都の吉田神道を学び、江戸でその正統継承者と自称、一派を立てる。諸大名の信頼を得、幕府神道方となる。...
きっかわ‐ひろいえ【吉川広家】
[1561〜1625]安土桃山・江戸初期の武将。元春の三男。毛利氏支藩の岩国藩吉川氏の祖。関ヶ原の戦いでは徳川氏に内通し、戦後、宗家毛利氏の領国周防(すおう)・長門(ながと)両国の保全に功があった。
きっかわ‐もとはる【吉川元春】
[1530〜1586]戦国時代の武将。駿河守(するがのかみ)。毛利元就(もうりもとなり)の次男。従兄の吉川興経(おきつね)の養子。弟の小早川隆景(こばやかわたかかげ)とともに毛利氏の中国平定に尽...
きっかわ‐れいか【吉川霊華】
[1875〜1929]日本画家。東京の生まれ。本名、準(ひとし)。狩野派・土佐派を学び、のち冷泉為恭(れいぜいためちか)に私淑して大和絵を研究。白描画を得意とした。代表作「離騒」。
キッシンジャー【Henry Alfred Kissinger】
[1923〜2023]米国の政治家・政治学者。ドイツの生まれ。1938年、米国に移住。大統領補佐官・国務長官として、米中関係の打開、ベトナム和平の実現などに活躍。1973年、ノーベル平和賞受賞。...
キッチナー【Horatio Herbert Kitchener】
[1850〜1916]英国の軍人。ファショダ事件・南ア戦争で指揮をとる。第一次大戦時、陸相。
キッド【Benjamin Kidd】
[1858〜1916]英国の社会学者。ダーウィニズムを人間社会に適用し、また、社会に統合をもたらすものとして宗教の役割を重視した。著「社会進化論」「西洋文明の諸原理」など。
キッド【Thomas Kyd】
[1557ころ〜1595ころ]英国の劇作家。「スペイン悲劇」により、エリザベス朝の復讐悲劇流行のきっかけを作った。
キッド【William Kidd】
[1645?〜1701]英国の海賊。スコットランドの生まれ。はじめ私掠(しりゃく)船船長として活動するが、次第に海賊化。1701年ロンドンで絞首刑。世界のどこかに財宝を隠したという伝説があり、ポ...
キップリング【Joseph Rudyard Kipling】
[1865〜1936]英国の小説家・詩人。ボンベイ(ムンバイ)の生まれ。インドを舞台とする作品で知られる。1907年、ノーベル文学賞受賞。小説「ジャングルブック」、詩集「七つの海」など。