あらき‐えいきち【新木栄吉】
[1891〜1959]実業家。石川の生まれ。昭和20年(1945)日本銀行総裁に就任するが、昭和21年(1946)公職追放により辞任。追放解除後、東京電力会長・駐米大使を歴任し、昭和29年(19...
あらき‐かんぽ【荒木寛畝】
[1831〜1915]日本画家。江戸の生まれ。文晁(ぶんちょう)派、のちには洋画を学び、写実的花鳥画を得意とした。
あらき‐こどう【荒木古童】
[1823〜1908]尺八演奏家。2世。近江の生まれ。豊田古童・久松風陽に師事。普化宗廃止後の尺八界の混乱期に活躍した。琴古(きんこ)流中興の祖。現在まで5世を数える。
あらき‐さだお【荒木貞夫】
[1877〜1966]軍人。陸軍大将。東京の生まれ。精神主義的反共論で皇道派の雄となる。二・二六事件に同調し、事件後予備役(よびえき)。陸相・文相を歴任。第二次大戦後、A級戦犯として終身刑。
あらき‐じっぽ【荒木十畝】
[1872〜1944]日本画家。長崎の生まれ。寛畝(かんぽ)に学び、のち養子となる。文展・帝展で活躍した旧派系の代表的画家。代表作「寂光」。
あらき‐そうたろう【荒木宗太郎】
[?〜1636]江戸初期の朱印船貿易商。肥後の人。豊臣秀吉の朱印を受けてシャムなどに渡航。安南王女を妻とした。
あらきだ‐ひさおゆ【荒木田久老】
[1747〜1804]江戸後期の国学者・歌人。伊勢内宮の神官。号、五十槻園(いつきぞの)。賀茂真淵(かものまぶち)に学び、のち、同門の本居宣長と対立。著「万葉考槻の落葉」「日本紀歌解」など。
あらきだ‐もりたけ【荒木田守武】
[1473〜1549]室町後期の連歌・俳諧師。伊勢内宮の神官。宗祇(そうぎ)、猪苗代兼載(いなわしろけんさい)に連歌を学び、連歌から俳諧を独立させる基を作った。著「俳諧独吟百韻」「守武千句」など。
あらきだ‐れいじょ【荒木田麗女】
[1732〜1806]江戸後期の女流文学者。伊勢の人。本名、隆。号は紫山。著に歴史物語「池の藻屑(もくず)」「月の行方(ゆくえ)」など。
あらき‐またえもん【荒木又右衛門】
[1599〜1637]江戸前期の剣客。伊賀国荒木村の人。寛永11年(1634)伊賀上野で妻の弟源太夫のかたきを討つ。伊賀越えの仇討(あだう)ちとして有名。 直木三十五の時代小説。昭和5年(1...
あらき‐むらしげ【荒木村重】
[?〜1586]安土桃山時代の武将・茶人。摂津の人。織田信長に従ったが、背いて地位を失った。のち、道薫(どうくん)と号し、茶道に専念。茶人として豊臣秀吉に仕えた。利休高弟七人の一。
アラゴ【Dominique François Jean Arago】
[1786〜1853]フランスの物理学者・天文学者。偏光を発見し、光の波動説の確立に貢献。渦電流による電磁誘導を測定する「アラゴの円板」を発明。
アラゴン【Louis Aragon】
[1897〜1982]フランスの詩人・小説家。ダダイスム・シュールレアリスム運動を経て共産主義に転じ、第二次大戦中は対独抵抗運動に参加。詩集「断腸」、小説「レ‐コミュニスト」など。
あらし‐かんじゅうろう【嵐寛寿郎】
[1903〜1980]映画俳優。京都の生まれ。本名、高橋照市。「鞍馬天狗(くらまてんぐ)」「右門捕物帖」などの時代劇で活躍し、「あらかん」のニックネームで呼ばれた。ほかに「神々の深き欲望」「網走...
あらし‐さんえもん【嵐三右衛門】
歌舞伎俳優。初世[1635〜1690]は摂津国西宮の人。やつし事と六方の名人。11世を数え、代々上方を中心に活躍。
あらはた‐かんそん【荒畑寒村】
[1887〜1981]社会運動家。神奈川の生まれ。本名、勝三。明治37年(1904)横浜平民結社を組織、社会主義宣伝のための伝道行商を行う。赤旗事件・人民戦線事件などで数度入獄。労農派として活動...
アラバル【Fernando Arrabal】
[1932〜 ]スペインの劇作家・小説家。のち、フランスに移住し、フランス語で執筆。自らの劇を「パニック演劇」と呼び、「迷路」「建築家とアッシリアの皇帝」「戴冠式」など、不条理演劇の作品を残した...
アラファト【Yāsir ‘Arafāt】
[1929〜2004]パレスチナ解放機構(PLO)の指導者。エルサレムの生まれ。1969年にPLO議長に就任。イスラエルとの間でパレスチナ人の暫定自治を実現させ、1994年ノーベル平和賞を受賞。
あら‐まさひと【荒正人】
[1913〜1979]文芸評論家。福島の生まれ。雑誌「近代文学」創刊に参加。政治と文学論で中野重治と論争するなど、攻撃的な評論活動を続けた。夏目漱石の研究でも知られる。著「第二の青春」「市民文学...
あらまた‐ひろし【荒俣宏】
[1947〜 ]翻訳家・評論家・小説家。東京の生まれ。「別世界通信」「世界幻想作家事典」「本朝幻想文学縁起」などを著し、幻想文学、博物学の研究に尽力する。伝奇小説「帝都物語」はベストセラーとなり...
あらら‐せんにん【阿羅邏仙人】
《阿羅邏は、(梵)Ālāra Kālāmaの音写「阿羅邏迦蘭(あららからん)」の略》釈迦が出家して最初に解脱の道を尋ねた人。毘舎離城(びしゃりじょう)の付近に住んでいた仙人。
アラルコン【Pedro Antonio de Alarcón y Ariza】
[1833〜1891]スペインの小説家。地方色豊かな中・短編を得意とした。作「三角帽子」「醜聞」など。
アラン【Alain】
[1868〜1951]フランスの哲学者・モラリスト。本名、エミール=オーギュスト=シャルチエ(Émile Auguste Chartier)。合理主義の立場から、哲学のみならず道徳・芸術・教育・...
アラン‐フルニエ【Alain-Fournier】
[1886〜1914]フランスの小説家。本名、アンリ=アルバン=フルニエ(Henri Alban Fournier)。第一次大戦で戦死した。作品に「モーヌの大将」など。
アラービー‐パシャ【Aḥmad ‘Arābī Pasha】
[1841〜1911]エジプトの軍人・民族運動指導者。ヨーロッパ列強による内政干渉に抵抗する国民運動を指導し、1882年に武力蜂起したが、英軍に鎮圧され、セイロンに流刑された。アフマド=アラービー。
ありあけ‐なつお【有明夏夫】
[1936〜2002]小説家。大阪の生まれ。本名、斎藤義和。ユーモアに満ちた作風が特徴。明治初期の大阪の庶民を描いた「大浪花諸人往来(だいなにわしょにんおうらい)」で直木賞受賞。他に「幕末早春賦...
アリウス【Arius】
[250ころ〜336]アレクサンドリアの司祭。正統派の三位一体説に対し、キリストの神性を否定してその被造者性を主張。ニカイア公会議で異端者として追放された。
アリオスト【Ludovico Ariosto】
[1474〜1533]イタリアのルネサンス期の詩人。豊かな想像力と、スタイルの美しさで知られる。騎士物語詩「狂乱のオルランド」など。
ありが‐ちょうはく【有賀長伯】
[1661〜1737]江戸中期の歌人。京都の人。主著は歌の手引書「和歌世世の栞(しおり)」。
ありが‐ながお【有賀長雄】
[1860〜1921]法学者・社会学者。大阪の生まれ。ドイツに留学しシュタインに師事。その著「社会学」は、日本で最初の体系的な社会学書。他に「国法学」「国家学」など。
ありくに【有国/在国】
[?〜1019]平安中期の刀工。山城または信濃の人という。三条宗近の門人。渡辺綱が羅生門で鬼の腕を切った刀の作者といわれる。
ありさか‐なりあきら【有坂成章】
[1852〜1915]技術家・陸軍中将。山口の生まれ。明治31年(1898)有坂式速射砲を発明。
ありさわ‐ひろみ【有沢広巳】
[1896〜1988]経済学者・統計学者。高知の生まれ。東京帝大教授。戦後復興期の経済政策立案に当たり、傾斜生産方式を提唱。著作に「世界経済図説」など。昭和56年(1981)文化功労者。
ありしま‐いくま【有島生馬】
[1882〜1974]洋画家・小説家。神奈川の生まれ。本名、壬生馬(みぶま)。武郎(たけお)の弟。里見弴(さとみとん)の兄。欧州留学中に後期印象派の影響を受け、帰国して「白樺」の創刊に参加、セザ...
ありしま‐たけお【有島武郎】
[1878〜1923]小説家。東京の生まれ。有島生馬(いくま)・里見弴(さとみとん)の兄。「白樺」の創刊に参加。大正12年(1923)「宣言一つ」に自己の立場を表明したのち、愛人と情死。作「或る...
ありすがわ‐の‐みや【有栖川宮】
四親王家の一。後陽成天皇の皇子好仁親王が寛永2年(1625)高松宮を創立したのに始まり、一時絶えたが後西(ごさい)天皇の皇子幸仁(ゆきひと)親王が寛文7年(1667)再興、寛文12年(1672)...
ありすがわのみやたるひと‐しんのう【有栖川宮熾仁親王】
[1835〜1895]有栖川宮9代親王。幕末に攘夷(じょうい)論を主張。王政復古とともに総裁職に就任した。戊辰(ぼしん)戦争で東征大総督。のち、参謀総長などを歴任。
アリスタルコス【Aristarchos】
[前310ころ〜前230]古代ギリシャの天文学者。サモスの人。地動説を提唱、コペルニクスに強い暗示を与えた。
アリスティッポス【Aristippos】
[前435ころ〜前355ころ]古代ギリシャの哲学者。ソクラテスに師事。快楽主義を説いた。キュレネ学派の祖。
アリストテレス【Aristotelēs】
[前384〜前322]古代ギリシャの哲学者。プラトンの弟子。プラトンがイデアを超越的実在と説いたのに対し、それを現実在に形相として内在するものとした。アテネに学校リュケイオンを開いてペリパトス学...
アリストファネス【Aristophanēs】
[前445ころ〜前385ころ]古代ギリシャの喜劇詩人。ペロポネソス戦争前後のアテナイ(アテネ)を風刺した作品が多い。作「雲」「平和」「女の平和」など。
アリストファネス【Aristophanēs】
[前257ころ〜前180ころ]アレクサンドリアの文献学者。ホメロス・エウリピデスなどの校訂をした。
ありま‐の‐みこ【有間皇子】
[640〜658]孝徳天皇の皇子。謀反をはかったとされて処刑された。このときの哀歌2首が万葉集にある。
ありま‐はるのぶ【有馬晴信】
[1567〜1612]安土桃山時代のキリシタン大名。肥前日野江城主。洗礼名、ジョアン=プロタシオ。天正10年(1582)大友宗麟らと天正遣欧使節をローマに派遣した。
ありま‐よりちか【有馬頼義】
[1918〜1980]小説家。東京の生まれ。頼寧(よりやす)の子。推理小説ブームの一翼を担い、「終身未決囚」で直木賞受賞。昭和45年(1970)には文芸雑誌「早稲田文学」の編集長となる。他に「四...
ありま‐よりやす【有馬頼寧】
[1884〜1957]政治家。東京の生まれ。頼義の父。東京帝大卒業後、農商務省に入り、大正13年(1924)衆議院議員、昭和4年(1929)貴族院議員となる。昭和12年(1937)には農林大臣に...
ありよし‐さわこ【有吉佐和子】
[1931〜1984]小説家。和歌山の生まれ。「恍惚(こうこつ)の人」「複合汚染」などで現代の社会問題を描く。「華岡青洲(はなおかせいしゅう)の妻」で女流文学賞、「出雲の阿国(おくに)」で芸術選...
ありわら‐の‐しげはる【在原滋春】
平安前期の歌人。業平(なりひら)の第2子。その歌は古今集・新勅撰集に収録。大和物語の作者との説もある。在次の君。生没年未詳。
ありわら‐の‐なりひら【在原業平】
[825〜880]平安前期の歌人。六歌仙・三十六歌仙の一人。阿保親王の第5子。情熱的で詠嘆の強い和歌を残し、伊勢物語の主人公とされる。美男子の代表といわれる。在五中将。
ありわら‐の‐ゆきひら【在原行平】
[818〜893]平安前期の歌人。阿保親王の第2子。業平の兄。子弟教育のために奨学院を創立。古今集・後撰集などに歌がある。