ぜに【銭】
《「せん(銭)」の音変化》 1 金・銀・銅など、金属でつくられた貨幣。多く円形で、中央に穴がある。 2 貨幣。金銭...
ぜに‐あおい【銭葵】
アオイ科の越年草。高さ60〜90センチ。葉は円形で長い柄をもち、互生する。初夏、赤紫色の5弁花を開く。ヨーロッパの...
ぜに‐いれ【銭入れ】
銭を入れるもの。財布・がまぐちなど。
ぜに‐うら【銭占/銭卜】
数個の銭を投げたりまぜたりして、その表裏によって吉凶を判断する占い。表を陽、裏を陰とし、陽を吉とする。
ぜに‐うり【銭売り】
江戸時代、銭を持って市中をめぐり、金銀貨を両替して手数料を取った小商人。
ぜに‐かね【銭金】
金銭。また、金銭上の損得。「—の問題ではない」
ぜにかね‐ずく【銭金尽く】
金銭の力で、無理に事を運ぶこと。また、金銭の多少を基準にして行動すること。ぜにずく。かねずく。
ぜに‐かんじょう【銭勘定】
金銭の収支や損得を計算すること。「—が細かい」
ぜに‐がい【銭貝】
キサゴの別名。
ぜに‐がさ【銭瘡】
《患部が銭のように円形になるところから》田虫(たむし)の古名。〈和名抄〉
ぜに‐がた【銭形】
1 銭のかたち。 2 銭のかたちに切り抜いて神前に供える紙。紙銭。 3 (「銭型」とも書く)銭の鋳型。
ぜにがた‐あざらし【銭形海豹】
南千島にすむアザラシ。分布南限は襟裳岬とされ、陸岸で繁殖。体に白い穴あき銭模様が散在する。
ぜにがた‐へいじ【銭形平次】
野村胡堂の小説「銭形平次捕物控」の主人公。江戸の目明かしで、投げ銭が得意。
ぜにがたへいじとりものひかえ【銭形平次捕物控】
野村胡堂による時代小説のシリーズ。銭形平次と子分の八五郎らが活躍する捕物帳。第1作は、昭和6年(1931)、「オー...
ぜに‐がめ【銭亀】
イシガメの子のこと。クサガメの子をいうこともある。《季 夏》
ぜに‐ぐつわ【銭轡】
金銭を与えて人を自分の意に従わせること。また、口止め料。「—をはめる」
ぜに‐ぐら【銭蔵】
銭を貯えておく蔵。
ぜに‐ぐるま【銭車】
1 両替屋や大商店が寺社や湯屋などで銭を買い入れ、それを必要とする商店へ売り込むときに用いた車。「—女を見ても静か...
ぜに‐こ【銭こ】
銭のこと。ぜんこ。
ぜに‐ごけ【銭苔/地銭】
1 ゼニゴケ科の苔(たい)類。湿地などに群生する。緑色の葉状体で幅約1センチ、長さ約5センチ。地をはい、二股状に分...
ぜに‐ごま【銭独楽】
江戸時代、銭の穴に心棒を通してこしらえたこま。銭車(ぜにぐるま)。
ぜに‐さし【銭差/銭緡/繦】
穴あき銭をまとめておくための、わらや麻のひも。百文差・三百文差・一貫文(千文)差などがあった。さし。ぜになわ。
ぜに‐さつ【銭札】
江戸時代から明治初期にかけて諸藩で発行した藩札の一。銭高で額面を表示した。
ぜに‐ざ【銭座】
江戸時代、幕府から銭貨の鋳造・発行を任された機関。公許を得た有力町人などが運上を納入して請け負った。寛永13年(1...
ゼニス
「天頂」に同じ。⇔ナディア。
ぜに‐ずく【銭尽く】
「金尽(かねず)く」に同じ。「大尽かと思へば—にきたなびれ」〈滑・素人狂言紋切形・初〉
ぜに‐そうば【銭相場】
江戸時代、銭貨と金・銀貨との交換比価。
ぜに‐たなご【銭鱮】
コイ科の淡水魚。関東・東北地方の浅い池沼にすむ。全長約9センチ。体高が高く側扁が著しい。口ひげがなく、うろこは小さ...
ぜに‐たむし【銭田虫】
「田虫(たむし)」に同じ。
ぜに‐だいこ【銭太鼓】
1 子供の玩具の一つで、小さく丸い太鼓。豆太鼓。 2 民俗芸能の楽器の一。竹筒の中に銭を通した針金を仕込んだもの、...
ぜにだいこ‐おどり【銭太鼓踊(り)】
銭太鼓を両手または片手に持ち、振ったり、からだや地面に打ちつけたりしておどる踊り。全国各地に分布する。
ぜに‐づかい【銭遣い】
金(かね)のつかい方。かねづかい。「—が荒い」
ぜに‐づつ【銭筒】
銭を入れる筒。普通は竹筒。
ぜに‐なわ【銭縄】
「銭差(ぜにさし)」に同じ。
ぜに‐ばこ【銭箱】
銭を入れておく箱。施錠の仕掛けや鋲(びょう)打ちをして頑丈な作りになっている。
ぜに‐みせ【銭店/銭見世】
江戸時代、銭の売買・交換を業とした小規模な両替屋。銭屋(ぜにや)。銭両替。
ぜに‐むし【銭虫】
1 田虫(たむし)の別名。 2 ヤスデの別名。
ぜに‐もうけ【銭儲け】
金銭をもうけること。かねもうけ。
ぜに‐もち【銭持ち】
金満家。かねもち。
ぜにもち‐くび【銭持ち首】
着物の襟を前に引き詰めて着ること。銭を多く懐中に入れると重みで襟が前に引っ張られるところからいう。「ひだるさに寒さ...
ぜに‐や【銭屋】
「銭店(ぜにみせ)」に同じ。
ぜにや‐ごへえ【銭屋五兵衛】
[1774〜1852]江戸後期の豪商。加賀の人。海運業を営み、のち加賀藩の御用商人となって巨富を築いた。河北潟干拓...
銭(ぜに)を買(か)・う
金貨や銀貨を銭に両替する。「—・ふには金銀を手離し」〈仮・東海道名所記・一〉
銭(ぜに)をつ・く
銭を差し出す。銭をその場で支払う。「和諭(あつかひ)(=示談)になりしやら、—・いたもたしかに見た」〈浄・歌念仏〉
ぜ‐にん【是認】
[名](スル)人の行為や思想などを、よいと認めること。「相手の態度を—する」⇔否認。