わき【分き/別き】
1 わけること。区別。けじめ。「夜昼といふ—知らず我(あ)が恋ふる心はけだし夢(いめ)に見えきや」〈万・七一六〉 ...
わき【沸き】
沸くこと。煮え立つこと。「この風呂釜(がま)は—が早い」
わき【脇/腋/掖】
1 両腕の付け根のすぐ下の所。また、体側とひじとの間。わきのした。「本を—に抱える」 2 衣服で、1にあたる部分。...
わき【湧き/涌き】
1 現れ出ること。「今年はハゼの—がいい」 2 魚群が押し寄せて、海面が泡立ち白くなること。
わ‐き【和気】
1 のどかな陽気。穏やかな気候。「—山野に漂う」 2 なごやかな気分。「—を帯びた口調」「—靄然(あいぜん)」
わき‐あいあい【和気靄靄/和気藹藹】
[ト・タル][文][形動タリ]なごやかで楽しい気分が満ちているさま。「—とした集い」
わき‐あが・る【沸き上(が)る】
[動ラ五(四)] 1 盛んに煮え立つ。沸騰する。「湯が—・る」 2 興奮した雰囲気が高まる。ある感情が激しく起こる...
わき‐あが・る【湧き上(が)る/涌き上(が)る】
[動ラ五(四)]下の方から現れて上の方へ行く。「入道雲が—・る」「煙突から蒸気が—・る」
わき‐あけ【脇明け】
1 女性・子供の洋服の、着脱を楽にするために脇部に作る明き。留め具には多くファスナーが使われる。わきあき。 2 子...
わき‐あせ【脇汗】
わきの下にかく汗。
わき‐あて【脇当】
⇒脇盾(わいだて)
わきあと‐ぞなえ【脇後備え】
本陣の両脇を守る脇備えと後方を守る後備え。
わき‐い・ず【湧き出づ/涌き出づ】
[動ダ下二] 1 「わきでる1」に同じ。「土裂けて水—・で」〈方丈記〉 2 「わきでる2」に同じ。「—・づる涙の川...
わき‐いた【脇板】
鎧(よろい)・胴丸・腹巻きなどの側面にある板。
わき‐うり【脇売り】
中世の座や近世の株仲間の営業区域内で、座外・仲間外の者が同じ商売をすること。また、その人。
わき‐え【脇絵】
三幅対の掛け物で、両脇の絵。
わき‐おうかん【脇往還】
⇒脇街道(わきかいどう)
わき‐おこ・る【沸き起(こ)る】
[動ラ五(四)] 1 感情などがこみ上げてくる。「—・る悲しみ」 2 歓声などが盛んに起こる。「万雷の拍手が—・る」
わき‐おこ・る【湧き起(こ)る/涌き起(こ)る】
[動ラ五(四)]下の方から盛んに出てくる。「泉が—・る」「にわかに雷雲が—・る」
わき‐かいどう【脇街道】
江戸時代、本街道以外の支街道。その主なものに水戸街道・美濃路・中国路・日光御成街道・日光例幣使街道などがある。脇往還。
わき‐かえ・る【沸き返る】
[動ラ五(四)] 1 激しくにえたぎる。沸騰する。「湯が—・る」 2 大勢の人が熱狂して大騒ぎする。「優勝の報に町...
わき‐かえ・る【湧き返る/涌き返る】
[動ラ五(四)]勢いよくわき出る。「地下水が—・る」「水は石がちなる中より—・りゆく」〈かげろふ・上〉
わき‐かじ【脇舵/脇楫】
⇒わいかじ(脇舵)
わき‐かた【脇方】
能楽師のうち、ワキ・ワキヅレを専門に務める者。また、その家柄。進藤・春藤・福王・高安・宝生の五流があったが、進藤・...
わき‐かべ【脇壁】
幅の狭く小さい壁。
わき‐が【腋臭/狐臭/胡臭】
わきの下から不快臭を発する状態。アポクリン腺からの分泌物が細菌により脂肪酸に分解され、汗のアンモニアなどが加わって...
脇(わき)が甘(あま)・い
相撲で、脇をかためる力が弱いために、相手に有利な組み手やはず押しを許してしまうさま。転じて、守りが弱いさま。「警備...
わき‐がお【脇顔】
横顔。「—うつくしく」〈浮・一代男・六〉
わき‐がかり【脇懸かり】
他人のことに関係すること。また、他人に関係を及ぼすこと。「我が子の戯気(たはけ)は思はず、—の恨みが出る」〈浄・寿...
わき‐がき【脇書(き)】
1 そばに書き添えること。また、そのように書いたもの。 2 「脇付(わきづけ)」に同じ。
わき‐がけ【脇掛(け)】
浄土真宗で、仏壇の本尊の左右に下げる如来の名号(みょうごう)または絵像の掛け軸。
わき‐がたな【脇刀】
腰に差す小刀。腰刀。〈日葡〉
わき‐がたり【脇語り】
「脇太夫(わきたゆう)」に同じ。
わき‐がま【脇窯】
楽焼きの一派。京都の楽本家以外のもの。→本窯
わき‐がまえ【脇構え】
剣道で、右足を引いてからだを右斜めに向け、頭を正面に保ち、刀を右脇にとり切っ先を後ろに下げた構え。陽の構え。
わき‐がんな【脇鉋】
敷居の溝や小穴の側面を削るのに用いる溝鉋。
わき‐きょうげん【脇狂言】
1 正式な五番立ての演能で、脇能の次に上演される狂言。めでたい内容の曲が多い。 2 江戸時代の歌舞伎で、1日の興行...
わき‐く【脇句】
連歌・連句で、発句(ほっく)の次に七・七と付ける第2句。ふつう、発句と同季。脇。
わき‐くさ【腋臭】
⇒わきが(腋臭)
わき‐くそ【腋臭】
「わきが」に同じ。〈和名抄〉
わき‐げ【腋毛/脇毛】
わきの下に生える毛。
わき‐ごころ【脇心】
他に心を動かすこと。また、その心。浮気心。あだし心。「こちゃこれが好きにて、身に替へての—」〈浮・五人女・三〉
わき‐ごし【脇輿】
輿の脇。また、輿の脇に従うこと。こしわき。「仲光は遥かの—に参り」〈謡・満仲〉
わきさか‐やすはる【脇坂安治】
[1554〜1626]安土桃山・江戸初期の武将。近江(おうみ)の人。通称、甚内。賤ヶ岳の七本槍の一人。豊臣秀吉に仕...
わき‐ざ【脇座】
能舞台で、客席正面から向かって右側、脇柱の右手の地謡(じうたい)座の手前にあたる所。ワキが座る定位置。
わき‐ざいごう【脇在郷】
都会に近接した村。
わき‐ざし【脇差/脇指】
1 武士が腰に差す大小2刀のうち、小刀の称。 2 腰刀。 3 近世、町民などが道中のときに護身用に腰に差した刀。武...
わき‐し【脇師】
能で、ワキを務める役者。
わき‐しょうじ【脇障子】
神社・書院の側面の縁の、行き止まりの所に設ける衝立(ついたて)状の仕切り。
わき‐じょうめん【脇正面】
《「わきしょうめん」とも》能舞台で、シテ柱と目付(めつけ)柱との間の所、およびその外縁の観客席。舞台に向かって左側...