ねこ‐ずきん【猫頭巾】
江戸時代に、火消しが火事場でかぶった頭巾。火の粉や熱風を防ぐためのもので、紺木綿の綿入れで刺子をしたもの。
ねこ‐ぜ【猫背】
首をやや前に出し、背を丸めた姿勢。また、そのようなからだつき。
ね‐こそぎ【根刮ぎ】
根まですっかり抜き取ること。転じて、余さずすべてすること。ねこそげ。副詞的にも用いる。「金目のものを—盗まれる」
ね‐こそげ【根刮げ】
「ねこそぎ」に同じ。「この大釜に一歩一杯ほしや、—にすます事ぢゃ」〈浮・胸算用・三〉
ねこ‐だ
わらや縄で編んだ大形のむしろ。また、背負い袋。ねこ。「—敷く車力は人にうらやまれ」〈柳多留・二二〉
ねこだ‐ながし【ねこだ流し】
古く行われた金・銀などの選鉱方法。細かく砕いた鉱石を、板に張った晒木綿(さらしもめん)やねこだなどの上に流し、その...
ねこ‐だまし【猫だまし】
相撲で、立ち合いなどに相手の眼前で両手を打ち、ひるませて自分優位の型に入る戦法。めくらまし。
ねこっ‐かぶり【猫っ被り】
「ねこかぶり」の音変化。
ねこっ‐け【猫っ毛】
猫の毛のように、柔らかく、ねやすい頭髪。
ねこなで‐ごえ【猫撫で声】
猫が人になでられたときに発するような、きげんを取るためのやさしくこびる声。「—で頼み込む」
猫(ねこ)に鰹節(かつおぶし)
猫のそばに、その好物の鰹節を置くこと。油断できないこと、危険であることのたとえ。
猫(ねこ)に小判(こばん)
貴重なものを与えても、本人にはその値うちがわからないことのたとえ。
猫(ねこ)に木天蓼(またたび)お女郎(じょろう)に小判(こばん)
大好物のたとえ。また、非常に効き目があることのたとえ。
猫(ねこ)の首(くび)に鈴(すず)を付(つ)ける
《猫に仲間を捕られる鼠(ねずみ)たちが集まって相談し、猫の首に鈴をつけることにしたが、実行する鼠はいなかったという...
ねこ‐の‐こい【猫の恋】
晩冬から初春にかけて、猫が交尾期にあること。《季 春》「うらやまし思ひきる時—/越人」
猫(ねこ)の子(こ)一匹(いっぴき)いない
人が全くいないたとえ。「—夜の官庁街」
猫(ねこ)の子(こ)を貰(もら)うよう
猫の子をもらうときのように、縁組みが手軽に行われるようす。
ねこ‐の‐した【猫の舌】
キク科の多年草。暖地にみられ、海岸の岩の上や砂地をはう。葉は楕円形で、短い剛毛があってざらつく。夏、黄色い頭状花を...
猫(ねこ)の手(て)も借(か)りたい
非常に忙しく手不足で、どんな手伝いでもほしいことのたとえ。
ねこ‐の‐ひたい【猫の額】
《猫の額が狭いところから》場所の狭いことのたとえ。ねこびたい。「—ほどの庭」
ねこ‐の‐め【猫の目】
《猫のひとみは明るさにより形が変わるところから》非常に変化しやすいことのたとえ。「政策が—のように変わる」
ねこのめ‐そう【猫の目草】
ユキノシタ科の多年草。山中の湿地に生え、高さ5〜20センチ。茎は地をはい、葉は広卵形。3、4月ごろ、苞(ほう)をも...
ねこ‐はぎ【猫萩】
マメ科の多年草。草地に生える。全体に毛が多く、茎は地をはい、葉は楕円形の3枚の小葉からなる複葉。夏から秋、葉の付け...
ねこはしっていた【猫は知っていた】
仁木悦子の長編推理小説。昭和32年(1957)、第3回江戸川乱歩賞を受賞して刊行された、著者のデビュー作。
ねこ‐はち【猫八】
江戸時代の物乞いの一。猫・犬・鶏などの鳴き声をまねて金品をもらって歩いた者。
ねこばし【猫橋】
《原題、(ドイツ)Der Katzensteg》ズーダーマンの長編小説。1889年刊。
ねこ‐ばば【猫糞】
[名](スル)《猫が、糞(ふん)をしたあとを、砂をかけて隠すところから》悪いことを隠して素知らぬ顔をすること。また...
ねこばばのいるまちで【ネコババのいる町で】
滝沢美恵子の短編小説。平成元年(1989)、第69回文学界新人賞、第102回芥川賞受賞。
ねこひっかき‐びょう【猫引っ掻き病】
グラム陰性菌の一種が感染することによって起こる感染症。病原菌をもつネコに引っかかれたり、噛まれたりすることで感染す...
ねこ‐ひばち【猫火鉢】
中に入れた火桶を上から覆うようにし、側面に穴をあけた火鉢。布団の中に入れて足を温めるもの。ねこ。
ねこ‐びたい【猫額】
「猫の額」に同じ。
ね‐こぶ【根瘤】
松などの根もとがふくれて、瘤のようになったもの。
ねこ‐ま【猫ま】
猫の古名。〈和名抄〉
ねこ‐ま【猫間】
扇の親骨の透かし彫りの一。猫の瞳(ひとみ)が明暗で変化するように、丸い形や細長い形などを連続的に彫り透かしたもの。
ねこ‐また【猫股/猫又】
年老いた猫で、尾が二またに分かれ、化けて人を害するといわれるもの。
ねこ‐またぎ【猫跨ぎ】
《魚の好きな猫でもまたいで通り過ぎる意から》味のよくない魚。
ねこまたしゅうい【猫又拾遺】
室井光広の短編小説。平成3年(1991)「群像」誌に掲載。同作を表題作とする小説集は、平成6年(1994)に刊行。
ねこまち【猫町】
萩原朔太郎の短編小説。道に迷った詩人が、不思議な町の幻を見る。昭和10年(1935)刊。 平井照敏の第1句集。昭和...
ねこ‐まんま【猫飯】
猫に与える餌。また、米飯に鰹節(かつおぶし)と醤油、または味噌汁などをかけた人の食事。ねこめし。
ね‐こみ【寝込み】
《「ねごみ」とも》眠っている最中。「—を襲われる」
ねこ‐みみ【猫耳】
1 猫の耳。 2 アニメやゲームなどで、猫の耳を模したカチューシャや帽子などを頭につけた女の子のこと。
ね‐こ・む【寝込む】
[動マ五(四)] 1 ぐっすりと寝入る。熟睡する。「—・んでいて地震に気がつかない」 2 病気で床につく。「風邪で...
ねこめ‐いし【猫目石】
宝石にする良質の金緑石。結晶中に平行な多くの針状の包有物があり、半球状に磨くと中央に1本の光彩が現れ、猫の目を思わ...
ねこ‐めし【猫飯】
「ねこまんま」に同じ。
猫(ねこ)も杓子(しゃくし)も
だれもかれも。なにもかも。「当節は—海外旅行をする」
ね‐ごや【根小屋】
《「ねこや」とも》館(やかた)や城のある山のふもとの集落。「居館の小城へ押し寄せ、—まで焼き候へども」〈甲陽軍鑑・二三〉
ねこ‐やなぎ【猫柳】
ヤナギ科の落葉低木。川岸に多く、葉は長楕円形で、裏は白みがかっている。雌雄異株。早春、葉より先に、赤褐色の鱗片(り...
ね‐ころが・る【寝転がる】
[動ラ五(四)]「寝転ぶ」に同じ。「畳に—・って新聞を読む」
ね‐ころ・ぶ【寝転ぶ】
[動バ五(四)]ごろりとからだを横にする。むぞうさに横になる。ねころがる。「芝生(しばふ)に—・んで空を見る」
猫(ねこ)を追(お)うより魚(さかな)をのけよ
猫を追い払うよりも魚を取りのぞくほうがよい。末梢(まっしょう)的なことにこだわるのではなく、根本を正すべきだという...