たち‐ぎれ【裁(ち)切れ】
裁断してある布。
たちぎれ【立切れ】
富岡多恵子の小説。昭和51年(1976)、「群像」誌に発表。翌年の第4回川端康成文学賞を受賞。
たち‐ぎわ【発ち際】
ちょうど出かけようとする、その時。出発のまぎわ。「—に客が来る」
たち・く【立ち来/起ち来】
[動カ変] 1 やってくる。来る。「近江より朝—・くればうねの野にたづぞ鳴くなる明けぬこの夜は」〈古今・大歌所御歌...
たち‐く・く【立ち潜く】
[動カ四]間をくぐる。くぐって行く。「あしひきの木(こ)の間—・くほととぎすかく聞きそめて後恋ひむかも」〈万・一四九五〉
たち‐くず【裁ち屑】
紙や布などを裁断したときに出る残りくず。
たち‐くたび・れる【立ち草臥れる】
[動ラ下一][文]たちくたび・る[ラ下二]長い時間立ちつづけて疲れる。「電車で—・れる」
たち‐くだ・る【立ち下る】
[動ラ四]程度が低くて劣る。「その人ならず—・れる際(きは)には」〈源・若菜上〉
たち‐くらみ【立(ち)暗み/立ち眩み】
[名](スル)《「たちぐらみ」とも》立ち上がるときに、または立っているときに急にめまいがすること。また、そのめまい...
たち‐ぐい【立(ち)食い】
[名](スル)立ったままでものを食べること。「—そば」
たちぐい‐そば【立(ち)食い蕎麦】
立ったままで食べるそば。また、そのような形式でそばや丼ものを提供する店のこと。
たち‐ぐされ【立(ち)腐れ】
[名](スル)草木などが立ったままで腐ること。また、建物などが手入れをしないために荒れ朽ちてしまうこと。
たち‐げ【立(ち)毛】
1 農作物の収穫する前の状態。「金では取れないと見ると帳場は—の中に押収してしまう」〈有島・カインの末裔〉 2 寝...
たち‐げいこ【立(ち)稽古】
演劇の稽古で、台本の読み合わせのあと、実際に立って各自の動作・表情をつけながら練習すること。
たちげ‐さしおさえ【立(ち)毛差(し)押(さ)え】
小作料が滞納または不納のとき、その代償として地主が、刈り取る前の小作地の稲を差し押さえること。青田差し押さえ。
たち‐こ・える【立(ち)越える】
[動ア下一][文]たちこ・ゆ[ヤ下二] 1 越える。過ぎていく。「国境(くにざかい)の峠を—・える」「一身の利害を...
たちこみ【立(ち)込み】
釣りで、川または海の浅場に入って魚を釣ること。
たち‐こ・む【立(ち)込む/立ち籠む】
[動マ五(四)] 1 ある場所に集まって込み合う。混雑する。たてこむ。「境内は参詣の人々で—・んでいる」「ことに人...
たち‐こ・める【立(ち)込める/立ち籠める】
[動マ下一][文]たちこ・む[マ下二]霧や煙などがその場所一面に満ち広がる。「室内に甘い香りが—・める」
たち‐ごし【立(ち)腰】
相撲で、腰の重心を低くしていない姿勢で立っていること。
たち‐ごしらえ【太刀拵え】
太刀の柄(つか)・鍔(つば)・鞘(さや)などの装備、およびそれに施された意匠。
たち‐さ・う【立ち塞ふ】
[動ハ下二]立ってさえぎり止める。立ちふさぐ。「波—・へて入れずもあらなむ」〈土佐〉 [補説]古くは四段活用か。
たち‐さか・ゆ【立ち栄ゆ】
[動ヤ下二] 1 草木などが盛んに茂る。「山の峡(かひ)に—・ゆる葉広熊白檮(くまかし)」〈記・下・歌謡〉 2 時...
たち‐さき【太刀先】
1 太刀の刃の先。切っ先。「—をかわす」 2 切りかかる勢い。また、口や筆によって攻撃する勢い。「—鋭く政府を攻撃する」
たち‐さばき【太刀捌き】
太刀の使いよう。
たち‐さ・る【立(ち)去る】
[動ラ五(四)]立ってその場所から去る。たちのく。「黙って—・る」
たち‐さわ・ぐ【立(ち)騒ぐ】
[動ガ五(四)]《古くは「たちさわく」》 1 風・波などが立って激しい音をたてる。「波が—・ぐ」 2 ㋐ひどく騒ぐ...
たち‐さわ・る【立(ち)障る】
[動ラ五(四)] 1 干渉する。関与する。「成るたけ—・らねえ方が穏便だと」〈木下尚江・良人の自白〉 2 さまたげ...
たち‐ざけ【立(ち)酒】
1 立ったまま酒を飲むこと。また、その酒。 2 出発に際して飲む酒。旅行や婚礼・葬送など、家から出かけるときに飲む...
たち‐し・く【立ち頻く】
[動カ四]次から次へと休みなく立つ。しきりに立つ。「英遠(あを)の浦に寄する白波いや増しに—・き寄せ来(く)あゆを...
たち‐しな・う【立ち撓ふ】
[動ハ四]しなやかに立つ。なよやかに立つ。「—・ふ君が姿を忘れずは世の限りにや恋ひ渡りなむ」〈万・四四四一〉
たち‐しのぶ【立忍】
イノモトソウ科の常緑多年生のシダ。暖地のやや乾いた地に生え、高さ30〜60センチ。シノブに似て、葉は細かく裂ける。...
たち‐しゅう【立(ち)衆】
能・狂言の端役で、数人が同じ役目で一団となって登場するもの。能で軍勢・従者など、狂言で町衆・小鬼など。たちしゅ。
たち‐しょうべん【立(ち)小便】
[名](スル)道端などで、立って小便をすること。たちしょん。
たち‐しょん【立ちしょん】
[名](スル)《「しょん」は「小便(しょんべん)」の略》「立ち小便」に同じ。
たち‐じに【立ち死に】
立ったままの姿勢で死ぬこと。立ち往生。「矢七つ八つ射立てられて、—にこそ死ににけれ」〈平家・七〉
たち‐すがた【立(ち)姿】
1 立っている姿。 2 舞いをする姿。舞い姿。「久しうこなたの御—を拝見致しませぬによって」〈虎寛狂・比丘貞〉
たち‐すくみ【立ち竦み】
《「たちずくみ」とも》 1 立ったまま動けなくなること。「其処に—になった」〈森田草平・煤煙〉 2 「仏」をいう斎...
たち‐すく・む【立ち竦む】
[動マ五(四)] 1 恐ろしさや驚きなどで、立ったまま動けなくなる。「事故現場を目撃して—・む」 2 身動きしない...
たち‐すじ【太刀筋】
1 太刀の使い方。剣を扱う才能。「—が乱れない」「—がよい」 2 相手を責めたてる言葉や文章。太刀先。「ホホと笑う...
たち‐ずみ【立(ち)炭】
三炭(さんたん)の一。夜咄(よばなし)の茶事で、ひと通りの茶事が終わったあと、客をもう少しひきとめる意味で、亭主が...
たち‐せき【立(ち)席】
1 劇場やホールなどで、立ったまま観覧する場所。立ち見席。 2 座席指定の乗り物に、座る席がない状態で乗ること。ま...
たち‐そ・う【立(ち)添う】
[動ワ五(ハ四)] 1 離れないでそばにいる。よりそう。つきそう。「恋人の影も—・う」〈鏡花・歌行灯〉 2 ある状...
たちそば‐の【立ち柧棱の】
[枕]ソバノキの実が小さく少ないところから、「実のなけく」にかかる。「肴(な)乞(こ)はさば—実のなけくを」〈記・...
たち‐た・つ【立ち立つ】
[動タ四]あちこちで一面に立つ。次々に飛び立つ。「国原は煙(けぶり)—・つ海原(うなはら)はかまめ—・つ」〈万・二〉
たち‐だい【裁(ち)台】
布地の裁断に用いる台。
たち‐ちゃばん【立(ち)茶番】
かつら・衣装をつけ、化粧をして芝居をもじったこっけいなしぐさをする素人演芸。茶番狂言。口上茶番に対していう。→茶番2
たち‐ぢしゃ【立萵苣】
チシャの栽培品種。葉は長楕円形で、直立し、半結球状。コスレタス。ロメインレタス。
たちっ‐ぱなし【立ちっ放し】
立ったままでいること。「—で待ち続けた」
たち‐つかい【太刀遣い】
《「たちづかい」とも》 1 刀をつかうこと。また、そのつかい方。 2 刀のつかい方がじょうずな人。太刀さばきのうまい人。