ゆき‐ぶり【行き触り】
途中で行き会うこと。ゆきずり。「玉桙(ほこ)の道—に思はぬに妹(いも)を相見て恋ふるころかも」〈万・二六〇五〉
ゆき‐ぶれ【行き触れ】
1 行ってそれに触れること。 2 触穢(しょくえ)の一。死者などのけがれに触れ、自分もけがれること。いきぶれ。
ゆき‐べ【靫部】
⇒靫負部(ゆげいべ)
ゆき‐ぼうし【雪帽子】
1 雪を防ぐため、頭から体の上部にかけてかぶるもの。《季 冬》 2 大きな雪片となって降る雪。ぼたん雪。
ゆき‐ぼとけ【雪仏】
雪をかためて作った仏像。《季 冬》「彼是といふも当坐ぞ—/一茶」
雪仏(ゆきぼとけ)の水遊(みずあそ)び
《雪は水中に入ればとけるところから》自分から身を滅ぼすことのたとえ。
ゆき‐ま【雪間】
1 雪が降りやんでいる時。雪の晴れ間。 2 積もった雪のところどころ消えた所。《季 春》「辻待(つじまち)の車置い...
ゆき‐まく【雪幕】
歌舞伎の大道具の一。雪山の絵などを描いた道具幕で、雪の場面での舞台のつなぎなどに用いる。
ゆき‐まくり【雪捲り】
雪原に強風が吹きつけて雪面が薄くまくれ上がり、巻くように転がって円盤形または円筒形になる現象。庄内平野などでみられ...
ゆき‐まじり【雪交じり/雪雑じり】
雨や風に雪がまじること。
ゆき‐まぜ【雪交ぜ/雪雑ぜ】
「雪交じり」に同じ。「二月(きさらぎ)やなほ風寒き袖の上に—に散る梅の初花」〈風雅・春上〉
ゆきまち‐づき【雪待ち月】
陰暦11月の異称。
ゆき‐まつり【雪祭(り)】
1 長野県下伊那郡阿南町新野(にいの)の伊豆神社で、その年の豊作を祈って正月14日から15日にかけて行われる祭り。...
ゆき‐まよ・う【行(き)迷う】
[動ワ五(ハ四)]行く道に迷う。「日暮れの山中で—・う」
ゆき‐まる【雪丸】
「雪丸火鉢」の略。
ゆきまる‐ひばち【雪丸火鉢】
陶製で、白色の丸火鉢。
ゆき‐まろげ【雪丸げ】
「雪転がし」に同じ。《季 冬》「霜やけの手を吹いてやる—/羽紅」〈猿蓑〉
ゆき‐まろばし【雪転ばし】
「雪転がし」に同じ。「わらはべおろして—せさせ給ふ」〈源・朝顔〉
ゆき‐み【雪見】
雪の降るさまや積もった景色を見て楽しむこと。また、その遊宴。《季 冬》「門を出て行先まどふ—かな/荷風」
ゆきみ‐ざけ【雪見酒】
雪景色を眺めながら酒を飲むこと。《季 冬》「—一とくちふくむほがひかな/蛇笏」
ゆき‐みず【雪水】
雪どけの水。雪消(ゆきげ)水。
ゆき‐みち【行(き)道/行き路】
1 行くときの道。行きの道。往路。 2 行くべき道。ゆくての道。 3 費やしたものの行く先。使い道。「宝の行方知れ...
ゆき‐みち【雪道/雪路】
雪の積もっている道路。雪の降っている道。
ゆきみ‐づき【雪見月】
陰暦11月の異称。
ゆきみ‐どうろう【雪見灯籠】
石灯籠の一。丈が低く、笠が大きく、短い3本脚をもつもの。庭園で用いられる。
ゆきみ‐ぶね【雪見船】
雪見のために仕立てた船。雪見の人が乗る船。《季 冬》
ゆき・みる【行き廻る】
[動マ上一]行ってあちこちめぐる。行きめぐる。「明日香川—・みる岡の秋萩は今日降る雨に散りか過ぎなむ」〈万・一五五七〉
ゆき‐むか・う【行き向かふ】
[動ハ四] 1 年月が経過しては、またやってくる。次々と過ぎてまたやってくる。「—・ふ年の緒長く仕へ来し」〈万・三...
ゆき‐むかえ【雪迎え】
晩秋の小春日和の日に、糸をつけた子蜘蛛が空を飛ぶ現象。このあと雪が降ることが多いところからいう。山形県米沢盆地など...
ゆき‐むし【雪虫】
1 雪国で、早春の積雪上に現れて活動する昆虫。セッケイカワゲラ・ユキガガンボなど。 2 北海道や東北地方で、雪の降...
ゆき‐むすめ【雪娘】
「雪女(ゆきおんな)」に同じ。
ゆき‐むろ【雪室】
冬に降った雪を長期間たくわえ、温度を低く保つようにしたむろ。食品の冷蔵や夏期の冷房などに用いる。
ゆき‐め【雪目/雪眼】
晴天の雪原などにいて、雪に反射した紫外線で目が炎症を起こし、痛くなったり見えにくくなったりすること。雪眼炎。雪盲(...
ゆき‐めがね【雪眼鏡】
雪に反射する紫外線などによって起こる目の障害を防ぐための眼鏡。《季 冬》「—山のさびしさ見て佇(た)てり/古郷」
ゆき‐めぐ・る【行き巡る/行き廻る】
[動ラ四] 1 あちこちめぐり歩く。「をみなへし咲きたる野辺を—・り君を思ひ出たもとほり来(き)ぬ」〈万・三九四四...
ゆき‐もち【雪持(ち)】
1 樹木の枝葉に雪が積もっていること。 2 屋根の積雪が落ちるのを防ぐ装置。
ゆき‐もち【雪餅】
米粉を水で練り、蒸籠(せいろう)で蒸した餅菓子。
ゆきもち‐そう【雪餅草】
サトイモ科の多年草。四国以西の山地に自生。高さ約30センチ。葉は2枚出て、鳥の足状の複葉。雌雄異株。5、6月ごろ、...
ゆき‐もどり【行(き)戻り/往き戻り】
[名](スル) 1 行くことと戻ること。行ったり戻ったりすること。いきもどり。 2 嫁に行って戻った女性。出戻り。
ゆき‐もよ【雪もよ】
雪の降っている最中。「草も木もふりまがへたる—に春待つ梅の花の香ぞする」〈新古今・冬〉
ゆき‐もよい【雪催い】
今にも雪の降りそうな空模様。雪模様。《季 冬》「湯帰りや灯ともしころの—/荷風」
ゆき‐もよう【雪模様】
「雪催(もよ)い」に同じ。
ゆき‐やけ【雪焼け】
[名](スル) 1 雪に反射した太陽光線で皮膚が黒くなること。《季 冬》 2 霜焼け。
雪(ゆき)やこんこ
《「こんこ」は「来ん来」で、雪よもっと降れ降れの意》雪が降るとき、子供が喜び、はやしていう言葉。雪やこんこん。「—...
ゆき‐やなぎ【雪柳】
バラ科の落葉小低木。川辺に生える。枝は弓なりに垂れ、葉は柳のように細くて小さい。春、白い小花が枝上に並んで咲き、雪...
ゆき‐やま【雪山】
1 雪が降り積もっている冬の山。ゆきのやま。《季 冬》 2 雪を高く山のように積み上げたもの。平安時代に宮中で行わ...
ゆき‐や・る【行き遣る】
[動ラ四]行きつづける。多く打消しの語を伴って用いる。「—・らぬ夢路をたのむ袂(たもと)には天(あま)つ空なる露や...
ゆき‐ゆ・く【行き行く】
[動カ四]どんどん先に進む。「—・きて駿河(するが)の国にいたりぬ」〈伊勢・九〉
ゆき‐よ【雪夜】
雪の降る夜。雪が積もった夜。
ゆき‐よけ【雪除け/雪避け】
1 積もった雪を取り除くこと。除雪。 2 道路・鉄道や家の周囲などの雪害を防ぐためのおおい。雪囲い。《季 冬》