かつら‐こそん【桂湖村】
[1868〜1938]中国文学者。早稲田大学教授。新潟の生まれ。名は五十郎。漢詩をよくし、陶器の研究でも知られた。著「漢籍解題」。
かつら‐たろう【桂太郎】
[1848〜1913]軍人・政治家。陸軍大将。長州藩出身。陸軍にドイツ式兵制を取り入れ、陸相などを歴任。三度首相となり、日英同盟・日露戦争・韓国併合を断行。大逆事件を初め、社会運動を弾圧した。
かつらだ‐ふじろう【桂田富士郎】
[1867〜1946]病理学者。石川の生まれ。ドイツに留学。日本住血吸虫を発見。
かつらばら‐しんのう【葛原親王】
[786〜853]桓武天皇の第3皇子。名は「かずらはら」とも。桓武平氏の祖。大蔵卿・式部卿などを経て大宰帥(だざいのそち)。天長2年(825)、平(たいら)の姓を賜り臣籍に下った。
かつら‐ぶんし【桂文枝】
上方の落語家。 (初世)[1819〜1874]江戸後期から明治の落語家。大坂の人。「三十石」を得意とし、上方落語の中興の祖と称される。 (5世)[1930〜2005]大阪の生まれ。本名、長谷...
かづき‐やすお【香月泰男】
[1911〜1974]洋画家。山口の生まれ。東京美術学校卒。藤島武二に師事。シベリア抑留後帰国、「埋葬」に始まる連作を制作。他の作品に「黒い太陽」など。画集に「画集シベリヤ」がある。
カトゥルス【Gaius Valerius Catullus】
[前84ころ〜前54ころ]古代ローマの叙情詩人。ギリシャ叙情詩の形式をラテン語の詩に採用。直情的な恋愛詩で名高い。
か‐とう【賈島】
[779〜843]中国、唐の詩人。范陽(河北省)の人。字(あざな)は浪仙。出家したが、韓愈(かんゆ)に詩才を認められて還俗(げんぞく)。五言律詩にすぐれる。「推敲(すいこう)」の故事で有名。著「...
かとう‐えなお【加藤枝直】
[1693〜1785]江戸中期の国学者・歌人。伊勢の人。本姓は橘(たちばな)。千蔭(ちかげ)の父。号、南山・芳宜園(はぎぞの)。江戸に出て南町奉行の与力となり、賀茂真淵(かものまぶち)に学んだ。...
かとう‐かげまさ【加藤景正】
鎌倉時代の伝説的な陶工。京都の人。正式には加藤四郎左衛門景正という。通称、藤四郎。入道して春慶と号した。道元に従って宋へ渡り、製陶法を学んで帰国。尾張の瀬戸に窯を開いたとされ、瀬戸焼また陶工の祖...
かとう‐きょうたい【加藤暁台】
[1732〜1792]江戸中期の俳人。尾張名古屋の人。別姓、久村(くむら)。名は周挙。別号、暮雨巷(ぼうこう)。尾張藩の武士から俳諧師となった。蕉風(しょうふう)を慕い、「秋の日」の編などにより...
かとう‐きよまさ【加藤清正】
[1562〜1611]安土桃山時代の武将。尾張の人。幼名、虎。豊臣秀吉に仕え、賤ヶ岳(しずがたけ)七本槍の一。肥後の半国を与えられて熊本城主となり、文禄の役・慶長の役で朝鮮に出兵。関ヶ原の戦いに...
かとう‐しげし【加藤繁】
[1880〜1949]東洋史学者。島根の生まれ。中国の経済史を研究。著「唐宋時代に於ける金銀の研究」「支那経済史考証」など。
かとう‐しゅういち【加藤周一】
[1919〜2008]評論家。東京の生まれ。昭和22年(1947)、中村真一郎・福永武彦との共著である評論集「一九四六 文学的考察」を発表。その後は文学・文化・美術・政治など幅広い分野で評論活動...
かとう‐しゅうそん【加藤楸邨】
[1905〜1993]俳人。東京の生まれ。本名、健雄(たけお)。生活に密着した人間臭の濃い句風で知られ、人間探究派ともよばれた。俳誌「寒雷」を主宰。句集「寒雷」「まぼろしの鹿」など。
かとう‐しろうざえもんかげまさ【加藤四郎左衛門景正】
⇒加藤景正
かとう‐たい【加藤泰】
[1916〜1985]映画監督。兵庫の生まれ。本名、泰通(やすみち)。記録映画から出発し、その後は時代劇を多く手がける。白塗りが当然であった時代劇で、キャストにノーメイクを命じて撮影するなど、独...
かとう‐たかあき【加藤高明】
[1860〜1926]政治家。愛知の生まれ。岩崎弥太郎の女婿。三菱社員から官僚を経て代議士となり、外相。憲政会総裁となり、第二次護憲運動をおこして護憲三派内閣の首相となった。日ソ国交回復に努め、...
かとう‐ちかげ【加藤千蔭】
[1735〜1808]江戸中期の歌人・国学者。江戸の人。本姓は橘(たちばな)氏で、枝直(えなお)の子。号、朮園(うけらぞの)・芳宜園(はぎぞの)。町奉行所吟味方を務めながら、賀茂真淵(かものまぶ...
かとう‐とうくろう【加藤唐九郎】
[1898〜1985]陶芸家。愛知の生まれ。伝統的な陶磁器の調査・研究に従事。桃山時代の黄瀬戸・織部の写しなどにすぐれた。
かとう‐ともさぶろう【加藤友三郎】
[1861〜1923]軍人・政治家。元帥・海軍大将。広島の生まれ。日露戦争時、連合艦隊参謀長。ワシントン会議に首席全権委員として出席。のち首相となり、シベリア撤兵、陸海軍の軍備縮小、山東還付など...
かとう‐はじめ【加藤土師萌】
[1900〜1968]陶芸家。愛知の生まれ。本名、一(はじめ)。中国・朝鮮の古陶磁器の研究を重ね、色絵磁器・金襴手(きんらんで)などに独創的な作風を示した。
かとう‐ばんさい【加藤盤斎】
[1621〜1674]江戸前期の国学者・俳人。摂津(播磨とも)の人。別号、等空。細川幽斎・松永貞徳に師事し、古典の注釈に力を注いだ。著「新古今増抄」「徒然草抄」「伊勢物語新抄」など。
かとう‐ひろゆき【加藤弘之】
[1836〜1916]思想家・教育者。兵庫の生まれ。初め明六社の一員として「真政大意」などで天賦人権・自由平等を説き、立憲政治の啓蒙(けいもう)に努めたが、のち「人権新説」などで天賦人権否定論・...
かとう‐うまき【加藤美樹】
[1721〜1777]江戸中期の国学者・歌人。江戸の人。本姓は河津。号、静廼舎(しずのや)。名は宇万伎(うまき)とも書く。幕臣として務め、賀茂真淵(かものまぶち)に学んだ。弟子に上田秋成がいる。...
かとう‐みちお【加藤道夫】
[1918〜1953]劇作家。福岡の生まれ。文学座に入り、劇作・演出に当たったが、自殺。戯曲「なよたけ」「思ひ出を売る男」など。
かとう‐ゆきこ【加藤幸子】
[1936〜2024]小説家。北海道の生まれ。本姓、白木。北京で暮らした少女時代を描いた「夢の壁」で芥川賞受賞。「尾崎翠(おさきみどり)の感覚世界」で芸術選奨。他に「野餓鬼(のがき)のいた村」「...
かとう‐よしあき【加藤嘉明】
[1563〜1631]安土桃山時代の武将。三河の人。豊臣秀吉に仕え、賤ヶ岳(しずがたけ)七本槍の一。九州征伐、小田原征伐、文禄の役・慶長の役に従軍。関ヶ原の戦いには東軍につき、松山、のち会津の領...
カトリック‐りょうおう【カトリック両王】
アラゴン王フェルナンド2世と、カスティーリャ女王イザベルのこと。両王の結婚でスペインが統一された。
かとり‐なひこ【楫取魚彦】
[1723〜1782]江戸中期の国学者・歌人。下総(しもうさ)の人。本姓は伊能。号、青藍。賀茂真淵(かものまぶち)に学び、万葉調の歌を詠み、歴史的仮名遣いを研究。著「古言梯(こげんてい)」「続冠...
かとり‐ほつま【香取秀真】
[1874〜1954]鋳金家・歌人。千葉の生まれ。本名、秀治郎。古典的な格調に時代感覚を備えた作品を制作。古代鋳金の研究を進め、「日本金工史」などを著した。子規門下の歌人としても知られ、歌集「天...
カトリーヌ‐ド‐メディシス【Catherine de Médicis】
[1519〜1589]フランス国王アンリ2世の妃。フィレンツェのメディチ家の出身。熱心なカトリック教徒で夫の死後、摂政として王権の維持を図り、新教徒の抹殺を企て、サンバルテルミーの虐殺を行った。...
カトー【Cato】
(Marcus Porcius 〜 Censorius)[前234〜前149]ローマの将軍・政治家。トゥスクルムの出身。ギリシャ文化への傾斜を戒めて、古代ローマへの復帰を唱え、また、カルタゴ打...
かどい‐よしのぶ【門井慶喜】
[1971〜 ]小説家。群馬の生まれ。平成15年(2003)「キッドナッパーズ」でオール読物推理小説新人賞受賞。平成18年(2006)に美術ミステリー「天才たちの値段」でデビュー。「銀河鉄道の父...
かどかわ‐げんよし【角川源義】
[1917〜1975]出版人・国文学者・俳人。富山の生まれ。辺見じゅんの父。折口信夫に師事。昭和20年(1945)に角川書店を創業、角川文庫・昭和文学全集などを刊行し成功を収めた。著作に「語り物...
かどの‐えいこ【角野栄子】
[1935〜 ]児童文学作家。東京の生まれ。本姓、渡辺。「魔女の宅急便」で野間児童文芸賞などを受賞。同作は宮崎駿監督によりアニメ映画化され、大ヒットした。平成30年(2018)国際アンデルセン賞...
かどや‐しちろうべえ【角屋七郎兵衛】
[1610〜1672]江戸前期の商人。伊勢松坂の人。祖父の代からの廻船問屋で、安南との交易に従事。鎖国後も現地にとどまった。
かどわき‐さいしょう【門脇宰相】
《邸が六波羅総門のわきにあったところから》平安時代の武将、平教盛(たいらののりもり)の通称。
かない‐のぶる【金井延】
[1865〜1933]経済学者・社会政策学者。静岡の生まれ。東大教授。ドイツ経済学の紹介、社会政策の普及に努め、社会政策学会の設立に尽力した。著「社会経済学」。
かない‐みえこ【金井美恵子】
[1947〜 ]小説家・詩人。群馬の生まれ。反リアリズムの作風と官能的文体で知られる。詩集「マダム・ジュジュの家」「春の画の館」、小説に「愛の生活」「プラトン的恋愛」「タマや」など。
かながき‐ろぶん【仮名垣魯文】
[1829〜1894]幕末から明治にかけての戯作者・新聞記者。江戸の人。本名、野崎文蔵。別号、鈍亭など。著に、開化の風俗を描いた「西洋道中膝栗毛」「安愚楽鍋(あぐらなべ)」など。
かなもり‐とくじろう【金森徳次郎】
[1886〜1959]憲法学者・政治家。愛知の生まれ。岡田内閣の法制局長官のとき、天皇機関説信奉者として攻撃を受け、辞任。第二次大戦後、吉田内閣の国務相として、日本国憲法の起草にあたる。国会図書...
カナレット【Canaletto】
[1697〜1768]イタリアの画家。本名、アントニオ=カナル(Antonio Canal)。ベネチアの町並みや運河の景観を描いた作品で有名。甥(おい)のベロットもカナレットと称し、各地の都市景...
カニシカ【Kaniṣka】
2世紀ころの古代インドのクシャン朝の国王。王朝の最盛期を現出した。仏教を保護し、首都プルシャブラに寺院を建立、また仏典結集(けつじゅう)を行った。カニュシカ。迦膩色迦。
カニッツァーロ【Stanislao Cannizzaro】
[1826〜1910]イタリアの化学者。ローマ大教授。1860年、アボガドロの仮説を実証し、原子量・分子量決定の方法を確立した。また、アルデヒドの不均化反応を発見したことでも知られる。カニッツァロ。
カニング【George Canning】
[1770〜1827]英国の政治家。各国の国民主権・民族自決の運動を支援、ウィーン反動体制に抵抗した。1827年、首相となるが4か月後に病没。
カニングハム【Merce Cunningham】
[1919〜2009]米国の舞踊家・振付師。クラシックバレエなどを学んだのち、1953年に自らの舞踏団を設立。モダンダンスの第一人者として活躍した。作曲家ジョン=ケージや彫刻家イサム=ノグチらと...
かねあきら‐しんのう【兼明親王】
[914〜987]醍醐天皇の皇子。源姓を名のり、左大臣となったが、関白藤原兼通にうとまれて辞任、嵯峨(さが)に引退。学問・詩歌にすぐれ、作品は本朝文粋・和漢朗詠集に収載。著「池亭記」。小倉親王。...
かねいえ【金家】
近世初期の鐔工(たんこう)。山城の人。鐔(つば)に少量の金・銀・銅などを象眼し、絵画風の文様を初めて取り入れた。生没年未詳。
かねうじ【兼氏】
鎌倉末期の刀工。正宗の弟子で正宗十哲の一人。大和から美濃国多芸郡志津に移り、志津三郎と称した。