たにぐち‐よしお【谷口吉生】
[1937〜 ]建築家。東京の生まれ。吉郎の長男。丹下健三に師事。資生堂アートハウスで日本建築学会賞を受賞し、その後も土門拳記念館、葛西臨海水族園などを設計。平成13年(2001)には、MoMA...
たにぐち‐よしろう【谷口吉郎】
[1904〜1979]建築家。石川の生まれ。東工大教授。日本の伝統的な様式を継承した近代建築を多数設計。作品に東宮御所・東京国立近代美術館などがある。また明治村の設立に尽力し、初代館長となった。...
たに‐けい【谷啓】
[1932〜2010]俳優・ミュージシャン・コメディアン。東京の生まれ。本名、渡部泰雄。コミックバンド「ハナ肇(はじめ)とクレージーキャッツ」のメンバーとしてテレビ番組「シャボン玉ホリデー」など...
たに‐こうしゅう【谷甲州】
[1951〜 ]小説家。兵庫の生まれ。本名、谷本秀喜。青年海外協力隊としてネパール在勤中に作家デビュー。航空宇宙軍史シリーズなどのSFのほか、山岳小説シリーズもある。「火星鉄道一九」「終わりなき...
たにざき‐じゅんいちろう【谷崎潤一郎】
[1886〜1965]小説家。東京の生まれ。精二の兄。第二次「新思潮」同人。「刺青(しせい)」などで永井荷風に認められ、耽美的作風に新しい境地を開く。関西移住後は、古典的な日本美に傾倒し、独自の...
たにざき‐せいじ【谷崎精二】
[1890〜1971]小説家・英文学者。東京の生まれ。潤一郎の弟。はじめ文芸同人雑誌「奇蹟」に、のち「早稲田文学」に作品を発表する。小説に「離合」「地に頰つけて」など。また、ポーの翻訳なども手がけた。
たにし‐きんぎょ【田螺金魚】
江戸後期の洒落本作者。江戸神田の医師鈴木位庵と伝えられる。「契情買虎之巻(けいせいかいとらのまき)」などを著し、のちの人情本に大きな影響を与えた。生没年未詳。
たに‐じちゅう【谷時中】
[1599〜1650]江戸初期の儒学者。土佐の人。名は素有。僧名、慈沖。一時、仏門に入ったが、還俗。南村梅軒に学び、南学派(土佐の朱子学派)を隆盛にした。門人に野中兼山・山崎闇斎らがいる。著「素...
たに‐たてき【谷干城】
⇒たにかんじょう(谷干城)
たに‐ぶんちょう【谷文晁】
[1763〜1841]江戸後期の画家。江戸の人。名は正安。通称、文五郎。別号、写山楼・画学斎など。広く和漢洋の画法を学び、独自の南画で一家をなした。また、松平定信の愛顧を受けて西洋画の遠近法・陰...
たに‐ももこ【谷桃子】
[1921〜2015]バレリーナ。兵庫の生まれ。本姓、上田。小牧正英に師事の後、谷桃子バレエ団を設立。戦後の古典バレエ界を代表する踊り手として活躍した。紫綬褒章受章。
たぬま‐おきつぐ【田沼意次】
[1719〜1788]江戸中期の幕臣。遠江(とおとうみ)相良(さがら)城主。第10代将軍徳川家治の側用人から老中となり、幕政の実権を掌握。積極的な経済政策を進めたが、賄賂政治が横行し、子の意知(...
たねがしま‐ときたか【種子島時尭】
[1528〜1579]戦国時代の武将。大隅(おおすみ)種子島の領主。天文12年(1543)漂着したポルトガル人から鉄砲2挺を購入し、その操法と製法を家臣に研究させた。
たねだ‐さんとうか【種田山頭火】
[1882〜1940]俳人。山口の生まれ。本名、正一。地主の長男に生まれたが、生家破産後出家し、各地を遍歴しながら自由律による句作をした。句集「草木塔」など。
たねむら‐すえひろ【種村季弘】
[1933〜2004]独文学者・文芸評論家。東京の生まれ。怪奇幻想文学などを対象に独自の文芸・美術評論を展開。「ビンゲンのヒルデガルトの世界」で芸術選奨、著作集「種村季弘のネオ・ラビリントス」で...
たのむら‐ちくでん【田能村竹田】
[1777〜1835]江戸後期の文人画家。豊後(ぶんご)の人。名は孝憲(たかのり)。字(あざな)は君彝(くんい)。藩政に対する不満から官を辞し、頼山陽・浦上玉堂などの文人墨客と交わる。「亦復一楽...
タピエス【Antoni Tàpies】
[1923〜2012]スペインの画家。定形を否定するアンフォルメル画家の一人。画面に砂や土を混ぜたり、ぼろ布を貼りつけたりした抽象画で知られる。
タフト【Taft】
(William Howard 〜)[1857〜1930]米国の政治家。第27代大統領。在任1909〜1913。フィリピン総督・陸軍長官を歴任後、共和党から大統領に当選。→ウィルソン (Ro...
タブッキ【Antonio Tabucchi】
[1943〜2012]イタリアの小説家・ポルトガル文学者。インドで失踪した友人を探す主人公の旅を幻想的に描いた「インド夜想曲」で地位を確立。他の作品に「供述によるとペレイラは…」など。ポルトガル...
たまかじ‐ぞうこく【玉楮象谷】
[1807〜1869]幕末・明治初期の漆工。讃岐(さぬき)国高松の人。本名、藤川為造。通称、正直・敬造。蒟醤(キンマ)や中国漆器の技術を独自に消化して象谷塗を創始。
たまぎく【玉菊】
[1702〜1726]江戸中期の遊女。江戸新吉原の太夫をつとめ、才色兼備で諸芸にすぐれた。
たままつ‐みさお【玉松操】
[1810〜1872]江戸末期から維新期の国学者。京都の人。本名、山本真弘。岩倉具視(いわくらともみ)の側近となり、王政復古計画に参画。維新後、新政府の方針と合わず職を辞した。
たまも‐の‐まえ【玉藻の前】
鳥羽上皇の寵(ちょう)を得たという伝説上の美女。異国から来た金毛九尾の狐で、陰陽師(おんようじ)に見破られて那須の殺生石(せっしょうせき)になったという。謡曲「殺生石」や浄瑠璃・歌舞伎に脚色された。
タマヨ【Rufino Tamayo】
[1899〜1991]メキシコの画家。インディオ芸術を基礎に欧州の前衛様式を取り入れ、独自の象徴的世界を描いた。
たみや‐とらひこ【田宮虎彦】
[1911〜1988]小説家。東京の生まれ。庶民的なヒューマニズムに貫かれた多くの作品を書いた。作「足摺岬」「落城」「絵本」など。
タム【Igor' Evgen'evich Tamm】
[1895〜1971]ソ連の物理学者。核物理学研究に有用な「チェレンコフ効果」の理論的解明に成功。1958年、ノーベル物理学賞受賞。
たむら‐あきこ【田村秋子】
[1905〜1983]新劇女優。東京の生まれ。本姓、伴田。夫の友田恭助と築地座を結成、戦後は文学座に出演した。主演作に「ヘッダ=ガブラー」「ママの貯金」など。
たむら‐こまじろう【田村駒治郎】
[1904〜1961]実業家。大阪の生まれ。関西の繊維問屋田村駒、太陽レーヨンの社長。財力を生かしてプロ野球球団の経営に参画。昭和25年(1950)松竹ロビンスのオーナーとなり、セリーグ初優勝を...
たむら‐たいじろう【田村泰次郎】
[1911〜1983]小説家。三重の生まれ。第二次大戦後、「肉体の悪魔」「肉体の門」を発表、肉体文学の作家として脚光を浴びた。
たむら‐としこ【田村俊子】
[1884〜1945]小説家。東京の生まれ。本名、佐藤とし。幸田露伴に師事し、同門の小説家田村松魚と結婚。男女の相克の世界を官能的に描いた。作「あきらめ」「木乃伊(ミイラ)の口紅」など。
たむら‐りゅういち【田村隆一】
[1923〜1998]詩人。東京の生まれ。第二次大戦後、鮎川信夫らと「荒地」を創刊。戦後詩の旗手として活躍。「言葉のない世界」で高村光太郎賞、「詩集1946〜1976」で無限賞、「奴隷の歓び」で...
ためなが‐しゅんすい【為永春水】
[1790〜1844]江戸後期の人情本作者。江戸の人。本名、鷦鷯貞高(ささきさだたか)。号、2世南仙笑楚満人・狂訓亭主人など。式亭三馬の弟子となり、江戸の町人生活や男女の情痴世界を描いて人情本の...
たやす‐むねたけ【田安宗武】
[1715〜1771]江戸中期の国学者・歌人。徳川吉宗の子。田安家を興す。荷田在満(かだのありまろ)・賀茂真淵(かものまぶち)を召し抱えて国学を学ぶ。万葉調の歌人としても有名。著「歌体約言」「...
たやま‐かたい【田山花袋】
[1871〜1930]小説家。群馬の生まれ。本名、録弥。「文章世界」の主筆となり、平面描写論を主張、「蒲団」「生」などで自然主義文学の代表作家の一人となった。ほかに「田舎教師」「時は過ぎゆく」「...
たや‐りきぞう【田谷力三】
[1899〜1988]テノール歌手。東京の生まれ。浅草オペラで活躍。晩年まで美声を保ち、現役として歌い続けた。
たるい‐とうきち【樽井藤吉】
[1850〜1922]政治家・社会運動家。奈良の生まれ。自由民権運動に参加し、明治15年(1882)東洋社会党を結成。大井憲太郎らの大阪事件に連座。のち、衆議院議員。大アジア主義を主張、「大東合...
タルコフスキー【Andrey Arsen'evich Tarkovskiy】
[1932〜1986]ソ連の映画監督。詩的、象徴的作風により、精神的な閉塞状況下における魂の救済の問題を追求。1984年に亡命。作「僕の村は戦場だった」「惑星ソラリス」「サクリファイス」など。
タルスキ【Alfred Tarski】
[1902〜1983]米国の数学者・論理学者。ポーランド生まれ。のち米国に移住・帰化した。記号論理学における意味論の開拓者で、現代記号論理学の発展に多大な貢献をした。主著「形式言語における真理概念」。
タルティーニ【Giuseppe Tartini】
[1692〜1770]イタリアのバイオリン奏者・作曲家。バイオリンの重音奏法を完成。協奏曲・ソナタなどを多数作曲し、特にソナタ「悪魔のトリル」は有名。
タルド【Jean Gabriel de Tarde】
[1843〜1904]フランスの社会学者・犯罪学者。社会の成立を、心理的な個人間の模倣によるとし、デュルケームの社会実在論と対立。また、群集に対する公衆の概念を明確にした。著「模倣の法則」「世論...
たるひと‐しんのう【熾仁親王】
⇒有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみやたるひとしんのう)
たるや‐おせん【樽屋おせん】
江戸前期、大坂天満の樽屋の妻。隣家の長左衛門との不義を夫に知られて自殺。「樽屋おせん歌祭文」に歌われ、井原西鶴の「好色五人女」や浄瑠璃・歌舞伎の題材となった。
タレス【Thalēs】
[前624ころ〜前546ころ]古代ギリシャの哲学者。哲学の祖とされる。ギリシャ七賢人の一人。ミレトス学派の創始者で、万物の根源は水と考えた。日食の予言やピラミッドの高さの測定なども行った。タレース。
タレーラン【Charles Maurice de Talleyrand-Périgord】
[1754〜1838]フランスの政治家。フランス革命期の三部会議員。ナポレオン帝政下で外相となる。スペイン・ロシア遠征に反対し、ナポレオン没落後は王政復古に協力して、再度外相。ウィーン会議ではフ...
たわだ‐ようこ【多和田葉子】
[1960〜 ]小説家。東京の生まれ。ドイツの書籍輸出会社に入社しハンブルクに赴任、退社後も当地に生活拠点をおく。「犬婿入り」で芥川賞受賞。他に「容疑者の夜行列車」「ヒナギクのお茶の場合」「球形...
たわら‐くにいち【俵国一】
[1872〜1958]金属学者。島根の生まれ。ドイツに留学後、日本の金属組織学を確立。また、砂鉄精練法などの技術史的研究でも活躍。文化勲章受章。
たわら‐とうた【俵藤太】
藤原秀郷(ふじわらのひでさと)の異称。
たわらや‐そうたつ【俵屋宗達】
桃山から江戸初期にかけての画家。俵屋は家号。伊年・対青軒の印を用いた。宗達光琳(こうりん)派、いわゆる琳派の祖。京都の上層町衆の出身とみられ、本阿弥光悦書の和歌巻の金銀泥下絵を描き、また扇面画や...
たんかい【湛海】
[1629〜1716]江戸前期の真言宗の僧・仏師。伊勢の人。諸国を遍歴後、生駒山(いこまやま)に入山し、宝山寺を開いた。五大明王像・不動明王像など激しい忿怒(ふんぬ)像を刻んだ。
タンギー【Yves Tanguy】
[1900〜1955]フランス生まれの画家。のち米国に帰化。茫洋(ぼうよう)とした無限空間に有機的形態の奇妙な物質を配した、非現実的な独自の画風で、シュールレアリスムの代表的画家の一人となった。