けし‐がね【芥子金】
江戸時代、二朱または一朱の小粒の貨幣の俗称。芥子銀。
けし‐がら【芥子殻】
1 ケシの実の外側の皮。 2 武具の指物の一。ケシの実に葉を添えた形の作り物を竿(さお)の先に取り付けたもの。
けし‐ガラス【消しガラス】
すりガラスの旧称。
け‐しき【化色】
仏語。仏・菩薩(ぼさつ)が神通力でさまざまに変化してあらわれる姿のこと。
け‐しき【気色】
1 物事のようす。自然界のありさま。「寺の内(なか)の—は違ったものだと思ったよ」〈藤村・破戒〉 2 何かをしよう...
け‐しき【景色】
《「気色(けしき)」と同語源》 1 観賞の対象としての自然界の眺め。風景。「—がよい」「雪—」 2 陶磁器、特に茶...
気色(けしき)悪(あ)・し
機嫌が悪い。「大将の事につきてこそ、たびたび—・しうくるしけれ」〈宇津保・楼上上〉
気色(けしき)あ・り
1 一風変わっていて趣がある。「式部が所にぞ、—・ることはあらむ」〈源・帚木〉 2 普通でない。あやしげである。「...
気色(けしき)覚(おぼ)・ゆ
1 趣があると感じる。「言葉のほかに、あはれに—・ゆるはなし」〈徒然・一四〉 2 気味悪く感じる。いやな気がする。...
気色(けしき)賜(たまわ)・る
相手の意向を伺う。意中をうけたまわる。「摂政殿、御—・りて、まづこの女御、后に据ゑ奉らむの騒ぎを」〈栄花・さまざま...
けしき‐だ・つ【気色立つ】
[動タ五(四)] 1 物音や話し声がして活気づく。「むこうで人々の—・つのが聞こえた」〈志賀・和解〉 2 それらし...
けしき‐づ・く【気色付く】
[動カ四] 1 そのような気配が感じられる。きざしが現れる。「風などは吹くも、—・きてこそあれ」〈源・須磨〉 2 ...
けしき‐ど・る【気色取る】
[動ラ四] 1 ようすを見てとる。感づく。察する。「程経にければ、この女ども—・りて」〈平中・二八〉 2 機嫌をと...
けしき‐ばかり【気色許り】
[連語]しるしばかり。ほんの形だけ。「琵琶をうち置きて、ただ—弾きかけて」〈源・若菜下〉
けしき‐ば・む【気色ばむ】
[動マ五(四)] 1 怒ったようすを表情に現す。むっとして顔色を変える。「—・んで席を立つ」 2 それらしいようす...
けし‐くち【消し口】
《「けしぐち」とも》火事で、消火に取りかかる場所。
消(け)し口(くち)を取(と)・る
ある消防組が、他に先んじて消し口をつくり、組の名を記した纏(まとい)を立てる。
けし‐ぐくり【芥子括り】
1 袖口を細く縫うこと。江戸時代、侠客などの間で粋な仕立てとされた。 2 袋物や巾着(きんちゃく)などの周囲につけ...
けし‐こみ【消し込み】
釣りで、浮きが水中に急に引き込まれ没すること。
けし‐ゴム【消しゴム】
紙に鉛筆などで書いた字や絵を、こすって消すのに用いるもの。ゴム・プラスチックなどでできている。ゴム消し。 [補説]...
けしゴム【消しゴム】
《原題、(フランス)Les Gommes》ロブ=グリエの処女小説。1953年刊。1954年にフェネオン賞受賞。
けし‐さ・る【消し去る】
[動ラ五(四)]消してすっかりなくならせる。「汚名を—・ることはできない」
けし‐ず【芥子酢】
ケシの種子を焙(ほう)じてすりつぶし、三杯酢などをまぜて作った加減酢。
けし‐ずみ【消し炭】
1 まきや炭の火を途中で消して作った軟質の炭。火つきがよいので火種に用いる。《季 冬》「—に薄雪かかる垣根かな/召...
けしずみ‐いろ【消し炭色】
少し紫色を帯びた濃いねずみ色。
け‐した【罫下】
1 書物の下辺の小口。また、本文下の余白。 2 活版印刷の組み付けで、向かい合った版の下部どうしの間隔。
けし‐だま【芥子玉】
芥子粒のような細かい玉を散らした模様。浴衣や手ぬぐいなどの染め模様にする。けしあられ。
けし‐つぶ【芥子粒】
ケシの種子。きわめて小さいもののたとえ。
けし‐つぼ【消し壺】
「火消し壺」に同じ。
けし‐て【決して】
[副]「けっして1」に同じ。
けし‐と・ぶ【消し飛ぶ】
[動バ五(四)] 1 勢いよく飛んで見えなくなる。ふっとぶ。「爆風であたりのものが—・ぶ」 2 けつまずく。「悪源...
けし‐と・む【消し飛む】
[動マ四]「けしとぶ」の音変化。「手綱にすがって引きければ、馬は—・み跳ねあがり」〈浄・松風村雨〉 「石段のなかば...
けし‐と・める【消し止める】
[動マ下一][文]けしと・む[マ下二] 1 燃えひろがるのを防ぎ止める。「建物の一部を焼いただけで—・めた」 2 ...
けしな‐ぐさ【芥子菜草】
ノゲシの別名。
けし‐にんぎょう【芥子人形】
きわめて小さい木彫りの衣装人形。女児の玩具やひな祭りの飾りとして江戸時代に流行した。豆人形。
けし‐ぬい【芥子繍い】
日本刺繍(ししゅう)の一。織り糸を1本ずつ一定の間隔にすくって布の表面に小さな点をつくる刺し方。縫い紋に多く用いる。
け‐しね【褻稲/食稲】
農家の自家食用の穀物。けせね。きすね。
けし‐びな【芥子雛】
きわめて小さな雛人形。豆雛。
けし‐ふん【消し粉】
金銀の箔(はく)を膠(にかわ)などと混ぜて乾燥し、もんで粉末にしたもの。蒔絵(まきえ)に用いる。
けしふん‐まきえ【消し粉蒔絵】
薄い絵漆で描いた上に消し粉を蒔きつけて乾燥させた、最も安価な蒔絵。消し粉蒔立(まきたて)。
けし‐ぼうず【芥子坊主】
1 外皮のままの、球形のケシの果実。《季 夏》「首ふって花と踊るや—/八束」 2 子供の頭髪で、頭頂だけ毛を残し、...
けし‐ぼん【芥子本】
江戸時代に版行された、小説や童話などの小形の本。5、6枚から12、3枚綴(と)じを一部とした。豆本。
けし‐まく【消し幕】
歌舞伎で、死んだ役の人物を舞台から退場させるとき、見物人に見えないように後見(こうけん)がかざす黒または赤の布。
けし‐むらさき【滅紫】
くすんだ紫色。めっし。
け‐しゃく【掛錫/挂錫】
修行僧が行脚(あんぎゃ)の途中で他の寺にとどまること。かしゃく。
けし‐やき【芥子焼(き)】
1 密教で、カラシナの種子を用いて護摩(ごま)をたくこと。 2 江戸時代の菓子の一。紅梅焼きのような方形のせんべい...
け‐しゅ【化主】
1 《教化(きょうけ)の主の意》仏のこと。転じて、高徳の僧。 2 新義真言宗で、管長または寺の住職の敬称。 3 市...
けしゅう【怪しう/異しう】
[副]《形容詞「け(怪)し」の連用形「けしく」のウ音便形から》 1 程度のはなはだしいさま。非常に。「—つつましき...
怪(け)しうはあら◦ず
1 容姿や気だてがそれほど悪くない。たいして劣っていない。「—◦ず、かたち心ばせなど侍るなり」〈源・若紫〉 2 芸...
け‐じゅす【毛繻子】
縦糸に綿糸、横糸に毛糸を用いて織った綾織物。滑らかでつやがある。