やぶ‐くすし【藪薬師】
「藪医者(やぶいしゃ)」に同じ。「われらがやうなる—には」〈虎明狂・雷〉
やぶ・ける【破ける】
[動カ下一]紙や布などが、裂けて破れる。「洋服が釘にひっかかって—・ける」
やぶ‐こうじ【藪柑子】
サクラソウ科の常緑小低木。低い山地の林内に生え、高さ約15センチ。葉は長楕円形で先がとがり、質は厚くてつやがある。...
やぶこうじしゅう【藪柑子集】
吉村冬彦の筆名で書かれた、寺田寅彦の随筆集。大正12年(1923)刊行。
やぶ‐こぎ【藪漕ぎ】
[名](スル)登山などで、笹や低木の密生する藪をかき分けて進むこと。「—して谷に下りる」
やぶさ‐か【吝か】
[形動][文][ナリ] 1 (「…にやぶさかでない」の形で)…する努力を惜しまない。喜んで…する。「協力するに—で...
やぶさかで‐な・い【吝かで無い】
[連語]⇒吝か1
やぶ‐さめ【藪雨】
ウグイス科ヤブサメ属の鳥。全長11センチくらい。尾が短く、上面は暗褐色、下面は淡色で、眉斑も淡色。藪にすみ、シシシ...
やぶさ‐め【流鏑馬】
騎射の一。綾藺笠(あやいがさ)をかぶり、弓懸(ゆがけ)・弓籠手(ゆごて)・行縢(むかばき)を着けた狩り装束の射手が...
やぶ‐し【養父市】
⇒養父
や‐ぶしん【家普請】
家を建てること。家の普請。「—を春の手すきにとり付いて/野坡」〈炭俵〉
やぶ‐じらみ【藪虱】
セリ科の二年草。野原や道端に生え、高さ約60センチ。全体に毛があり、葉は複葉で羽状に細かく裂けている。夏、白い小花...
や‐ぶすま【矢衾】
射手がすきまなく並び立った列。また、すきまなく一面に矢を飛ばすこと。「—を作って、遠矢に射殺さんとしける間」〈太平...
やぶ‐そてつ【藪蘇鉄】
オシダ科の常緑で多年生のシダ。林下に生える。葉は束生し、長さ30〜90センチの羽状複葉。羽片は先が上向きに曲がった...
やぶ‐そば【藪蕎麦】
甘皮をとらずにひいた蕎麦粉でつくった、淡緑色の蕎麦。また、そういう蕎麦を使うそば屋の屋号。
やぶ‐タバコ【藪タバコ】
キク科の多年草。山林に生え、高さ60〜90センチ。全体に強い臭気がある。根から出る葉は大きくタバコの葉に似る。茎に...
やぶ‐だたみ【藪畳】
1 一面に茂った藪。藪がいく重にも重なって茂っている所。 2 歌舞伎の大道具の一。木の枠に1メートル前後の葉竹をす...
やぶ‐ぢから【藪力】
藪竹を引き抜くほどの力。ばかぢから。「十七八の—、藪にしがらむ竹の根は一度に穿(うが)って引き抜くとも」〈浄・加増曽我〉
やぶ‐つばき【藪椿】
野生のツバキ。海岸や山地に自生し、春、赤い5弁花が咲く。本州以南に分布。これをもとに園芸品種の多くが作られた。やま...
やぶつばめ【藪燕】
乙川優三郎の短編小説。平成8年(1996)、第76回オール読物新人賞を受賞した著者のデビュー作。
藪(やぶ)で馬鍬(まぐわ)
「藪に馬鍬」に同じ。
やぶ‐でまり【藪手毬】
レンプクソウ科の落葉低木。山中の湿った所に自生。葉は楕円形で先が鋭くとがり、縁にぎざぎざがある。5、6月ごろ、小花...
藪(やぶ)に剛(ごう)の者(もの)
《「やぶ」は「野夫」とも。また、「剛の者」は「功(こう)の者」とも》草深い所にも優れた人物がいるということ。また、...
やぶ‐にっけい【藪肉桂】
クスノキ科の常緑高木。中部地方以南の海岸近くに自生。葉は長楕円形でつやがあり、肉桂に似た香りがある。初夏、葉の付け...
藪(やぶ)に馬鍬(まぐわ)
《「馬鍬」は、牛馬にひかせる耕耘(こううん)用の鍬》生い茂った藪では馬鍬を使って耕すことはできないことから、できな...
藪(やぶ)に目(め)
《藪の中にも人の目はありうる、の意から》どこでだれが見ているかわからず、秘密の漏れやすいことのたとえ。壁に耳。
やぶ‐にらみ【藪睨み】
1 物を見るとき、両眼が同一方向に向かず、片方の目が違った方向に向くこと。斜視。やぶ。眇(すがめ)。 2 見方や考...
やぶ‐にんじん【藪人参】
セリ科の多年草。山野の藪に生え、高さ約60センチ。葉は羽状複葉でニンジンに似る。4、5月ごろ、白い小花をまばらな散...
やぶのうぐいす【藪の鶯】
三宅花圃の短編小説。東京高等女学校在学中の明治21年(1888)に刊行した処女小説。日本女性による初の近代小説とされる。
やぶのうち‐りゅう【藪内流】
茶道の分派の一。藪内宗巴を遠祖とし、その養子剣仲紹智(けんちゅうじょうち)が千利休に師事して創始。比較的古風を保つ...
やぶ‐の‐なか【藪の中】
《芥川竜之介の小説「藪の中」から》関係者の言うことが食い違うなどして、真相がわからないこと。
やぶのなか【藪の中】
芥川竜之介の小説。藪の中で起こった殺人について、目撃者や当事者たちが語るが、その内容がそれぞれ食い違うために真相は...
やぶのむくじゅうとうきょうけんぶつ【藪野椋十東京見物】
渋川玄耳(筆名、藪野椋十)の随筆集。朝日新聞に連載されたのち、明治40年(1907)刊行。夏目漱石が序文を寄せている。
やぶ‐はら【藪原】
藪になっている広い土地。「はろばろに言(こと)そ聞こゆる島の—」〈皇極紀・歌謡〉
やぶ‐へび【藪蛇】
《「藪をつついて蛇を出す」から》よけいなことをして、かえって自分にとって悪い結果を招くこと。「文句がとんだ—になる」
やぶ‐まお【藪苧麻】
イラクサ科の多年草。山野に生え、高さ約1メートル。葉は卵形で縁に粗いぎざぎざがあり、対生。9月ごろ、葉の付け根から...
やぶ‐まき【藪巻(き)】
雪折れを防ぐために、低木や竹藪などを、むしろや縄などで巻くこと。《季 冬》
やぶ‐まめ【藪豆】
マメ科の蔓性(つるせい)の一年草。原野に生える。葉は3枚の小葉からなる複葉。夏、淡紫色の蝶形の花が咲く。実は平たい豆果。
や‐ぶみ【矢文】
1 文書を矢柄(やがら)に結びつけたり、蟇目(ひきめ)の穴に入れたりして、射て飛ばすもの。 2 矢の催促のふみ。次...
やぶ‐みょうが【藪茗荷】
ツユクサ科の多年草。林下の藪に生え、高さ50〜70センチ。白い根が横にはい、茎は直立。葉は長楕円形で互生し、ミョウ...
やぶ‐むらさき【藪紫】
シソ科の落葉低木。山地に生え、葉や花に毛が密生。葉は長楕円形で先がとがり、対生する。夏、葉の付け根に淡紫色の小花を...
やぶ‐らん【藪蘭】
キジカクシ科の多年草。林下に生える。木質の根茎から、つやのある線形の葉が多数出る。夏、高さ30〜50センチの花茎を...
やぶ・る【破る】
[動ラ五(四)] 1 引き裂いたり、傷をつけたり、穴をあけたりして、もとの形をこわす。「障子を—・る」「書類を—・...
やぶれ【破れ】
1 破れること。また、破れた部分や物。「衣服の—を繕う」 2 (ふつう「敗れ」と書く)負けること。敗北。 3 物事...
やぶれ‐かぶれ【破れかぶれ】
[名・形動]どうにでもなれという気持ちであること。また、そのさま。やけ。「—になる」「—な(の)気持ちで家を出る」
やぶれ‐がさ【破れ傘/破れ笠】
1 破れた傘や笠。 2 (破傘)キク科の多年草。山地の樹下に生え、高さ約60センチ。葉は大きく、手のひら状に七〜九...
やぶれ‐ごろも【破れ衣】
破れた衣服。また、つぎはぎだらけの衣服。つづれ。
やぶれざるものたち【敗れざる者たち】
沢木耕太郎によるルポルタージュ。昭和51年(1976)刊。野球選手やボクサーなど、才能に恵まれながらも栄光をつかむ...
やぶれ‐しょうじ【破れ障子】
紙の破れた障子。「風さむし—の神無月」〈犬筑波集・冬〉
やぶれ‐そう【破れ僧】
戒律を破って恥じない僧。破戒僧。また、有髪の僧。