わき‐だて【脇盾/脇楯】
⇒わいだて(脇盾)
わき‐つづみ【脇鼓】
能および長唄の囃子(はやし)で、小鼓の補助演奏者。
わき‐つぼ【脇壺/腋壺】
1 わきの下のくぼみ。わきの下。「—射られて失せにけり」〈義経記・五〉 2 あばら骨。〈増補下学集〉
わき‐つめ【脇詰め】
着物の八つ口を縫ってふさぐこと。また、その衣服。近世、成人に達した証とされた。わきふさぎ。
わき‐づれ【脇連】
《「わきつれ」とも》能で、ワキに従属し、その演技を助ける役。また、その演者。 [補説]ふつう「ワキヅレ」と書く。
わき‐づき【脇几】
ひじをもたせかけ、からだを楽にさせる道具。脇息の類。「い倚(よ)り立たす—が下の板にもが」〈記・下・歌謡〉
わき‐づくえ【脇机】
机のわきに置いて、机の補助的な役目をさせるもの。袖机(そでづくえ)。
わき‐づけ【脇付】
手紙の宛名の左下に書き添えて敬意を表す語。「侍史」「玉案下」「机下」など。
わき‐て【脇手/腋手】
1 わきのあたり。横の方。「家の—」 2 相撲で、関脇のこと。
わき‐て【分きて/別きて】
[副]《四段活用動詞「わ(分)く」の連用形+接続助詞「て」から》「わけて」に同じ。「—この暮こそ袖は露けけれ」〈源・葵〉
わき‐でら【脇寺】
本寺に付属する寺。
わき・でる【湧き出る/涌き出る】
[動ダ下一][文]わき・づ[ダ下二] 1 水が地中からわいて出る。「岩間から清水が—・でる」 2 涙などが流れ出る...
わき‐ど【脇戸/腋戸】
正門の横に設けた小さな入り口。また、その戸。
わき‐のう【脇能】
《本来「翁(おきな)」の次に演じられ、「翁」の脇の意からいう》能の分類の一。正式の五番立ての演能で、最初に上演され...
わきのう‐もの【脇能物】
⇒脇能
わき‐の‐した【脇の下/腋の下】
両腕の付け根の下側のくぼんだところ。腋窩(えきか)。わき。
わき‐ばさ・む【脇挟む】
[動マ五(四)] 1 わきの下にはさみ抱える。また、しっかりと抱える。「かばんを—・んで家を出る」 2 しっかりと...
わき‐ばしら【脇柱】
能舞台正面の、向かって右手前の柱。すぐ右側がワキ座。大臣柱。
わき‐ばら【脇腹】
1 腹の側面。横腹。「—を押さえる」 2 正妻以外の女から生まれること。また、その子。妾腹(しょうふく)。めかけば...
わき‐ひら【側辺】
わき。かたわら。「これ親父様、お泊りなら—見まい」〈浄・盛衰記〉
わき‐びき【脇引/腋引】
1 鎧(よろい)の脇の下に当てる小具足。革または鉄で作り、両肩からそれぞれ反対側の脇下につりさげる。わきあて。 2...
わき‐びゃくしょう【脇百姓】
中世の名主(みょうしゅ)、近世の本百姓より身分の一段低い農民。
わき‐ふさぎ【脇塞ぎ】
「脇詰め」に同じ。
わき‐ほんじん【脇本陣】
江戸時代の宿駅で、本陣の予備にあてた宿舎。
わきま・う【弁ふ/辨ふ】
[動ハ下二]「わきまえる」の文語形。
わきまえ【弁え/辨え】
1 物事の違いを見分けること。弁別。「前後の—もなく酔いつぶれる」 2 道理をよく知っていること。心得。「—のない...
わきま・える【弁える/辨える】
[動ア下一][文]わきま・ふ[ハ下二] 1 物事の違いを見分ける。弁別する。区別する。「事の善悪を—・える」「公私...
わきまち【脇町】
徳島県美馬(みま)市の地名。吉野川北岸に位置し、江戸時代より藍の集散地として発達。うだつ(袖壁)を備えた歴史的建造...
わき‐み【脇見】
[名](スル)わきに目を向けること。他のことに気をとられること。よそみ。脇目。「—して運転を誤る」
わきみ‐うんてん【脇見運転】
他のことに気を取られた状態で車両などを運転すること。特に、前方から視線を外して車を運転すること。外在的前方不注意。...
わき‐みず【湧き水/涌き水】
地中からわき出る水。ゆうすい。
わき‐みち【脇道】
1 本道からわきに入った道。横道。枝道(えだみち)。「—をとる」 2 本筋から外れた方向。「話が—にそれる」
わきむら‐はるお【脇村春夫】
[1932〜 ]実業家。東京の生まれ。実業界で活躍の後、日本高等学校野球連盟(高野連)の会長に就任。アマチュア野球...
わき‐め【脇目】
1 「脇見」に同じ。 2 わきから見ること。よそ目。「—にはよく見える」
わき‐め【腋芽】
⇒えきが(腋芽)
わきめ‐づかい【脇目遣い】
横目をつかって見ること。「機械(からくり)人形の立働くように律義真正直、—もなさず」〈露伴・いさなとり〉
脇目(わきめ)も振(ふ)らず
その方ばかりを見て。心を散らさず一心に。「—に歩く」「—働く」 [補説]「脇見も振らず」とするのは誤り。
わぎも‐こ【吾妹子】
《「わきもこ」とも》「わぎも」に同じ。「梯立(はしたて)の嶮(さが)しき山も—と二人越ゆれば安席(やすむしろ)かも...
わき‐もん【脇門】
大門の横にある小さい門。
わき‐もんぜき【脇門跡】
「准門跡(じゅんもんぜき)」に同じ。
わき‐やく【脇役/傍役】
1 映画・演劇などで、主役を助け、引き立たせる演技をする役。また、その人。わき。「名—」 2 中心となる人を補佐し...
わきや‐よしすけ【脇屋義助】
[1306〜1342]南北朝時代の武将。上野(こうずけ)の人。新田義貞の弟。義貞の鎌倉攻めに参加。建武政権に背いた...
わき‐やり【脇槍】
横合いから槍で突きかかること。よこやり。
わ‐きょう【和協】
[名](スル) 1 仲よくして力を合わせること。和衷(わちゅう)協同。「—一致」 2 音の調子を合わせること。また...
わ‐きょう【和鏡】
日本独自の様式で作られた金属製の鏡。平安後期以後、盛んに製作された。仿製鏡(ぼうせいきょう)とは区別される。
わ‐きょう【和僑】
中長期的に外国に居住し、生計を立てている日本人を呼ぶ。華僑になぞらえた語。特に、香港・中国本土・シンガポールなどの...
わき‐ろ【脇艪】
和船で、艫艪(ともろ)の補助として船べりに取り付ける艪。わいかじ。
わきわき・し【分き分きし】
[形シク]あきらかである。分明である。「物ごとに—・しく見がほしく」〈東大寺諷誦文平安初期点〉
脇(わき)を掻(か)・く
わきの下あたりをさする。得意なさま、気負ったさまにいう。「いみじくしたり顔に—・きて言ひけるをぞ」〈今昔・二五・五〉
脇(わき)を詰(つ)・める
幼少の折はあけておいた、着物の袖の脇下を縫ってふさぐ。成人する。脇を塞(ふさ)ぐ。