もみ
蛙(かえる)。また、それを調理したもの。「蝦蟆(かへる)を煮て上味(よきあぢはひ)とす。名づけて—といふ」〈応神紀〉
もみ【籾】
1 脱穀の後、籾摺(もみず)りする前の、外皮に包まれたままの米。もみごめ。《季 秋》「老いし母怒濤を前に—平(なら...
もみ【紅/紅絹】
《ベニバナをもんで染めるところから》紅(べに)で染めた無地の平絹。女物長着の胴裏や袖裏に用いる。もみぎぬ。
もみ【樅】
マツ科の常緑大高木。日本特産で、本州・四国・九州の山地に自生。樹皮は黒灰色。葉は線形で、小枝に2列に密生する。6月...
もみ【鼯鼠】
ムササビの古名。〈和名抄〉
もみ‐あい【揉み合い】
1 もみあうこと。 2 取引で、相場が小幅な高下を繰り返して安定しないこと。「安値—」
もみ‐あ・う【揉み合う】
[動ワ五(ハ四)] 1 双方が入り乱れ、押し合って争う。「先を争って観衆が—・う」 2 取引で、相場が小幅な高下を...
もみ‐あげ【揉み上げ】
鬢(びん)の毛が耳に沿って生え下がった部分。
もみ‐あらい【揉み洗い】
手でもんで汚れを洗い落とすこと。
もみ‐うら【紅裏】
紅絹(もみ)を着物の裏地に使うこと。また、その裏地。
もみ‐うり【揉み瓜】
1 「瓜揉み」に同じ。《季 夏》 2 シロウリの別名。
もみ‐えぼし【揉烏帽子】
薄く漆を塗って柔らかにもんだ烏帽子。兜(かぶと)などの下に折り畳んで着用した。引立(ひきたて)烏帽子。梨(なし)打...
もみ‐かえし【揉み返し】
マッサージ療法を受けた後で、筋肉痛のような痛みが生じること。施術中に無理な体勢が続いたり、筋肉を手でもみほぐす力が...
もみ‐がえし【紅返し】
女物の和服で、紅色の裏を表に返して縁取りしたもの。べにがえし。「—の下着に箔形(はくがた)の白小袖をかさね」〈浮・...
もみ‐がみ【揉み紙】
揉んでしわを作った紙。紙を棒などに巻きつけ、押し縮めてしわをつける。
もみ‐がら【籾殻】
稲の実の外皮。籾米をついて玄米を得たあとの殻。あらぬか。すりぬか。もみ。
もみ‐がわ【揉み皮/揉み革】
なめし皮の表面を削り、もんで柔らかにしたもの。表面に細かい皺(しぼ)がある。韋(おしかわ)。
もみ‐くしゃ【揉みくしゃ】
「もみくちゃ」に同じ。「人込みで—になる」
もみ‐くじ【揉み鬮】
紙片に必要なことを書いてひねっておき、人に引かせるくじ。ひねりぶみ。「—は恵方果報、後に無理言ふまいぞ」〈浄・女腹切〉
もみ‐くた【揉みくた】
「もみくちゃ」に同じ。「—になった写真の屑を」〈有島・或る女〉
もみ‐くちゃ【揉みくちゃ】
1 もまれてひどく皺(しわ)になること。「—の千円札」 2 人々の間に挟まれ、ひどくもまれること。もみくしゃ。もみ...
もみ‐ぐら【籾蔵】
江戸時代、凶作の年に備えて米を籾のままで貯蔵する蔵。
もみ‐けし【揉み消し】
もみけすこと。「不祥事の—をはかる」「—工作」
もみ‐け・す【揉み消す】
[動サ五(四)] 1 火のついたものをもんで消す。「タバコの火を—・す」 2 自分に都合の悪い事件やうわさなどが表...
もみ‐こ・む【揉み込む】
[動マ五(四)] 1 もんで中へ入れる。「肉に塩コショウを—・む」 2 教え込む。仕込む。「よろづ花車事(きゃしゃ...
もみ‐ごめ【籾米】
籾殻のついた米。もみよね。
もみ‐しだ・く【揉み拉く】
[動カ五(四)]よくもむ。もんでしわくちゃにする。「紙を—・いてやわらかくする」
もみじ【紅葉/黄葉】
[名](スル)《動詞「もみ(紅葉)ず」の連用形から。上代は「もみち」》 1 晩秋に草木の葉が赤や黄色に色づくこと。...
もみじ‐あおい【紅葉葵】
アオイ科の多年草。高さ約2メートルになり、茎は木質化する。葉は深く手のひら状に裂けていて、カエデに似る。夏、赤い大...
もみじ‐いちご【紅葉苺】
バラ科の落葉小低木。中部以北の山地に自生。枝にとげがあり、葉は卵形で手のひら状に切れ込みがある。4、5月ごろ、白い...
もみじ‐おろし【紅葉卸し】
大根に唐辛子を差し込んで一緒におろしたもの。また、大根おろしとにんじんおろしを合わせたもの。
もみじ‐からまつ【紅葉唐松】
キンポウゲ科の多年草。高山の湿った草原に生え、高さ約50センチ。根際から、手のひら状に裂けている葉を出す。夏、カラ...
もみじ‐がい【紅葉貝】
モミジガイ科のヒトデ。浅海の砂泥中にすむ。体は星形で直径約10センチ、青灰色や淡褐色。腕の縁に小さなとげが並ぶ。
もみじ‐がさ【紅葉傘/紅葉笠】
1 《古今集・秋下の「雨降れば笠取山のもみぢばは行きかふ人の袖さへぞ照る」から、照る笠の意》日傘。日照り傘。 2 ...
もみじ‐がさね【紅葉襲】
⇒紅葉(もみじ)3
もみじ‐がり【紅葉狩(り)】
山野に紅葉をたずねて楽しむこと。観楓(かんぷう)。紅葉見。《季 秋》「大嶺に歩み迫りぬ—/久女」 [補説]曲名別項...
もみじがり【紅葉狩】
謡曲。五番目物。観世小次郎信光作。平維茂(たいらのこれもち)が戸隠山中で女に化けた鬼に紅葉狩りの宴に誘われ、命が危...
もみじ‐ぜんせん【紅葉前線】
イロハカエデが紅葉した日を結んで地図上に示したもの。10〜11月にかけて南下する。→桜前線
もみじ‐だい【紅葉鯛】
草木の葉が紅葉する晩秋にとれるタイ。春の桜鯛よりも鱗(うろこ)の赤みが強く、脂ののりがよい。→桜鯛
もみじ‐づき【紅葉月】
陰暦9月の異称。
もみじ‐どり【紅葉鳥】
シカのこと。「しぐれふる竜田の山の—もみぢの衣きてや鳴くらん」〈蔵玉集〉
紅葉(もみじ)に鹿(しか)
取り合わせのよいもののたとえ。
もみじ‐の‐が【紅葉賀】
紅葉のころに催す賀の祝宴。また、紅葉の木陰で宴を開くこと。《季 秋》「—わたしら火鉢あっても無くても/青畝」 源氏...
もみじ‐の‐にしき【紅葉の錦】
紅葉の美しさを錦に見立てていう語。「水のあやに—重ねつつ河瀬に波の立たぬ日ぞなき」〈拾遺・秋〉
もみじ‐の‐はし【紅葉の橋】
《古今集・秋上の「天の川もみぢを橋に渡せばやたなばたつめの秋をしも待つ」から》天の川に渡すという橋。《季 秋》
紅葉(もみじ)のような手(て)
幼い子の、小さくてかわいらしい手の形容。
もみじ‐はぐま【紅葉羽熊】
キク科の多年草。深山の林下に生え、高さ40〜80センチ。茎は直立し、葉は手のひら状にやや浅く裂けている。夏、花びら...
もみじ‐ば【紅葉/黄葉】
《上代は「もみちば」》紅または黄に色づいた木の葉。もみじ。《季 秋》
もみじば‐の【紅葉の/黄葉の】
[枕] 1 木の葉の色が移り変わっていく意から、「移る」「過ぐ」にかかる。「—移りい行けば悲しくもあるか」〈万・四...
もみじば‐ふう【紅葉葉楓】
フウ科の落葉高木。葉はモミジ(カエデ)に似て5〜7裂し、秋に紅葉する。公園樹や街路樹とする。北アメリカ、メキシコな...