言(こと)告(つ)・ぐ
言葉を伝える。人を介して言い知らせる。「故郷(ふるさと)のならしの岡のほととぎす—・げやりしいかに告げきや」〈万・...
こと‐づ・つ【言伝つ】
[動タ下二]《「ことつつ」とも》ことづけをする。伝言する。「北へゆく雁(かり)のつばさに—・てよ雲のうは書きかき絶...
こと‐づて【言伝】
《古くは「ことつて」》 1 伝えたい言葉を他の人に取り次いでもらうこと。また、その言葉。伝言。ことづけ。「明日来る...
こと‐づかり【言付かり/託かり】
ことづかること。また、ことづかったもの。「—の品」
ことづかり‐もの【言付かり物】
ことづかったもの。
こと‐づか・る【言付かる/託かる】
[動ラ五(四)]伝言したり、品物などを渡したりすることを、人から頼まれる。言いつかる。ことづけられる。「父への手紙...
こと‐づけ【言付け/託け】
1 人に頼んで言葉を取り次いでもらうこと。また、その言葉。伝言。ことづて。「—を頼まれる」 2 かこつけること。口...
こと‐づ・ける【言付ける/託ける】
[動カ下一][文]ことづ・く[カ下二] 1 人に頼んで伝言や品物を取り次いでもらう。「明日来るように—・ける」「手...
こと‐づめ【琴爪/箏爪】
箏(こと)を弾くときに指にはめる爪形のもの。象牙・獣骨・竹などで作り、右手の親指・人さし指・中指にはめる。生田流で...
こと‐てん【事典】
「じてん(事典)」に同じ。言葉の解釈を主とする「辞典(じてん)」に対して、事物の説明をするものを「事典(じてん)」...
こと‐と【事跡】
成し遂げた成果。業績。「君が—を負ひてし行かむ」〈万・四二五一〉
こと‐と【事と/殊と】
[副] 1 特に。とりわけ。格別。「寄りかかり給へるは、—なれなれしきにこそあめれ」〈源・野分〉 2 まったく。す...
こと‐とい【言問ひ】
物を尋ねかけること。言葉を交わすこと。「今日だにも—せむと惜しみつつ悲しびませば」〈万・四四〇八〉
こととい【言問】
東京都墨田区向島、隅田川東岸地域の旧称。伊勢物語の「名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」の歌に...
こととい‐だんご【言問団子】
向島の言問橋付近で売っている名物の団子。江戸時代の終わりごろ創製された。小豆あん、白あんでくるんだもの、うぐいす色...
こととい‐どおり【言問通り】
東京都文京区弥生から台東区浅草までの道路の呼び名。沿線に東京大学本郷キャンパス・浅草寺などがある。
こととい‐ばし【言問橋】
東京の隅田川に架かっている橋の一。台東区浅草と墨田区向島とを結ぶ鉄橋で、昭和3年(1928)完成。全長239メートル。
こと‐と・う【言問ふ/事問ふ】
[動ハ四] 1 物を言う。口をきく。「—・はぬ木すら春咲き秋づけばもみぢ散らくは常をなみこそ」〈万・四一六一〉 2...
こと‐とがめ【言咎め】
言葉に出してとがめだてをすること。「人の見て—せぬ夢にだにやまず見えこそあが恋やまむ」〈万・二九五八〉
こと‐とき【異時】
別の時。ほかの時。「—は知らず、今宵は詠め」〈枕・九九〉
こと‐と・し【言疾し】
[形ク]世間のうわさがやかましい。「—・くは中は淀(よど)ませ水無し川絶ゆといふことをありこすなゆめ」〈万・二七一二〉
事(こと)と次第(しだい)によ・る
結果や対処の仕方が、事柄やなりゆきにかかわる。「—・っては今日は帰れない」
事(こと)と◦する
⇒事6㋛
こと‐とて【事とて】
[連語]《名詞「こと(事)」+係助詞「とて」》 1 理由を表す。…だから、それだけ。…だけあって。「年をとってから...
事(こと)ともせ◦ず
問題にもしない。何とも思わない。物ともしない。「土砂降りも—◦ず出かける」
こと‐どころ【異所】
1 ほかの所。別の場所。「ただ海の面を見渡したる程なむ、あやしく—に似ず、ゆほびかなる所に侍る」〈源・若紫〉 2 ...
こと‐どもり【言吃り】
どもること。「すこし—する人の、いみじうつくろひ」〈枕・九〇〉
こと‐どり【琴鳥】
スズメ目コトドリ科の鳥。全体に灰褐色。全長は雄が約90センチ、雌が約50センチで、雄の尾羽は長く、内側の14枚はレ...
事(こと)直(なお)・る
1 物事がもとどおりになる。回復する。「かく憎げなくさへ聞こえかはし給へば—・りて」〈源・若菜上〉 2 任期が完了...
こと‐なかれ【事勿れ】
[連語]《「なかれ」は「無し」の命令形》何事もなく無事に済むように。無事であれ。「道中—と祈る」
ことなかれ‐しゅぎ【事勿れ主義】
いざこざがなく、平穏無事に済みさえすればよいとする消極的な態度や考え方。
事(こと)なきを◦得(え)る
大事にならないで済む。「出発時間に間に合って—◦得た」
ことな‐ぐし【事無酒】
病気・災厄などをはらうための酒。また、酒をたたえていう場合にも用いる。「—笑酒(ゑぐし)に我酔ひにけり」〈記・中・歌謡〉
こと‐なし【事無し】
[名・形動] 1 何もすることがないこと。また、そのさま。「常夏の花をだに見ば—にすぐす月日も短かかりなむ」〈後撰...
こと‐な・し【事無し】
[形ク] 1 何事もない。平穏無事だ。「手抱(たむだ)きて—・き御代と天地(あめつち)日月と共に万代(よろづよ)に...
こと‐な・し【殊無し】
[形ク]この上ない。格別である。「さしもなき事の、—・くこの世にまさりたりと見ゆる事やありし」〈浜松・三〉
ことなし‐がお【事成し顔】
その事を成し遂げてみせるといった顔つき。「そらごとする人の、さすがに人の—にて大事請けたる」〈枕・一六四〉
ことなし‐び【事無しび】
何事もないそぶり。なんでもないふり。「—に書き給へるが、をかしく見えければ」〈源・総角〉
ことなし・ぶ【事無しぶ】
[動バ上二]何事もないそぶりをする。知らないふりをする。「いみじく心もとなくのみおぼえ給へば、言すくなに—・びて」...
言(こと)成(な)・す
口やかましくうわさする。言いはやす。「大和の宇陀の真赤土(まはに)のさ丹(に)つかばそこもか人の我(わ)を—・さむ...
ことなら‐ば
[連語]《副詞「こと」+断定の助動詞「なり」の未然形+接続助詞「ば」。「ごとならば」とも》同じことならば。できるこ...
コトナリ
ルーマニア北東部の村。モルドバ地方における白ワインの産地として知られ、15世紀以来の歴史をもつ。
事(こと)成(な)・る
1 事が成就する。また、事が無事に済む。「相(あひ)とぶらひ—・りしかばかき結び」〈万・一七四〇〉 2 その時にな...
こと‐な・る【異なる】
[動ラ五(四)]《形容動詞「異なり」の動詞化》違いがある。別である。「兄弟でも性格は—・る」「習慣が—・る」 →違...
こと‐に【殊に】
[副] 1 とりわけ。「花の中では、バラの花が—好きだ」 →特に[用法] 2 なお。その上。加えて。「—この頃は西...
事(こと)に当(あ)た・る
1 物事を担当する。従事する。「式典には全社をあげて—・った」 2 事件に遭遇する。「—・りて津の国の須磨といふ所...
言(こと)に出(い)・ず
言葉に出す。はっきりと口に出す。「—・でて言はばゆゆしみ朝顔のほには咲き出ぬ恋はするかも」〈万・二二七五〉
異(こと)に◦する
1 別にする。ちがえる。「趣を—◦する」「考えを—◦する」 2 際立って特別である。「幼時から才を—◦した秀才」
事(こと)に触(ふ)れて
何かのことに関連して。何かにつけて。折に触れて。「—その件をもち出す」
事(こと)に依(よ)・る
事にかかわる。場合次第である。「親切なのも—・る」