よめ‐じょ【嫁女】
「嫁(よめ)」に同じ。「『—、—』と源三郎、二声呼んで」〈鏡花・歌行灯〉
よめ‐ぜっく【嫁節供】
八朔(はっさく)の異称。この日、新嫁に贈り物を持たせて里帰りさせる習慣があった。
よめっ‐こ【嫁っ子】
「嫁(よめ)」に同じ。
よめ‐つき【嫁突き】
《「よ(読)みつ(突)き」の音変化》羽根突き遊びで、「ひとこ、ふたご、みわたし、よめご」などと数えながらすること。
よめ‐とおめ【四目十目】
夫婦縁組みで、男女の年齢を、一方から数えて4年目または10年目にあたるもの、すなわち三つ違いと九つ違いのものはよく...
夜目(よめ)遠目(とおめ)笠(かさ)の内(うち)
夜見るとき、遠くから見るとき、笠に隠れた顔の一部をのぞいて見るときは、はっきり見えないので実際より美しく見えるもの...
よめ‐とり【嫁取り】
嫁を迎えること。また、その儀式。
よめ‐な【嫁菜】
キク科の多年草。水田のあぜなど湿った所に生える野菊で、高さ30〜90センチ。地下茎で増え、葉は細くて縁に粗いぎざぎ...
よめ‐ぬすみ【嫁盗み】
当人どうしは結婚の意志があるが、娘の親の承諾が得られないなどの場合に、若者仲間が娘を連れ出して結婚を強行させること。
よめ‐の‐さら【嫁の皿】
ヨメガカサガイの別名。
よめ‐ひろめ【嫁広め】
《「よめびろめ」とも》嫁を親類や近隣の人々に披露(ひろう)すること。
よめ‐まぎらかし【嫁紛らかし】
「紛らかし」に同じ。
よ・める【読める】
[動マ下一][文]よ・む[マ下二]《読むことができる意から》 1 理解できる。合点がいく。隠された真意がわかる。「...
よる‐めん【夜面】
惑星・衛星などの、恒星を向いていない半球。⇔昼面。
よ‐も【四方】
1 東西南北、また、前後左右の四つの方向。しほう。「—を見回す」「—の山々」 2 あちらこちら。また、いたる所。「...
よも
[副](あとに打消しの表現を伴って)実際にはまずありえないであろうと推測するさま。まさか。よもや。「我をば—憎み玉...
よもぎ【艾/蓬】
1 キク科ヨモギ属の多年草。山野に生え、高さ約1メートル。よく分枝し、特有の匂いがある。羽状に切れ込みのある葉が互...
よもぎ‐あん【蓬餡】
白餡に、灰汁抜(あくぬ)きして撞いたヨモギの若葉を加えたもの。
よもぎ‐う【蓬生】
ヨモギが一面に生え茂って荒れ果てている所。《季 春》「—にかたまる嵯峨の道しるべ/野風呂」 源氏物語第15巻の巻名...
よもぎ‐が‐かど【蓬が門】
「よもぎのかど」に同じ。
よもぎ‐が‐しま【蓬が島】
蓬莱山(ほうらいさん)のこと。「真にや—に通ふらむ鶴に乗るてふ人に問はばや」〈堀河百首・雑〉 日本の異称。〈日葡〉
よもぎ‐が‐そま【蓬が杣】
ヨモギが生い茂って杣山(そまやま)のようになった所。また、自分の家をへりくだっていう語。「鳴けや鳴け—のきりぎりす...
よもぎ‐が‐ほら【蓬が洞】
仙洞御所(せんとうごしょ)の異称。「世を照らす—の月かげは秋つ島根のほかも曇らじ」〈続古今・賀〉
よもぎ‐ぎく【艾菊】
キク科の多年草。高さ約70センチ。全体に強い臭気があり、葉は羽状に深く切れ込む。夏、黄色の花を多数つける。ヨーロッ...
よもぎ‐の‐あと【蓬の跡】
灸(きゅう)をすえたあと。「朝露のひるまはいつぞ秋風に—も思ひ乱れぬ」〈隆信集〉
よもぎ‐の‐かど【蓬の門】
ヨモギが生い茂って荒れ果てた門。また、ヨモギで屋根を葺(ふ)いた粗末な門。「宿見れば—もさしながらあるべき物を思ひ...
よもぎ‐の‐かみ【蓬の髪】
《「蓬髪(ほうはつ)」を訓読みにした語》ヨモギのように、ほつれ乱れた髪。「いかにせん—の秋の霜身はいたづらにふりま...
よもぎ‐の‐まど【蓬の窓】
ヨモギの茂っている荒れ果てた家の窓。「音はして岩にたばしる霰こそ—の友になりけれ」〈夫木・三一〉
よもぎ‐の‐まろね【蓬の丸寝】
荒れた宿にごろ寝をすること。「かかる—にならひ給はぬ心地も」〈源・東屋〉
よもぎ‐の‐や【蓬の矢】
ヨモギの葉で羽を矧(は)いだ矢。男児出生のとき、桑の弓にこの矢を用い、四方を射て前途を祝う。桑弧蓬矢(そうこほうし)。
よもぎ‐の‐やど【蓬の宿】
ヨモギなどが生え茂って荒れ果てた家。よもぎがやど。「玉しける庭に移ろふ菊の花もとの—な忘れそ」〈頼政集〉
よもぎ‐もち【蓬餅】
ヨモギの若葉を灰汁抜(あくぬ)きしてからつきこんで作った餅。草餅。《季 春》「掌中の珠とまろめて—/かな女」
世(よ)も末(すえ)
《仏教の末法思想による言葉》この世も終わりであること。救いがたい世であること。「こんな歌がはやるとは—だ」
よ‐も‐すがら【終夜】
[副]一晩中。夜どおし。よすがら。「—友と語り合う」
よもすがらけんぎょう【夜もすがら検校】
長谷川伸の短編小説。大正13年(1924)、雑誌「新小説」に発表。本作が出世作となった。
よも‐つ【黄泉つ】
[連語]《「よも」は「よみ(黄泉)」の音変化。「つ」は「の」の意の格助詞》名詞の上に付いて、その語が黄泉(よみ)に...
よも‐つ‐くに【黄泉国】
「黄泉(よみ)」に同じ。「—に追ひ往(ゆ)きき」〈記・上〉
よも‐つ‐しこめ【黄泉醜女】
黄泉(よみ)の国にいる鬼女。「すなはち—を遣はして追はしめき」〈記・上〉
よも‐つ‐ひらさか【黄泉平坂】
現世と黄泉(よみ)の国との境にあるとされた坂。「なほ追ひて、—の坂本に至りし時」〈記・上〉
よも‐つ‐へぐい【黄泉竈食ひ】
黄泉(よみ)の国のかまどで煮炊きしたものを食うこと。その後は現世に戻れないと信じられた。「吾すでに—せり」〈神代紀・上〉
よも‐の‐あから【四方赤良】
大田南畝(おおたなんぽ)の別号。
よも‐の‐あらし【四方の嵐】
1 あたりを吹き荒れる嵐。 2 浮世の波風。「浅茅生(あさぢふ)の露のやどりに君を置きて—ぞしづ心なき」〈源・賢木〉
よも‐の‐うみ【四方の海】
四方(しほう)の海。四海。
よも‐の‐かみ【四方の神】
諸方の神々。多くの神々。「—たちの神楽(かぐら)の詞(ことば)をはじめて」〈十六夜日記〉
夜(よ)も日(ひ)も明(あ)け◦ない
それがないと一時たりとも過ごすことができない。「女房なしには—◦ない」
よも‐や
[副]《副詞「よも」に助詞「や」を付けて意味を強めたもの》 1 万が一にも。いくらなんでも。「—負けることはあるま...
よも‐やま【四方山】
1 《「よもやも(四方八方)」の音変化か》世間。また、世間のさまざまなこと。「—の話をする」 2 四方にある山。周...
よもやま‐ばなし【四方山話】
いろいろな話題の話。世間話。「—で暇をつぶす」
よも‐やも【四方八方/四面八面】
しほうはっぽう。諸方。「名、—に流(し)けり」〈欽明紀〉
よ‐や
[感]他人に強くよびかけることば。おおい。「猫又、—、—と叫べば」〈徒然・八九〉