こころ‐さわぎ【心騒ぎ】
心が落ち着かないこと。むなさわぎ。「見るからに—のいとどまされば、言少なにて」〈源・浮舟〉
こころ‐さんよう【心算用】
心の中で見積もりを立てること。胸算用。「毎日—して、諸事に付きて利を得ることの少なき世なれば」〈浮・胸算用・五〉
こころ‐ざし【志】
1 ㋐ある方向を目ざす気持ち。心に思い決めた目的や目標。「—を遂げる」「事、—と異なる」「—を同じくする」「青雲の...
志(こころざし)合(あ)えば胡越(こえつ)も昆弟(こんてい)たり
《「漢書」鄒陽伝から。志が合えば、北方の胡の者と南方の越の者とでも兄弟同様になれる意》志が一致すれば、他人どうしで...
志(こころざし)は髪(かみ)の筋(すじ)
わずかな物でも真心がこもっているなら、それをくみ取れということ。
志(こころざし)は木(こ)の葉(は)に包(つつ)め
真心がこもっているなら、贈り物は木の葉に包むようなわずかなものでもよいということ。
志(こころざし)を◦得(え)る
目ざしていた職業や地位などに就く。「—◦得ないままでは、故郷には帰れない」
志(こころざし)を立(た)・てる
ある事を成し遂げようという気持ちをしっかりもつ。「政治家になろうと—・てる」
こころ‐ざ・す【志す】
[動サ五(四)] 1 ある事をしようと思い定める。心の中に立てた目的・目標に向かって進もうと決心する。「学問に—・...
こころ‐ざま【心様】
心のあり方。気だて。性質。「情合の深い、—の美しい女になることだろう」〈里見弴・多情仏心〉
こころ‐ざむ・い【心寒い】
[形][文]こころざむ・し[ク]恐れや驚きのために、ぞっと身の縮む思いがするさま。「桃子を亡くした—・い草八の身に...
こころ‐ざわり【心障り】
気に障ること。気がかり。「前後に—なくて胸安からん」〈一葉・やみ夜〉
心(こころ)時雨(しぐ)・る
もの悲しくて、心が湿りがちになる。「神無月なほ定めなき雲よりも—・るる夕暮れの空」〈夫木・一六〉
こころ‐しずか【心静か】
[形動][文][ナリ]心が穏やかで落ち着いているさま。平静であるさま。「—に余生を送る」「—な日々」
こころ‐して【心して】
[副]注意して物事をするさま。「事故を起こさないよう、—運転しなさい」
こころ‐しらい【心しらひ】
あれこれと心を配ること。心遣い。配慮。「—の用意すぎて、いとさかしらなり」〈落窪・一〉
こころ‐しら・う【心しらふ】
[動ハ四] 1 よく知っている。精通している。「兵(つはもの)のことに—・へるは」〈継体紀〉 2 心遣いをする。「...
こころ‐しり【心知り】
[名・形動ナリ] 1 互いに心を知り合うこと。懇意であること。また、その人や、そのさま。知己(ちき)。「花薄(はな...
心(こころ)知(し)・る
事情・気心・情趣などを理解する。「ひそかに—・れる人と言へりける歌」〈土佐〉
こころ‐じたく【心支度】
心の準備。心構え。心組み。「その—をする必要があった」〈藤村・夜明け前〉
こころ‐じょうぶ【心丈夫】
[形動][文][ナリ]頼りになる物や人があって安心できるさま。心強いさま。「君が手伝いに来てくれれば—だ」
こころ‐すご・し【心凄し】
[形ク]人けがなくもの寂しい。いかにも気味が悪く恐ろしい。「いと里離れ—・くて、海人(あま)の家だにまれに」〈源・須磨〉
こころ‐すず・し【心涼し】
[形シク] 1 さっぱりとして気持ちがよいさま。「山河の岩うつ音を聞くなへに—・しきひぐらしの声」〈拾玉集・二〉 ...
心(こころ)澄(す)・む
雑念が消えて、澄んだ心になる。「身につもる言葉の罪も洗はれて—・みぬる三重(みかさね)の滝」〈山家集・下〉
こころ・する【心する】
[動サ変][文]こころ・す[サ変] 1 十分に気を配って注意する。「過ちのないように—・する」→心して 2 その気...
こころ‐ず‐から【心づから】
[副]自然にそうなるさま。ひとりでに。自発的に。「年毎に雲路まどはぬ雁がねは—や秋を知るらむ」〈後撰・秋下〉
心(こころ)急(せ)・く
気がせいて、いらいらする。心がいらだつ。「一刻も早くと—・かれる」
こころ‐せば・し【心狭し】
[形ク]度量が狭い。心が小さい。思慮が浅い。「女郎花(をみなへし)咲ける大野を防ぎつつ—・くや注連(しめ)を結ふら...
こころ‐ぜいもん【心誓文】
心の中で立てる誓文。心中の誓い。「大事の敵を討つまでは無念も恥も堪(こら)えうと、—立てたれども」〈浄・薩摩歌〉
こころ‐ぜき【心急き】
[名・形動]心がせくこと。気ぜわしいこと。また、そのさま。「恐れながら、—にござりますれば、これよりすぐさま、退出...
こころ‐ぜわし・い【心忙しい】
[形][文]こころぜは・し[シク]気がせいて落ち着かないさま。気ぜわしい。「年の暮れは何かと—・い」
心(こころ)染(そ)・む
深く心にとまる。気に入る。「さこそげに君なげくらめ—・めし山の紅葉を人に折られて」〈右京大夫集〉
心(こころ)空(そら)なり
心が自分のからだから離れてしまったようだ。うわの空である。「たもとほり行箕(ゆきみ)の里に妹を置きて—土は踏めども...
こころ‐ぞえ【心添え】
親身になって注意すること。忠告。「お—を深謝します」
こころ‐だか・し【心高し】
[形ク]《「こころたかし」とも》 1 志が高い。また、人柄が高潔である。気高い。「世の中を—・くも厭(いと)ふかな...
こころ‐たがい【心違ひ】
平常とは違っている心。狂気。心たがえ。「—とはいひながら、なほめづらしう見知らぬ人の御有様なりや」〈源・真木柱〉
こころ‐たしか【心確か】
[形動ナリ] 1 思慮分別に富んでいるさま。考えがしっかりしているさま。「仕うまつる人の中に、—なるをえらびて」〈...
心(こころ)立(た)・つ
心が奮いたつ。「心ねたうもてないたる、なかなか—・つやうにもあり」〈源・胡蝶〉
こころ‐だくみ【心工/心匠】
心の中で計画をめぐらすこと。心積もり。「となむ造るべき、かうなむ建つべき、といふ御—いみじ」〈栄花・疑ひ〉
こころ‐だ・つ【心立つ】
[動タ五(四)]そうしようと心が動く。思い立つ。「最早ここを去らねばならぬと—・った」〈康成・雪国〉
こころ‐だて【心立て】
気だて。性質。心ばえ。「—の優しい人」
こころ‐だのみ【心頼み】
1 ひそかに当てにして頼ること。また、その物や人。「—にして待つ」 2 結婚の内約束のしるし。「本式の言ひ入れはお...
こころ‐だま【心魂】
1 たましい。心。精神。「入相の鐘袋に—を籠めて」〈浮・永代蔵・五〉 2 心意気。度胸。きもったま。「大場に住める...
こころ‐だましい【心魂】
1 正常な心の働き。正気。「—惑(まど)ひて、よろづのこと覚え給はず」〈宇津保・忠こそ〉 2 思慮才覚。才能。「か...
こころ‐だより【心頼り】
心の中で頼りに思っていること。また、その人。「まさかの時は—になりましょ」〈浄・博多小女郎〉
心(こころ)付(つ)・く
(「付く」が四段活用の場合) 1 愛情や関心が生じる。執心する。「御娘たちの住まひ給ふらむ御ありさま思ひやりつつ、...
心(こころ)尽(つ)・く
気力が尽きる。気ばかりもむ。「かやうに待ち聞えつつあらむも、心のみ尽きぬべきこと」〈源・葵〉
こころ‐つま【心妻/心夫】
心の中で思い決めている妻、または夫。意中の人。「あしひきの山下とよめ鳴く鹿の言(こと)ともしかも我(あ)が—」〈万...
こころ‐づかい【心遣い】
1 あれこれと気を配ること。心配り。配慮。「温かい—」 2 祝儀。心付け。「目をかけて、—もせし人を」〈人・梅児誉...
こころ‐づき【心付き】
[名・形動ナリ]気に入ること。心にかなうこと。また、そのさま。「—に見えん人に見合はば、それに引き移りなん」〈今昔...