このむねにふかぶかとつきささるやをぬけ【この胸に深々と突き刺さる矢を抜け】
白石一文の長編小説。平成21年(2009)、上下2巻で刊行。同年、第22回山本周五郎賞受賞。
こ‐の‐め【木の芽】
1 春にもえ出る木の新芽。きのめ。《季 春》「あけぼのの白き雨ふる—かな/草城」 2 サンショウの芽。きのめ。
このめ‐あえ【木の芽和え】
「きのめあえ」に同じ。
このめ‐づき【木の芽月】
《木の芽の出る月の意》陰暦2月の異称。
このめ‐づけ【木の芽漬(け)】
「きのめづけ」に同じ。
このめ‐どき【木の芽時】
樹々が新芽を吹くころ。早春。《季 春》「夜の色に暮れゆく海や—/石鼎」
このめ‐は・る【木の芽張る】
[動ラ四]木の芽が膨らむ。木の芽がもえ出る。「張る」を「春」に掛けて用いることが多い。《季 春》「四方山(よもやま...
この‐も【此の面】
こちら側。こなた。「—よりかのも色よき紅葉かな/蕪村」
このも‐かのも【此の面彼の面】
1 こちら側とあちら側。「つくばねの—に影はあれど君がみかげにます影はなし」〈古今・東歌〉 2 あちらこちら。そこ...
このもし・い【好もしい】
[形][文]このも・し[シク]「このましい」に同じ。「—・い人柄」 [派生]このもしげ[形動]このもしさ[名]
こ‐の‐もと【木の下】
きのした。樹下。「—、岩がくれ、山の木の葉に埋もれたるさへ」〈源・紅葉賀〉
この‐やろう【此の野郎】
相手に対して、憎しみや軽蔑、または親愛の気持ちを込めていう語。また、感動詞的に用いて、怒りなどの気持ちを表す語。「...
このゆえ‐に【此の故に】
[接]こういう理由で。こういうわけだから。「—反対せざるをえない」
この‐よ【此の世】
1 今、生活している現実のこの世界。現世。「—の見納め」「とても—のものとは思えない」⇔彼(あ)の世。 2 過去・...
この‐よう【此の様】
[形動][文][ナリ]こういうふう。このとおり。こんな。かよう。「—な次第で申しわけありません」
此(こ)の世(よ)なら◦ず
1 ほとんど死ぬほどである。「—◦ずわづらひけり」〈著聞集・五〉 2 すばらしくて、とてもこの世のものとは思われな...
このよのうつくしきものすべて【この世の美しきものすべて】
《原題、(チェコ)Všecky krásny světa》チェコの詩人、サイフェルトによる回想録。1982年刊行。
此(こ)の世(よ)の外(ほか)
あの世。のちの世。後世。来世。「あらざらむ—の思ひ出に今ひとたびの逢(あ)ふこともがな」〈後拾遺・恋三〉
このよのよろこびよ【この世の喜びよ】
井戸川射子の短編小説、および同作を表題作とする小説集。短編小説は令和4年(2022)に発表され、第168回芥川賞受賞。
このり【兄鷂】
鳥、ハイタカの雄。
こ‐の‐わた【海鼠腸】
ナマコの腸管で作った塩辛。酒の肴(さかな)。三河・志摩産のものが有名。《季 冬》「—の桶の乗りゐる父の膳(ぜん)/...
このん‐で【好んで】
[副]《動詞「このむ」の連用形に接続助詞「て」がついた「このみて」の音変化》好きで。自分から進んで。「—死地に赴く」
こ‐は【此は】
[連語]《代名詞「こ」+係助詞「は」》これは。これはまあ。多く、疑問・感動の気持ちを表すときに用いる。「いと—術(...
こ‐はい【粉灰】
1 粉や灰のように粉々に砕け散ること。こなみじん。こっぱい。「二人が舎利も魂魄(たましい)も—にされて消し飛ばさる...
此(こ)は如何(いか)に
いったいこれはどうしたことか。思いがけないことに出会ってとまどったり、その事柄を理解できずに自問したりするさま。
コハイト
エリトリア中部の都市遺跡。首都アスマラの南約120キロメートル、標高2600メートルの高原地帯の町アディケイの東郊...
子(こ)は鎹(かすがい)
子供への愛情から夫婦の仲がなごやかになり、縁がつなぎ保たれることのたとえ。
こ‐はぎ【小脛】
すね。また、袴(はかま)などの裾を少しまくり上げて、すねが少し見える着方。「—にて半靴(はうくわ)はきたるなど」〈...
こ‐はぎ【小萩】
小さい萩。また、萩。《季 秋》「垣荒れて犬踏み分くる—かな/闌更」
こ‐はく【琥珀】
1 地質時代の樹脂の化石。黄色で半透明、樹脂光沢があり、非晶質。しばしば昆虫などの入ったものも見つかる。アクセサリ...
こはく‐いろ【琥珀色】
琥珀のような半透明の黄色、または、黄褐色。「—の液体」
こはく‐おり【琥珀織】
縦糸が密に並び、横糸がやや太く、布面に横うねのある平織りの絹織物。帯や袴地(はかまじ)、また和服・婦人服などに用い...
こはく‐ぎょく【琥珀玉】
琥珀で作った飾り玉。琥珀色の玉。
こはく‐さん【琥珀酸】
カルボン酸の一種で、無色の結晶。最初、琥珀を乾留して得たのでこの名がある。植物界に広く存在し、動物生体内ではトリカ...
こはく‐じま【琥珀縞】
琥珀織にした縞織物。
こ‐はくちょう【小白鳥/小鵠】
カモ科の鳥。全長約1.2メートルで、オオハクチョウに似るがやや小柄。全身白色。くちばしは黒色で基部が黄色い。ユーラ...
こはく‐とう【琥珀糖】
煮とろかした寒天に、砂糖と鬱金粉(うこんこ)またはクチナシの実とを入れて煮詰め、レモンや橙皮油(とうひゆ)をまぜて...
子(こ)は三界(さんがい)の首枷(くびかせ)
親は子を思う心に引かれて、終生自由を束縛されることのたとえ。
こ‐はじ【木端】
《「こはし」とも》すだれの下端の縁に縫い込んである細長い薄板。巻き上げるときの芯(しん)にする。一説に、巻き上げた...
こ‐はじとみ【小半蔀】
小さい半蔀。
こ‐はずかし・い【小恥ずかしい】
[形][文]こはづか・し[シク]ちょっときまりが悪い。妙に恥ずかしい。「人前で褒められて—・い思いをする」
こ‐はぜ【小鉤/鞐】
1 足袋・手甲・脚絆(きゃはん)・袋物・書物の帙(ちつ)などの合わせ目につけた爪形(つめがた)の留め具。真鍮(しん...
こはぜ‐かけ【小鉤掛(け)】
1 こはぜ1を掛けるために取り付けた輪。また、そのように仕立てたもの。 2 金属板で屋根を葺(ふ)くとき、板の端の...
こはぜ‐きゃはん【小鉤脚絆】
こはぜ1で留めるように仕立てた脚絆。江戸脚絆。
此(こ)はそも
《「こは」を強めた言い方》これは一体。これはまた。「—何としたことだ」
こはた【木幡】
京都府宇治市木幡(こはた)町を中心として山科あたりまでを含んだ地域の古称。[歌枕]「山科の—の山を馬はあれど徒歩(...
こ‐はだ【小鰭】
コノシロの中くらいの大きさのもの。鮨種(すしだね)などにする。《季 秋》
こ‐はだ【木皮/木肌/樸】
木の皮。
こはだ‐ぶき【木皮葺き】
木の皮を重ねて屋根を葺く方法。また、そうして葺いた屋根。
こはちよう‐の‐くるま【小八葉の車】
文様が小さい八葉の車。一般殿上人(てんじょうびと)に広く用いられた。→八葉の車