との【殿】
1 貴人の住む大きな邸宅。やかた。ごてん。「—より人なむ参りたる」〈大和・一七一〉 2 《邸宅に住む人をさしていう...
との
[接頭]《接頭語「たな」の音変化》動詞に付いて、一面に、十分になどの意を添えるのに用いる。「—ぐもる」「—びく」
と‐の
[連語]《格助詞「と」+格助詞「の」》 1 …という。「明日来る—電話があった」 2 …を相手とする。「家族—対話」
トノアス‐とう【トノアス島】
《Tonowas》ミクロネシア連邦、チューク諸島の島。日本統治時代には夏島とよばれ、南洋庁の支庁と日本海軍の重要拠...
との‐あぶら【殿油】
「大殿油(おおとなぶら)」に同じ。
との‐い【宿直】
《「殿(との)居(い)」の意》 1 宮廷や役所に泊まって勤務し、警備守護などをすること。「彼の宮に詣でて—に侍らむ...
とのい‐ぎぬ【宿直衣】
「宿直装束(とのいそうぞく)」に同じ。
とのい‐すがた【宿直姿】
宿直装束(とのいそうぞく)をつけた姿。
とのい‐そうぞく【宿直装束】
宿直(とのい)1に着用した装束。略式の衣冠または直衣(のうし)。束帯(そくたい)より軽装。とのいぎぬ。→昼(ひ)の装束
とのい‐どころ【宿直所】
1 宮中で、官人が宿直(とのい)1をする所。 2 神社で、神官が宿直する所。とのいや。 3 江戸時代、武家屋敷など...
とのい‐ひきめ【宿直蟇目】
武家の寝所仕候の宿直の際、夜間警戒のために射る、音の出る蟇目の矢。
とのい‐びと【宿直人】
宮中で、宿直(とのい)1をする人。また、貴人の邸宅で夜番をする人。
とのい‐ぶくろ【宿直袋】
「宿直物(とのいもの)の袋」に同じ。
とのい‐もうし【宿直奏し】
宮中で宿直の官人が定刻に声をあげてその氏名を名のること。また、その声。→名対面「名対面(なだいめん)は過ぎぬらむ、...
とのい‐もの【宿直物】
官人が宿直をするときの衣服・夜具の類。
とのいもの‐の‐ふくろ【宿直物の袋】
宿直物、特に、宿直装束を入れる袋。とのいぶくろ。
との‐うつり【殿移り】
貴人の転居。家移り。「この御—の数の中には」〈源・玉鬘〉
と‐の‐え【外の重】
《九重(ここのえ)(宮城)の外の意》宮城の外郭。また、衛門府の官人がいる陣。
とのおか‐もじゅうろう【外岡茂十郎】
[1898〜1986]法学者・野球指導者。静岡の生まれ。民法研究のかたわら、昭和17年(1942)から22年間早大...
との‐がた【殿方】
女性が男性を丁重にさしていうときに用いる語。
との‐ぐも・る【との曇る】
[動ラ四]空一面に曇る。たなぐもる。「雨降らず—・る夜のしめじめと恋ひつつ居りき君待ちがてり」〈万・三七〇〉
と‐の‐こ【砥の粉】
砥石(といし)を切り出すときに出る粉末。また、黄土を焼いて作った粉。刀剣の研磨、木材の着色、塗料の下地に用いる。
とのこ‐いろ【砥の粉色】
砥の粉の色。薄い黄土色。
とのこと
人から聞いた話であることを表す。…という。…だそう。「彼は会社をやめた—だ」
との‐ご【殿御】
女性が男性を敬っていう語。
との‐ごころ【殿心】
女性が男性を恋しく思う心。「もやもやと上気して…—のおこり」〈浮・一代女・四〉
砥(と)の如(ごと)◦し
砥石の表面のように平らである。「坦坦たる—◦き県道となって」〈蘆花・思出の記〉
堵(と)の如(ごと)◦し
多くの人が集まり垣根をめぐらしたようである。見物人の多いようすにいう。「—◦く勘次とおつぎの周囲に集まった」〈長塚・土〉
とのご‐はじめ【殿御始め】
「殿始め」に同じ。「—の新枕」〈浄・忠臣蔵〉
とのご‐ぶり【殿御振り】
男ぶり。男まえ。「色も香もある—」〈浄・太功記〉
との‐ごも・る【殿隠る】
[動ラ四] 1 《殯(もがり)の宮にこもる意から》「死ぬ」の尊敬語。おかくれになる。崩御する。「大殿を仕へ奉りて—...
との‐さま【殿様】
1 貴人・主君・領主などの敬称。 2 江戸時代、大名・旗本の敬称。 3 生活にめぐまれ、何事にもおうような人。のん...
とのさま‐がえる【殿様蛙】
アカガエル科のカエル。体長5〜9センチ。背面は緑色ないし褐色で黒色斑紋があり、背の中央を黄色の線が走る。腹面は白ま...
とのさま‐げい【殿様芸】
貴人や金持ちなど、暇と金にゆとりのある人が、なぐさみにおぼえた芸。だんな芸。
とのさま‐しごと【殿様仕事】
時間も費用も考えに入れず、気ままにする仕事。
とのさま‐しょうばい【殿様商売】
商品知識や客とのかけひきなど、もうけるための努力・工夫に気を使わない商い方を皮肉っていう語。「あんな—じゃ、いずれ...
とのさま‐そだち【殿様育ち】
多くの人にかしずかれて、なんの不自由もなく成長すること。
とのさま‐ばった【殿様蝗虫】
バッタの一種。全長5〜7センチ。色はふつう緑色で、翅(はね)に黒褐色の斑紋が散在。多数発生すると黒褐色に変化し、飛...
とのしょう【土庄】
香川県、小豆島(しょうどしま)北西部の地名。中心の土庄は同島観光の玄関口にあたる港町。「二十四の瞳」の像がある。
とのしょう‐ちょう【土庄町】
⇒土庄
との‐たち【殿達】
1 殿方たち。とのばら。「烏帽子(えぼし)親などといふものは—をこそ頼むものなれ」〈虎明狂・比丘貞〉 2 近世、遊...
と‐の‐ちゃ【礪(の)茶】
江戸時代の染め色の名。赤黒い茶色。
とのちゃ‐こもん【礪(の)茶小紋】
礪の茶の地に小紋を染め出したもの。
との‐づくり【殿作り/殿造り】
御殿を造ること。また、造った御殿のありさま。「心やすき—しては、かやうの人つどへて」〈源・澪標〉
との‐ど【殿戸/殿門】
御殿の戸口。相手の家への敬意を表す語。「味酒(うまさけ)三輪の殿の朝戸にも出でて行かな三輪の—を」〈崇神紀・歌謡〉
との‐な【殿名】
宮中の女房の呼び名の一つ。三条殿・大宮殿などと「…殿」と呼ぶもの。→小路名(こうじな)
との‐の‐うえ【殿の上】
摂政・関白など、時の第一人者の妻に対する敬称。「—の御かたちに似る人おはせじ」〈源・玉鬘〉
との‐はじめ【殿始め】
女性がはじめて男性と床をともにすること。「みづからは—」〈浄・烏帽子折〉
との‐ばら【殿原】
《「ばら」は複数を表す接尾語》身分の高い人々や武士などを敬っていう語。殿たち。「これを見給へ、東国の—」〈平家・九〉
との‐びと【殿人】
貴族に仕える人。貴族の家人(けにん)。「—、親しき家司(けいし)などは」〈源・総角〉