そば【岨】
《「稜(そば)」と同語源。古くは「そわ」》山の切り立ったけわしい所。がけ、絶壁など。「ふるはたの—の立木にゐる鳩の...
そば【側/傍】
1 空間の隔たりがあまりない所。近く。「駅の—の交番」 2 その動詞の表す動作・状態と時間の隔たりがないことを表す...
そば【稜】
1 物の角(かど)。りょう。「石の—の、折敷の広さにてさし出でたるかたそばに」〈宇治拾遺・六〉 2 袴(はかま)の...
そば【蕎麦】
1 タデ科の一年草。高さ40〜70センチ。茎は赤みを帯び、葉は心臓形で先がとがる。夏または秋、白色や淡紅色の花びら...
そば‐いなり【蕎麦稲荷】
稲荷鮨の飯の代わりに、油揚げの中にゆでたそば2を詰めたもの。酢で締めたそばを使う場合もある。
そば・う【戯ふ】
[動ハ下二]「そばえる」の文語形。
そばえ【戯へ】
日照り雨。「時雨しければ、ばらばらの—や神の留守見舞」〈西国船〉
そば・える【戯える】
[動ア下一][文]そば・ふ[ハ下二] 1 風が甘えかかるように、やわらかく吹く。「冷たい頸元に—・える軽い風に吹か...
そば‐おしき【傍折敷】
饗饌(きょうせん)用の、脚つきの角盆。平折敷に脚をつけたもの。
そば‐かす【蕎麦滓】
1 「蕎麦殻(そばがら)」に同じ。 2 (「雀斑」とも書く)《色と形が1に似ているところから》顔面にできる茶色の細...
そば‐がお【側顔】
[名・形動ナリ] 1 よこがお。「首筋ひき立てて、折れ返りかひろぐ—の、ほのぼの御簾に透きて見ゆるは」〈狭衣・三〉...
そば‐がき【蕎麦掻き】
そば粉を熱湯でこねたもの。醤油をつけたり、そばつゆや小豆あんをかけたりして食べる。そば練り。《季 冬》
そば‐がら【蕎麦殻】
ソバの実をひいて粉をとったあとの殻。枕などに詰める。そばかす。
そば‐き【側木】
弓の外竹(とたけ)と内竹(うちたけ)との間に挟む木。
そば‐きり【蕎麦切り】
⇒蕎麦2
そばきり‐ぼうちょう【蕎麦切り包丁】
生地(きじ)を切って、蕎麦などの麺を作るための包丁。幅広い変形の刃に柄(え)をつけた独特の形をしている。麺切り包丁。
そば‐こ【蕎麦粉】
ソバの実をひいて作った粉。そば切り・そばがきなどにする。
そば‐ごめ【蕎麦米】
ソバの実をゆでて皮をむき、干したもの。鶏肉や野菜などとともに汁に入れて煮たものは、徳島県祖谷(いや)地域の郷土料理。
そば‐ざま【側方/側様】
[名・形動ナリ] 1 かたわらの方。側面。「この童、鼻をひんとて、—に向きて鼻をひるほどに」〈宇治拾遺・二〉 2 ...
そば‐しゅう【側衆】
江戸幕府の職名。将軍に近侍し、交替で宿直して城中の諸務を処理した。若干名の者は御側御用取次といい、将軍と老中以下諸...
そば‐ずし【蕎麦鮨】
飯の代わりにそば切りを使ったすし。主に巻きずしにする。
そば‐そば【側側】
はしばし。すみずみ。「その頃ほひ聞きしことの、—思ひ出でらるるは」〈源・行幸〉
そばそば・し【稜稜し】
[形シク] 1 かどばっている。「優婆塞(うばそく)がおこなふ山の椎(しひ)がもとあな—・しとこにしあらねば」〈延...
そば‐だ・つ【峙つ/聳つ】
[動タ五(四)]《「稜(そば)立つ」の意。古くは「そばたつ」とも》 1 山などがかどばって高く立つ。そびえる。「峻...
そば‐だ・てる【攲てる】
[動タ下一][文]そばだ・つ[タ下二] 1 一方の端を高くする。「ぐにゃりとして居し肩を—・て」〈露伴・五重塔〉 ...
そば‐ちょく【蕎麦猪口】
「そばちょこ(蕎麦猪口)」に同じ。
そば‐ちょこ【蕎麦猪口】
《「そばちょく」とも》口径・高さとも6〜8センチくらいの陶磁製の器。→猪口 [補説]盛りそばのつけ汁の容器に使われ...
そ‐ばつ【疎伐】
「間伐」に同じ。
そば‐つき【側付き】
わきから見たようす。みかけ。外観。「—ざればみたるも」〈源・帚木〉
そば‐つぎ【側次/傍続】
1 武家時代の衣服の一。袖なし羽織のように作り、上着や鎧(よろい)の上に着用。能装束としても用いる。 2 小直衣(...
そば‐つゆ【蕎麦汁】
そばを食べるときにつけたり、かけたりする汁。
そば‐づえ【側杖/傍杖】
けんかのそばにいて打ち合う杖で打たれること。転じて、自分と関係のないことのために被害を受けること。とばっちり。
側杖(そばづえ)を食(く)・う
自分と関係のないことで思わぬ災難を受ける。「他人のけんかの—・ってけがをする」「事故の—・って待ち合わせに遅れる」
そば‐づかえ【側仕え】
主君のそば近くに仕えること。また、その人。そばづとめ。
そば‐づくえ【傍机】
「脇机(わきづくえ)」に同じ。
そば‐づたい【岨伝い】
《古くは「そわづたい」》険しい山道を伝って行くこと。また、道が険しいがけに沿っていること。「—に行く」「—の難路」
そば‐づとめ【側勤め】
「側(そば)仕え」に同じ。
そば‐どころ【蕎麦処】
1 良質のソバがとれる土地。 2 そば屋のこと。看板などに書く。
そば‐な【蕎麦菜】
キキョウ科の多年草。山地に自生し、高さ約90センチ。葉は互生し、長卵形で縁にぎざぎざがある。夏から秋、紫色で釣り鐘...
そば‐ねり【蕎麦練り】
⇒蕎麦掻(そばが)き
そば‐の‐き【稜の木/蕎麦の木】
1 ブナの古名。〈和名抄〉 2 アカメモチの古名。「木は桂、五葉、柳、橘。—、はしたなき心地すれども」〈能因本枕・四七〉
そば‐はら【側腹】
1 横腹。わきばら。「宮の左の御—に矢一筋たちければ」〈平家・四〉 2 《「そばばら」とも》妾(めかけ)から生まれ...
そば‐ひら【側平】
かたわら。そば。わき。「その山の—を巡れば」〈竹取〉
そば‐ボーロ【蕎麦ボーロ】
そば粉を用いて焼いた和風ボーロ。京都の銘菓。
そば‐まんじゅう【蕎麦饅頭】
そば粉などで皮を作り、中に小豆あんを入れたまんじゅう。
そば‐みち【岨道】
《古くは「そわみち」》険しい山道。そばじ。「城趾(しろあと)へは…曲折(うね)った—を通って行くのであるが」〈二葉...
そば‐みち【側道】
本道に沿った狭い道。間道。
そば・む【側む】
《名詞「そば(側)」の動詞化》 [動マ四] 1 横を向く。わきを向く。「尼君を恥ぢらひて、—・みたるかたはらめ」〈...
そば‐むぎ【蕎麦】
ソバの古名。〈和名抄〉
そば‐む・く【側向く】
[動カ四]横を向く。「少し—・きたる姿、まことにらうたげなり」〈宇治拾遺・一〇〉 [動カ下二]横へ向ける。「何とて...