なき【泣き】
泣くこと。また、泣きたいほどつらいこと。「—の涙」「うれし—」「うそ—」「すすり—」
なき【亡き】
[連体]《形容詞「なし」の連体形から》生きていない。死んだ。亡くなった。「—父の形見」
なき‐あか・す【泣(き)明かす】
[動サ五(四)]一晩中泣いて夜を明かす。また、ずっと泣いて過ごす。「遺体にすがって—・す」「三日間—・す」
なき‐あ・ぐ【鳴き上ぐ】
[動ガ下二]声を高くあげて鳴く。「犬のもろ声に長々と—・げたる」〈枕・二八〉
なき‐あと【亡き後】
[連語]人の死んだあと。「—を弔う」
なき‐あひる【鳴き家鴨】
アイガモの別名。
なきあま【泣尼】
狂言。説法を頼まれた僧が、泣尼と異名をとる老尼を法事に雇い泣かせようとするが、法談の最中に居眠りをしてしまい、あげ...
なき‐あわせ【鳴(き)合(わ)せ】
同類の声の美しい鳥を持ち寄り、その鳴き声の優劣を競い合うこと。競鳴。
なき‐い・る【泣(き)入る】
[動ラ五(四)]激しく泣く。また、泣き悲しむ。「お師匠様は道に倒れて—・られましたよ」〈倉田・出家とその弟子〉
なき‐うさぎ【啼兎】
ウサギ目ナキウサギ科の哺乳類の総称。岩場などにすみ、体長約15センチ。耳は短くて丸く、尾はない。プチーと聞こえる鋭...
なきおうじょのためのパバーヌ【亡き王女のためのパバーヌ】
《原題、(フランス)Pavane pour une infante défunte》ラベルのピアノ曲。1899年作...
なき‐おとこ【泣(き)男】
葬式の際に雇われて大声で泣く役目の男。
なき‐おとし【泣(き)落(と)し】
泣くなどして相手の同情を買い、自分の言い分を承知させること。「おどしてだめだと—にかかる」「—戦術」
なき‐おと・す【泣(き)落(と)す】
[動サ五(四)] 1 泣いたり不幸な身の上を語ったりして、相手の同情を買い、自分の言い分を承知させる。「親を—・し...
なき‐おんな【泣(き)女】
葬式の際に雇われて大声で泣く役目の女。日本のほか、朝鮮・中国にもある。なきめ。
なき‐かえ・る【泣き返る】
[動ラ四]激しく泣く。泣き入る。「雲路をも知らぬ我さへもろ声に今日ばかりとぞ—・りぬる」〈後撰・雑四〉
なき‐かげ【亡き影】
[連語] 1 死んだ人のおもかげ。また、死者の霊。「—やいかが見るらむよそへつつながむる月も雲がくれぬる」〈源・須...
なき‐かず【亡き数】
[連語]死んだ人の仲間。「—に入る」
なき‐かわ・す【泣(き)交(わ)す/鳴(き)交(わ)す】
[動サ五(四)] 1 (泣き交わす)互いに泣く。泣き合う。「手を取り合って—・す」 2 (鳴き交わす)鳥獣・虫など...
なき‐がお【泣(き)顔】
泣いている顔。また、泣き出しそうな顔つき。泣きつら。「—で謝る」
なき‐がら【亡骸】
死んで魂の抜けてしまったからだ。死体。しかばね。遺体。「—を葬る」
なき‐くず・れる【泣(き)崩れる】
[動ラ下一][文]なきくづ・る[ラ下二]激しくとり乱して泣く。激しく泣いてその場にくずおれる。「悲報に接し—・れる...
なき‐くら・す【泣(き)暮(ら)す】
[動サ五(四)]泣きながら日を過ごす。来る日も来る日も泣いてばかりいる。「亡き子を思い—・す」
なき‐こが・る【泣き焦がる】
[動ラ下二]思いこがれて泣く。泣くほど恋い慕う。「母北の方、おなじ煙にものぼりなむと—・れ給ひて」〈源・桐壺〉
なき‐こと【無き事】
[連語]ありもしないこと。身に覚えのないこと。無実。「—によりかく罪せられ給ふを」〈大鏡・時平〉
なき‐こ・む【泣(き)込む】
[動マ五(四)]泣いて訴える。また、泣くようにして頼みこむ。泣きつく。「役所に—・む」
なきこをしのぶうた【亡き子をしのぶ歌】
《原題、(ドイツ)Kindertotenlieder》マーラーの歌曲集。1901年から1904年にかけて、声楽とオ...
なき‐ごえ【泣(き)声/鳴(き)声】
1 (泣き声) ㋐泣く声。「赤ん坊の元気な—」 ㋑泣きながら話す声。また、泣きそうな声。涙声。「—で抗議する」 2...
なき‐ごと【泣(き)言】
泣きながらぐずぐず訴える言葉。不運や苦しみを嘆く言葉。「—を並べる」
なき‐さけ・ぶ【泣(き)叫ぶ】
[動バ五(四)]大きな声で泣く。泣きながら叫ぶ。「迷子が道で—・ぶ」
なき‐しき・る【泣き頻る/鳴き頻る】
[動ラ五(四)] 1 (泣き頻る)しきりに泣く。続けて泣く。「—・る幼子」 2 (鳴き頻る)虫や鳥などが絶え間なく...
なき‐しず・む【泣(き)沈む】
[動マ五(四)]深い悲しみに泣いて沈みこむ。「夫に先立たれて—・む日々」
なき‐しみづ・く【泣き染み付く】
[動カ四]泣いて涙でぬれる。泣きぬれる。「—・いて頼まれければ、宿老の内儀涙ぐみ」〈浮・親仁形気・二〉
なき‐じゃく・る【泣き噦る】
[動ラ五(四)]しゃくりあげて泣く。「—・りながら言い訳する」
なき‐じょうご【泣(き)上戸】
酒に酔うと泣くくせのある人。また、そのくせ。
なきじんぐすく‐あと【今帰仁城跡】
⇒なきじんじょうあと(今帰仁城跡)
なきじんじょう‐あと【今帰仁城跡】
《「なきじんぐすくあと」とも》沖縄県今帰仁村にある城跡。14世紀後半から15世紀初頭、山北(さんほく)(北山)・中...
なき‐すが・る【泣き縋る】
[動ラ五(四)]泣きながらすがりつく。また、苦しい状況を訴えて援助を頼む。「夫の胸に—・る」
なき‐すな【泣き砂/鳴き砂】
上を歩くと「きゅっきゅっ」と音を立てる砂浜。石英粒を多く含むとされる。島根の琴ヶ浜や京都の琴引浜などが有名。
なき‐ずもう【泣き相撲】
栃木県鹿沼市の生子(いきこ)神社で9月に行われる行事。力士に抱えられた幼児を土俵上で対面させ、先に泣いたほうを勝ち...
なき‐た・てる【泣(き)立てる/鳴(き)立てる】
[動タ下一][文]なきた・つ[タ下二] 1 (泣き立てる)声をあげてしきりに泣く。「おなかをすかせた赤ん坊が—・て...
なき‐たま【亡き魂】
[連語]死んだ人のたましい。「あはれ、—や宿りて見給ふらむ」〈源・東屋〉
泣(な)き出(だ)しそうな空模様(そらもよう)
今にも雨が降りだしそうな空のようす。
なき‐だ・す【泣(き)出す/鳴(き)出す】
[動サ五(四)] 1 (泣き出す)泣きはじめる。「こらえきれずに—・す」 2 (鳴き出す)鳴きはじめる。「鳥が—・す」
なき‐ちら・す【鳴き散らす】
[動サ四]鳥が鳴きながら飛び回り、花を散らす。「うぐひすの—・すらむ春の花いつしか君と手折りかざさむ」〈万・三九六六〉
なきっ‐つら【泣きっ面】
「なきつら」の音変化。「—をかく」
なき‐つ・く【泣(き)付く】
[動カ五(四)] 1 泣きながらすがりつく。「わっと—・く」 2 泣かんばかりに頼み込む。哀願する。「—・かれて金...
なき‐つく・す【泣(き)尽(く)す/鳴(き)尽(く)す】
[動サ五(四)] 1 (泣き尽くす)泣きたいだけ存分に泣く。「涙もかれんばかりに—・す」 2 (鳴き尽くす)虫など...
なき‐つら【泣(き)面】
泣いた顔つき。また、泣き出しそうな顔つき。泣き顔。泣きっ面。「—を見せる」
泣(な)き面(つら)に蜂(はち)
泣いている顔をさらに蜂が刺す。不運や不幸が重なることのたとえ。