むら‐き【斑気】
[名・形動]《「むらぎ」とも》気分が変わりやすいこと。また、そのさま。「—な性格」
むら‐ぎも【群肝/村肝】
《「むらきも」とも》体内の臓腑(ぞうふ)。五臓六腑(ごぞうろっぷ)。 [補説]書名別項。→むらぎも
むら‐ぎえ【斑消え】
ところどころ消えること。まだらに消え残ること。「—の雪の間から芽を出す」
むら‐ぎみ【村君/漁父/漁翁】
漁民の長。「岩の根にかたおもむきに並み浮きてあはびをかづく海人の—」〈山家集・下〉
むら‐ぎみ【邑君】
村の代表者。農民の長。「囚(よ)りて天(あまの)—を定む」〈神代紀・上〉
むら‐ぎめ【村極め】
室町後期から江戸時代、村民が協議してきめた規約。入会(いりあい)権・水利権や、風俗取り締まりなど村内の秩序維持に関...
むらぎも
中野重治の長編小説。昭和29年(1954)1月から7月にかけて「群像」誌で連載ののち、単行本刊行。著者の分身的存在...
むらぎも‐の【群肝の】
[枕]心の働きは内臓の働きによると考えられたところから、「心」にかかる。「—心を痛み」〈万・五〉
むら‐ぎ・ゆ【斑消ゆ】
[動ヤ下二]ところどころ消える。まだらに消える。「嶺の雪—・えて、花かと見ゆる所もあり」〈平家・九〉
むら‐くさ【叢草】
むらがり生い繁っている草。「あはれしや野焼きにもれし峰のわの—かくれ雉(きぎす)鳴くなり」〈永久百首〉
むら‐くも【群雲/叢雲/村雲】
高積雲や層積雲のこと。むらがり立つ雲。一群(む)れの雲。「月に—花に風」
むらくも‐ごしょ【村雲御所】
瑞竜寺(ずいりゅうじ)の異称。
むらくも‐の‐つるぎ【叢雲剣】
天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)のこと。
むら‐ぐい【斑食い】
毎回の食事量が一定でないこと。食べるときと食べないときの差があること。
むら‐ご【斑濃/叢濃/村濃】
1 染め色の名。同じ色でところどころを濃淡にぼかして染め出したもの。 2 「斑濃の威(おどし)」の略。
むらご‐の‐おどし【斑濃の威】
鎧(よろい)の威の一。白地に左右、または上下の一隅を濃淡に威しまぜとしたもの。
むらさき【紫】
1 ムラサキ科の多年草。山地に生え、高さ30〜60センチ。根は太く紫色。全体に毛が密生し、葉は披針形で互生する。6...
むらさき【紫】
与謝野鉄幹の歌集。明治34年(1901)刊行。
むらさき‐いがい【紫貽貝】
イガイ科の二枚貝。内湾の岩などに足糸(そくし)で付着する。殻長9センチくらい。イガイに似るが、殻頂は丸みを帯びる。...
むらさき‐いも【紫芋】
⇒紫薩摩芋
むらさき‐いろ【紫色】
赤と青の中間の色。また、ムラサキの根で染めた色。
むらさき‐うに【紫海胆】
ナガウニ科のウニ。沿岸の岩礁にすみ、やや扁平な球状で殻径5〜7センチ。とげは長く、全体が暗赤紫色から黒紫色。本州中...
むらさき‐うまごやし【紫馬肥】
アルファルファの別名。
むらさき‐えもん【紫衛門】
明治・大正のころ、女学生のこと。袴が紫色であったところから、中古の女流歌人赤染衛門の名をもじっていった。→海老茶式...
むらさき‐おどし【紫威】
鎧(よろい)の威の一。紫色の組糸または革で威したもの。むらさきいとおどし。
むらさき‐おもと【紫万年青】
ツユクサ科の多年草。高さ約60センチ。茎は直立し、その先に長楕円形の厚い葉が多数つく。葉の裏面は紅紫色。夏、葉の付...
むらさき‐かたばみ【紫酢漿草】
カタバミ科の多年草。地下の鱗茎(りんけい)は子球をつくってよく増える。カタバミより大形。夏、淡紅色の花を開く。南ア...
むらさき‐がい【紫貝】
1 シオサザナミガイ科の二枚貝。浅海の泥底に穴を掘ってすむ。貝殻は長楕円形で、殻長7センチくらい。殻表、内面ともに...
むらさき‐がわ【紫革】
赤紫色に染めた革。
むらさき‐キャベツ【紫キャベツ】
葉が赤紫色のキャベツ。サラダ・ピクルスなどに用いる。《季 冬》
むらさきぐさ【紫草】
今井邦子の歌集。昭和6年(1931)刊行。
むらさき‐けまん【紫華鬘】
ケシ科の越年草。山野の日陰地に生え、高さ20〜50センチ。全体に柔らかく、葉は羽状に細かく裂けている。晩春、紅紫色...
むらさき‐さつまいも【紫薩摩芋】
肉が紫色のさつまいも。鹿児島、沖縄地方には古くからある。色素のアントシアニンに血圧や肝機能を改善する働きがあるとさ...
むらさき‐しきぶ【紫式部】
シソ科の落葉低木。山野に生え、高さ約3メートル。葉は対生し、楕円形で裏面に黄色の点がある。6、7月ごろ、葉の付け根...
むらさき‐しきぶ【紫式部】
[973ころ〜1014ころ]平安中期の女流作家。越前守藤原為時の娘。藤原宣孝と結婚し、夫の没後、「源氏物語」を書き...
むらさきしきぶにっき【紫式部日記】
平安中期の日記。2巻。紫式部作。寛弘5年(1008)秋から同7年正月までの宮仕えの見聞・感想・批評などを仮名で記し...
むらさきしきぶにっきえまき【紫式部日記絵巻】
鎌倉中期の絵巻。「紫式部日記」の本文を多少省略・変更した詞書(ことばがき)に、絵を施したもの。絵24段・詞書24段...
むらさきしきぶ‐ぶんがくしょう【紫式部文学賞】
文学賞の一。年に1回、女性による文学作品に贈られる。宇治市と宇治市教育委員会により平成3年(1991)創設。公募は...
むらさき‐しじみ【紫小灰蝶】
シジミチョウ科のチョウ。翅(はね)の開張約3.5センチ。翅の中央部が金属光沢のある紫色。花に来ることは少ない。幼虫...
むらさき‐しめじ【紫湿地】
キシメジ科のキノコ。秋に雑木林に輪を描いて生え、傘の直径は約10センチ。全体に紫色で、のちに汚黄色あるいは褐色にな...
むらさき‐ずいしょう【紫水晶】
紫色の水晶。また、その色。紫石英(しせきえい)。アメシスト。アメジスト。
むらさき‐すそご【紫裾濃】
紫色を、上方は薄く下方になるにつれて濃くなるように染めたもの。
むらさき‐そう【紫草】
多年草ムラサキの別名。
むらさき‐たび【紫足袋】
紫色に染めた筒長の革足袋。同色の革ひもで結ぶ。多くは鹿革製で、室町時代から江戸初期に流行。主に女性の晴れ着に用いられた。
むらさき‐だ・つ【紫立つ】
[動タ五(四)]紫色を帯びる。紫がかる。「烽火(のろし)が—・って暗黒な空の中でぱっとはじけると」〈有島・生れ出づ...
むらさき‐つゆくさ【紫露草】
ツユクサ科の多年草。高さ約50センチ。葉は広線形。春から夏にかけ、紫色の3弁花が朝に開き、午後にしぼむ。北アメリカ...
むらさき‐におい【紫匂】
1 上から下へ紫色をしだいに薄くした染め色。 2 襲(かさね)の色目の名。上を濃い紫にして、下をしだいに薄くしたも...
むらさきの【紫野】
京都市北区の南部の地名。大徳寺・今宮神社がある。
むらさき‐の【紫の】
[枕] 1 ムラサキの根で染めた色の美しいところから、「にほふ」にかかる。「—にほへる妹を憎くあらば」〈万・二一〉...
紫(むらさき)の朱(あけ)を奪(うば)う
《「論語」陽貨から》古代正色とされていた朱にかわり、孔子のころには間色である紫が好まれるようになったところから、ま...