もの【物】
[名] 1 空間のある部分を占め、人間の感覚でとらえることのできる形をもつ対象。 ㋐物体。物品。「ごつごつした—に...
もの【者】
《「物」と同語源》人。多く、他の語句による修飾を受ける。卑下・軽視する場合や、改まった場合に用いられる。「店の—に...
モノ
他の外来語の上に付いて、単一の、単独の、の意を表す。「—レール」
もの
[接助]口語では活用語の終止形、文語では活用語の連体形に付く。順接の確定条件を表す。…(だ)から。…ので。「ゆくゆ...
もの‐あい【物間】
物と物との間。また、その距離。「障子の隙間(すきま)—のそよともするを」〈謡・熊坂〉
もの‐あき【物飽き】
物事に飽きること。「—と見えて奉書のたばこ入れ」〈柳多留・一一〉
もの‐あげば【物揚げ場】
船の荷を陸に揚げる場所。「—のような空地にも」〈荷風・牡丹の客〉
もの‐あたらし・い【物新しい】
[形][文]ものあたら・し[シク]なんとなく新しい。「模様替えした部屋を—・い感じで眺める」
もの‐あつかい【物扱ひ】
物事を取り扱うこと。また、世話をやくこと。おせっかい。「いで、あなあぢきなの—や」〈源・若菜上〉
モノアミン
アミノ基を1個含む分子。ドーパミン・セロトニン・ノルアドレナリン・アドレナリンなどの生理活性物質がある。
ものあら‐がい【物洗貝】
モノアラガイ科の巻き貝。池沼・小川にすみ、水草に付着。貝殻は卵形で殻高約2.5センチ、ごく薄くて淡褐色。殻口は広い...
もの‐あらそい【物争い】
物事を争うこと。争い。いさかい。「藤十郎が美しいか、歌妓のお梶が美しいかと云う—」〈菊池寛・藤十郎の恋〉
もの‐あわせ【物合(わ)せ】
左右に分かれて物を比べ合わせ、その優劣を競う遊びの総称。歌合わせ・根合わせ・香合わせ・絵合わせなど。
もの‐あわれ【物哀れ】
[名・形動ナリ]なんとなくあわれであること。しみじみした感興を誘うこと。また、そのさま。「何ばかりのことにもあらぬ...
もの‐あんじ【物案じ】
[名](スル)物事を思案すること。心配すること。「窓の側で—していたお夏が云った」〈白鳥・牛部屋の臭ひ〉
もの‐いい【物言い】
1 物を言うこと。また、物の言い方。言葉遣い。「ていねいな—をする」「—に気をつける」 2 言い合い。口論。「追出...
ものいい‐とぎ【物言ひ伽】
そばにいて話し相手をすること。また、その人。「この六人を請け出して、これにゐらるる人々の—」〈浄・博多小女郎〉
もの‐い・う【物言う】
[動ワ五(ハ四)] 1 言葉を口に出す。話す。「—・うのさえおっくうだ」 2 よい結果を生むのに効果がある。「金が...
ものいう‐かぶぬし【物言う株主】
上場企業の経営に自らの考えを表明して積極的に関わる株主。株主総会で独自の議案を提出したり、役員などを送り込んだりし...
物(もの)言(い)う花(はな)
《物の意味を解し、話をする花の意》美人。美女。解語(かいご)の花。「飛鳥山に—を見る書生の運動会」〈逍遥・当世書生気質〉
ものい‐うま【物射馬】
犬追物(いぬおうもの)や笠懸(かさがけ)など、騎射に慣れた馬。下地馬。
物(もの)言(い)えば唇(くちびる)寒(さむ)し秋(あき)の風(かぜ)
《芭蕉の句から》人の短所を言ったあとは、後味が悪く、寂しい気持ちがする。転じて、何事につけても余計なことを言うと、...
ものい‐ぐつ【物射沓】
騎射用の沓。なめし革で作り、黒漆を塗り、つま先をしぼって襞(ひだ)を設ける。
もの‐いまい【物忌まひ】
《「いまい」は動詞「い(忌)まう」の連用形から》「ものいみ」に同じ。「いはふこの戸をとは、—する心なり」〈仙覚抄・一四〉
もの‐いみ【物忌(み)】
[名](スル) 1 神事などのため、ある期間、飲食・言行などを慎み、沐浴をするなどして、心身のけがれを除くこと。潔...
もの‐いり【物入り】
[名・形動]費用のかかること。また、そのさま。「今月は—なことが多い」
もの‐いれ【物入れ】
物を入れておく所。
ものいわぬおんなたち【もの云わぬ女たち】
秋元松代の戯曲。昭和29年(1954)発表。社会の底辺で生きる売春婦たちの姿を描く。
ものいわぬ‐かぶぬし【物言わぬ株主】
株式を保有するだけで、会社の経営に異議を唱えたり、影響力を行使しようとはしない株主。→物言う株主
物(もの)言(い)わぬ花(はな)
美人を「物言う花」というのに対して、草木の花。「—もをかしからず」〈浮・曲三味線・一〉
もの‐う・い【物憂い/懶い】
[形][文]ものう・し[ク] 1 なんとなく心が晴れ晴れしない。だるくておっくうである。「—・い気分」 2 苦しい...
もの‐うじ【物倦じ】
「ものうんじ」の撥音の無表記。「あはれと思ひし人の、—してはかなき山里に隠れゐにけるを」〈源・玉鬘〉
もの‐うたがい【物疑ひ】
疑って嫉妬(しっと)すること。「かくわりなき—はせよ」〈源・帚木〉
もの‐うち【物打ち】
太刀(たち)などで物を切るとき、その物に触れて、最もよく切れる部分。先端から10センチほどの部分。切っ先三寸。もの...
もの‐うと・し【物疎し】
[形ク]なんとなくいとわしい。どこか親しめない。「もし、賢女あらば、それも—・く、すさまじかりなん」〈徒然・一〇七〉
もの‐うらみ【物恨み】
嫉妬(しっと)して、うらむこと。「まだきに騒ぎて、あいなき—し給ふな」〈源・若菜上〉
もの‐うらめ・し【物恨めし】
[形シク]なんとなくうらめしい。「つれなくて過ぐる月日を数へつつ—・しき暮れの春かな」〈源・竹河〉
もの‐うらやみ【物羨み】
なんとなくうらやましく思うこと。「—し、身のうへなげき」〈枕・二八〉
もの‐うり【物売り】
街頭に立ったり、持ち歩いたりして品物を売ること。また、その人。
もの‐うんじ【物倦じ】
物事に疲れて飽きること。「思はざりし人の、はかなき—をして」〈源・蛍〉
もの‐えんじ【物怨じ】
「物恨み」に同じ。「—をいたくしはべりしかば」〈源・帚木〉
もの‐おき【物置】
当面必要としない器具などを入れておく場所。また、そのための小屋。
もの‐おしみ【物惜しみ】
[名](スル)物を使ったり、与えたりするのを惜しむこと。けち。「—して貸さない」
もの‐おじ【物怖じ】
[名](スル)物事をこわがること。「—しない性質」
もの‐おそろし・い【物恐ろしい】
[形][文]ものおそろ・し[シク]なんとなく恐ろしい。「—・い吠え声」 [派生]ものおそろしげ[形動]ものおそろし...
もの‐おと【物音】
何かの物が立てる音。「—がやむ」「—一つしない」
もの‐おどろき【物驚き】
物事に驚くこと。「何だってそう気が小さくって、—をするんだなあ」〈鏡花・化銀杏〉
もの‐おぼえ【物覚え】
物事を覚えること。記憶。また、その力。「—がよい」「—が悪くなる」
もの‐おぼ・ゆ【物覚ゆ】
[動ヤ下二] 1 意識がしっかりしている。正気である。「—・えずなりて、またいみじう泣かるれば」〈かげろふ・上〉 ...
もの‐おもい【物思い】
あれこれと考えること。また、思いわずらうこと。「—に沈む」「—にふける」