やそ‐かげ【八十蔭】
《「かげ」は日陰をつくる建物の意》広大な宮殿。「やすみしし我が大君の隠ります天(あま)の—」〈推古紀・歌謡〉
やそ‐かわ【八十川】
多くの川。また、幾筋にも分かれた川。「水の出ばなの—の島田、金谷に二日のよどみ」〈浄・丹波与作〉
やそ‐がみ【八十神】
多くの神々。「この大国主の神の兄弟(あにおと)、—坐(ま)しき」〈記・上〉
やそ‐きょう【耶蘇教】
キリスト教。
やそ‐くに【八十国】
1 多くの国々。「国の—、島の八十島を生み給ひ」〈祝詞・鎮火祭〉 2 多くの国の人々。「—は難波に集(つど)ひ舟飾...
やそ‐くま【八十隈】
多くの曲がり角。「この道の—ごとに万度(よろづたび)かへりみすれど」〈万・一三八〉
やそくま‐で【八十隈手】
「やそくま」に同じ。「僕(あ)は百足(ももた)らず—に隠りて侍(さもら)ひなむ」〈記・上〉
やそ‐さか【八十坂】
1 80歳の老境。八十路(やそじ)の坂。「—にかかる」 2 多くの坂。「—を越えよときれる杖なれば」〈落窪・三〉
やそ‐しま【八十島】
1 多くの島々。「わたの原—かけて漕ぎいでぬと人には告げよあまのつり舟」〈古今・羇旅〉 2 「八十島祭」の略。
やそしま‐くだり【八十島下り】
八十島祭の使者となって、摂津国難波(なにわ)へ下向すること。「—に三位して、やがて従二位し」〈平治・上〉
やそしま‐まつり【八十島祭】
平安時代、天皇即位後の大嘗祭(だいじょうさい)の翌年、吉日を選んで使者を摂津の難波津に遣わし、生島神(いくしまのか...
やそしま‐めぐり【八十島巡り】
1 多くの島々をめぐること。 2 八十島詣でをすること。
やそしま‐もうで【八十島詣で】
八十島祭に参拝すること。
やそ‐じ【八十/八十路】
80。また、80歳。→十路
やそ‐せ【八十瀬】
多くの瀬。瀬々(せぜ)。「鈴鹿川—渡りて誰(た)が故か夜越えに越えむ妻もあらなくに」〈万・三一五六〉
やそ‐たける【八十梟帥/八十建】
多くの勇敢な族長。「—、其の室に在りて」〈記・中〉
やそ‐とものお【八十伴緒】
多くの伴緒。また、朝廷に仕える多くの役人たち。「もののふの—を召し集(つど)へ」〈万・四七八〉
やそ‐ば【八十葉】
葉が多くついて茂っていること。また、その葉。「百(もも)足らず—の木は大君ろかも」〈仁徳紀・歌謡〉
やそまがつひ‐の‐かみ【八十禍津日神】
日本神話で、多くの災いを生み出す神。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉(よみ)の国から帰って禊(みそぎ)をしたとき...
やそみたま‐の‐かみ【八十魂の神】
日本の国の社に鎮まっているすべての天神地祇。
やそむら‐ろつう【八十村路通】
[1649〜1738]江戸前期・中期の俳人。姓は斎部(いんべ)ともいう。漂泊ののち芭蕉門下に入る。奇行が多く、同門...
ヤソートーン
タイ北東部、イサーン地方の町。18世紀末、ラオス軍のカンボジア侵攻の際に建設。毎年5月、農民が手製のロケットを打ち...
や‐ぞ
[連語]《係助詞「や」+係助詞「ぞ」》文末で、推量の助動詞「む」「らむ」「けむ」などに付く。強い疑問や反語の意を表...
やぞう【弥蔵】
ふところ手をして着物の中で握りこぶしをつくり、肩のあたりを突き上げるようにしたさまを人名のように表した語。江戸後期...
やた【八咫】
《「やあた」の音変化。「あた」は尺度の単位名》大きいこと。また、長いこと。「—がらす」「御佩刀(みはかし)の—の剣...
や‐たい【屋台/屋体】
1 道路・広場などで立ち売りの商売をするための台を設けた、屋根付きの小さな店。台車をつけたり、自動車を改造したりし...
やたい‐くずし【屋台崩し】
歌舞伎などで、舞台の建物が崩れたり倒れたりする場面を見せる仕掛け。また、その場面。
やた‐いち【弥太一】
《「やた」は、豆腐の女房詞「おかべ」をもじった「岡部六弥太」の「六弥太」の略で、豆腐の異称》煮売酒屋で、豆腐一皿と...
やたい‐ばやし【屋台囃子】
1 祭礼で、屋台をひくときなどに用いる囃子。多くは、囃子方が屋台に乗って演奏する。馬鹿囃子。 2 歌舞伎下座音楽の...
やたい‐びき【屋台引き】
日本画の技法の一。建物・調度などを描くとき、溝のある定規(じょうぎ)の溝に沿って直線を引くこと。
やたい‐ぼね【屋台骨】
1 屋台の骨組み。また、家屋の構造。 2 一家を支える働き手。また、組織などをささえる中心となるもの。「—がゆらぐ」
やたい‐みせ【屋台店】
「屋台1」に同じ。
やた‐の‐かがみ【八咫鏡】
《大きな鏡の意》三種の神器の一。天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩屋に隠れたとき、大神の出御を願い、石凝姥命...
やた‐がらす【八咫烏】
1 日本神話で、神武天皇の東征のとき、熊野から大和へ入る山中を導くため天照大神(あまてらすおおみかみ)から遣わされ...
やた‐きゅうりょう【矢田丘陵】
奈良県西部に広がる丘陵。生駒(いこま)山地の東側に南北にのび、標高は200〜300メートル、主峰は丘陵南端の松尾(...
や‐たけ【弥猛】
[名・形動]いよいよ激しく勇み立つこと。また、そのさま。「心は—に逸(はや)りながらも」〈近松秋江・青草〉
やたけ‐ごころ【弥猛心】
いよいよ勇み立つ心。たけだけしくはやる心。
や‐たけび【矢叫び】
「やさけび」に同じ。
や‐たて【矢立て】
1 矢を入れる道具。箙(えびら)・胡簶(やなぐい)の類。 2 「矢立ての硯(すずり)」の略。 3 携帯用の筆記用具...
やたて‐とうげ【矢立峠】
青森・秋田両県の県境にある峠。標高258メートル。白神山地の東端に位置し、青森県側に流れる平川と秋田県側に流れる下...
やたて‐の‐すずり【矢立ての硯】
箙などの中に入れて陣中に携帯した小さい硯箱。
やたて‐の‐はじめ【矢立ての初め】
矢立て3の使いはじめ。また、旅の日記などの書きはじめ。「これを—として、行く道なほ進まず」〈奥の細道〉
やた‐でら【矢田寺】
奈良県大和郡山市にある高野山真言宗の寺。山号は、矢田山。天武天皇2年(673)天皇の勅願により智通の開創と伝える。...
やた‐の‐からす【八咫の烏】
⇒やたがらす
や‐たば【矢束】
1 矢の長さ。やつか。 2 矢をたばねたもの。
やたべ‐りょうきち【矢田部良吉】
[1851〜1899]植物学者・詩人。静岡の生まれ。東大教授。号、尚今。植物標本を収集、分類学の基礎を築き、「日本...
やたら【矢鱈】
[形動][文][ナリ]根拠・節度がないさま。筋が通らないさま。めちゃくちゃ。むやみ。「—に買い込む」「—な事を言う...
やたら‐じま【矢鱈縞】
縞柄の一。筋の間隔や色の配列が不規則なもの。
やたら‐づけ【矢鱈漬(け)】
ナス・キュウリ・シソ・大根など何種類もの野菜を刻んで味噌に漬けたもの。山形地方の名産。
やだ
1 焼き物のきず。 2 弱点。欠点。弱み。「日頃—のあるこの嘉平次」〈浄・生玉心中〉