1. 五十音図タ行の第2音。硬口蓋の無声破擦子音[tʃ]と母音[i]とから成る音節。[tʃi]

  1. 平仮名「ち」は「知」の草体から。片仮名「チ」は「千」の全画から。

[補説]「ち」は、古くは歯茎の無声破裂子音[t]と母音[i]とから成る音節[ti]であったが、室町時代末にはすでに[tʃi]と発音されていた。

100の10倍。せん。また、他の語に付いて複合語をつくり、数の多いことを表す。「—歳 (とせ) 」「—万 (よろず) 」

「百 (もも) に—に人は言ふとも月草の」〈・三〇五九〉

上代男子を敬っていった語。「おほぢ(祖父)」のように他の語の下に付く場合連濁のため「ぢ」となることがある。

「甘 (うま) らに聞こし以ち食 (を) せ、まろが—」〈・中・歌謡

  1. 天に対して、地上。人間が生活し、動植物が生息繁茂する大地。「天と—」

  1. 地面地上。「枯れ葉が—に落ちる」

  1. 海に対して、陸地。おか。「—の果て」

  1. 場所。ところ。「安住の—」「思い出の—」

  1. 領土。「隣国と—を接する」

  1. 荷物・掛け物・本などの下の部分。「天—無用」⇔

  1. 「天・地・人」と三段階に分けたときの、2番目。三つ一組のものの中位。

  1. 動物の血管内を流れる体液血液血潮 (ちしお) 。「赤い—」「—が出る」→血液

  1. 血縁。血統血筋。「—のつながり」「—は争えない」

  1. 人のもつ感情や思いやり。「若い—がたぎる」

  1. ちち。乳汁 (にゅうじゅう) 。「—兄弟」「添え—」

    1. 「みどり子の—乞ふがごとく」〈・四一二二〉

  1. 《形が乳首に似ているところから》羽織・幕・旗などにつけた、ひもやさおを通すための小さな輪。「ひもを—に通す」

  1. 釣鐘の表面にある、いぼ状の突起

  1. 乳房。乳首 (ちくび) 。「—の下」

    1. 「胸をあけて—などくくめ給ふ」〈・横笛〉

  1. 乳金物 (ちかなもの) 」の略。

  1. 物事認識したり判断したりする能力。知恵。「—・情・意」

  1. (智)《(梵)jñānaまたは、梵prajñāの訳》仏語。事物道理を識知・判断推理する精神作用。また、真理を観ずるところの智慧や、悟りの意にも用いる。

  1. 世の中がよくおさまっていること。また、おさまるようにすること。「延喜の—」

  1. まつりごと。政治。「徳川一五代の—」

  1. 病気をなおすこと。

    1. 「風の—どもをせさせ給ふ」〈栄花・玉の村菊〉

チガヤ古名

「浅茅原—生 (ふ) に足踏み心ぐみ我 (あ) が思ふ児らが家のあたり見つ」〈・三〇五七〉

  1. 刑罰に用いる、むち。しもと。

  1. 律の五刑のうち最も軽い刑。むちで打つもの。10打から50打までの五等がある。笞刑。笞罪

  1. 愚かなこと。また、その人。

    1. 「聖既に多情、—固より多情」〈織田訳・花柳春話

  1. 三毒の一。無明 (むみょう) であること。

みち。道路

「大坂に遇ふや嬢子 (をとめ) を道問へば直 (ただ) には告 (の) らず当芸麻 (たぎま) —を告る」〈・下・歌謡

[補説]地名の下に付くときは、「あづまぢ」「しなのぢ」のように、多く連濁で「ぢ」となる。→じ(路)

釣り針。ちい。

「弟 (おとのみこと) 時に既に兄 (このかみ) の—を失ふ」〈神代紀・下〉

中国・日本音楽の階名の一。五声の第4音。宮 (きゅう) に次いで重要な音。

[接尾]助数詞。数を数えるのに用いる。
  • 「嬢子 (をとめ) のい隠る岡を金鉏 (かなすき) も五百 (いほ) —もがも鉏きばぬるもの」〈・下・歌謡
[補説]連濁により「ぢ」となることがある。→じ(箇)
語素指示代名詞の下に付いて、方角場所時間などの意を表す。「こ—(此方)」「いず—(何処)」
語素自然の事物などの名詞の下に付いて、それが神秘的な力をもつ意を表す。「いかず—(雷)」「おろ—(大蛇)」「みず—(水霊)」

〈治〉⇒

〈持〉⇒

しつ

いえ。すまい。多く、格助詞「」を付けて「ん家」の形で用いる。「自分—」「お前ん—」

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