名(な)に立(た)・つ
評判になる。「—・ちて伏見の里といふことはもみぢを床に敷けばなりけり」〈後撰・雑四〉
なに‐と【何と】
[連語]《代名詞「なに」+格助詞「と」》ほかにも同種類のものがあるという意を表す。助詞的に用いられる。など。「これ...
なにと‐かは【何とかは】
[連語] 1 疑問を表す。どのように…か。「君なくて岩のかけ道絶えしより松の雪をも—見る」〈源・椎本〉 2 反語の...
なにと‐かも【何とかも】
[連語]どういうわけでまあ…か。どうしてまあ…か。「本ごとに花は咲けども—愛(うつく)し妹(いも)がまた咲き出来(...
何(なに)とした
1 どうした。どういう。「—しだらで何方(いづかた)へ立ち退(の)きやる」〈浄・博多小女郎〉 2 どんな…も。いか...
何(なに)として
1 原因・動機・手段などについての疑問を表す。どうして。なぜ。なんのために。「—憂き身一つの残るらん同じ昔の人はな...
なに‐とぞ【何卒】
[副]《代名詞「なに」+格助詞「と」+係助詞「ぞ」から》 1 相手に強く願う気持ちを表す。どうぞ。どうか。「—お許...
なに‐とて【何とて】
[副]不明な原因・動機などを尋ねる意を表す。なぜ。どうして。「おぬしは、—物言はしまさぬぞ」〈虎清狂・猿座頭〉
何(なに)と無(な)・し
1 事物の状態や雰囲気などが、それと限定されないさま。これということもない。「空のけしきの、—・くすずろにをかしき...
何(なに)とは無(な)・し
別にどうということもない。なんとはなし。「—・けれど、過ぐる齢にそへて忘れぬ昔の御物語など承り」〈源・鈴虫〉
なに‐とも【何とも】
[副] 1 (あとに打消しの語を伴って用いる) ㋐特別の感情を催さないさまを表す。別に大したものとも。物の数とも。...
何(なに)とやらん
1 なんであろうか。どういうものか。「漫々たる海上に、—はたらく物あり」〈延慶本平家・二本〉 2 なんとなく。どこ...
名(な)に流(なが)・る
名が世に広まる。名高くなる。「うつろはぬ—・れたる川竹のいづれの世にか秋を知るべき」〈後撰・雑四〉
なに‐なに【何何】
[代]不定称の指示代名詞。不明なものや不確定なものを並べあげるのに用いる。何と何。また、一つ一つの内容を具体的に記...
なに‐なら◦ず【何ならず】
[連語]とるに足らない。物の数でない。「この世は仮の宿りなり。恥ぢても恥ぢても—◦ず」〈平家・一〉
なにに‐まれ【何にまれ】
[連語]《「なににもあれ」の音変化》なんであってもかまわない。どれと限らず。「彼はそのために—仕事のありしだい身を...
何(なに)にも増(ま)して
ほかのなにものよりも。いちばん。「彼は—酒が好きだ」
なに‐の【何の】
[連語]《代名詞「なに」+格助詞「の」》 1 何々の。なんとかいう。「—前司にこそは、などぞ必ずいらふる」〈枕・二...
なに‐は【何は】
[連語]《代名詞「何」+係助詞「は」》何やかやは。あれやこれやは。種々のことは。多く地名「難波」に掛けて用いる。「...
何(なに)はさておき
ほかの事はひとまずあとのことにしても。まっ先に。「—被災地の救援にあたる」
何(なに)はともあれ
ほかの事はどうであろうとも。ともかく。「—報告だけはきちんとしておく」
何(なに)は無(な)くとも
格別のものはなくとも。ほかのものは差し置いても。当面はそのものがあれば十分という気持ちを表す。「—米の飯だけは欠か...
何(なに)はの事(こと)
1 どんな事。何事。「—を、さる住まひにて思ひ残し言ひ残すらむ」〈かげろふ・下〉 2 あれやこれやの事。万事。「い...
なに‐ひとつ【何一つ】
[副](多くあとに打消しの語を伴って)何も。ひとつも。すこしも。「その件については—知りません」「—不自由のない生活」
なに‐びと【何人】
どういう人。いかなる人。何者。なんぴと。「—も他人の権利を冒すことはできない」
名(な)に旧(ふ)・る
古くからその名が知られている。「ここぞ—・る鈴の森最期場」〈浄・八百屋お七〉
なに‐ぶん【何分】
[名] 1 はっきりしない内容を漠然と表す。なんらか。「いずれ—の沙汰があるだろう」 2 あまり多くない数量を漠然...
何分(なにぶん)にも
なんといっても。とにもかくにも。「—昔の事なので思い出せない」
なに‐ほど【何程】
(副詞的にも用いる) 1 どれほど。どのくらい。数量・程度についての疑問を表す。「資金は—必要ですか」 2 どんな...
なに‐ぼう【何某】
姓名を明示しないで、一定の人をさすときに用いる。なんとかいう名前の人。だれそれ。なにがし。「有名な映画俳優—」
ナニマウ‐ガーデン
米国ハワイ州、ハワイ島東部の都市ヒロにある植物園。市街南郊に位置する。ラン・ハイビスカス・アンスリウムなど2000...
なにも【汝妹】
《「なのいも」の音変化。本来「な」は一人称》男が女を親しんで呼ぶ語。あなた。「愛(うつく)しき我(あ)が—の命(み...
なに‐も【何も】
[副]あとに打消しの語を伴う。 1 全面的に否定する気持ちを表す。まったく。「—知らない」 2 取り立ててそう限定...
なに‐も【何も】
[連語](「…も何も」の形で)同類の事物を一括して示す。どんなものでも。「仕事も—忘れて休養する」
何(なに)も彼(か)にも
何もかも。すべてみな。
何(なに)も彼(か)も
どれもこれも。すべて。「—失った」
なにもしてない
笙野頼子の中編小説。平成3年(1991)「群像」誌に掲載。引きこもりのような生活を送る女性のモノローグという体裁を...
なに‐もの【何物】
どのような物。いかなる物。「健康は—にも代えがたい」「犠牲以外の—でもない」
なに‐もの【何者】
1 はっきりしない相手をさす語。だれ。何人(なにびと)。「—かに聞かれていたらしい」 2 あらゆる人。いかなる人。...
何(なに)やかや
あれやこれや。いろいろ。「—で費用がかさむ」「—と忙しい」
なに‐やつ【何奴】
どんなやつ。いかなるやつ。何者。「—の仕業かはっきりしない」
なに‐やら【何やら】
[副] 1 実体がはっきりわからないさま。なにかしら。「—物音がする」 2 なんとなく。どことなく。「—雨が降りだ...
なに‐ゆえ【何故】
[副]どうして。どういうわけで。なぜ。「—そう思うのか」
なに‐よう【何用】
どのような用件。何の用事。「こんな時間に—ですか」
なに‐より【何より】
[連語] 1 抜きんでていること。それよりほかにないこと。副詞的にも用いる。「お目にかかれて—うれしい」「ここにい...
なに‐ら【何等】
[副]「なんら」に同じ。「—の事柄を以てする歟(か)」〈逍遥・小説神髄〉
なにわ【難波/浪速/浪華/浪花】
大阪市付近の古称。特に、上町(うえまち)台地の北部一帯。仁徳天皇の難波高津宮や孝徳天皇の難波長柄豊碕宮(ながらのと...
なにわ‐いばら【難波薔薇】
バラ科の蔓性(つるせい)の常緑低木。葉は卵形の3枚の小葉からなる複葉。夏、白い5弁花をつける。中国の原産で、観賞用...
なにわ‐え【難波江】
上代、大阪市の上町台地の西側まで来ていた海域の古称。難波潟。[歌枕]「—の蘆のかりねの一夜ゆゑみをつくしてや恋ひわ...
なにわエレジー【浪華悲歌】
溝口健二監督、依田義賢脚本による映画の題名。昭和11年(1936)公開。家族の借金や学費の工面のために妾(めかけ)...