ぬき【抜き】
1 取り除くこと。省略すること。「堅苦しいあいさつは—にする」「朝飯—で出社する」 2 ドジョウなどの骨を取ること...
ぬき【貫】
柱と柱、束(つか)と束の間を横に貫いてつなぐ材。位置により頭貫(かしらぬき)・内法貫(うちのりぬき)・地貫(じぬき...
ぬき【緯】
《「貫」と同語源》 1 織物の横糸。ぬきいと。 2 横に通っているもの。よこすじ。
ぬき‐あし【抜(き)足】
音を立てないように、足をそっと抜き上げるようにして歩くこと。
抜(ぬ)き足(あし)差(さ)し足(あし)
人に気づかれないように音を立てずに歩くさま。「—忍び足」
ぬき‐あわ・せる【抜(き)合(わ)せる】
[動サ下一][文]ぬきあは・す[サ下二]互いに刀を抜いて向かい合う。「敵味方が刀を—・せる」
ぬき‐い・ず【抜き出づ】
[動ダ下二] 1 ㋐現れ出る。「御寺のかたはら近き林に—・でたる筍(たかうな)」〈源・横笛〉 ㋑ひいでる。ぬきんで...
ぬき‐いだ・す【抜き出だす】
[動サ四]「抜き出(だ)す」に同じ。「扇—・し、銚子の長柄をたうたうと打って」〈虎明狂・二千石〉
ぬき‐いと【抜(き)糸】
縫い物をほどくとき抜き取った糸。
ぬき‐いと【緯糸】
織物の横糸。ぬき。
ぬき‐い・る【貫き入る】
[動ラ下二]鞭(むち)についたひもの輪を手首にはめ入れる。「手に—・れたる鞭を抜出して」〈保元・上〉
ぬき‐うち【抜(き)打ち】
1 刀を抜くと同時に斬(き)りつけること。 2 予告をしないで、だしぬけに事を行うこと。「—にテストをする」「—検査」
ぬきうち‐かいさん【抜(き)打ち解散】
政府の都合で、何の予告もなく衆議院を解散すること。
ぬきうち‐スト【抜(き)打ちスト】
予告なしに行われるストライキ。労働関係調整法上、公益事業では違法とされる。
ぬき‐うつし【抜(き)写し】
[名](スル)必要部分を抜き出して写すこと。ぬきがき。「要点を—する」
ぬき‐えもん【抜き衣紋】
和服の後ろ襟を引き下げ、襟足を出した着方。現在は女性の着方。抜き襟。仰(の)け衣紋。仰け領(くび)。
ぬき‐えり【抜(き)襟】
⇒抜き衣紋(えもん)
ぬき‐おさ【緯筬】
機織りで、横糸を通すのに使う筬。
ぬき‐かざ・す【抜き翳す】
[動サ五(四)]刀を抜いて頭上に振りかざす。「太刀を—・す」
ぬき‐かぶり【繀車】
糸を管(くだ)に巻きつけてつむぐ糸車。いとくりぐるま。
ぬき‐がき【抜(き)書(き)】
[名](スル) 1 書物などから必要な部分を抜き出して書くこと。また、そのもの。「ポイントを—する」 2 演劇で、...
ぬき‐がた【抜(き)型】
材料に押しつけて、ある形を抜き取るための型。
ぬき‐がた・い【抜(き)難い】
[形][文]ぬきがた・し[ク]取り除くことが難しい。「—・い不信感」
ぬき‐ぐし【抜き櫛/抽き櫛】
1 頭髪の飾りにさす櫛。さしぐし。「刀ならびに—等を嬰児に授く」〈吾妻鏡・七〉 2 髪を強く櫛ですくこと。また、そ...
ぬきさき‐じんじゃ【貫前神社】
一之宮(いちのみや)貫前神社の旧称。
ぬき‐さし【抜き差し】
[名](スル) 1 抜き出すことと差し込むこと。「—しにくいコンセント」 2 身動きすること。やりくりすること。
抜(ぬ)き差(さ)しなら◦ない
動きがとれない。のっぴきならない。「—◦ない状況にある」
ぬき‐さ・る【抜(き)去る】
[動ラ五(四)] 1 完全に取り除く。「不安を—・る」 2 追い抜いて先に行く。「一気に先頭の走者を—・る」
ぬき‐し【抜(き)師】
掏摸(すり)のこと。
ぬき‐しあい【抜(き)試合】
柔道・剣道などの団体対抗試合で、同一人が引き分けるか負けるかするまで、何人とでも勝負を続ける方法。勝ち抜き試合。
ぬき‐じょう【抜(き)状】
近世、早飛脚(はやびきゃく)の行李(こうり)から特に急を要する書状を抜き取って、別に急飛脚を仕立てて昼夜の別なく送...
ぬき‐じろ【緯白】
横糸が白の織り色。狭義には、縦糸が紫、横糸が白のものをいう。
ぬき‐す【貫き簀】
丸く削った竹で編んだ簀(す)。たらいなどにかけて、水や湯を使うとき、手もとにかからないようにする道具。「女の手洗ふ...
ぬき‐ずり【抜(き)刷(り)】
[名](スル)印刷物の一部分を抜き出して、別に印刷すること。また、そのもの。別刷り。「紀要から論文を—する」
ぬき‐ぞめ【抜(き)染(め)】
⇒抜染(ばっせん)
ぬき‐た・る【貫き垂る】
[動ラ下二]玉などをつらぬき、垂れるようにする。「竹玉(たかたま)を間なく—・れ」〈万・四二〇〉
ぬき‐だ・す【抜(き)出す】
[動サ五(四)] 1 引き抜いて出す。取り出す。「財布からお金を—・す」 2 選び出す。「該当部分を—・す」 3 ...
ぬき・つ【脱きつ】
[動タ下二]《「ぬ(脱)きう(棄)つ」の音変化》脱ぎ捨てる。「うけ沓(ぐつ)を—・つるごとく踏み脱きて」〈万・八〇〇〉
抜(ぬ)きつ抜(ぬ)かれつ
追い越したり、追い越されたりして、激しく先後を争うさま。「—のデッドヒート」
ぬき‐つ・れる【抜(き)連れる】
[動ラ下一][文]ぬきつ・る[ラ下二]大勢の者が一斉に刀を抜く。「太刀(たち)を—・れた侍たちのただ中へ」〈芥川・偸盗〉
ぬき‐て【抜(き)手】
《「ぬきで」とも》日本泳法の一。水をかいた手を水面上に抜き出す泳ぎ方。片抜き手・両(もろ)抜き手などがある。
ぬき‐て【貫手】
空手で、指先を用いて相手ののど・脇腹・みぞおち・目などを突く技。指1本で行う1本貫手から4本貫手まで4種がある。
抜(ぬ)き手(て)を切(き)・る
抜き手で泳ぐ。「—・って流れを渡る」
ぬき‐で【抜(き)出】
平安時代、相撲(すまい)の節(せち)の翌日、前日特に成績のよかった者を選抜してさらに取組をさせたこと。また、それに...
ぬき・でる【抜(き)出る】
[動ダ下一][文]ぬき・づ[ダ下二]他のものにまさって先に出る。際立って出る。ぬきんでる。「頭一つ—・でる」
ぬき‐と・む【貫き止む】
[動マ下二]緒を通してつらぬきとめる。「玉乱る上葉の露は七夕の絶えせぬ糸に—・めて見む」〈出羽弁集〉
ぬき‐とり【抜(き)取り】
1 抜き取ること。特に、中身を盗み取ること。「荷物の—に遭う」 2 「抜き出」に同じ。
ぬきとり‐けんさ【抜(き)取り検査】
製品の一部を抜き取って検査し、その結果から全体の合格・不合格を統計学的に推定する検査法。サンプリング調査。サンプル...
ぬき‐と・る【抜(き)取る】
[動ラ五(四)] 1 引き抜いて取る。「とげを—・る」 2 全体の中から一部を取り出す。「製品を—・って検査する」...
ぬきな‐かいおく【貫名海屋】
[1778〜1863]江戸後期の書家・画家。阿波の人。本名、苞(しげる)。字(あざな)は子善、または君茂。別号、海...