かべ【壁】
1 建物の外周の部分。また、部屋などを仕切るもの。木舞(こまい)を芯に練った土を塗ったり、板を張ったり、石・煉瓦(...
かべ【壁】
安部公房の小説。3部からなる。昭和26年(1951)発表、第1部の「S・カルマ氏の犯罪」は同年芥川賞を受賞。 岡松...
か‐べい
[連語]《形容詞連体形の活用語尾「かる」に推量の助動詞「べし」の連体形の付いた「かるべき」の音変化》推量・当然の意...
かべ‐いた【壁板】
1 壁として張られた板。 2 蒔絵(まきえ)を施した塗り板。洋間の装飾などに使う。
かべ‐いと【壁糸】
強く縒りをかけた糸を、平糸に巻きつけるように縒り合わせた糸。壁縮緬(かべちりめん)・壁御召(かべおめし)などの横糸...
かべいと‐おり【壁糸織(り)】
横糸に壁糸を使った織物。夏の着尺地などに使う。
かべ‐うち【壁打ち】
[名](スル) 1 テニスなどで、一人で壁に向かってボールを打ち続けること。多く、練習や自主トレーニングのために行...
かべ‐おめし【壁御召】
横糸に壁糸を使って、細かい皺(しぼ)を出した御召縮緬(おめしちりめん)。
かべ‐おり【壁織(り)】
絹織物の一。縦糸には生糸または染色した練り生糸などを、横糸には壁糸を使って、縮緬(ちりめん)より少し大きな皺(しぼ...
かべ‐かけ【壁掛(け)】
壁面に掛けて装飾とするもの。織物、刺繍(ししゅう)をした布、陶磁器皿など。
かべ‐がき【壁書(き)】
1 壁に書くこと。また、壁に書いた文字。 2 「壁書(へきしょ)2」に同じ。
かべ‐がみ【壁紙】
1 壁面の装飾または補強のために室内の壁面に貼る紙。 2 パソコンのデスクトップやスマートホンなどの背景画像。携帯...
かべ‐ぎわ【壁際】
壁に近いあたり。壁に接するところ。「机を—に寄せる」
かべ‐ぎん【壁銀】
将棋で、味方の銀将が王将の退路をふさぐ状態。戦術上不利になるため、避けるべきとされる。
かべ‐くさ【壁草】
壁を作るときに土に混ぜて使う草。カヤ・ススキ・アシなどの類。「新室(にひむろ)の—刈りにいまし給はね」〈万・二三五...
かべくさ【壁草】
室町後期の連歌集。10巻。宗長自撰。文亀元年(1501)から永正9年(1512)までの約10年の間に増補改訂が行わ...
かべ‐ぐも【壁雲】
スーパーセルなどの発達した積乱雲の底から垂れ下がるようにできる、円筒状または壁状の雲。ウォールクラウド。
かべ‐こうぞう【壁構造】
柱を用いないで、壁面および床板で構成する建築構造。
かべ‐ごし【壁越し】
壁を隔てていること。「—に声が聞こえる」
かべごし‐すいりょう【壁越し推量】
状況や事情を直接知らないで推量すること。
かべ‐したじ【壁下地】
壁土を塗るときの骨組みとなるもの。細くそいだ竹や木を縦横に組んで作る。かべしろ。
かべ‐しろ【壁代】
1 宮殿などで、母屋(もや)と庇(ひさし)との間を隔てるため、壁の代わりに長押(なげし)から御簾(みす)の内側に垂...
かべ‐しんぶん【壁新聞】
種々の主張やニュース・漫画・写真などを編集して、壁面や掲示板に貼り出す、一種の新聞。手書きのものが多い。→大字報
かべ‐じょうふ【壁上布】
⇒壁透綾(かべすきや)
か‐べ‐す
歌舞伎などの芝居小屋で、菓子・弁当・鮨(すし)のこと。江戸時代から大正期まで、芝居茶屋に立ち寄らない中等の客は、こ...
かべ‐すきや【壁透綾】
横糸に壁糸を使って織った清楚で軽い縮緬(ちりめん)透綾。普通の透綾より強く縒(よ)りをかけて織る。夏の和服地。壁上...
かべ‐そしょう【壁訴訟】
《「かべぞしょう」とも》 1 訴えかける相手もいないのに、不平をつぶやくこと。また、陰で苦情を言うこと。「婆さんは...
かべ‐ちょろ【壁著羅/壁千代絽】
縦糸に縮緬(ちりめん)糸、横糸に壁糸を使って、細かい皺(しぼ)を出した絹織物。江戸末期に帯地などに用いた。壁縮緬。
かべ‐ちょろ【壁ちょろ】
《九州地方などの方言。壁の上をちょろちょろ走り回るところから》トカゲやヤモリなどの類。
かべ‐ちりめん【壁縮緬】
⇒壁著羅(かべちょろ)
かべ‐つち【壁土】
壁を塗るのに使う、粘りけのある土。また、壁に塗った土。
かべ‐どこ【壁床】
落とし掛けをつけ、軸釘を打っただけで、床板(とこいた)を設けない簡単な床。釣り床(どこ)。
かべ‐どなり【壁隣】
壁一つ隔てた隣の家や部屋。
壁(かべ)に馬(うま)を乗(の)り掛(か)・ける
だしぬけに、または強引に物事を行うことのたとえ。また、そのために当惑することのたとえ。壁に馬。
壁(かべ)に突(つ)き当(あ)た・る
それ以上進むのが困難な状況になる。仕事や考えなどが行き詰まる。壁にぶつかる。「—・ったようで、負け続ける」
壁(かべ)に塗(ぬ)られた田螺(たにし)
一生出世することができないこと。また、身動きがとれないことのたとえ。
壁(かべ)にぶつか・る
⇒壁に突き当たる
壁(かべ)に耳(みみ)あり
どこでだれが聞いているかも知れないということ。密談が漏れやすいことのたとえ。壁に耳。「—、障子に目あり」
壁(かべ)に耳(みみ)あり障子(しょうじ)に目(め)あり
隠し事をしようとしても、どこでだれが見たり聞いたりしているかわからないということ。秘密が漏れやすいことのたとえ。
かべ‐ぬり【壁塗(り)】
[名](スル)壁を塗ること。またそれを職業とする人。左官。
かべのなか【壁の中】
後藤明生の長編小説。昭和61年(1986)刊行。
壁(かべ)の中(なか)の書(ふみ)
《孔子の旧宅の壁の中から、秦の始皇帝の焚書を避けて隠しておいた書物が漢代に発見されたという「漢書」芸文志の故事から...
かべ‐の‐はな【壁の花】
パーティーなどで、会話の輪から外れている女性。もともとは、舞踏会で、踊りに誘われず壁際に立っている女性をいった語。...
かべのはな【壁の花】
今官一の短編小説集。昭和31年(1956)刊行。同年、第35回直木賞受賞。
壁(かべ)の物(もの)言(い)う世(よ)
壁にも気をつけなければならないような油断のならない世の中。また、密談などが漏れやすいことのたとえ。
かべ‐はぶたえ【壁羽二重】
横糸に壁糸を使って皺(しぼ)を出した羽二重。
かべ‐ひとえ【壁一重】
隣が壁を一つ隔てるだけであること。また、きわめて接近していること。
かべ‐ふうつう【壁風通】
壁糸を横糸に使った風通織り。明治時代に、夏の女性用和服地として流行。
かべみみ‐しゅざい【壁耳取材】
会合などの取材に参加を認められていない記者が、室外にもれ聞こえてくる音声をもとに記事を作成すること。壁などに耳や録...
かべ‐りょう【壁量】
建築で、構造的耐力を担う耐力壁の長さに階数・建築物の種類などに応じて所定の係数を乗じた量。地震や暴風に対して必要な...