くすり【薬】
1 病気や傷の治療のために、あるいは健康の保持・増進に効能があるものとして、飲んだり、塗ったり、注射したりするもの...
くすり
[副]小さな声で、こっそりと笑うさま。ほんの少し笑うさま。「—と笑う」「—とさせられる小話」
くすり‐うり【薬売り】
薬を売り歩くこと。また、その人。「越中(えっちゅう)富山の—」
くすり‐おろし【薬卸し】
⇒薬研(やげん)
薬(くすり)が効(き)き過(す)・ぎる
仕置き・忠告などの効果がありすぎて、かえって逆の結果になってしまう。
くすり‐がけ【薬掛(け)/釉掛(け)】
素焼きの陶磁器の表面に釉(うわぐすり)をかけること。
くすり‐がり【薬狩(り)/薬猟】
「競(きそ)い狩り」に同じ。《季 夏》「古図に見る大和菟野(うだの)の—/月斗」
薬(くすり)九層倍(くそうばい)
薬の売価が、原価に比べて非常に高いこと、また、暴利をむさぼることのたとえ。
くすり‐ぐい【薬食い】
冬、滋養や保温のために鹿・イノシシなどの肉を食べたこと。獣肉は忌んで一般には食べなかったが、病人などは薬になるとい...
くすり‐こ【薬子】
平安時代、元日に、宮中で供御(くご)の屠蘇(とそ)などの毒味をした未婚の少女。くすこ。《季 新年》「元三の—」〈枕...
くすり‐ざけ【薬酒】
からだの薬となる酒。薬を入れた酒。薬用酒。
くすり‐し【薬師】
医者。くすし。「—は常のもあれど賓客(まらひと)の今の—貴かりけり」〈仏足石歌〉
くすり‐だい【薬代】
病院や薬局に支払う薬の代金。また、治療費。
くすり‐ちゃ【薬茶】
茶のようにして飲む薬用の飲み物。黒大豆・陳皮(ちんぴ)・ショウガなどを用いる。
くすり‐づけ【薬漬(け)】
たくさんの薬を服用させられること。
くすり‐づつみ【薬包み】
1 薬を包んだもの。また、そのような包み方。「紫の七重薄様に、—に押し包みて」〈十訓抄・一〉 2 女御(にょうご)...
くすり‐とり【薬取り】
1 薬草などの薬の材料を採取すること。また、その人。 2 医者へ薬を取りに行くこと。また、その人。
くすり‐なべ【薬鍋】
薬を煎(せん)じるのに用いる鍋。
薬(くすり)にしたくもな・い
ほとんどない。全くない。薬にしたくてもない。「いたわりの心など—・い」
薬(くすり)にする程(ほど)
非常に少ないことをいう言葉。「—しかない」
くすり‐の‐かみ【尚薬/典薬頭】
1 後宮の薬司(やくし)の長官。天皇に薬を捧持(ほうじ)する女官。しょうやく。→薬司(やくし) 2 ⇒てんやくのか...
くすり‐の‐こと【薬の事】
病気。「朱雀院(すざくゐん)の御—、なほ平らぎはて給はぬにより」〈源・若菜上〉
くすり‐の‐つかさ【薬司/典薬寮】
1 ⇒やくし(薬司) 2 ⇒てんやくりょう(典薬寮)
くすり‐の‐にょうかん【薬の女官】
平安時代、宮中で元日から3日間、典薬寮の内薬司(ないやくし)がさし出す薬を預かって天皇に奉る役の女官。後宮の尚薬(...
くすり‐ばこ【薬箱】
1 薬を入れる箱。 2 医者が往診するとき、薬品を入れて持ち歩いた箱。薬籠(やくろう)。
薬(くすり)人(ひと)を殺(ころ)さず薬師(くすし)人(ひと)を殺(ころ)す
薬によって人が死んだとしても、その罪はそれを運用した人にある。物は使い方しだいで薬にもなれば毒にもなる。薬師は人を...
くすり‐び【薬日】
陰暦5月5日のこと。この日に薬玉(くすだま)を掛けたからとも、薬狩りをしたからともいう。薬の日。《季 夏》「ほとと...
薬(くすり)降(ふ)る
薬日(くすりび)である陰暦5月5日の正午ごろに雨の降ることをいう。その雨水で医薬を製すると特に薬効があるとされた。...
くすり‐ぶろ【薬風呂】
「薬湯(くすりゆ)1」に同じ。
くすり‐ぶろ【薬風炉】
薬を煎(せん)じるときに鍋をかける風炉。くすりろ。
くすり‐ほり【薬掘り】
秋、野山に出て薬草の根を掘り取ること。また、その人。《季 秋》「—蝮(まむし)も提げて戻りけり/太祇」
くすり‐みず【薬水】
薬をまぜた水。水薬。また、薬用になる水。
くすり‐もぐさ【薬艾】
1 灸(きゅう)に用いるもぐさ。硫黄(いおう)・麝香(じゃこう)などを混ぜ合わせたもぐさ。 2 効き目や利益のある...
くすり‐や【薬屋】
薬を調合し、販売する家。薬局。薬店。
くすり‐ゆ【薬湯】
1 薬品や薬草を入れた浴湯。くすりぶろ。やくとう。 2 病気にきく温泉。「よろづの人の浴(あ)みける—あり」〈宇治...
くすり‐ゆび【薬指】
《薬を水に溶かしたりつけたりしたところから》親指から数えて4番目の指。紅(べに)差し指。名無(なな)し指。
薬(くすり)より養生(ようじょう)
健康を保つには、薬を飲むよりも、ふだんの養生が大切であるということ。