やまうち‐かずとよ【山内一豊】
[1546〜1605]安土桃山時代の武将。尾張の人。織田信長・豊臣秀吉に仕えたが、関ヶ原の戦いで徳川家康につき、土佐20万石に封ぜられた。信長の馬揃えの際、妻が貯えの金で名馬を買わせたという内助...
やまうち‐とよしげ【山内豊信】
[1827〜1872]江戸末期の土佐藩主。号、容堂。支藩から出て本藩を継ぎ、吉田東洋を登用して藩政改革を行った。一橋慶喜(徳川慶喜)の将軍擁立に尽力し、公武合体運動・大政奉還に活躍。
やまうち‐ようどう【山内容堂】
⇒山内豊信(やまうちとよしげ)
やまおか‐げんりん【山岡元隣】
[1631〜1672]江戸前期の俳人・仮名草子作者。伊勢の人。字(あざな)は徳甫(とくほ)。別号、而慍斎(じうんさい)・洛陽山人。北村季吟に和歌・俳諧を学び、仮名草子・俳諧・古典注釈に活躍した。...
やまおか‐そうはち【山岡荘八】
[1907〜1978]小説家。新潟の生まれ。本名、藤野庄蔵。長谷川伸(しん)に師事。戦後、17年の歳月を費やし大河小説「徳川家康」を完成。同作品で吉川英治文学賞を受賞。他に「小説明治天皇」「小説...
やまおか‐てっしゅう【山岡鉄舟】
[1836〜1888]江戸末期から明治の剣術家・政治家。江戸の人。通称、鉄太郎。旧幕臣で無刀流剣術の流祖。戊辰(ぼしん)戦争の際、勝海舟の使者として西郷隆盛を説き、西郷・勝の会談を実現させて江戸...
やまかわ‐きくえ【山川菊栄】
[1890〜1980]評論家・婦人運動家。東京の生まれ。山川均と結婚。伊藤野枝らと赤瀾会(せきらんかい)を結成、社会主義の立場から婦人解放運動に活躍。第二次大戦後、初代の労働省婦人少年局局長。
やまかわ‐とみこ【山川登美子】
[1879〜1909]歌人。福井の生まれ。本名、とみ。新詩社に入り、「明星」で活躍。与謝野晶子・茅野雅子(ちのまさこ)との共著歌集「恋衣」がある。 竹西寛子によるの評伝。副題は「『明星』の...
やまかわ‐ひとし【山川均】
[1880〜1958]社会主義者。岡山の生まれ。同志社中退後、社会主義運動に接近、赤旗事件で投獄。大正11年(1922)に日本共産党準備会に参加。山川イズムと呼ばれる「無産階級運動の方向転換」を...
やまかわ‐まさお【山川方夫】
[1930〜1965]小説家。東京の生まれ。本名、嘉巳(よしみ)。田久保英夫らと「三田文学」を復刊し編集長として活躍。自らも小説を執筆し「演技の果て」などで4度の芥川賞候補、「クリスマスの贈物」...
やまが‐そこう【山鹿素行】
[1622〜1685]江戸前期の儒学者・兵学者。会津の人。江戸に出て儒学・兵学・神道・仏教・歌学などを修め、古学を提唱した。官学の朱子学を批判して「聖教要録」を著し、播磨(はりま)の赤穂に流され...
やまがた‐ありとも【山県有朋】
[1838〜1922]軍人・政治家。陸軍大将・元帥。山口の生まれ。松下村塾に学ぶ。明治維新後、ヨーロッパ諸国の軍制を視察、陸軍創設・徴兵令施行・軍人勅諭の発布など軍制の整備に努めた。法相・内相・...
やまがた‐だいに【山県大弐】
[1725〜1767]江戸中期の儒学者・兵学者。甲斐の人。名は昌貞。初め医師であったが、儒学・神道を学び、江戸に出て兵学を講じ、「柳子新論」を著して尊王論を説いた。明和事件に連座して処刑。
やまがた‐ていざぶろう【山県悌三郎】
[1859〜1940]教育者。近江の生まれ。教職を経て文部省御用掛(がかり)となり、教科書の編纂(へんさん)にたずさわる。下野して後の著作に「教育哲学史」「進化要論」など。
やまがた‐ばんとう【山片蟠桃】
[1748〜1821]江戸後期の商人・学者。播磨(はりま)の人。本名、長谷川有躬。大坂の両替商升屋に番頭として仕え、主家の興隆に尽くした。また、懐徳堂で儒学を学び、さらに天文学・蘭学を修め、合理...
やまぎわ‐かつさぶろう【山極勝三郎】
[1863〜1930]病理学者。信州上田の生まれ。東大教授。大正4年(1915)、ウサギの耳に長期間コールタールを塗布し癌を発生させることに初めて成功。また、日本病理学会を創立。著「胃癌発生論」など。
やまぎわ‐まさみち【山際正道】
[1901〜1975]官僚・銀行家。東京の生まれ。大蔵次官などを経て日本銀行総裁に就任。低金利政策を推進し、高度成長を支えた。
やまぐち‐かおる【山口薫】
[1907〜1968]洋画家。群馬の生まれ。自由美術家協会・モダンアート協会の創立に参加。詩情に満ちた清新な画風で知られる。
やまぐち‐かつひろ【山口勝弘】
[1928〜2018]前衛芸術家。東京の生まれ。武満徹らと実験工房を結成し、その中心メンバーとして活動。アクリル樹脂を素材とした彫刻で高い評価を獲得した。ビデオアートにも取り組み、メディアアート...
やまぐち‐かよう【山口華楊】
[1899〜1984]日本画家。京都の生まれ。本名、米次郎。動物画にすぐれ、官展で活躍。文化勲章受章。
やまぐち‐しずえ【山口シヅエ】
[1917〜2012]政治家。東京の生まれ。本名、静江。昭和21年(1946)の衆議院議員選挙に当選し、日本初の女性国会議員の一人となる。「下町の太陽」と呼ばれて親しまれ、売春防止法制定などに尽...
やまぐち‐せいし【山口誓子】
[1901〜1994]俳人。京都の生まれ。本名、新比古(ちかひこ)。高浜虚子に師事し、「ホトトギス」で活躍。都市の人工物など新しい素材を新鮮な感覚で詠んだ。のち「馬酔木(あしび)」に参加、新興俳...
やまぐち‐せいそん【山口青邨】
[1892〜1988]俳人。岩手の生まれ。本名、吉郎。高浜虚子に師事。「夏草」を主宰。写生に根ざした清純・高雅な句風で知られた。句集「雑草園」「露団々」など。
やまぐち‐そどう【山口素堂】
[1642〜1716]江戸前・中期の俳人。甲斐の人。名は信章。別号、其日庵・素仙堂など。江戸や京都で漢学・和歌・書道・俳諧・茶道・能楽などを学ぶ。のち、江戸で芭蕉と親交を結び、蕉風の成立に貢献し...
やまぐち‐たけお【山口長男】
[1902〜1983]画家。朝鮮の生まれ。東京美術学校卒。武蔵野美大教授。フランスで佐伯祐三、ザッキンらと交流。二科展に抽象絵画を出品、簡潔な色彩と重厚な質感の絵肌で知られる。芸術選奨受賞。代表...
やまぐち‐ひとみ【山口瞳】
[1926〜1995]小説家・エッセイスト。東京の生まれ。編集者、コピーライターとして活躍した後、本格的な執筆活動に入る。週刊誌に31年間、コラム「男性自身」を連載し、都会人の洗練されたタッチで...
やまぐち‐ほうしゅん【山口蓬春】
[1893〜1971]日本画家。北海道の生まれ。本名、三郎。松岡映丘に師事し、新興大和絵(やまとえ)運動に参加。のち西欧的モダニズムを融合した独自の画風を確立した。文化勲章受章。
やまぐち‐まさお【山口昌男】
[1931〜2013]文化人類学者。北海道の生まれ。構造主義や記号論を日本に紹介。「中心と周縁」「トリックスター」などの文化理論は、日本の思想界に大きな影響を与えた。「『敗者』の精神史」で大仏次...
やまぐち‐ようこ【山口洋子】
[1937〜2014]作詞家・小説家。愛知の生まれ。クラブを経営するかたわら歌謡曲の作詞を手がけ、演歌を中心に多くのヒット曲を生み出す。小説では、女性の生き方に鋭く切り込んだ巧妙な作風で知られる...
やまぐち‐よしこ【山口淑子】
[1920〜2014]映画女優。中国、奉天(現瀋陽(しんよう))の生まれ。本姓は大鷹。昭和13年(1938)中国人女優として李香蘭(りこうらん)の名でデビュー。歌謡曲「夜来香(イエライシャン)」...
やまさき‐とよこ【山崎豊子】
[1924〜2013]小説家。大阪の生まれ。本姓、杉本。大阪を舞台にした小説で執筆活動をスタートし、「花のれん」で直木賞受賞。その後は綿密な取材に基づく社会派の問題作を数多く手がけ、人気作家とな...
やまざき‐あんさい【山崎闇斎】
[1619〜1682]江戸前期の儒学者・神道家。京都の人。名は嘉。別号、垂加(しでます)。禅僧となったが朱子学を学んで還俗し、江戸・京都で教授、門下6000人といわれた。のち、吉川惟足(きっかわ...
やまざき‐そうかん【山崎宗鑑】
室町後期の連歌師・俳人。近江(おうみ)の人。本名、志那弥三郎範重。将軍足利義尚に仕え、のち出家して山城国山崎に閑居したという。「新撰犬筑波集」の編者。荒木田守武とともに俳諧の祖とされる。生没年未詳。
やまざき‐たかし【山崎貴】
[1964〜 ]映画監督・脚本家・VFX制作者。長野の生まれ。監督・脚本・VFX制作を務めた「ALWAYS(オールウェイズ) 三丁目の夕日」で、日本アカデミー賞など多くの賞を受賞。特殊効果を用い...
やまざき‐ちょううん【山崎朝雲】
[1867〜1954]彫刻家。福岡の生まれ。高村光雲に師事し、同門の平櫛田中らとともに日本彫刻会を結成。木彫による写実的表現に新生面を開いた。
やまざき‐なおまさ【山崎直方】
[1870〜1929]地理学者。高知の生まれ。東大に地理学科を創設、また日本地理学会を組織。日本アルプス立山にカールを発見するなど多くの業績があり、日本での氷河の存在についても論争。佐藤伝蔵との...
やました‐きよし【山下清】
[1922〜1971]画家。東京の生まれ。児童養護施設の八幡学園で貼り絵を始める。18歳のときに出奔、全国を放浪。数年後に戻るが、以降は旅をくり返す生活となる。優れた観察力と大胆な色づかいが高く...
やました‐こうさく【山下耕作】
[1930〜1998]映画監督。鹿児島の生まれ。時代劇・やくざ映画を多く手がけ、名手として高く評価された。代表作「関の弥太ッペ」「兄弟仁義」「博奕(ばくち)打ち 総長賭博(とばく)」「修羅の群れ...
やました‐しんたろう【山下新太郎】
[1881〜1966]洋画家。東京の生まれ。東京美術学校卒。パリでコランらに師事、ルノワールに傾倒し外光派の画風を確立。二科会・一水会の創立に参加。代表作に「窓際」「読書」「靴の女」など。昭和3...
やました‐すみと【山下澄人】
[1966〜 ]小説家・劇作家。兵庫の生まれ。脚本家の倉本聰に師事。平成8年(1996)より劇団FICTION(フィクション)を主宰。「緑のさる」で野間文芸新人賞受賞。「しんせかい」で芥川賞受賞...
やましな‐ときつぐ【山科言継】
[1507〜1579]室町後期の公卿。有職故実に通じ、また、皇室財政維持のため奔走。日記に「言継卿記」がある。
やましな‐の‐みや【山階宮】
旧宮家の一。元治元年(1864)伏見宮邦家親王の第1王子晃親王が創立。昭和22年(1947)宮号廃止。
やましろのおおえ‐の‐おう【山背大兄王】
[?〜643]飛鳥時代の皇族。聖徳太子の子。母は蘇我馬子の娘刀自古郎女(とじこのいらつめ)。推古天皇没後、蘇我蝦夷(そがのえみし)の推す田村皇子(舒明天皇)と皇位を争って敗れ、のち蝦夷の子入鹿(...
やまじ‐あいざん【山路愛山】
[1865〜1917]評論家。江戸の生まれ。本名、弥吉。「国民新聞」の記者、「信濃毎日新聞」の主筆を経て雑誌「独立評論」を創刊。独自の国家社会主義を主張した。著「足利尊氏」「社会主義管見」「現代...
やまだ‐あきよし【山田顕義】
[1844〜1892]軍人・政治家。陸軍中将。山口の生まれ。松下村塾門下。明治維新後は工部卿・内務卿・司法卿を経て法相を数回歴任。日本法律学校(のちの日本大学)を創立。
やまだ‐あさえもん【山田浅右衛門】
⇒首斬浅右衛門(くびきりあさえもん)
やまだ‐いすず【山田五十鈴】
[1917〜2012]女優。大阪の生まれ。本名、美津(みつ)。溝口健二監督の映画「浪華悲歌(なにわエレジー)」「祇園(ぎおん)の姉妹(きょうだい)」に主演して地位を確立。「ベルさん」の愛称で親し...
やまだ‐えいみ【山田詠美】
[1959〜 ]小説家。東京の生まれ。本名、双葉(ふたば)。大胆な描写で男女関係の深部をえぐる恋愛小説を執筆し、話題を呼ぶ。「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」で直木賞受賞。他に「ベッド...
やまだ‐かつろう【山田克郎】
[1910〜1983]小説家。朝鮮の生まれ。本名、克朗。戦中・戦後にわたり海洋を舞台にした青春冒険小説を数多く手がける。他に人物の評伝や、麻雀にまつわる小説なども執筆した。「海の廃園」で直木賞受...
やまだ‐けんぎょう【山田検校】
[1757〜1817]江戸後期の箏曲(そうきょく)演奏家・作曲家。江戸の人。名は斗養一(とよいち)。幼時に失明して箏曲を学び、声楽本位の山田流箏曲を創始。語り物の要素の強い、江戸趣味に合った新曲...