まつい‐いわね【松井石根】
[1878〜1948]軍人。陸軍大将。愛知の生まれ。日中戦争で上海派遣軍司令官・中支方面軍司令官などを歴任。戦後、極東国際軍事裁判で南京大虐殺の責任者とされ、絞首刑になった。
まつい‐かんじ【松井簡治】
[1863〜1945]国語・国文学者。千葉の生まれ。本姓、宮内。東京文理大教授。上田万年と「大日本国語辞典」を編纂(へんさん)。
まつい‐けさこ【松井今朝子】
[1953〜 ]小説家。京都の生まれ。はじめ歌舞伎の脚本、評論などを手がける。「吉原手引草」で直木賞受賞。他に「東洲しゃらくさし」「仲蔵狂乱」「似せ者」など。
まつい‐しょうおう【松居松翁】
[1870〜1933]劇作家。宮城の生まれ。本名、真玄(まさはる)。初め松葉と号した。初世市川左団次のために戯曲「悪源太」を書き、以後、新歌舞伎や外国戯曲の翻案作などで活躍。著「団州百話」「劇壇...
まつい‐すまこ【松井須磨子】
[1886〜1919]女優。長野の生まれ。本名、小林正子。文芸協会演劇研究所に入り、「人形の家」のノラで脚光を浴びた。のち島村抱月と芸術座を組織し、「復活」「サロメ」「カルメン」などを主演して人...
まつうら‐しげのぶ【松浦鎮信】
⇒まつらしげのぶ
まつうら‐せいざん【松浦静山】
⇒まつらせいざん
まつうら‐たけしろう【松浦武四郎】
[1818〜1888]江戸末期の探検家。伊勢の人。名は弘(ひろむ)。幼時より諸国を巡歴し、特に蝦夷(えぞ)地に関心を持ち、しばしば訪れて多数の紀行文や地図を残した。著「蝦夷日誌」など。
まつうら‐ひさき【松浦寿輝】
[1954〜 ]詩人・小説家・フランス文学者。東京の生まれ。詩作、文学評論、映画評論など幅広く活躍。「花腐(はなくた)し」で芥川賞受賞。「知の庭園」で芸術選奨。他に詩集「冬の本」、評論「エッフェ...
まつえ‐しげより【松江重頼】
[1602〜1680]江戸初期の俳人。京都の人。別号、維舟(いしゅう)。通称、大文字屋治右衛門。松永貞徳の門人。談林俳諧に影響を与えた。編著「犬子(えのこ)集」「毛吹草」「佐夜中山集」など。
まつおか‐えいきゅう【松岡映丘】
[1881〜1938]日本画家。兵庫の生まれ。本名、輝夫。柳田国男の弟。新興大和絵運動を展開し、大和絵の復興・刷新に努めた。
まつおか‐こまきち【松岡駒吉】
[1888〜1958]労働運動家・政治家。鳥取の生まれ。日本労働総同盟会長、社会民衆党・社会大衆党中央委員、第二次大戦後は日本労働組合総同盟会長、衆議院議長を歴任。
まつおか‐じょあん【松岡恕庵】
[1668〜1746]江戸中期の本草学者。京都の人。名は玄達。恕庵は通称。山崎闇斎・伊藤仁斎に儒学を、稲生若水に本草学を学んだ。著「用薬須知」「千金方薬註」など。
まつおか‐ようすけ【松岡洋右】
[1880〜1946]外交官・政治家。山口の生まれ。オレゴン大学卒業。国際連盟特別総会に首席全権として出席し、脱退を宣言。満鉄総裁を経て、第二次近衛内閣の外相となり、日独伊三国同盟・日ソ中立条約...
まつお‐しげよし【松尾臣善】
[1843〜1916]官僚。播磨(はりま)の人。大蔵省で出納局長、主計局長、理財局長などを歴任。日本銀行総裁に就任すると、日露戦争の戦費調達などを目的とした外債公募に尽力。人事制度の改革などにも...
まつお‐ばしょう【松尾芭蕉】
[1644〜1694]江戸前期の俳人。伊賀の人。名は宗房。芭蕉は俳号。別号、桃青(とうせい)・風羅坊など。藤堂良忠(俳号、蝉吟(せんぎん))に仕えて俳諧を学び、京都で北村季吟に師事。のち、江戸に...
まつかた‐まさお【松方正雄】
[1868〜1942]実業家。鹿児島の生まれ。正義の四男。米国で教育を受け、帰国後は関西財界で活躍。昭和10年(1935)大阪野球倶楽部(クラブ)(阪神の前身)の初代会長に就任。プロ野球の発展に...
まつかた‐まさよし【松方正義】
[1835〜1924]政治家。鹿児島の生まれ。正雄、三郎の父。明治14年(1881)大蔵卿となり、紙幣整理などのデフレ政策を実施。蔵相・首相を歴任。日本銀行創設、金本位制度の実施など、財政制度の...
まつくら‐しげまさ【松倉重政】
[?〜1630]江戸初期の大名。大坂の陣ののち、肥前島原藩主。キリシタンを弾圧、島原天草一揆の原因をつくった。
まつざき‐こうどう【松崎慊堂】
[1771〜1844]江戸後期の儒学者。肥後の人。名は密・復。字(あざな)は明復。別号、益城。江戸に出て林述斎に朱子学を学び、のち、遠江(とおとうみ)掛川藩の教授。蛮社の獄では門弟渡辺崋山の赦免...
まつした‐けんりん【松下見林】
[1637〜1704]江戸前期の儒医・国学者。大坂の人。名は慶・秀明。号、西峯山人。和漢の学に精通し、「三代実録」を校訂出版。著「異称日本伝」など。
まつした‐ぜんに【松下禅尼】
北条時氏の妻。経時・時頼らの母。安達景盛の娘。手ずから障子の切り張りをして、子の時頼に質素倹約の手本を示したという徒然草にみえる逸事で有名。生没年未詳。
まつした‐やすお【松下康雄】
[1926〜2018]官僚・銀行家。兵庫の生まれ。大蔵省で主計局長や事務次官を歴任。退官後は太陽神戸銀行の頭取となり三井銀行との合併を実現した。平成6年(1994)日本銀行総裁となるが、平成10...
まつせ‐せいせい【松瀬青々】
[1869〜1937]俳人。大阪の生まれ。本名、弥三郎。正岡子規の門人。関西俳壇に重きをなした。句集「妻木」「鳥の巣」など。
まつたに‐みよこ【松谷みよ子】
[1926〜2015]児童文学作家・民話研究家。東京の生まれ。本名、美代子。坪田譲治に師事。「ちいさいモモちゃん」で野間児童文芸賞受賞。他に「モモちゃん」シリーズ、「オバケちゃん」シリーズ、「竜...
まつだいら‐かたもり【松平容保】
[1836〜1893]幕末の会津藩主。京都守護職となって公武合体に尽力し、尊攘急進派の長州藩を一掃したが、鳥羽伏見の戦いに敗れて江戸へ逃れた。会津戦争で討幕軍に抗戦したが降伏、のち許されて日光東...
まつだいら‐さだのぶ【松平定信】
[1759〜1829]江戸後期の大名。田安宗武の七男。陸奥(むつ)白河藩主松平定邦の養子。号、楽翁。天明7年(1787)老中首座となり、寛政の改革を断行。著「花月双紙」「宇下人言(うげのひとこと...
まつだいら‐しゅんがく【松平春岳】
⇒松平慶永(よしなが)
まつだいら‐ただなお【松平忠直】
[1595〜1650]江戸初期の大名。越前福井藩主。結城秀康の長男。大坂の陣での論功を不満として反逆的言動をとり、豊後(ぶんご)に配流された。
まつだいら‐のぶつな【松平信綱】
[1596〜1662]江戸初期の大名。武蔵川越藩主。将軍徳川家光・家綱に仕え、島原天草一揆・由井正雪の乱・明暦の大火などを処理。伊豆守だったので「知恵伊豆」と称された。
まつだいら‐はるさと【松平治郷】
[1751〜1818]江戸後期の大名。出雲(いずも)松江藩主。号、不昧(ふまい)。藩政の改革に尽力。また、茶人として石州流不昧派を興した。著「贅言(むだごと)」など。
まつだいら‐ふまい【松平不昧】
⇒松平治郷(はるさと)
まつだいら‐よしなが【松平慶永】
[1828〜1890]幕末の大名。越前福井藩主。号、春岳。日米修好通商条約の締結では勅許を得ることを主張、将軍継嗣問題では一橋慶喜を推したため大老井伊直弼と対立、隠居・謹慎を命ぜられた。井伊暗殺...
まつだ‐うきふね【松田浮舟】
江戸初期の手品師。水芸を得意とした。生没年未詳。
まつだ‐こうへい【松田耕平】
[1922〜2002]実業家。広島の生まれ。昭和45年(1970)東洋工業(マツダの前身)の社長に就任、プロ野球球団広島東洋カープのオーナーとなる。米国メジャーリーグに学び、海外キャンプや外国人...
まつだ‐ごんろく【松田権六】
[1896〜1986]漆芸家。石川の生まれ。蒔絵(まきえ)にすぐれた。また、日光東照宮や中尊寺金色堂などの修復に従事。文化勲章受章。
まつだ‐ぶんこうどう【松田文耕堂】
江戸中期の浄瑠璃作者。大坂の人。通称、和吉。近松門左衛門に師事し、竹本座で活躍。「鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)」「壇浦兜軍記」「ひらかな盛衰記」など合作が多い。生没年未詳。
まつだ‐みちお【松田道雄】
[1908〜1998]医師・評論家。茨城の生まれ。昭和22年(1947)京都に小児科を開設、昭和42年(1967)、診療をやめて執筆に専念。診療の経験を生かして執筆した「育児の百科」がベストセラ...
まつなが‐ケー‐さんぞう【松永K三蔵】
[1980〜 ]小説家。茨城の生まれ。令和3年(2021)「カメオ」が群像新人文学賞優秀作に選ばれ小説家デビュー。「バリ山行(さんこう)」で第171回芥川賞受賞。
まつなが‐せきご【松永尺五】
[1592〜1657]江戸初期の儒学者。京都の人。貞徳の子。名は昌三。字(あざな)は遐年(かねん)。藤原惺窩(ふじわらせいか)の高弟。京都に講習堂を開き、門下から木下順庵・貝原益軒らを出した。著...
まつなが‐ていとく【松永貞徳】
[1571〜1654]江戸初期の俳人・歌人・歌学者。京都の人。尺五(せきご)の父。名は勝熊。別号、長頭丸(ちょうずまる)・逍遊軒など。和歌を細川幽斎に、連歌を里村紹巴(さとむらじょうは)に学ぶ。...
まつなが‐ひさひで【松永久秀】
[1510〜1577]戦国時代の武将。初め三好長慶に仕えたが、奈良に多聞城を築いて主家を滅ぼし、将軍足利義輝を殺して東大寺大仏殿を焼いた。織田信長の入京に際して降伏したが、のち背いて敗死。
まつなが‐やすざえもん【松永安左衛門】
[1875〜1971]実業家。長崎の生まれ。九州水力電気・東部電力を創業。第二次大戦後、電力事業の地域ブロック別民営化などに活躍し、「電力の鬼」と称された。茶人としても知られる。
まつなが‐わふう【松永和風】
長唄唄方。 (3世)[1839〜1916]清元の節回しを取り入れた芸風で、好評を博した。「和楓」の字を用いた。 (4世)[1874〜1962]美声と独特の節回しで、昭和初期に一世を風靡(ふう...
まつね‐とうようじょう【松根東洋城】
[1878〜1964]俳人。東京の生まれ。本名、豊次郎。夏目漱石に師事し、「ホトトギス」に参加。のち俳誌「渋柿」を創刊・主宰し、人間修業としての俳句を主張した。著「俳諧道」「黛」など。
まつばやし‐けいげつ【松林桂月】
[1876〜1963]日本画家。山口の生まれ。本名、篤。日本南画院会長。野口幽谷に師事、南宗画の正系を継いで、その近代化に尽くした。代表作に「春宵花影」など。昭和33年(1958)文化勲章受章。
まつまえ‐しげよし【松前重義】
[1901〜1991]教育者・政治家。熊本の生まれ。逓信省で工学者として活躍。昭和18年(1943)航空科学専門学校(東海大学の前身)を創設。戦後は衆議院議員として科学技術政策などに取り組んだ。...
まつむら‐えいこ【松村栄子】
[1961〜 ]小説家。静岡の生まれ。本姓、朝比奈。出版社などの勤務を経て創作活動に入る。「至高聖所(アバトーン)」で芥川賞受賞。他に「僕はかぐや姫」「紫の砂漠」「詩人の夢」など。
まつむら‐けいぶん【松村景文】
[1779〜1843]江戸後期の画家。京都の人。松村月渓の異母弟。優麗な花鳥画にすぐれ、月渓の後継者として四条派の発展に貢献した。代表作に「花鳥図襖」など。呉景文。
まつむら‐けんぞう【松村謙三】
[1883〜1971]政治家。富山の生まれ。新聞記者を経て衆議院議員。第二次大戦後、農相として農地改革に着手した。日中国交正常化に尽力。