おさないこと。また、おさない人。「—にして学に親しむ」

  1. 必要にこたえる働きのあること。役に立つこと。また、使い道。用途。「—をなさない」「—のなくなった子供服」

  1. なすべき仕事用事。「—を言いつけられる」「急ぎの—で出掛ける」「君に—はない」

  1. 大小便をすること。用便。「小—」

  1. 費用入費。ついえ。「家計の—に充てる」

  1. 事物本体に対して、作用。働き。

    1. 「今一身を分かちて二つの—をなす」〈方丈記

  1. 用言。また、その作用

    1. 「水辺や又山類の体—は連歌のごとく用ゆべきなり」〈新増犬筑波集

  1. 体言に格助詞「の」の付いた形で、または用言に助動詞「う」の付いた形で、動作目的理由を表す。

    1. 「何の—にかあらむと申す」〈竹取

  1. 名詞の下に付いて、…のために使用するもの、…が特に使用するもの、…で使用するもの、などの意を表す。「作業—の机」「紳士—セーター」「保存—ディスク」

あやしいこと。不吉なこと。また、もののけ。妖怪。「—の物」

人形 (ひとがた) の意》中国で、死者とともに埋葬した人形死者臣下妻妾 (さいしょう) ・衛兵・愛玩動物などをかたどる。材質により、陶俑・木俑・金属俑などに分けられる。戦国時代以降のものが多く、代に至るまで作られた。→兵馬俑坑

東洋西洋。特に、西洋

  1. 物事の大事な点。かなめ。要点。「—を得た説明」「—はやる気だ」

  1. 必要であること。入用。「再考の—がある」

  1. 他の語の上に付いて、その事柄事物などが必要である意を表す。「—確認」「—普通免許」「—マーク」

《「やく」の音変化》ききめ。えき。

  1. 平凡なこと。すぐれたところがないこと。凡庸

    1. 「才と—との別もまたはなはだしであるが」〈蘆花思出の記

  1. 律令制における租税の一。養老令の規定では、正丁 (せいてい) 一人1年間に10日間の労役提供するかわりに布2丈6尺を納める人頭税であった。布のほか、米や塩など地方の産物をあてることもあった。

[名]木の葉の縁 (ふち) のような、とがった切れ込み。
    1. 「これは—の入りて、木にて縁をしたりければ」〈徒然三三

[接尾]助数詞。
  1. 木の葉や紙など、薄いものを数えるのに用いる。「三—の写真」「一—の絵はがき」

  1. 小舟を数えるのに用いる。

    1. 「一—の舟の中の万里の身」〈和漢朗詠・下〉

  1. 易学で、陰に対置されて、積極的、能動的であるとされるもの。天・日・昼・男・強・動・奇数など。⇔

  1. 表から目に見えるところ。うわべ。⇔。→陽に

  1. 日の照らすこと。明るいこと。また、そのような所。

    1. 「静かなる夜を—に返す洋灯の笠に」〈漱石虞美人草

  1. 姿・形。ありさま。ようす。

    1. 「日ごろありつる—、くづしかたらひて、とばかりあるに」〈かげろふ・上〉

  1. 方法。やり方。

    1. 「その山見るに、さらに登るべき—なし」〈竹取

  1. 理由事情。わけ。

    1. 「参るまじくは、その—を申せ」〈平家・一〉

  1. (「思う」「言う」などに付いて)会話思考内容。または、その下に引用して続けた会話思考内容

    1. 「車にて児 (ちご) の祖 (おや) に言ふ—『父こそ』と呼べば」〈今昔・二四・一五〉

  1. 名詞の下に付いて複合語をつくる。

    1. ㋐ある物に類似していることを表す。…ふう。…のよう。「刃物—の凶器」「皮革—の素材

    2. 様式方式などの意を表す。「上代—」「唐 (から) —」

  1. 動詞の連用形の下に付いて複合語をつくる。

    1. ㋐ありさま、ようすなどの意を表す。「喜び—」「可愛がり—」

    2. ㋑…する方法、…するやり方などの意を表す。「ほかのし—もある」「しかり—が悪い」

皮膚皮下にできる急性の腫れ物。癤 (せつ) の集合型で、隣接するいくつかの毛包に黄色ぶどう球菌感染して化膿 (かのう) したもの。うなじ・背中にできることが多く、高熱激痛を伴う。

[動ワ五(ハ四)]《「え(酔)う」の音変化》
  1. 飲んだ酒のアルコール分が体中にまわり、正常判断行動がとれなくなったりする。「美酒に—・う」「—・った勢いでけんかを売る」

  1. 乗り物に揺られたり、人込みの熱気に当てられたりして気分が悪くなる。「船に—・う」「人に—・う」

  1. そのことに心を奪われてうっとりする。また、自制心を失う。「成功に—・う」「妙技に—・う」「太平に—・う」

[可能]よえる
[ト・タル][文][形動タリ]
  1. 暗くてよくわからないさま。また、事情などがはっきりしないさま。「—として消息が知れない」

  1. はるかに遠いさま。奥深く暗いさま。

    1. 「十月にも筆を執らず、十一十二もつい紙上へは—たる有様で暮して仕舞った」〈漱石・彼岸過迄〉

[副]《「よ(良)く」のウ音便
  1. よ(良)く」に同じ。「—おいでなさった」「遅くまで—働く」

  1. (あとに打消しの語を伴って)不可能を表す。とても…できない。「生魚は—食べない」

  1. (あとに反語表現を伴って)容易にありえない意を表す。どうして。

    1. 「—、われがやうな者が、許さうわいな」〈狂言記・胸突〉

[感]

  1. 気軽く人を呼んだり、あいさつしたりするときの呼びかけの語。「—、元気かい」

  1. 物をねだったり、せがんだりするときに発する語。「—、頼むよ」

  1. ほめそやすとき、ひやかすときなどに発する語。「—、いいぞ」

[助動][○|○|よう|(よう)|○|○]上一段・下一段・カ変・サ変動詞の未然形、助動詞「れる」「られる」「せる」「させる」などの未然形に付く。なお、サ変には「し」の形に付く。
  1. 話し手の意志決意の意を表す。「その仕事は後回しにしよう

    1. 「埒 (らち) あき次第起こしに来い。明日顔見よう」〈浄・生玉心中

  1. 推量想像の意を表す。「会議では多くの反論が出されよう

    1. 「うばも待て居よう程にはよう行れよ」〈浮・風流夢浮橋〉

  1. (疑問語や終助詞「か」を伴って)疑問反語の意を表す。「そんなに不勉強で合格できようか」

  1. (多く「ようか」「ようよ」「ようではないか」などの形で)勧誘や、婉曲 (えんきょく) な命令の意を表す。「その辺で一休みしようよ」「みんなで行ってみようではないか」

    1. 「かかさん、ねんねしよう」〈洒・甲駅新話〉

  1. (「ものならば」などを伴って)仮定の意を表す。「失敗なんかしようものなら許しませんよ」

    1. 一生のうちに一度でも天晴 (あっぱ) れ名作が出来ようならば」〈綺堂修禅寺物語

  1. 実現の可能性の意を表す。「あの男がそんな悪いことをしようはずがない」

  1. (「ようとする」「ようとしている」の形で)動作作用が実現寸前の状態にある意を表す。「秋の日は早くも西の山に没しようとしている」→

[補説]室町末期ごろ、推量の助動詞「む」の変化形「う(うず)」が上一段動詞、たとえば「射 (い) る」「見る」に付いて音変化した語形「よう」「みょう」から「(射・見)よう」が分出されたのが始まりで、江戸時代に入ってしだいに一語化したと言われる。連体形は、56のように形式名詞「もの」「はず」「こと」などを下接する用法普通で、主観的な情意表現する終止形に比し、客観性のある表現に用いられる。なお、2は現代語では、ふつう「だろう」を用いる。

〈永〉⇒えい

〈影〉⇒えい

ゆう

出典:青空文庫

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