しぜんとうた【自然淘汰】
自然界で、生態的条件や環境などによりよく適合するものは生存を続け、そうでない劣勢のものは自然に滅びていくこと。転じて、長い間には劣悪なものは滅び、優良なものだけが自然に生き残ること。▽「淘汰」は選び分ける。悪いものを捨て、よいものを取ること。もとダーウィンが進化論の中で説いた語。
しそうけんご【志操堅固】
志や考え・主義などを堅く守り、何があっても変えないさま。▽「志操」は考えや主義などを守って変えない意志。
したさきさんずん【舌先三寸】
口先だけの巧みな弁舌。うわべだけのうまい言葉で、心や中身が備わっていないこと。▽「舌三寸」ともいう。
しだいさいそ【志大才疎】
志は雄大だが、それに見合った才能に欠けること。▽「疎」はあらい、まばらの意。「疎」は「疏」とも書く。
しだいしごう【至大至剛】
このうえなく大きく、このうえなく強いさま。▽「至」はこのうえなく、非常にの意。もと、孟子もうしが「浩然之気こうぜんのき」を評した語。浩然之気こうぜんのき
しちしょうしちきん【七縦七擒】
《三国時代、蜀の諸葛孔明が敵将の孟獲(もうかく)を捕らえては逃がしてやることを7回繰り返した末に、孟獲を心から心服させたという「蜀志」諸葛孔明伝・注の故事から》相手を自分の思いどおりに自由自在に...
しちじゅうこき【七十古稀】
七十歳の高齢に達するまで、長く生きるということは、昔からまれであるとうたった杜甫とほの詩から。「人生じんせい七十しちじゅう、古来こらい稀まれなり」の略。
しちそうおう【四地相応】
⇒しじんそうおう(四神相応)
しちてんはっき【七転八起】
何度失敗してもくじけず、立ち上がって努力すること。転じて、人生の浮き沈みの激しいことのたとえとして用いることもある。七度転んでも八度起き上がる意から。▽一般に「七転ななころび八起やおき」という。「転」は「顛」とも書く。
しちてんばっとう【七転八倒】
激しい苦痛などで、ひどく苦しんで転げまわること。転んでは起き、起きては転ぶこと。▽「七」「八」は数が多いことをいう。「しってんばっとう」「しちてんはっとう」とも読む。また「転」は「顛」とも書く。
しちどうがらん【七堂伽藍】
寺の主要な七つの建物。また、七つの堂のそろった大きな寺。▽「七堂」は塔・金堂こんどう講堂・鐘楼・経蔵・僧房・食堂じきどう。禅宗では山門・仏殿・法堂はっとう庫裡くり僧堂・浴室・東司とうす(便所)を指すことが多く、宗派などにより異なる。「伽藍」は寺の建物。寺院。
しちなんくやく【七難九厄】
七と九の年回り(十七歳や四十九歳など)は災難がありがちだという俗信。
しちなんはっく【七難八苦】
ありとあらゆる苦しみや災難。また、そうした、さまざまな苦難や厄災に出会うこと。
しちほのさい【七歩之才】
文才に恵まれていること。また、すぐれた詩文を素早く作る才能があること。
しちゅうきゅうかつ【死中求活】
絶体絶命の状況でも、何か解決の糸口を見つけ、活路を見出そうとすること。また、窮地から抜け出すために、死ぬ覚悟で、危険にとびこんでいくこと。
しちょうのこすい【詩腸鼓吹】
詩情がかきたてられるような鶯うぐいすの鳴き声のこと。また、抒情的な気持ちになること。
しちょうべつり【四鳥別離】
親子の悲しい別れ。巣立つ四羽のひな鳥を見送る親鳥の別れの悲しみの意から。▽「四鳥」は四羽のひな鳥。
しちりけっかい【七里結界】
人や物事を忌み嫌って、遠ざけたり、寄せ付けないようにすること。密教などで、悪魔が入ってきて修行を邪魔しないように、四方に境界を設けること。
しっかいじょうぶつ【悉皆成仏】
万物すべてが仏になること。▽仏教語。「悉皆」は一つ残らず全部、ことごとくすべての意。
しっこうさんど【膝行三度】
膝行作法。左膝・右膝・左膝の順に合計三度で進み出る。
しっこうゆうよ【執行猶予】
法律で、刑の判決を受けた者に対し、一定期間(=一年以上五年以下)その刑の執行をのばし、その期間を事故なく過ごしたときは刑の言い渡しはなかったものとする制度。
しっしょうふんぱん【失笑噴飯】
おかしくて、思わず吹き出し笑うこと。▽「失笑」はおかしさを押さえることができず、思わず吹き出し笑うこと。「噴飯」はおかしさ。食べかけの飯粒を吹き出す意で、ばかばかしくて、思わず吹き出し笑うこと。
しっしんどんたん【漆身呑炭】
仇かたきを討ったり、復讐のために、どんな苦しみや苦労もいとわないこと。
しっそけんやく【質素倹約】
飾り気がなく、つましく暮らすこと。ものを節約して生活すること。
しったげきれい【叱咤激励】
大声で励まして、奮い立たせること。▽「叱咤」は大声で励ますこと。また、大声でしかること。「激励」は励まし、元気づけること。
しっちんまんぽう【七珍万宝】
七宝と多くの宝物。▽「七珍」は「七宝」と同じく七つの宝物。金・銀・瑠璃るり硨磲しゃこ瑪瑙めのう玻璃はり珊瑚さんご。他にも諸説がある。「万宝」は多くの宝物。「宝」は「ぼう」とも読む。
しっぷうけいそう【疾風勁草】
苦境や厳しい試練にあるとき、初めて意志や節操が堅固な人であることが分かるたとえ。強い風の中に折れずにいる強い草の意、また、強い風が吹いて、初めて強い草であることが分かる意から。▽「疾風」は激しく速く吹く風。はやて。「勁草」は強い草。節操の堅い人のたとえ。「疾風しっぷうに勁草けいそうを知る」の略。
しっぷうじんらい【疾風迅雷】
素早く激しいさま。速い風と激しい雷の意から。▽「疾風」は激しく速く吹く風。はやて。「迅雷」は激しく鳴る雷。
しっぷうどとう【疾風怒濤】
激しい風と荒れ狂う波の意。また、時代が激しく変化することの形容。▽「怒濤」は荒れ狂い逆巻く波。ドイツ語「シュトルム‐ウント‐ドラング」の訳語で、十八世紀後半ゲーテらを中心に展開された文学革新運動をいう。
しっぷうもくう【櫛風沐雨】
風雨にさらされながら、苦労して働くこと。また、世の中のさまざまな辛苦にさらされることのたとえ。▽「櫛風」は風に髪が櫛くしけずられること。「沐雨」は雨で髪が洗われること。「沐雨櫛風もくうしっぷう」ともいう。
しつうはったつ【四通八達】
道路や交通が四方八方に通じていること。道路網が発達して便利なこと。転じて、往来の激しくにぎやかな所をいう。▽「四通」は道路・交通が四方に通じていること。
しつぎおうとう【質疑応答】
質問とそれに対する答弁。▽「質疑」は疑わしい点を質問すること。「質」は問いただす意。「応答」は受け答え。
しつげんきょしょく【疾言遽色】
早口な物言いと、慌てた顔つき。
しつじつごうけん【質実剛健】
中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。▽「質」は質朴、「実」は誠実の意で、「質実」は飾り気がなく、まじめなこと。「剛健」は心やからだが強く、たくましいこと。「剛健質実ごうけんしつじつ」ともいう。
しつぼうらくたん【失望落胆】
希望を失って、がっかりすること。▽「失望」は希望を失って、がっかりすること。「落胆」もがっかりすること。
しでんいっせん【紫電一閃】
事態の急激な変化の形容。研ぎ澄まされた剣をひと振りするとき、一瞬ひらめく鋭い光の意から。▽「紫電」は研ぎ澄まされた剣をひと振りするときにひらめく鋭い光。「一閃」は一瞬のひらめき。さっとひらめくこと。
しでんせいそう【紫電清霜】
紫のいなずまのように光り輝き、清く白い霜のように、きりっとひきしまっていること。鋭く光り輝く武器のいかめしさの形容。また、人がすぐれて光り輝き、節操の堅い形容。▽「紫電」は紫のいなずま。研ぎ澄まされた武器の輝きの形容。また、すぐれて輝く形容。「清霜」は清らかにきりっとひきしまったものの形容。
しとくのあい【舐犢之愛】
親牛が子牛をなめまわすように、親が子どもを溺愛できあいすること。
しのうこうしょう【士農工商】
官吏・農民・工人・商人の職分による四つの身分階級。日本では近世封建社会の身分制で、武士・農民・職人・商人をいう。
しひゃくしびょう【四百四病】
人のかかる病気のすべて。人体は地・水・火・風の四つの元素(四大しだい)から構成されていて、これが不調なとき、それぞれ百一の病気を生ずるとされる。▽仏教語。
しふくゆうひ【雌伏雄飛】
人に付き従い、低い地位に甘んじていることと、盛んに活躍すること。また、将来を期して人の下に従い、低い地位に甘んじ、やがては大いに羽ばたき活躍すること。▽「雌伏」は雌鳥が雄鳥に従い伏す意。転じて、人に付き従うこと。低い地位に辛抱していること。「雄飛」は雄鳥が飛ぶように、盛んに活躍すること。
しぶんごれつ【四分五裂】
ばらばらになってしまうこと。まとまりのあるものが秩序を失い、乱れること。
しほうはっぽう【四方八方】
あちらこちら。あらゆる方向。周囲のすべて。
しぼくかくけい【子墨客卿】
文人や詩文に慣れ親しんだ風流人のこと。また、人から来た手紙一般をいう。
しまおくそく【揣摩臆測】
根拠もないのに、自分だけで勝手に推測すること。▽「揣摩」はあれこれ推し量ること。推し量る意の「臆測」に重ねて、意味を強調した語。「揣」は「すい」とも読む。「臆」は「憶」とも書く。
しまおくそく【揣摩憶測】
[名](スル)自分だけの判断で物事の状態や他人の心中などを推量すること。当て推量。「恐らくは—に過ぎないであろう」〈谷崎・春琴抄〉
しめんそか【四面楚歌】
周囲がすべて敵や反対者で、まったく孤立して、助けや味方がいないこと。また、そのさま。孤立無援。
しもんしゅつゆう【四門出遊】
釈迦しゃかが出家する前、まだ太子のとき、王城の東西南北の四つの門から郊外に出掛け、それぞれの門の外で、老人・病人・死者・修行者に出会い、その苦しみを目のあたりに見て、人生に対する目を開き、出家を決意したという伝説。また、そのときに、それぞれの苦しみを実際に見て、世をいとう心が生まれたともいわれる。
しゃえんしゅうこう【社燕秋鴻】
出会ったばかりですぐに別れてしまうこと。ほんの一瞬、出会うこと。
しゃくがんじゅしん【釈眼儒心】
釈迦の目と孔子の心。慈悲・仁愛の深いこと。