うつし‐ごころ【現し心】
確かな心。理性のある心。正気。「—なく酔ひたるものに候」〈徒然・八七〉
うつし‐ざま【現し様】
[名・形動ナリ] 1 気持ちが正常で確かなさま。正気なさま。「—なる折すくなく侍りて」〈源・薄雲〉 2 いつもと変...
うつし‐ぞめ【写し染(め)】
布の上に型紙をおき、染料をまぜた糊(のり)を用いて型どおりに文様を染める方法。友禅・小紋などに用いられる。
うつし‐だ・す【映し出す/写し出す】
[動サ五(四)] 1 光を当てて映像をスクリーンなどに現す。「アルプスの山々を画面いっぱいに—・す」 2 見聞した...
うつし‐と・る【写し取る】
[動ラ五(四)] 1 もとのとおりに書き取る。書き写す。「原図を—・る」 2 そっくりそのままもとの形を模倣する。...
うつし‐どの【移し殿/遷し殿】
1 神社の社殿改築のときなどに、臨時に神体を安置しておく仮の社殿。仮殿(かりどの)。 2 春日神社の社殿の一。神木...
うつし‐の‐うま【移しの馬】
宮中の馬寮(めりょう)の管理する馬。必要に応じて諸司の官人の供奉(ぐぶ)や乗り換え用とした。うつしうま。
うつし‐ばな【移し花】
ツユクサの花の汁を紙に移して染み込ませたもの。染料として用いた。青花(あおばな)。
うつし‐びと【現し人】
1 (死者に対して)この世に生きている人。「—にてだに、むくつけかりし人の御けはひの」〈源・若菜下〉 2 (出家に...
うつし‐ぶみ【移し文】
⇒移文(いぶん)
うつしみ
上田三四二の随筆。昭和53年(1978)刊行。副題「この内なる自然」。闘病を通じて死と向き合い、自然と身体の一体化...
うつし‐み【現し身】
現在生きている身。うつせみ。「こうして—の女の肉に引きずられる執念は」〈石川淳・普賢〉 [補説]江戸時代の国学者が...
うつし‐もの【写し物】
文書を書き写すこと。また、書き写した文書。
うつし‐よ【現し世】
この世。現世。
うつ‐じょう【鬱情】
晴れ晴れしない、うっとうしい気持ち。「それぞれの悩ましい青春の—の発散を志したのであろう」〈佐藤春夫・晶子曼陀羅〉
うつ‐じょうたい【鬱状態】
気分が落ち込み、感情・意欲・思考などの精神活動が低下した状態。何事にも興味・関心を持てなくなり、不眠や過眠、食欲不...
うつ・す【写す】
[動サ五(四)]《「移す」と同語源》 1 文書・絵などを元のとおりに書き取る。まねてそのとおりに書く。転写する。模...
うつ・す【映す】
[動サ五(四)]《「移す」と同語源》 1 反射や投影などによって物の形や姿を他の物の表面に現す。「鏡に姿を—・す」...
うつ・す【移す/遷す】
[動サ五(四)] 1 位置や地位を変える。他の所へ持っていく。また、中身を別のものに入れ替える。「住まいを—・す」...
うつせ【空/虚】
1 貝殻。うつせがい。「いかなる様にて、いづれの底の—にまじりけむ」〈源・蜻蛉〉 2 中身のないこと。から。空虚。...
うつせ‐がい【空貝/虚貝】
1 海岸に打ち寄せられた、からになった貝。貝殻。和歌では「実なし」「むなし」「あはず」や同音の反復で「うつし心」な...
うつせみ【空蝉】
《「うつしおみ」が「うつそみ」を経て音変化したもの》 1 この世に現に生きている人。転じて、この世。うつしみ。「い...
うつせみ【空蝉】
源氏物語第3巻の巻名。光源氏17歳。源氏が空蝉の寝所に忍びこむが拒まれることなどを描く。 源氏物語の登場人物。衛門...
うつせみ‐の【空蝉の】
[枕] 1 人間・世間・現世の意から「世」「世の人」などにかかる。「—世の人なれば」〈万・一七八五〉 2 蝉の抜け...
うつ‐ぜん【鬱然】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 草木がこんもりと茂っているさま。鬱蒼(うっそう)。「果樹が—と生茂り」〈荷風・...
うつそみ【現そみ】
《「うつしおみ」の音変化で、「うつせみ」の古形》「空蝉(うつせみ)1」に同じ。「—と思ひし妹が灰にていませば」〈万...
うつたえ‐に
[副](多くあとに打消しや反語を伴って)いちずに。むやみに。「—鳥は喫(は)まねど縄延(は)へて守(も)らまく欲し...
うつつ【現】
1 この世に現に存在しているもの。現実。夢・虚構などに対していう。「夢か—か幻か」 2 意識の正常な状態。正気。「...
うつ・つ【打棄つ】
[動タ下二]《「う(打)ちう(棄)つ」の音変化》見捨てる。打ち捨てる。「霊(たま)ぢはふ神も我をば—・てこそしゑや...
うつつ‐ごころ【現心】
1 《夢うつつの心の意から》夢見るような気持ち。うつろな心。「はや七分の正気を失って、何(どこ)が何(なに)やら一...
うつつ‐ぜめ【現責め】
江戸時代に行われた、睡眠をとらせず、夢うつつの状態を続けさせて白状させた拷問。
うつつ‐な・し【現無し】
[形ク] 1 何かに気を取られて、ぼんやりしているさま。正体もない。「この心をも得ざらん人は、物狂ひともいへ、—・...
うつつ‐の‐ゆめ【現の夢】
夢のようにはかない現実。多く男女の逢い引きのはかなさをいう。「逢ふと見て覚めにしよりもはかなきは—の名残なりけり」...
現(うつつ)を抜(ぬ)か・す
ある事に夢中になり、心を奪われる。「競馬競輪に—・す」
うつ‐て【打つ手】
[連語]とるべき方法。なすべき手段。「現代の医学でも何も—がない」
うつ‐な・し
[形ク]疑いない。確かである。「その勝たむこと—・し」〈皇極紀〉
うつ‐ねん【鬱念】
心にわだかまるものがあって、晴れ晴れしない気持ち。「数日の—一時(いっし)に解散(げさん)す」〈平家・四〉
うつのみや【宇都宮】
栃木県中央部の市。県庁所在地。二荒山(ふたあらやま)神社の鳥居前町から発展。もと戸田氏の城下町。農業のほか電気・機...
うつのみや【宇都宮】
姓氏の一。 [補説]「宇都宮」姓の人物宇都宮三郎(うつのみやさぶろう)宇都宮遯庵(うつのみやとんあん)宇都宮頼綱(...
うつのみやきょうわ‐だいがく【宇都宮共和大学】
宇都宮市にある私立大学。平成11年(1999)那須大学として開学し、平成18年(2006)現校名に改称した。
うつのみや‐さぶろう【宇都宮三郎】
[1834〜1902]明治初期の化学技術者。尾張の人。日本ではじめてセメント製造に成功。炭酸ソーダや耐火れんがの製...
うつのみや‐し【宇都宮市】
⇒宇都宮
うつのみや‐じょう【宇都宮城】
宇都宮市にあった城。康平6年(1063)、藤原宗円(宇都宮氏祖)が築いたといわれ、近世初頭まで宇都宮氏の居城。江戸...
うつのみや‐そうどう【宇都宮騒動】
元和8年(1622)宇都宮城主本多正純(ほんだまさずみ)が、幕府の許可なく本丸の石垣を修築したことなどを理由に領地...
うつのみや‐だいがく【宇都宮大学】
宇都宮市にある国立大学法人。宇都宮農林専門学校・栃木師範学校・栃木青年師範学校を統合し、昭和24年(1949)新制...
うつのみや‐とんあん【宇都宮遯庵】
[1633〜1707]江戸前期の儒学者。周防(すおう)の人。名は由的。松永尺五(まつながせきご)に師事、経書の標注...
うつのみや‐どうぶつえん【宇都宮動物園】
栃木県宇都宮市にある動物園。昭和56年(1981)開園。敷地内には遊園地のほか、プールも併設している。
うつのみや‐よりつな【宇都宮頼綱】
[1172〜1259] 鎌倉前期の武将・歌人。妻は北条時政の娘。謀反の嫌疑を受けて出家し、蓮生(れんしょう)と号す...
うつのや‐とうげ【宇津ノ谷峠】
静岡市、宇津の山の峠。東海道の丸子(まりこ)と岡部宿との間に位置し、難所として知られた。伊勢物語や黙阿弥の「蔦紅葉...
うつ‐の‐やま【宇津の山】
静岡市宇津ノ谷と藤枝市岡部町岡部とにまたがる山。南側に宇津ノ谷峠がある。[歌枕]「—うつつかなしき道絶えて夢に都の...