ふで‐く【筆句】
《作者の名の上に「筆」または「フ」と書くところから》他人が代作した句。
ふで‐くせ【筆癖】
文字の書き方に癖のあること。文章や絵をかくとき、その文体や画法に独特な癖のあること。また、その癖。
ふで‐さき【筆先】
1 筆の穂先。 2 筆の運び。筆づかい。 3 筆で書く言葉。文章。→御筆先(おふでさき)
ふで‐し【筆師】
筆を作ることを業とする人。
ふで‐しょうが【筆生姜】
新しょうがを茎つきのままに根を筆先のようにむき、甘酢に漬けたもの。焼き魚に添える。
ふで‐じく【筆軸】
筆の柄(え)。筆柄(ふでづか)。筆管(ひっかん)。
ふで‐すさび【筆荒び】
気のむくままに筆を走らせて書くこと。また、そのもの。ふですさみ。
ふで‐たて【筆立て】
1 筆などをさしておく筒形の用具。 2 書き出し。初筆。「『様参る、身より』とばかり薄墨に御—の堆高(うづだか)さ...
ふで‐つき【筆付き】
筆の使いぶり。筆で書かれた文字や絵のようす。
ふで‐つ‐むし【筆つ虫】
コオロギの別名。
ふで‐づか【筆柄】
「筆軸(ふでじく)」に同じ。
ふで‐づか【筆塚】
使い古した筆の供養のために、筆を地に埋めて築いた塚。
ふで‐づかい【筆遣い/筆使い】
筆の使い方。書かれた文字や文章の趣。筆致。運筆。「巧みな—」
ふで‐づくり【筆旁】
漢字の旁(つくり)の一。「肇」「肆」などの「聿」の称。
ふで‐づつ【筆筒】
筆を入れておく筒。筆入れ。また、筆を立てておく筒。筆立て。
ふで‐とり【筆執り/筆取り】
筆を持って書くこと。また、その役。書記。「弓取り—小弓の矢取りとか」〈梁塵秘抄・二〉
ふで‐ならし【筆馴らし】
新しい筆を使いならすこと。文字・文章を書きなれるようにすること。
筆(ふで)に任(まか)・せる
文面の体裁などを考えすぎず、筆の走る勢いにまかせる。「—・せて自由に書く」
ふで‐の‐あと【筆の跡】
「筆跡(ひっせき)」に同じ。
ふで‐の‐うみ【筆の海】
《「筆海(ひっかい)」の訓読み》 1 硯(すずり)の異称。 2 書き記したもの。また、書いたものが多いことのたとえ...
ふで‐の‐しり【筆の尻】
筆の軸の後端。
筆(ふで)の尻(しり)取(と)・る
手をとって教え導く。詩歌や文章などを添削する。「—・る博士ぞなかべきと」〈源・末摘花〉
ふで‐の‐すさび【筆の荒び】
興にまかせて書くこと。また、書いたもの。
ふで‐の‐はこび【筆の運び】
文字の書きよう。筆の使い方。運筆。筆運び。「巧みな—」
ふで‐はこび【筆運び】
⇒筆の運び
ふで‐はじめ【筆始め】
1 初めて書くこと。書き始めること。 2 正月の書き初め。《季 新年》
ふで‐ばこ【筆箱】
筆を入れておく箱。また、筆記用具を入れる箱。筆入れ。
ふで‐ぶしょう【筆不精/筆無精】
[名・形動]面倒がって手紙や文章などをなかなか書こうとしないこと。また、そのさまや、そのような人。「—でつい義理を...
ふで‐ぶと【筆太】
[名・形動]文字を太く書くこと。また、その文字や、そのさま。「—な字」
ふで‐ペン【筆ペン】
軸内にインキを含んだ中綿を装着したペンで、毛筆を模したもの。
ふで‐ぼうふう【筆防風】
イブキボウフウの別名。
ふで‐まき【筆巻(き)】
筆を巻いておく小さなすだれ。
ふで‐まめ【筆忠実】
[名・形動]おっくうがらずに、手紙や文章をまめに書くこと。また、そのさまや、そのような人。「—に連絡する」⇔筆不精。
ふで‐むすめ【筆娘】
筆親から成人の証(あかし)にお歯黒をつけてもらった娘。鉄漿子(かなこ)。歯黒子(はぐろこ)。
ふで‐ゆい【筆結い】
筆を作ること。また、それを職業とする人。筆工。
ふで‐わけ【筆別け】
1 項目ごとに別々に分けて書きしるすこと。 2 「分筆(ぶんぴつ)」に同じ。
筆(ふで)を入(い)・れる
添削する。「選者が—・れる」
筆(ふで)を擱(お)・く
文章を書きおえる。擱筆(かくひつ)する。「長期連載した小説の—・く」 [補説]この意味で「筆を置く」と書くのは誤り。
筆(ふで)を起(お)こ・す
書き始める。筆を下ろす。「どう—・すか、なかなか決まらない」
筆(ふで)を折(お)・る
文章を書くことをやめる。文筆活動をやめる。筆を断つ。「大作を最後に—・る」
筆(ふで)を下(お)ろ・す
新しい筆を使い始める。また、文字や文章を書きはじめる。「雑誌の連載に—・す」
筆(ふで)を加(くわ)・える
書き足す。文章・字句を直す。加筆する。「校正で—・える」
筆(ふで)を染(そ)・める
1 初めて書く。また、書き始める。「未経験の小説に—・める」 2 筆に墨汁を含ませる。「墨の色紅深く見えけるは—・...
筆(ふで)を断(た)・つ
「筆を折る」に同じ。
筆(ふで)を執(と)・る
書画または文章を書く。執筆する。「さっそく返信の—・る」
筆(ふで)を投(な)・げる
書くことを途中でやめる。「締め切りを破ったあげくに—・げてしまう」
筆(ふで)を拭(ぬぐ)・う
文章をそこで止める。「論難する—・う」
筆(ふで)を走(はし)ら・せる
すらすら書く。勢いよく筆を運ぶ。走り書きする。「友への手紙に—・せる」
筆(ふで)を揮(ふる)・う
書画をかく。「大作に—・う」
筆(ふで)を曲(ま)・げる
事実と異なることを承知で書く。自分の利益のために嘘を書く。曲筆。