胸(むね)に当(あ)た・る
思い当たる。心に強く感じる。「夜中に魑魅魍魎(ちみもうりょう)に魘(おそ)われたのも、思い出して、私は犇々(ひしひ...
胸(むね)に穴(あな)が空(あ)いたよう
あって当たり前のものや大切なものがなくなったときの、喪失感を表す語。心に穴が空いたよう。 [補説]特に強調する際に...
胸(むね)に余(あま)・る
思いが積もりに積もってあふれるばかりになる。また、悩みすぎて心の整理や判断ができなくなる。「云い度き事は—・れば、...
胸(むね)に一物(いちもつ)
口には出さないが心の中にたくらみを抱くこと。「—ありそうな面(つら)構え」
胸(むね)に浮(う)か・ぶ
心に思い浮かぶ。ふと思いつく。「—・んだままを文章にする」
胸(むね)に描(えが)・く
想像してみる。思い浮かべる。「未来を—・く」
胸(むね)に納(おさ)・める
心の中に秘めて、口に出さない。胸に畳む。「事の真相を—・める」
胸(むね)に落(お)・ちる
納得がいく。腹に落ちる。腑(ふ)に落ちる。「先生の言葉が—・ちる」
胸(むね)に聞(き)・く
心の中でよく考える。「そのわけは自分の—・いてみたらいい」
胸(むね)に刻(きざ)・む
心にしっかりとどめる。「母の面影を—・む」
むね‐にく【胸肉】
鶏の胸部分の肉。脂肪分が少なく、味は淡泊。
胸(むね)に釘(くぎ)を打(う)・つ
急所をつかれて心を痛める。「小路隠れの家出のと聞く度ごとに、この伯母が胸には釘を打つ如く」〈浄・卯月の紅葉〉
胸(むね)に応(こた)・える
心に強く感じる。痛切な思いが残る。胸にひびく。「何気ない一言が—・えた」
胸(むね)に刺(さ)さ・る
心に強い衝撃を受ける。心に刺さる。「恩師の言葉が—・る」
胸(むね)に迫(せま)・る
ある思いが強く押し寄せる。感動する。「万感(ばんかん)—・る」
胸(むね)に畳(たた)・む
心の中にしまっておく。胸に納める。「思い出を—・む」
胸(むね)に手(て)を置(お)・く
心を落ちつかせるために両手を胸にあてがう。じっくり思案する。「—・いて思い出してごらん」
胸(むね)に響(ひび)・く
「胸に応える」に同じ。
胸(むね)に鑢(やすり)を掛(か)・ける
ひどく心を痛めて悩む。「この—・け、肝を猛火で熬(い)るやうな」〈浄・宵庚申〉
むね‐の‐うち【胸の内】
心の中で思っていること。腹の内。胸中(きょうちゅう)。「—を明かす」
むね‐の‐けむり【胸の煙】
胸の火が燃えるときに出る煙の意で、胸の中の激しい思い。また、その思いがかなえられない苦しみのたとえ。「袖の浪—は誰...
むね‐の‐せき【胸の関】
胸のふさがるのを関にたとえていう語。胸の関路(せきじ)。「—袖のみなととなりにけり思ふ心はひとつなれども」〈式子内...
胸(むね)の痞(つか)えが下(お)・りる
《「痞え」は、胸がふさがり苦しいこと》心の悩みや不満がなくなり、気持ちがすっきりする。「本当のことを打ち明けて、—...
むね‐の‐ひ【胸の火】
胸に燃える思い。恋慕や嫉妬(しっと)などの、熱く苦しい思いを火にたとえていう語。
胸(むね)の隙(ひま)あ・く
心が晴れやかになる。「思ひ結ぼほるる事ども、少しづつ語り聞こえ給ふぞ、こよなく—・く心地し給ふ」〈源・早蕨〉
むね‐の‐ほのお【胸の炎】
「胸の火」に同じ。
むね‐の‐まもり【胸の守り】
江戸時代、貴人の婚礼のとき、花嫁が白装束の上から胸に掛けて夫婦和合の印とした守り札。
むね‐はしり【胸走り】
「胸(むな)騒ぎ」に同じ。「かたはらいたしと思ひつつ、さすがに—するを」〈かげろふ・中〉
むねはしり‐び【胸走り火】
《「胸走り」と「走り火」とを重ねた語》胸騒ぎがして落ち着かない思いを、はじけ飛ぶ火にたとえていう語。「人に逢はむ月...
むね‐はば【胸幅】
胸のはば。特に洋裁で、左右のそでのつけ根からつけ根までの間のはば。
胸(むね)拉(ひし)・ぐ
「胸が潰れる」に同じ。「いかなる心地せむと、胸もひしげておぼゆ」〈源・総角〉
胸(むね)塞(ふた)が・る
「胸がふさがる」に同じ。「ありがたきにもいとど—・る」〈源・帚木〉
むね‐ふだ【棟札】
「むなふだ」に同じ。
むねべつ‐せん【棟別銭】
中世、家屋の棟数別に賦課された税。初めは寺社や朝廷の修造のために臨時に課されたが、室町中期以後はしだいに定期的なも...
むね‐まち【棟区】
刀身の棟と茎(なかご)との境目。⇔刃区(はまち)。
むね‐まちぎみ【棟梁臣】
《家屋の棟木になぞらえて》国家の重要な臣下。むねとるまちきみ。「武内宿禰(たけうちのすくね)に命(の)りて—となす...
むね‐まわり【胸回り】
胸囲(きょうい)。
むねむね・し【宗宗し】
[形シク] 1 主となるべき力量がある。おもだっている。「家司(けいし)なども—・しき人もなかりければ」〈源・橋姫...
ムネメ
木星の第40衛星。他の多くの衛星とは逆方向に公転している。2003年に発見。名の由来はギリシャ神話のゼウスの娘。非...
むね‐やけ【胸焼け/胸灼け】
胃から突き上げてくる、焼けつくような感じや疼痛(とうつう)に似た感覚。嘈囃(そうそう)。むなやけ。
むねよし‐しんのう【宗良親王】
⇒むねながしんのう(宗良親王)
むね‐わけ【胸分け】
「むなわけ」に同じ。「さを鹿の—にする秋の萩原」〈続後撰・秋上〉
むね‐わり【棟割(り)】
1 1棟の建物を壁で仕切って分割すること。 2 「棟割り長屋」の略。
むねわり‐ながや【棟割(り)長屋】
棟割りにして何世帯かが住めるようにした建物。
胸(むね)を痛(いた)・める
心を悩ます。ひどく心配する。「友人の不幸に—・める」
胸(むね)を打(う)・つ
強く感動させる。心を打つ。「勇敢な行動が人々の—・つ」
胸(むね)を躍(おど)ら・せる
喜びや興奮などで胸をわくわくさせる。胸を躍らす。「近づいた遠足に—・せる」
胸(むね)を貸(か)・す
相撲で、上位の力士が下位の者にけいこの相手をしてやる。また、一般に実力のある者が下の者の練習の相手をしてやる。
胸(むね)を借(か)・りる
相撲で、上位の力士にけいこの相手をしてもらう。また、一般に実力のある者に練習の相手をしてもらう。
胸(むね)を焦(こ)が・す
あれこれと思いわずらう。思いがつのって切なくなる。「恋に—・す」