かけ‐つの【懸(け)角】
《「かけづの」とも》平安時代以降、邪気を払うため、宮殿内の御帳台(みちょうだい)の入り口の左右の柱にかけたサイの角...
かけ‐づかさ【懸官】
「兼官(けんかん)」に同じ。「右大弁—、右近少将」〈宇津保・沖つ白浪〉
かけ‐づくり【懸(け)造(り)】
山や崖にもたせかけたり、谷や川の上に突き出したりして建てること。また、その建物。清水(きよみず)寺の舞台など。崖造...
かけ‐づつ【掛(け)筒/懸(け)筒】
柱や壁に掛けて用いる、筒の形をした花器。
かけ‐づめ【駆(け)詰め/駈け詰め】
休むことなく駆け続けること。かけどおし。「—に駆ける」
かけ‐づめ【懸(け)爪/繋け爪】
1 鶏や雉(きじ)の蹴爪(けづめ)。 2 琴を弾くときに指にはめる爪。琴爪。
かけ‐づり【掛(け)釣(り)】
⇒転がし2
かけ‐て【掛けて】
[副] 1 心にかけて。「山越しの風を時じみ寝(ぬ)る夜おちず家なる妹を—しのひつ」〈万・六〉 2 ちょっと。少し...
かけ‐て【掛けて】
[連語] 1 (「…にかけては」の形で用いる)…に関しては。…については。「早起きに—は彼の右に出る者はいない」 ...
かけて‐も【掛けても】
[副] 1 少しでも。「年ごろ殿しろしめすと、承らましかば」〈落窪・三〉 2 (下に打消しの語を伴う)少しも。いさ...
かけ‐で【駆け出/駈け出】
山伏が霊山での修行を終えて里へ出てくること。この時、体内に活力・霊力が充実しているという。かけいで。「三つの峰入り...
かけ‐と・む【掛け留む/懸け留む】
[動マ下二] 1 物に綱などを引っかけてとめる。「荒るる馬をいかでか人は—・めむ」〈かげろふ・上〉 2 関係をつけ...
かけ‐とり【掛(け)取り】
掛け売りの代金を取り立てること。また、その人。掛け乞い。《季 冬》
かけ‐とりひき【掛(け)取引】
代金を後日支払う契約で行う取引。⇔現金取引。
かけ‐ど【掛(け)戸】
敷居・鴨居の間に入れず、折れ釘に掛けてつるす戸。
かけ‐どい【懸け樋】
「筧(かけひ)」に同じ。
かけ‐どおし【駆(け)通し/駈け通し】
「駆け詰め」に同じ。「駅まで—で行く」
かけ‐どくり【欠(け)徳利】
1 口の欠けている徳利。 2 口の悪い人。また、おしゃべり。「—。…口のかけし徳利は出やすきゆゑ、よくしゃべるをい...
かけ‐どけい【掛(け)時計】
柱や壁などに掛けておく時計。
かけ‐どり【翔け鳥】
1 空を飛んでいる鳥。「—か水鳥を仰せつけられい、恐らくは射て御目にかけう、とおしゃれ」〈虎寛狂・八幡の前〉 2 ...
かけ‐な【掛(け)菜/懸(け)菜】
「干葉(ひば)」に同じ。《季 冬》「程あらで—にむつき干す家かな/白雄」
かけ‐ながし【掛(け)流し】
1 その場かぎりで、真実味のないこと。「その場かぎり、—の心易いはなしなれど」〈荷風・かたおもひ〉 2 品物などを...
かけ‐なげ【掛(け)投げ】
相撲のきまり手の一。相手の差し手を小手に巻き、巻いた側の足を相手の内またに入れ、はね上げるようにして投げる技。絡(...
かけ‐なわ【掛(け)縄】
1 馬の口につける縄。〈和名抄〉 2 鳴子(なるこ)を引き鳴らす縄。「時しあれば田子の—永き日もなほいとなくや早苗...
かけ‐ぬ・ける【駆(け)抜ける/駈け抜ける】
[動カ下一][文]かけぬ・く[カ下二] 1 走って通り過ぎる。走って通り抜ける。「敵陣を一気に—・ける」「伊勢路を...
かけ‐ね【掛(け)値】
1 値切られることを予想して、実際の販売価格よりも値段を高くつけること。また、その値段。「当店は—は致しません」 ...
かけ‐ねんぶつ【掛(け)念仏】
念仏講などで、大勢が声高に念仏をとなえること。鉦(かね)や木魚をたたくこともある。かけねぶつ。
かけ‐の‐うお【懸(け)の魚】
1 漁がうまくいったお礼として漁師が神に供える魚。かけざかな。かけのいお。 2 正月の飾り物として幸い木につるす魚...
かけ‐はぎ【掛け接ぎ/掛け矧ぎ】
布が破れたりしたときに、ついだ所がほとんどわからないようにはぎ合わせる方法。かけつぎ。
かけ‐はし【懸(け)橋/掛(け)橋/桟/梯】
1 険しいがけに沿って通行するために板を棚のようにさしかけて造った道。桟道。 2 谷や川など、水の上にかけ渡した橋...
かけはし‐がわ【梯川】
石川県南西部を流れる川。小松市南部の山地に源を発する大杉谷川と郷谷(ごうたに)川が合流してできた川。さらに、いくつ...
かけ‐はずし【掛(け)外し】
1 掛けたり外したりすること。 2 魚釣りで、釣り針が水中で物にひっかかったときに外す道具。
かけ‐はな【掛(け)花】
四季の花や鳥を組み合わせて薬玉(くすだま)の形に作り、部屋飾りに用いたもの。江戸時代、公家の間で多く行われた。
かけ‐はな・れる【掛(け)離れる/懸(け)離れる】
[動ラ下一][文]かけはな・る[ラ下二] 1 遠くへ離れる。隔たる。「都会から—・れた所」 2 両者の間が大きく違...
かけ‐ばいばい【掛(け)売買】
商品の授受の後、一定の期日を経て代金の受け払いをする約束の売買。
かけ‐ばな【掛(け)花/懸(け)花】
生け花で、壁・柱などに掛けた花器に生けた花。→置き花 →釣り花
かけ‐ばらい【掛(け)払い】
掛け買いの代金を支払うこと。
かけ‐ばり【掛(け)針/掛け鉤】
1 裁縫で、布がたるまないように引っ張っておく、釣り針形の道具。くけ台の役目をする。 2 長い柄の先に鉤(かぎ)を...
かけ‐ばん【懸(け)盤/掛(け)盤】
食器をのせる台。格狭間(こうざま)を透かした台に折敷(おしき)をのせたもの。江戸時代には、台に折敷を取り付けて形式...
かけ‐ひ【筧/懸け樋】
地上にかけ渡して水を導く、竹や木の樋(とい)。かけどい。かけい。
かけ‐ひき【駆(け)引き/懸(け)引き】
[名](スル)《戦場で、進むことを「かけ」、退くことを「ひき」というところから》 1 商売や交渉・会議などで、相手...
かけ‐ひげ【懸け髭】
つけひげの一種。紙でひげを作り、こよりで耳にかけるようにしたもの。内密に遊里に通う者などが用いたという。
かけ‐ひも【掛け紐/懸け紐】
物にかけ渡して、動かないように結んでおくひも。
かけ‐びな【掛け雛】
雛人形を描いた掛け軸。絵びな。
かけ‐びんかずら【懸け鬢鬘】
鬢髪(びんぱつ)のついた男髷(おとこまげ)のかつらをかぶること。坊主頭の者が変装するときなどに用いる。
かけ‐ぶくさ【掛け袱紗】
進物や貴重品の上に掛ける袱紗。綴(つづ)れ織りなどの上質な織物で作る。
かけ‐ふだ【掛(け)札/懸(け)札】
1 目につきやすい所に掛けておく札。門札や看板など。 2 江戸時代、幕府や領主からの通知事項を記して掲げた札。特に...
かけ‐ぶとん【掛(け)布団】
寝るとき、からだの上にかける布団。かけぶすま。《季 冬》
かけ‐ぶすま【掛け衾】
掛け布団。《季 冬》
かけ‐へだた・る【懸(け)隔たる】
[動ラ五(四)] 1 遠く離れる。「父は常に我々とは—・った奥の二間を専領していた」〈漱石・行人〉 2 両者の間に...