やなぎ【柳】
1 ヤナギ科ヤナギ属の落葉樹の総称。一般に湿地に多く、低木または高木で、葉はふつう互生する。雌雄異株。主に早春、花...
やなぎ【柳】
姓氏の一。 [補説]「柳」姓の人物柳宗理(やなぎそうり)柳宗悦(やなぎむねよし)
やなぎ‐いろ【柳色】
1 くすんだ黄緑色。 2 織り色の名。縦糸を萌葱(もえぎ)色、横糸を白で織ったもの。
やなぎ‐うみえら【柳海鰓】
花虫綱ヤナギウミエラ科の腔腸(こうちょう)動物。浅海の砂泥底に直立し、長さ30〜40センチ。橙色の角質の太い骨軸が...
やなぎ‐かげ【柳陰/柳蔭】
1 柳の木陰。《季 春》 2 「本直(ほんなお)し」に同じ。
やなぎ‐かご【柳籠】
生の柳の枝で編んだ籠に石を入れたもの。河川の護岸工事などに用いる。
やなぎ‐がさね【柳襲】
「柳2」に同じ。
やなぎ‐ごうり【柳行李】
コリヤナギの枝の皮を除いて乾かしたものを、麻糸で編んで作った行李。やなぎごり。
やなぎ‐ごし【柳腰】
《「柳腰(りゅうよう)」を訓読みにした語》細くしなやかな腰つき。また、細腰の美人。
やなぎ‐さび【柳皺】
近世に流行した烏帽子(えぼし)の皺(さび)。柳の葉のように横に細長いしわを寄せたもの。また、その烏帽子。
やなぎさわ【柳沢】
姓氏の一。 [補説]「柳沢」姓の人物柳沢淇園(やなぎさわきえん)柳沢吉保(やなぎさわよしやす)
やなぎさわ‐きえん【柳沢淇園】
[1704〜1758]江戸中期の文人・画家。字(あざな)は公美(こうび)。柳里恭(りゅうりきょう)ともよばれる。大...
やなぎさわ‐よしやす【柳沢吉保】
[1659〜1714]江戸中期の大名。徳川綱吉の側用人となり、やがて老中格から大老格となって甲府15万石を領した。...
やなぎ‐しぼり【柳絞(り)】
柳の葉のような柄を染め出した絞り染め。滝絞り。
やなぎ‐そうり【柳宗理】
[1915〜2011]インダストリアルデザイナー。東京の生まれ。本名、むねみち。宗悦(むねよし)の子。白磁の食器か...
やなぎた【柳田】
姓氏の一。 [補説]「柳田」姓の人物柳田国男(やなぎたくにお)
やなぎた‐くにお【柳田国男】
[1875〜1962]民俗学者。兵庫の生まれ。貴族院書記官長を退官後、朝日新聞に入社。国内を旅して民俗・伝承を調査...
やなぎ‐たで【柳蓼】
タデ科の一年草。水辺に生え、高さ40〜60センチ。柳に似て細長い葉を互生し、鞘(さや)状の托葉(たくよう)をもつ。...
やなぎだ【柳田】
姓氏の一。 [補説]「柳田」姓の人物柳田邦男(やなぎだくにお)
やなぎだ‐くにお【柳田邦男】
[1936〜 ]ノンフィクション作家。栃木の生まれ。NHKの記者時代に、航空機事故の原因を追及した「マッハの恐怖」...
やなぎだに‐かんのん【柳谷観音】
楊谷寺(ようこくじ)の通称。
やなぎ‐だる【柳樽】
柄樽(えだる)の一種で、長い2本の柄のある、祝儀用の酒樽。朱漆で塗り、定紋をつけたものもある。→柄樽 →角樽(つの...
やなぎだる【柳多留】
「誹風(はいふう)柳多留」の略称。
やなぎ‐とうば【柳塔婆】
柳の木や枝を塔婆として立てるもの。三十三回忌など最終年忌に立てる。
柳(やなぎ)に受(う)・ける
逆らわないで、されるがままになる。「這箇(こっち)が—・けて聞いて居て遣りゃ、可いかと思って増長して」〈紅葉・金色夜叉〉
柳(やなぎ)に風(かぜ)
柳が風になびくように、逆らわずに穏やかにあしらうこと。「—と受け流す」
柳(やなぎ)に蹴鞠(けまり)
図柄の一種で、柳のそばで蹴鞠をしている絵。蹴鞠する庭の四隅には、ふつう柳を植えた。
柳(やなぎ)に雪折(ゆきお)れ無(な)し
柳の枝はよくしなうので雪の重みで折れることはない。柔らかいものは、堅いものよりかえってよく持ちこたえるというたとえ。
やなぎ‐の‐いと【柳の糸】
細くてしなやかな柳の枝を糸に見立てていう語。《季 春》
やなぎ‐の‐かずら【柳の鬘】
柳の若枝で作った髪飾り。3月の節句に用いた。やなぎかつら。「鮮やかなる衣(きぬ)に、—つけなどして」〈たまきはる〉
やなぎ‐の‐かみ【柳の髪】
1 柳の枝が細く長いのを髪に見立てていう語。「春風や—をけづるらん緑のまゆも乱るばかりに」〈新千載・春上〉 2 女...
やなぎのしき【柳の四季】
堤千代の短編小説、および同作を表題作とする小説集。昭和17年(1942)刊行。
柳(やなぎ)の下(した)に何時(いつ)も泥鰌(どじょう)は居(い)ない
一度柳の下で泥鰌を捕らえたからといって、それがいつもそこにいるわけではない。一度偶然に幸運を得られても、再度同じ方...
やなぎのばんば‐どおり【柳馬場通り】
京都市街地を南北に走る道路の呼び名。北の丸太町通りから南の五条通りに至る。全長約2.3キロ。平安京の万里(までの)...
やなぎ‐の‐ま【柳の間】
《襖(ふすま)に雪と柳の絵があったところからの名》江戸城本丸殿中の居間。大広間と白書院との間にある中庭の東側にあり...
やなぎ‐の‐まゆ【柳の眉】
1 柳の枝に萌(も)え出た若芽を眉に見立てていう語。 2 《「柳眉(りゅうび)」を訓読みにした語》女性のほっそりし...
やなぎ‐は【柳派】
落語家の一派。麗麗亭柳橋を祖とし、一門は多く春風亭・柳亭(りゅうてい)・柳家(やなぎや)を名のった。
柳(やなぎ)は緑(みどり)花(はな)は紅(くれない)
《蘇軾「柳緑花紅真面目」から》 1 自然のままであること。 2 春の美しい景色を形容する言葉。 3 ものにはそれぞ...
やなぎわら‐びゃくれん【柳原白蓮】
[1885〜1967]歌人。東京の生まれ。本名、宮崎燁子(あきこ)。佐佐木信綱に師事し短歌雑誌「心の花」に作品を発...
やなぎはら‐りょうへい【柳原良平】
[1931〜2015]イラストレーター・漫画家。東京の生まれ。洋酒のイメージキャラクター「アンクルトリス」をデザイ...
やなぎ‐ば【柳葉】
1 柳の葉。りゅうよう。 2 ⇒やないば1
やなぎ‐ば【柳刃】
「柳刃包丁」の略。
やなぎ‐ばこ【柳筥】
⇒やないばこ
やなぎ‐ばし【柳箸】
正月の祝い膳(ぜん)用の、柳の木で作った太箸。折れにくく縁起がよいとされる。《季 新年》「—今年は母の亡かりけり/碧童」
やなぎばし【柳橋】
東京都台東区の地名。東を隅田川、南を神田川が流れ、神田川に柳橋が架かる。江戸時代から花柳街として繁栄。
やなぎば‐ぼうちょう【柳刃包丁】
刺身包丁の一。柳の葉のように幅が細く先がとがっているもの。やなぎば。
やなぎまち‐みつお【柳町光男】
[1945〜 ]映画監督。茨城の生まれ。暴走族を追った記録映画「ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPERO...
やなぎ‐むしがれい【柳虫鰈】
カレイ科の海水魚。全長約25センチ。体は平たく長楕円形で、口は小さい。一夜干しが美味。
やなぎ‐むねよし【柳宗悦】
[1889〜1961]美術評論家・宗教哲学者。東京の生まれ。雑誌「白樺」の創刊に参加。のち民芸運動を提唱・推進した...
やなぎ‐も【柳藻】
ヒルムシロ科の多年草。小川などの水中に生え、水流になびく。全体に褐緑色で、茎は細く、葉は柳に似て細長く、互生する。...