いとど
カマドウマの古名。《季 秋》「海士(あま)の屋は小海老(こえび)にまじる—かな/芭蕉」
いとど
[副]《副詞「いと」の重なった「いといと」の音変化という》 1 程度が以前よりもはなはだしいさま。いっそう。いよい...
いと‐どころ【糸所】
平安時代、中務省(なかつかさしょう)の縫殿寮(ぬいどのりょう)に属した役所。端午の薬玉(くすだま)などを作った。
いとど・し
[形シク]《副詞「いとど」の形容詞化》さらにはなはだしい。いよいよ著しい。「—・しく虫の声(ね)しげき浅茅生に露置...
いと‐な・し【暇無し】
[形ク]ひまがない。絶え間がない。忙しい。「一歳(ひととせ)に二度(ふたたび)も来(こ)ぬ春なれば—・く今日は花を...
いと‐なます【糸膾】
魚肉・大根・ニンジンなどを細く切って、三杯酢であえた料理。
いとなみ【営み】
1 物事をすること。行為。作業。「自然の—」「従来の教育と其—の性質(しな)によりて」〈逍遥・小説神髄〉 2 生活...
いとな・む【営む】
[動マ五(四)]《形容詞「いとなし」の動詞化》 1 忙しく物事をする。怠ることなく励む。「社会生活を—・む」 2 ...
いと‐にしき【糸錦】
1 数種の色糸で文様を織り出した織物。女帯地などに用いる。近世初期に中国から伝来。主産地は、京都・桐生。 2 《組...
いとのき‐て
[副]《「甚(いと)除(の)きて」の意》特別に。とりわけ。ことのほか。「—痛き傷には辛塩を注(そそ)くちふ(=トイ...
いと‐の‐くつ【糸の鞋】
「糸鞋(しがい)」に同じ。
いと‐の‐くに【伊都国】
弥生時代、九州北部にあったという国。邪馬台国(やまたいこく)に従属。中国大陸・朝鮮半島との往来の中継地であったとい...
いと‐のこ【糸鋸】
透かし抜きや曲線に切るときに使う、薄くて細い刃ののこぎり。
いとのせいいき【絃の聖域】
栗本薫の長編推理小説。昭和55年(1980)刊。翌昭和56年(1981)、第2回吉川英治文学新人賞を受賞。探偵の伊...
いとはっくつ【異都発掘】
荒俣宏の著作。副題「新東京物語」。失われつつある遺物を手がかりに、軍事、風水などさまざまな切り口から東京の都市の記...
いと‐はん
《「はん」は「さん」の音変化》(関西地方で)お嬢さん。いとさん。
いと‐ばな【糸花】
練り絹の糸を結んで作った花。挿頭(かざし)花・薬玉(くすだま)などに用いた。結び花。花結び。
いと‐ひおどし【糸緋威】
鎧(よろい)の、緋色の組糸による威(おどし)。紅糸威。
いと‐ひき【糸引き】
1 糸を引き伸ばすこと。糸を引き伸ばしたようになること。「—納豆」 2 「糸取り1」に同じ。 3 他の人を操って行...
いとひき‐あじ【糸引鰺】
アジ科の海水魚。全長約90センチ。体はひし形で側扁し、銀白色。幼魚および若魚では背びれ・しりびれ前部の軟条各数本が...
いと‐ひば【糸檜葉】
ヒヨクヒバの別名。
いと‐ひめ【糸姫】
製糸・織物工場の女子工員の称。
いと‐びな【糸雛】
雛人形の頭(かしら)を糸で作った雛。鹿児島・高知のものが有名。
いと‐びん【糸鬢】
近世、男性の髪形の一。月代(さかやき)を広く左右に剃り下げ、鬢を細く糸のように残して、髷(まげ)を頭の後方に低く結...
いとびん‐やっこ【糸鬢奴】
糸鬢に結った奴。また、その髪形。「—か、くりくり坊主にするか」〈人・梅児誉美・後〉
いと‐ぶ【糸歩】
一定量の生繭(せいけん)から取れる生糸の割合。ふつう、17パーセントぐらい。生糸歩合。糸目。
いと‐へん【糸偏】
1 漢字の偏の一。「綿」「織」などの「糸」の称。 2 紡績・合繊・織布などの繊維産業のこと。また、その株。「—景気」
いと‐ま【暇/遑】
《「いと」は「いとなし」の「いと」で休みの時、「ま」は間の意》 1 用事のない時間。ひま。「休む—もない」 2 一...
いと‐まき【糸巻(き)】
1 糸を巻いておくこと。また、そのための道具。 2 釣り糸を巻き収める道具。 3 三味線などの弦楽器の棹(さお)の...
いとまき‐えい【糸巻鱝】
エイ目イトマキエイ科の海水魚。全長約2.5メートル。体はひし形で扁平、尾は細いむち状。頭に耳の形をしたひれが一対あ...
いとまきがた‐しゅうさ【糸巻(き)型収差】
⇒糸巻き型歪曲
いとまきがた‐わいきょく【糸巻(き)型歪曲】
カメラなどの光学系に生じる歪曲収差の一。画面周辺部の直線が内側に曲がるため、方眼面を撮影すると中心部に向かって糸巻...
いとまきのせいぼ【糸巻きの聖母】
《原題、(イタリア)Madonna dei Fusi》⇒糸車の聖母
いとまき‐の‐たち【糸巻の太刀】
柄(つか)と、鞘口(さやぐち)から帯取りの二の足金物あたりまでを平組の糸で巻いた太刀。
いとまき‐ひとで【糸巻海星】
イトマキヒトデ科のヒトデ。潮間帯の岩礁にすむ。腕の切れ込みが浅く、体はほぼ五角形で、直径8センチくらい。背面は青緑...
いとまき‐ぼら【糸巻法螺】
イトマキボラ科の巻き貝。岩礁にすむ。貝殻は紡錘形で、殻高約15センチ。全体に褐色で、糸を巻いたようなすじがあり、螺...
いとまき‐ボール【糸巻(き)ボール】
ゴルフボールで、芯に糸ゴムを伸ばして巻きつけ、合成ゴムの薄い表皮をかぶせたもの。三重構造になるところからスリーピー...
いとま‐ごい【暇乞い】
[名](スル) 1 別れを告げること。別れの言葉。「故郷に帰りますので—に参りました」 2 ひまをくれるように願い...
いと‐まさめ【糸柾目】
木材の柾目が、糸のように細くて密なもの。いとまさ。⇔粗柾目(あらまさめ)。
いとま‐ぶみ【暇文】
1 休暇または辞職を願う文書。「太政大臣、—出だして参り給はず」〈宇津保・国譲下〉 2 離縁状。
暇(いとま)申(もう)・す
1 休暇を取りたいとお願い申し上げる。「おほやけには、筑紫の国に湯あみにまからむとて—・して」〈竹取〉 2 別れの...
いと‐まゆ【糸眉】
糸のように細い眉。鶯眉(うぐいすまゆ)。
いとまる‐がわら【糸丸瓦】
丸瓦のうち、最も細い直径7センチ前後のもの。築地塀(ついじべい)などに用いる。糸丸。
暇(いとま)を取(と)・る
主人や夫に願い出て、主従や夫婦の関係を断ち切る。「—・って郷里に帰る」
暇(いとま)をや・る
使用人などに対し、関係を断つ。ひまをやる。
いとまん【糸満】
沖縄県、沖縄島南西端の市。古くから漁業が盛ん。沖縄戦最後の激戦地で、ひめゆりの塔などの戦跡がある。人口5.7万(2...
いとまん‐し【糸満市】
⇒糸満
いと‐みち【糸道】
1 三味線・琴などを弾く技能。 2 常に三味線を弾く人の左人さし指の爪の先に、弦との摩擦でできたくぼみ。糸爪(いと...
糸道(いとみち)があ・く
一人前に三味線・琴などが弾けるようになる。「少しは—・いているのだからといって、三味線も教えてくれた」〈秋声・足迹〉
いと‐みみず【糸蚯蚓】
イトミミズ科のミミズ。人家に近い溝などの泥中に群生。体は赤い糸状で、体長8センチくらい。飼育魚などの餌にする。あかご。