こうりょういっすい【黄粱一炊】
⇒ いっすいのゆめ(一炊之夢)
こうりょうしてい【膏粱子弟】
富貴の家に生まれた者のこと。おいしいごちそうを食べる若者の意。▽「膏」は脂あぶらののった肉。「粱」はおいしい上質の穀物。いずれも美食の意。転じて、富貴な人。
こうりょうゆうかい【亢竜有悔】
高い地位についた人、名声を得た人、また、大金持ちになった人など、栄耀栄華えいようえいがをきわめた人たちは、つつしまないと大きな失敗をして後で後悔するということ。また、それを戒めることば。
こうろくのちだい【光禄池台】
立派な邸宅のこと。
こうろんおつばく【甲論乙駁】
互いにあれこれ主張して議論がまとまらないこと。甲の人が論ずると、乙の人がそれに反対するというように議論がいろいろと出る意から。
こうろんたくせつ【高論卓説】
普通の人では考え及ばないようなすぐれた意見や議論のこと。▽「高」は程度の非常に高いこと。「卓」は他に抜きんでてすぐれていること。
こうんやかく【孤雲野鶴】
世俗から遠ざかった隠者のたとえ。
こえいしょうぜん【孤影悄然】
一人ぼっちでさびしげなさま。一人だけで悲しむさま。▽「孤影」は一人ぼっちでさびしげな姿。「悄然」は憂い悲しむさま。物さびしいさま。「悄」は「蕭」とも書く。
こおうこんらい【古往今来】
昔から今に至るまで。昔から。▽「古往」は昔。いにしえ。「今来」は今に至るまで。「今来」は「きんらい」とも読む。また、「今来古往こんらいこおう」ともいう。
こかこい【狐仮虎威】
権力や権威のある者の威力を借りて、自分勝手に振る舞うたとえ。また、有力者の威力をかさに着て、勝手に振る舞う者のたとえ。▽「狐きつね、虎とらの威いを仮かる」と訓読する。「虎とらの威いを仮かる狐きつね」が慣用句。
こかふこく【孤寡不穀】
王や諸侯のみずからへりくだった自称。
こぎしゅんじゅん【狐疑逡巡】
きつねが疑い深いように、なかなか決心がつかず、ぐずぐずしていること。優柔不断なさま。▽「逡巡」は後ずさりする、ためらいぐずぐずすること。「巡」は「循」とも書く。
こぎゅうこば【呼牛呼馬】
相手の言うのにまかせて、自分では逆らわないことのたとえ。相手が自分を牛と呼べば自分は牛だと思い、馬だと呼ばれれば自分は馬だと思う意。▽「牛うしと呼よび馬うまと呼よぶ」と訓読する。
こくいせんよう【国威宣揚】
国家の威光を示すこと。
こくさくのきよう【告朔餼羊】
古くから続いている習慣や年中行事は、理由もなく廃絶してはならないということのたとえ。
こくしむそう【国士無双】
国中で並ぶ者がないほどすぐれた人物のこと。▽「国士」は国の中で傑出した人のこと。「無双」は二つとない、並ぶものがないこと。もと、漢かんの蕭何しょうかが、後に軍の指揮官として漢王朝の成立に大功をあげた韓信かんしんを評して、劉邦りゅうほう(漢の高祖)に推薦したときの語。
こくしゅうきゅうけん【刻舟求剣】
時代の変化を知らずに、古い方法や慣習などに固執することのたとえ。
こくしょくてんこう【国色天香】
牡丹ぼたんのこと。また、非常に美しい人の形容。▽「国色」は国中で第一の美しい色。また、国一番の美人。「天香」は天のものかと思うばかりの妙たえなる香り。すばらしい香りの意。「天香国色てんこうこくしょく」ともいう。出典に引用された李正封りせいほうの詩句「国色朝あしたに酒を酣たのしみ、天香夜に衣を染む」による。
こくちょうのきゅう【黒貂之裘】
非常に高価なもののたとえ。
こくびゃくぶんめい【黒白分明】
物事の是非や善悪などの区別がはっきりしているさま。
こくふうはくう【黒風白雨】
暴風とにわか雨。暴風雨。▽「黒風」はちりやほこりを巻き上げる強い風。暴風。「白雨」はにわか雨のこと。
こくりみんぷく【国利民福】
国の利益と人民の幸福のこと。▽「国利」は国家の利益。国益。
こくれいてい【孤苦零丁】
身寄りもなく落ちぶれて苦しむこと。▽「孤苦」は孤独で貧しく困窮すること。「零丁」は孤独で頼るところのないさま。また、「零丁孤苦れいていこく」ともいう。
こくろせいしゅう【刻露清秀】
秋の気候のさっぱりとすがすがしいさま。秋の景色のすがすがしいさま。▽「刻露」は木の葉が落ちて、山の姿が厳しく現れること。「清秀」は気が澄んで清く、眺めの秀麗なさま。
こぐんふんとう【孤軍奮闘】
支援する者がない中、一人で懸命に戦うこと。また、一人で難事業に向かって鋭意努力すること。孤立した少数の軍勢が、敵と懸命に戦う意から。▽「孤軍」は味方から孤立した少人数の軍隊のこと。
こけいさんしょう【虎渓三笑】
ある物事に熱中するあまり、他のことをすべて忘れてしまうことのたとえ。
こけつこし【虎穴虎子】
多少の危険を冒さなければ、大きな成果や業績は得られないということ。
ここうのしん【股肱之臣】
主君の手足となって働く忠実な家来のこと。また、いつも身近にいて信頼できる腹心の部下のこと。
ここべつべつ【個個別別】
一つ一つが別であること。一つ一つを切り離して別々にすること。
ここんとうざい【古今東西】
昔から今まで、あらゆる場所で。いつでもどこでも。▽「古今」は昔と今。昔から今まで。「古今」は時間の流れ、「東西」は空間の広がり。「東西古今とうざいここん」ともいう。
ここんどっぽ【古今独歩】
昔から今に至るまでで比べるものがないほどすぐれていること。▽「古今」は昔から今までの意。「独歩」は他に並ぶものがないほどすぐれていること。
ここんむそう【古今無双】
昔から今まで並ぶものがないこと。▽「無双」は並ぶものがないこと。「双」はならぶ、匹敵する意。
こししゅきゅう【狐死首丘】
故郷を忘れないことのたとえ。また、物事の根本を忘れないことのたとえ。
こしたんたん【虎視眈眈】
強い者が機会をねらって形勢をうかがっているさま。とらが獲物をねらって、鋭い目でじっと見下ろす意から。▽「虎視」はとらが獲物をねらい見ること。「眈眈」はとらが見下ろすさま。ねらい見るさま。
こしょうふうしょう【虎嘯風生】
すぐれた才能や技能をもつ人が機会を得て奮起すること。
こしょくそうぜん【古色蒼然】
ひどく古びたさま。いかにも古めかしいさま。また、古めかしく趣のあるさま。▽「古色」は年を経た物の古びた色合い。古風な趣。「蒼然」は古びた色のさま。
こじゅせいか【枯樹生華】
非常な困難のさなかに活路を得るたとえ。また、老い衰えた人が生気を取り戻すたとえ。枯れ木に花が咲く意から。もとはこの上ない真心が通じることをたとえたもの。▽「華」は「花」とも書く。「枯樹こじゅ、華はなを生しょうず」と訓読する。
こじょうらくじつ【孤城落日】
勢いが衰えて助けもなく心細いさま。孤立して援軍のない城が、沈もうとする夕日に照らされている光景。▽「孤城」は孤立して援軍の来ない城のこと。「落日」は西に沈む夕日。
こじらいれき【故事来歴】
古くから伝わっている事柄について、由来・歴史や伝来の事情など。▽「故事」は昔から伝わっているいわれや話。「来歴」は由来やいきさつ。「故」は「古」とも書く。
こそんにゅうたい【胡孫入袋】
重要な役職について自由がきかなくなることのたとえ。在野の人が官職について自由が奪われることのたとえ。また、一般に自由に物事ができないことのたとえ。
こだいもうそう【誇大妄想】
自分の地位・財産・能力などの現状を実際より過大に評価して、自分が他人よりもはるかにすぐれていると思い込むこと。▽「妄想」は根拠のない誤った判断によって作られた主観的な信念。
こちゅうのてん【壺中之天】
別世界、別天地のこと。また、酒を飲んで俗世間を忘れることのたとえ。
こちょうのゆめ【胡蝶之夢】
夢か現実かはっきりわからないさま。また、人の世がはかないこと、人生がはかないことのたとえ。
こっきふくれい【克己復礼】
私情や私欲に打ち勝って、社会の規範や礼儀にかなった行いをすること。▽「克」は勝つ意。また、抑える、約す意。「克己」は自分の欲望や私情に勝つこと。また、わが身を慎むこと。「復」は返る意。「復礼」は礼の道に立ち返る、従うこと。「己おのれに克かちて礼れいに復ふくす」と訓読する。もと、孔子が重んじた「仁」について、弟子の顔淵がんえんに答えた語。
こっくべんれい【刻苦勉励】
心身を苦しめて仕事や勉学に励むこと。▽「刻苦」は非常な苦労をすること。「刻」は責める、苦しめる意。「勉励」は務め励むこと。
こっけいしゃだつ【滑稽洒脱】
知力に富み、巧みにおもしろく言いこなして、俗気がなく、さっぱりとしているさま。▽「滑稽」は機知に富む言葉が、すらすらと滑らかに出るさま。「洒脱」は俗気がなく、さっぱりしているさま。
こつにくそうしょく【骨肉相食】
親子兄弟など肉親同士が争うこと。
こつにくのしん【骨肉之親】
親や兄弟など血筋のつながっている人のこと。また、それらの間の深い愛情のたとえ。
ことうだび【虎頭蛇尾】
最初は勢いがいいが、最後はふるわないことのたとえ。
こはるびより【小春日和】
冬の初めの時期の、春のように暖かい気候のこと。また、陰暦十月ごろの暖かい天候のこと。