くさ‐はら【草原】
草の茂っている野原。
くさ‐ば【草葉】
草の葉。
くさば‐いろ【草葉色】
⇒草色
くさ‐ばな【草花】
花の咲く草。また、草に咲く花。《季 秋》
くさば‐の‐かげ【草葉の陰】
《草の葉の下の意から》墓の下。あの世。「—から見守る」
くさば‐の‐たま【草葉の玉】
草の葉に置く露。「おきてみば袖のみ濡れていとどしく—の数やまさらむ」〈新古今・恋三〉
くさば‐の‐つゆ【草葉の露】
草の葉に置く露がすぐ消えるところから、人の命などのはかないことのたとえ。「わが思ふ人は—なれやかくれば袖のまづそほ...
くさば‐の‐とこ【草葉の床】
草の葉を敷いて寝床とし、野宿すること。「萌え出づる—や惜しからん焼け野に帰る夕ひばりかな」〈新撰六帖・二〉
くさば‐はいせん【草場佩川】
[1787〜1867]江戸後期の儒学者・漢詩人。肥前の人。名は韡。字(あざな)は棣芳。江戸で古賀精里に学び、佐賀藩...
くさ‐ひき【草引き】
雑草を引き抜いて取り除くこと。草取り。「田の—をする」
くさ‐ひば【草檜葉/巻柏】
イワヒバの別名。
くさ‐ひばり【草雲雀】
直翅(ちょくし)目クサヒバリ科の小形のコオロギ。体色は淡黄褐色で黒褐色の点や帯紋がある。雄は昼間からフィリリリと高...
くさ‐びら【草片/蔬/茸/菌】
《古くは「くさひら」》 1 (茸・菌)きのこ類。《季 秋》「飢えては樹菓(このみ)—に、渇いては石の罅隙(はざま)...
くさび【楔/轄】
1 木や金属で、一端が厚く他端に至るにしたがって薄くなるように作ったもの。木材・石材を割るとき、重い物を押し上げる...
くさび‐いし【楔石】
1 石造り・煉瓦(れんが)造りのアーチ形の頂点の中央に差し入れる石。要石(かなめいし)。せりもち石。 2 ⇒チタン石
くさび‐がた【楔形】
一端が広く他端に至るにしたがってしだいに狭くなっている、楔に似た形。
くさびがた‐もじ【楔形文字】
古代の小アジア世界で、粘土板に刻まれた楔に似た形の文字。表意文字から表音文字に移行する段階にあり、一般に1字が1音...
くさびら【菌/茸】
狂言。屋敷内にきのこが生えて困り、山伏に祈祷(きとう)を頼むが、祈れば祈るほどきのこは増えていく。茸(くさびら)山伏。
くさびら‐いし【草片石/石芝】
花虫綱クサビライシ科の腔腸(こうちょう)動物。単体のイシサンゴ。楕円形で、長径約20センチ。上面は薄いひだが放射状...
楔(くさび)を打(う)ち込(こ)・む
1 敵陣の中に攻め込んで、その勢力を二分する。また、他の勢力範囲の中に地盤を築く。「一社独占の市場に—・む」 2 ...
楔(くさび)を刺(さ)・す
後日問題が起こらないように、しっかりと約束を確かめる。念をおす。
くさ‐ふ【草生】
草の生えている所。くさはら。「一連出来上がるごとに、畔の—の上にひろげ」〈島木健作・生活の探求〉
くさ‐ふぐ【草河豚】
フグ目フグ科の海水魚。全長約15センチ。背側は青緑色に小白点があり、腹側は白い。青森県以南の沿岸に分布、砂に潜る習...
くさ‐ふじ【草藤】
マメ科の蔓性(つるせい)の多年草。山野の草むらに生える。葉は多数の小葉からなる羽状複葉で、先が巻きひげになる。夏、...
くさ‐ぶえ【草笛】
草の葉や麦などの茎を口にあて、笛のように吹いて鳴らすもの。《季 夏》「友だちのなき—を鳴らしけり/風生」
くさ‐ぶか・い【草深い】
[形][文]くさぶか・し[ク] 1 草が生い茂っているさま。「—・い山道」 2 いかにも田舎めいている。ひなびてい...
くさぶか‐の【草深野】
草の生い茂っている野原。草深い野。「たまきはる宇智の大野に馬並(な)めて朝踏ますらむその—」〈万・四〉
くさぶか‐ゆり【草深百合】
草深い所に咲いているユリ。「道の辺(へ)の—の花咲(ゑ)みに笑みしがからに妻と言ふべしや」〈万・一二五七〉
くさ‐ぶき【草葺き】
茅(かや)・葦(あし)・藁(わら)などで屋根を葺くこと。また、その屋根。
くさ‐ぶし【草臥し】
1 鹿などが草の上に寝ること。また、その場所。「野分(のわき)せし小野の—あれはてて深山に深きさを鹿の声」〈新古今...
くさ‐ぼうき【草箒】
乾燥させたホウキグサの茎や枝を束ねて作ったほうき。
くさ‐ぼけ【草木瓜】
バラ科の落葉小低木。山野に生え、高さ約50センチ。枝には小さな突起があり、葉は倒卵形。春、葉より先に赤色の5弁花を...
くさ‐ぼたん【草牡丹】
キンポウゲ科の多年草。山地に生え、高さ約1メートル。葉は複葉で牡丹の葉に似る。秋に紫色で釣鐘状の花が多数咲く。《季 秋》
くさ‐まくら【草枕】
[名]《旅先で、草で仮に編んだ枕の意から》旅寝すること。旅先でのわびしい宿り。くさのまくら。「衣うつ音を聞くにぞ知...
くさまくら【草枕】
夏目漱石の小説。明治39年(1906)発表。旅に出た青年画家を主人公に、非人情の境地を描く。
くさま‐なおかた【草間直方】
[1753〜1831]江戸後期の商人・学者。大坂の人。通称、鴻池屋伊助。両替商を営みながら、貨幣経済の構造や沿革を...
くさ‐み【臭み】
1 その物にある嫌なにおい。また、そのにおう度合い。「独特の—がある植物」 2 その物から受け取る不快な感じ。嫌み...
くさ‐むしり【草毟り】
雑草をむしり取ること。草取り。除草。《季 夏》
くさ‐むしろ【草筵】
1 藁(わら)などで作った筵。 2 筵を敷きつめたように、草が一面に生えていること。また、草を敷物とすること。「う...
くさ‐む・す【草生す/草産す】
[動サ五(四)]《「むす」は、生じる意》草が生える。草が生い茂る。「墓に—・す」「山行かば—・す屍(かばね)」〈万...
くさ‐むすび【草結び】
1 簡素な小屋を作って住むこと。「この山の遥かの麓に、—する女なるが」〈謡・身延〉 2 《草を結んで道しるべにした...
草(くさ)結(むす)・ぶ
1 草と草を結び合わせ、そこに霊魂をこめて、互いの心が永久に離れないように祈ったり、旅の安全・幸運などを願ったりす...
くさ‐むら【叢/草叢】
草が群がり生えている所。
くさめ【嚔】
1 くしゃみ。《季 冬》「つづけさまに—して威儀くづれけり/虚子」 2 くしゃみが出たときのまじないの言葉。くしゃ...
くさめいきゅう【草迷宮】
泉鏡花の小説。明治41年(1908)刊行。死んだ母親の面影を求めて旅をする青年の彷徨を描く。
くさ‐もち【草餅】
ゆでたヨモギの葉などをまぜてついた餅。雛祭りに供える。古くはハハコグサを用いた。蓬(よもぎ)餅。くさのもち。くさも...
くさもち‐の‐せっく【草餅の節句】
3月3日の節句。草餅を作って雛祭りに供えるところからいう。
くさ‐もの【臭物】
葱(ねぎ)・韮(にら)・蒜(ひる)などをいう女房詞。
くさ‐もの【草物】
生け花の花材で、草本や草花の総称。→木物(きもの)
くさ‐もみじ【草紅葉】
秋、草が紅葉すること。また、色づいた草。くさのもみじ。《季 秋》「—へくそかつらももみぢせり/鬼城」