ふゆ‐ざれ【冬ざれ】
草木が枯れはてて寂しい冬の風物のようす。また、そのような冬の季節。「—の野」《季 冬》「—や小鳥のあさる韮畠(にら...
ふゆ‐ざんしょう【冬山椒】
ミカン科の常緑低木。関西以西の山野に自生。枝にとげがあり、葉は羽状複葉。雌雄異株。夏、淡黄色の小花を総状につける。...
ふゆ‐しょうぐん【冬将軍】
《モスクワに遠征したナポレオンが、冬の寒さと雪が原因で敗れたところから》冬の厳しい寒さをいう語。また、寒くて厳しい...
ふゆ‐じたく【冬支度】
[名](スル)冬を迎える準備をすること。特に、衣類や暖房器具など。《季 秋》
ふゆそ‐でん【不輸租田】
律令制で、田租を免除された田。寺田・神田・職田(しきでん)など。→輸租田
ふゆ‐ぞら【冬空】
冬の空。寒々とした冬の空模様。《季 冬》「あはせたる手に—のひかりおつ/万太郎」
ふゆ‐た【冬田】
冬の田。冬の荒れ田。《季 冬》「家めぐる—の水の寒さかな/子規」
冬(ふゆ)立(た)・つ
暦の上で冬になる。立冬になる。《季 冬》「今日ぞ—・つ日なりけるもしるく」〈源・夕顔〉
ふゆ‐づた【冬蔦】
キヅタの別名。
ふゆ‐どし【冬年】
去年の冬。去年の暮れ。昨冬。「—二、三日わづらうて死んだが」〈浮・一代女・四〉
ふゆ‐どなり【冬隣】
まわりの景色や雰囲気から、冬の近づいた気配が感じられる晩秋のころ。《季 秋》「はしり火に茶棚のくらし—/蛇笏」
ふゆ‐どり【冬鳥】
秋に来て冬を越し、春に去る渡り鳥。日本ではシベリア方面から渡来するものが多い。ハクチョウ・カモ・ツル・ツグミなど。→夏鳥
ふゆ‐な【冬菜】
冬に出回る菜類の総称。白菜・京菜・唐菜(とうな)・小松菜など。《季 冬》「荒波の間近に蒔きし—かな/汀女」 [補説...
ふゆな【冬菜】
太田水穂の第四歌集。昭和2年(1927)刊行。
ふゆ‐の【冬野】
荒涼として、物寂しい冬枯れの野。《季 冬》「土までも枯れてかなしき—かな/几董」
ふゆのかたみに【冬のかたみに】
立原正秋の自伝的長編小説。昭和48年(1973)から昭和50年(1975)にかけて「新潮」誌に断続的に発表。単行本...
ふゆ‐の‐きゅうでん【冬の宮殿】
《Zimniy dvorets/Зимний дворец》⇒冬宮(とうきゅう)
ふゆ‐の‐じだい【冬の時代】
文化や産業などが低迷している状態。特に、一度隆盛をみたものが衰え、低調になるさま。「業界に—が訪れる」
ふゆのたび【冬の旅】
《原題、(ドイツ)Winterreise》シューベルトの歌曲集。1827年の作。W=ミュラーの詩に基づく。24曲か...
ふゆ‐の‐だいさんかく【冬の大三角】
《「冬の大三角形」とも》オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んでできる三角形。...
ふゆ‐の‐ダイヤモンド【冬のダイヤモンド】
おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリ...
ふゆ‐の‐だいろっかく【冬の大六角】
⇒冬のダイヤモンド
ふゆのはえ【冬の蠅】
梶井基次郎の短編小説。昭和3年(1928)「創作月刊」誌に発表。
ふゆ‐の‐はなわらび【冬の花蕨】
ハナヤスリ科の多年草。林内などで秋・冬にみられるシダ。根茎から1本の茎が伸び、栄養葉と胞子葉に分かれる。栄養葉は羽...
ふゆのひ【冬の日】
江戸前期の連句集。1冊。山本荷兮(やまもとかけい)編。貞享2年(1685)刊。芭蕉の指導のもとに尾張の蕉門が催した...
ふゆのほん【冬の本】
松浦寿輝の詩集。昭和62年(1987)刊。第18回高見順賞受賞。
ふゆのやど【冬の宿】
阿部知二の長編小説。昭和11年(1936)刊。昭和13年(1938)、豊田四郎監督により映画化。
ふゆのライオン【冬のライオン】
《原題、The Lion in Winter》 ジェームズ=ゴールドマンの戯曲。ヘンリー2世一族の複雑な人間関係を...
ふゆ‐ば【冬場】
冬のころ。冬の間。冬季。⇔夏場。
ふゆ‐ばおり【冬羽織】
冬に着る、袷(あわせ)や綿入れなどに仕立てた防寒用の羽織。《季 冬》「うれしさや着たり脱いだり—/鬼城」
ふゆ‐ばね【冬羽】
鳥の冬の羽。夏の終わりごろに換羽を行ったあとの羽。→夏羽
ふゆ‐ばれ【冬晴(れ)】
穏やかに晴れわたった冬の日。冬日和(びより)。《季 冬》「—や鵙(もず)がひとこゑだけ鳴いて/草城」
ふゆひこしゅう【冬彦集】
吉村冬彦の筆名で書かれた、寺田寅彦の随筆集。大正12年(1923)刊行。
ふゆ‐び【冬日】
1 冬の太陽。冬の日ざし。短い冬の1日。冬の日。《季 冬》「金輪際牛の笑はぬ—かな/蛇笏」 2 1日の最低気温がセ...
ふゆび【冬日】
日本画家、東山魁夷の作品。昭和14年(1939)、第1回日本画院展に出品し、日本画院賞第一席を受賞。
ふゆ‐びより【冬日和】
1 穏やかに晴れた冬の日。冬晴れ。《季 冬》 2 いかにも冬らしい空模様。
ふゆ‐ふく【冬服】
冬に着用する衣服。多く洋服にいう。《季 冬》「弱き身の—の肩とがりたる/立子」
ふゆ‐ふにゅう【不輸不入】
荘園で、国家の租税徴収権と国衙(こくが)からの検田使などの立入りを拒否する特権。のちに不入権は検非違使(けびいし)...
ふゆ‐ぼたん【冬牡丹】
1 「寒牡丹(かんぼたん)」に同じ。《季 冬》「—千鳥よ雪のほととぎす/芭蕉」 2 火のさかんにおこっているのを牡...
ふゆみず‐たんぼ【冬水田圃】
秋の収穫後から春の代掻きまでの間、水を張っておく田。冬期湛水(たんすい)水田。 [補説]菌類やイトミミズなどが増え...
ふゆ‐め【冬芽】
「とうが(冬芽)」に同じ。《季 冬》「飛騨(ひだ)人の培ふ桐の—かな/普羅」
ふゆ‐め・く【冬めく】
[動カ五(四)]冬らしくなる。「夜風が—・く」《季 冬》「口に袖あてゝゆく人—・けり/虚子」
ふゆ‐もの【冬物】
冬に用いるもの。特に冬用の衣料品。冬着。また、それに用いる布地。
ふゆ‐やさい【冬野菜】
冬に成熟する野菜。タマネギ・ニンジン・ダイコン・キャベツ・ハクサイ・ホウレンソウなど。→春野菜 →夏野菜 →秋野菜...
ふゆ‐やすみ【冬休み】
冬に仕事を休むこと。また、正月をはさんで学校が授業を休むこと。冬の休暇。《季 冬》「文鎮の鍔(つば)は厳(いか)し...
ふゆ‐やま【冬山】
1 草木が枯れたり、雪におおわれたりした冬の山。《季 冬》「—やどこまで上る郵便夫/水巴」 2 冬に登山の対象とな...