おもい‐かわ・す【思ひ交はす】
[動サ四]互いに心を通わす。「のうさんの君と言ひける人、浄蔵とはいとになう—・す仲なりけり」〈大和・六二〉
おもい‐がお【思ひ顔】
1 (多く「…とおもいがお」の形で)…と思っている顔つき。「いぎたなしと—にひきゆるがしたる」〈枕・二八〉 2 恋...
おもいがけ‐ず【思い掛けず】
[副]予期しなかったのに。思いがけなく。「—賞をもらう」
おもいがけ‐な・い【思い掛け無い】
[形][文]おもひがけな・し[ク]意外である。思ってもみない。予期しない。「—・いお客さま」
おもい‐がわ【思い川】
福岡県太宰府天満宮の付近を流れる、御笠川の上流。 思いが深く絶えることのないのを川にたとえていう語。「—たえず流る...
おもいがわ【思ひ川】
宇野浩二による長編小説。副題「あるいは夢みるやうな恋」。昭和23年(1948)「人間」誌に発表。第2回読売文学賞小...
おもいきっ‐た【思い切った】
[連体]ためらいを捨てて大胆であるさま。「—改革を実施する」
おもいきっ‐て【思い切って】
[副] 1 ためらう気持ちを振り切って物事をするさま。決心して。「—秘密を打ち明ける」 2 ためらうことなく物事を...
おもい‐き‐や【思いきや】
[連語]《動詞「おもう」の連用形+過去の助動詞「き」+係助詞「や」》 1 …と思ったところが意外にも。「直ったと—...
おもい‐き・ゆ【思ひ消ゆ】
[動ヤ下二]気持ちが沈んでしょんぼりする。「白雪の降りて積もれる山里は住む人さへや—・ゆらむ」〈古今・冬〉
おもい‐きり【思い切り】
[名]思い切ること。あきらめ。「—がいい」 [副]満足できるまでするさま。思う存分。「—遊びたい」
おもい‐き・る【思い切る】
[動ラ五(四)] 1 あきらめる。断念する。「画家になる夢を—・る」 2 決心する。覚悟する。「しばらく間を置いて...
おもい‐くずお・る【思ひ頽る】
[動ラ下二]気落ちする。落胆する。「山がつになりて、いたう—・れ侍りし年ごろの後」〈源・朝顔〉
おもい‐くた・す【思ひ腐す】
[動サ四]心の中でけなす。軽蔑する。「口惜しき品に—・し給ふとも」〈宇津保・俊蔭〉
おもい‐くだ・く【思ひ砕く】
[動カ四]あれこれと心を砕く。「降る雨のあしとも落つる涙かな細かにものを—・けば」〈詞花・雑上〉 [動カ下二]あれ...
おもい‐くっ・する【思い屈する】
[動サ変][文]おもひくっ・す[サ変]元気がなくなる。ふさぎ込む。「恋い煩ったり、—・したり」〈蘆花・思出の記〉
おもい‐くら・す【思い暮(ら)す】
[動サ五(四)]物思いにふけって日を過ごす。恋しく思いながら暮らす。「風が吹けば変る事と思い、…月に花に変る事と—...
おもい‐くら・べる【思い比べる】
[動バ下一][文]おもひくら・ぶ[バ下二]比較して考える。「昔と今を—・べる」
おもい‐くん・ず【思ひ屈ず】
[動サ変]「おもいくっす」の音変化。「今日を限りにおぼし捨てつるふるさとと—・じて」〈源・葵〉
おもい‐ぐさ【思い草】
1 ナンバンギセルの別名。《季 秋》「異草(ことくさ)にまぎれてかなし—/風生」 2 《物思いのときにのむもの、ま...
おもい‐ぐさ【思ひ種】
1 物思いのたね。心配のもと。「日を経つつ繁さはまさる—あふ言の葉のなどなかるらむ」〈千載・恋一〉 2 思う人。思...
おもいぐさ【思草】
佐佐木信綱の第1歌集。明治36年(1903)刊。
おもい‐ぐま【思ひ隈】
心が行き届くこと。相手への思いやりがあること。「—ありて、心くるしうものせさせ給ふべきなり」〈浜松・四〉
おもいぐま‐な・し【思ひ隈無し】
[形ク] 1 心が行き届かない。思慮分別が足りない。「—・く悪しうしたり」〈枕・一三六〉 2 相手の立場を考えない...
おもい‐ぐる・し【思ひ苦し】
[形シク]つらくせつない。心苦しい。「家の妹に物言はず来にて—・しも」〈万・三四八一〉
おもい‐け・つ【思ひ消つ】
[動タ四] 1 強いて思わないようにする。忘れようとする。「よろづの事すさびにこそあれ、と—・たれ給ふ」〈源・澪標...
おもい‐こ・う【思ひ恋ふ】
[動ハ上二]恋しく思う。恋い慕う。「心には火さへ燃えつつ—・ひ」〈万・四〇一一〉
おもい‐こが・れる【思い焦がれる】
[動ラ下一][文]おもひこが・る[ラ下二]いちずに恋しく思う。ひたすら恋い慕って悩む。「先輩に—・れる」
重(おも)い腰(こし)を上(あ)・げる
気が進まないことに、ようやく取りかかる。「—・げてためこんだ宿題に取り組む」
おもい‐こみ【思い込み】
深く信じこむこと。また、固く心に決めること。「—の強いやつ」
おもい‐こ・む【思い込む】
[動マ五(四)] 1 深く心に思う。固く心に決める。「—・んだら命がけ」 2 そうだと独り決めして信じてしまう。「...
おもい‐こ・む【思ひ籠む】
[動マ下二]思うことを心中に隠す。外に表さないで、心中に深く思う。「恋しきも—・めつつあるものを人に知らるる涙何な...
おもい‐ご【思ひ子】
かわいく思う子。いとしご。「父母の—にて」〈宇津保・俊蔭〉
おもい‐さだ・める【思い定める】
[動マ下一][文]おもひさだ・む[マ下二]心にしっかりと決める。固く決心する。「一生の伴侶と—・めた人」
おもい‐さま・す【思ひ醒ます】
[動サ四]気持ちを静める。迷いを捨て平常の心を取り戻す。「強ひてこのことを—・さむと思ふ方にて」〈源・若菜下〉
おもい‐ざし【思ひ差し】
この人と思う人に杯を差すこと。相手を指定して酒をつぐこと。また、その杯。「熊井や片岡に—せん」〈義経記・七〉
おもい‐しお・る【思ひ萎る】
[動ラ下二]気がめいる。しょげる。「むげに—・れて心細かりければ」〈源・帚木〉
おもい‐しずま・る【思ひ鎮まる】
[動ラ四] 1 心が落ち着く。気持ちがしずまる。「そのほど過ぎなば、世にあるべきと—・りて」〈浜松・四〉 2 もの...
おもい‐しず・む【思ひ沈む】
[動マ四]物思いに気持ちが沈む。気がふさぐ。「女はさらにもいはず—・みたり」〈源・明石〉
おもい‐しず・む【思ひ鎮む】
[動マ下二]心を落ち着かせる。「めづらしく御目おどろくことのなき程、—・め給ふなめり」〈源・澪標〉
おもい‐し・ぬ【思ひ死ぬ】
[動ナ変]思い続けて死ぬ。恋い焦がれて死ぬ。「言ふことの恐(かしこ)き国そ紅の色にな出でそ—・ぬとも」〈万・六八三〉
おもい‐し・む【思ひ染む】
[動マ四]心に深く思う。深く心に感じる。「いとあはれとものを—・みながら」〈源・桐壺〉 [動マ下二]「おも(思)い...
おもい‐しめ・る【思ひ湿る】
[動ラ四]悲しみに沈む。また、悲観的に考える。「常よりもいみじう—・り給へるけしきありさまの」〈浜松・五〉
おもい‐し・める【思い染める】
[動マ下一][文]おもひし・む[マ下二]深く心に染み込ませる。「眼早くそれを視(み)て取ッて、直ちに心に—・める」...
おもい‐しら・す【思い知らす】
[動サ五(四)]「思い知らせる」に同じ。「身のほどを—・してやる」 [動サ下二]「おもいしらせる」の文語形。
おもい‐しら・せる【思い知らせる】
[動サ下一][文]おもひしら・す[サ下二]相手に、身に染みてわからせる。なるほどと悟らせる。「力の違いを—・せる」
おもい‐し・る【思い知る】
[動ラ五(四)]ある物事を身に染みて理解する。なるほどと悟る。「火事の恐ろしさを—・る」
おもい‐じに【思ひ死に】
思い続けて死ぬこと。「—して悪霊となりにけるにや」〈愚管抄・四〉
おもい‐す・ぐ【思ひ過ぐ】
[動ガ上二]思う気持ちがなくなる。忘れる。「—・ぐべき君にあらなくに」〈万・四二二〉
おもい‐すぐ・す【思ひ過ぐす】
[動サ四] 1 心に留めず、そのまま過ごす。「かたじけなき方も、心苦しさも、なべての様に—・してやみぬべき心もせね...